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ノルウェー~豪華客船シリアラインと断崖絶壁フィヨルドの旅[2006年12月18日]

061218_9.JPG2000mを超える山々が林立し内陸部へ深く入り込んだ湾、それを眺めているだけで大自然の厳しさとそれと反比例しての美しさ・静けさ、そして人間の小ささを感じることができる。100万年もの前からゆっくりと時間をかけて造り出したフィヨルドは、まさに地球の残してくれた遺産の最高傑作と言えるだろう。
 今回の旅のルートは、ヘルシンキから入り「シリアライン」という6万トンクラスの豪華客船で1泊しストックホルムへその日の内に飛行機でオスロへ、オスロからは、風光明媚で有名な路線ベルゲン急行でヴォスという小さな街を目指す。フィヨルド観光の起点は、もちろんヴォスにし最後にベルゲンに抜けるというコースを考えた。

061218_10.JPG●まさに動く豪華ホテルの名を付けたくなるような「シリアライン・セレナーデ号」
 すっかり日も暮れたヘルシンキのオリンピアターミナルを17:00、定刻どおりに「セレナーデ号」は出航した。部屋の窓から見える暗闇の中をこうこうと照らしているオレンジ色の明かりが、これからはじまる船旅を暖かく見守ってくれているかの様だ。
 今回泊まる部屋は、シーサイドクラスという海側の部屋である。もちろん、シャワー・トイレ付き、ドライヤーまで付いている。部屋の広さは、ビジネスホテル程度だがベッドはふかふかである。船旅でしかも一人旅にしては、豪華である。そして、ターミナルから船内に入った瞬間にも驚きがある。7階から最上階(13階)まで吹き抜けになっており、珍しいことに下から天井を見上げても、迫力満点である。7階には、ショップ・レストランやカフェ・バー・子供用プレイルーム・カジノ、6階には、レストランはもちろんのこと広々とした免税ショップがある。12階には、サウナやジェットプール・ビューティーサロンがあり、13階に、夏には大変賑わうであろう展望バーがある。子供から大人までそして男性から女性まで長い夜を満喫出来ること間違いなしだ。私自身もカジノには行かなかったが、ショッピングを楽しんだり、バーでお酒を飲んだりして10時ぐらいまで部屋には戻らなかった。
 翌朝、遅い夜が明けかけた頃、朝食を済ませ展望デッキへ行ってみることにした。寒いこともあり誰もいないと思っていたが、5・6人の人とすれちがい日本人か中国人らしき人も展望デッキで外の景色を楽しんでいた。私もしばらく海を眺めていると、意外だなあと感じることがあった。船旅といえば大海原を荒々しい波を激しく打ち破って進んで行くイメージをもっていたのだが、シリアラインは内海で2万もの島を縫うように進んでいる。そして、島から100mも離れていないところを走向する瞬間は、シリアラインの見所のひとつではないだろうか。9:30、数々の思い出の余韻をのせたセレナーデ号は、ストックホルムに到着し船旅の終わりを迎えた。
061218_11.JPG●ノルウェー観光のハイライトにふさわしい自然美豊かなフィヨルド
 朝8:11発のベルゲン急行で約5時間半、ヴォスという小さな田舎町に到着した。ヴォスに着くまでの間も列車の窓からは、白く輝いた氷河やフィヨルドを望む事ができ、荒涼とした大地をただひた走る。フィンセ駅を過ぎたあたりからが一番標高が高く、ミルダール駅を過ぎるまで辺りは深い雪に覆われていた。
13;41ヴォスに到着、何とうれしい事に、空からは太陽が顔を出している。北欧に入ってから初めてみる太陽である。ヴォスの街は、こじんまりした街で、ヴァンダス湖という湖のほとりにあり対岸の山の頂からは夕日で輝きに満ちた氷河が顔を出している。冬は、スキー客で賑わい、夏は、フィヨルド観光の中継地になることはもちろん、釣りやカヌー・ハイキングなども楽しむことができる。私の泊まったフレイシャーズホテルは、サウナやプールなどの設備も充実しており、駅に隣接している。外観は、中世のお城の様な佇まいを成しており、館内はアンティーク調でまとめられ大きなシャンデリアの輝きが旅の演出に一役買っているかのようだ。1泊とはいわず、2・3泊滞在したいものである。
061218_12.JPG  翌朝10時、いよいよフィヨルド観光への出発である。ヴォスからバスでグドヴァンゲンへフェリーに乗り換えフロム、フロムからは、フロム鉄道という登山列車でミルダールそしてヴォスに戻るというコースである。
