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地上4000メートルの聖なる土地 チベットへ ~中国~[2010年11月10日]

以前より興味はあったけど、いつかいけるだろうといつも後回しにしていたチベット。今回そのチベットへ研修で行くことになりました。成都から飛行機でラサへ入り、車でシガツェ、ギャンツェのお寺や湖などを見ながら5泊6日でまわりました。見たこともないような色の湖や鮮やかな色彩のお寺、にぎやかなでいろとりどりのアクセサリーを売るマーケットなどなど、チベットはいたるところカラフルな色にあふれたところでした。

ラサ市街

中国の成都から飛行機を利用してチベット自治区のラサへ入りました。ラサ行きの飛行機に乗るためには中国で取得した入境許可証が必要。個人での取得はできないため、日程表をもとにチベットにある旅行会社が旅行者にかわって取得します。この入境許可証がけっこうクセもので、この許可証には旅行者の宿泊ホテルから車で移動するルートにいたるまで記載があるので、現地で急に思い立って別の街や観光地に行くことはできません。(実際のところはできるそうですが、観光局に許可証の日程を変更する申請をしなくてはなりません。時間がかかります)チベットの中で行きたいところがあれば、事前に日程に含めた上で出発されることをおすすめします。

ラサまでは飛行機で約2時間、窓から手に届きそうなくらい近くに山々が迫ってきたら到着です。高度は3,600メートル。富士山より少し低いくらいのところです。日本のような低地に住んでいる人なら、空気の薄さを感じるはずです。空港でコンベヤーから出てきたスーツケースを持ち上げるだけで息が上がります。研修1日目は高度順応のため、空港からホテルへ移動しておしまい。この高度に慣れるためには何もしないのが一番です。

2日目はひどい頭痛で4時ころ目が覚めました。2日目から最終日まで毎日この頭痛が目覚ましになるとは思いもしませんでしたが、やっぱり自然には勝てません!気分転換にマラソンしてこようかとかお風呂につかってみようかとか考えてしまうのですが、これは厳禁です。この頭痛、頭痛薬を飲んで深呼吸を繰り返せば少しは楽になります。個人差があるようですが、ガイドさんが言うには病院などに行かないといけないような高山病になるお客様はほとんどいないそうなので、心配しすぎるのもかえってよくないかもしれません。高山病だからといって寝るのもよくないそうで、観光にでていっぱい息を吸って、栄養をたくさんとるのが一番のようです。日中は観光をしているせいか、あまり高山病のことは気になりませんでした。

この日はラサから300キロほど離れたシガツェへ移動しました。10月も半ば、今年は少し
季節が早いそうですが、紅葉がきれいな道路を走ります。ツアーのハイライトのヤムドゥク湖の周辺はもう小雪の舞う季節です。今年は季節が少し早いそうで、今回幸運にも紅葉と雪景色のチベットをみることができました。ヤムドゥク湖では30分ほど休憩をかねて立ち寄りました。現地手配会社から受け取る回答書に、ヤムドゥ湖について「トルコ石色の景色は天下一品です」という記載があります。本当ににトルコ石色をしてるのか・・・と常々疑わしく思っていたのですが、ほんとにトルコ石の色の湖でした。晴れていても曇っていてもトルコ石の色をしていることに驚きました。
シガツェに到着したのは午後4時ころ。朝8時にラサを出発して300キロを7時間。時間かかりすぎ!と思うのですが、ここがチベット旅行でのポイントです。シガツェまでの道には途中5箇所くらい検問があり、旅行者の乗っている車の通過時刻が決められています。これは2007年ころから旅行者の乗るバスがスピードの出しすぎによる死亡事故が多くなったためだそうです。交通警察が厳しく取り締まっていて、数分早くても通過は不可能です。海外旅行でドライバーさんがとんでもないスピードで運