 バスは、しばらく街中を走り山道へと入る、最初は、単調な曲がり道が続き少し退屈、しかし途中からは、断崖絶壁の脇の細い道をすれすれにすすみスリル満点、乗客が「オーッ」と声をあげるほどだ。上を見上げると「おちてこないのかなー」って思うほど人間のおでこの様に氷河が突きだしてみえる。この時期は、少し残念なことに途中のスタンハイムというホテルに立ち寄らない。夏の時期は、ここで休憩をとり土産物を買ったり、まわりの景色を楽しんだりして過ごす。スタンハイムホテルのテラスからみるフィヨルドは、ガイドブックの写真に使われるほど素晴らしいと聞いていたからだ。
061218_13.JPG ということもあり、フェリーの出航時間より30分も前にバスはグドヴァンゲルに到着した。この町は、景色は、素晴らしいものの、想像していたのとは逆の、静かで少しの民家があるだけであった。散歩がてら写真を撮りながらフェリーに乗り込むと、乗組員さんに引き留められる。日本で前もって購入しおいたチケットに何やらクレームを付けているようだ。言葉が全く理解できないのでこのまま乗せてもらえないのかと不安に感じている時に、ちょうど日本人団体客の添乗員さんの助け船が、ノルウェー語か英語か解らないがペラペラで私の言うことを通訳してくれた。乗組員さんも納得してくれたらしく一応チケットのコピーを撮られ無事乗船出来た。ちょっと余談ですが、この小さなフェリーの中にコピー機があるのかなあと不思議に思いながら、フェリーは、フロムの町を目指し、11:30出航した。約2時間の船旅である。
061218_14.JPG フィヨルドは、列記とした海であり、川のような流れがほとんどなく、静まりかえっている。しかしながら、フェリーが出航したとたん向かい風を肌から感じ400m以上はあるV字・U字の断崖が目の前に迫ってくる様で、荒々しく感じられるようになるのがとても不思議だ。
 フェリーは、最奥部の観光のハイライトである世界遺産に登録されたネーロイフィヨルド・フロムの町から近くのアウランフィヨルドへと進む。途中、崖の上に一件の小さな小屋が見える。今は使っていない牧場らしく、まわりには、道らしき道がない、乗客からは、「どうやってあそこまで行くんやろう?」との大阪弁が、私も同じことを思いながら、日本語の館内説明を聞いているとはしごを組み立てて登ったという案内が、「なにもあんなところに」と乗客のほとんどが思ったことだろう。
061218_15.JPG もうすぐフロムの町に着く頃から、雨がはげしくなり仕方なしに船内のカフェテリアでコーヒーを飲むことにした。船上にいて冷え切った体には、ほっとする瞬間だ。フロムの町は、グドヴァンゲルと違い、みやげ物屋・レストラン・ホテルも整っておりここで滞在する人も多いらしい。茶褐色の山小屋風フロム駅は、山岳地帯の駅にふさわしくまわりのフィヨルドの風景に自然に溶け込んでいる。さながら、アメリカの西部劇のワンシーンにでも使われそうな風景だ。
 15:40、フロム鉄道は、登山列車らしい山吹色の車体をゆっくりゆっくりと揺らしながら、日も暮れかけたフロム駅をミルダール駅に向けて出発した。しばらく、渓流沿いの風景が楽しめ今の時期は、雪景色とのコントラストが素晴らしい。フロムの町は、海抜0mで標高の高いミルダール駅を一気に駆け上がる。だんだん雪深くなるのもうなずける。途中に、ショース滝駅に5分ほど停車する。列車を降りるとすぐに白いカーテンを九十九折りにしたようなショース滝が見える。鉄道ファンならずとも憧れのフロム鉄道最大のハイライトである。私の旅したソグネフィヨルドは、時間調整も良く、ベルゲンから日帰りも出来、お薦めである。しかし、時間に余裕があるなら、ヴォスやフロムその他の小さな町に滞在するのも良いだろう。
061218_16.JPG●もう一つの旅の楽しみ方が味わえるノルウェー
ノルウェーは、フィヨルドはもちろんのこと、世界遺産に登録されたブリッケン地区のあるベルゲン・ヨーロッパ最北端のノールカップ・世界でもっとも美しい場所のひとつといわれる島ロフォーテン諸島・数々の氷河など見所は、たくさんある。しかし移動手段そのものにも見所があり楽しめる。接続性・利便性を重視したダイヤが組まれ、冬になると本数は、少なくなるものの年中を通じて観光がしやすく、いくつもの中継地点をつなぐ沿岸急行線がその例である。しかしそれは、自然を大切にし無駄な開発は、極力避けるという北欧の民族性が数々の観光資源を残してきたからであろうと思いつつ、帰りの飛行機の窓から見えるフィヨルド風景を眺めながらこの旅を終えた。


            (旅行期間:2006年11月15~22日    8日間     赤崎新一)


 


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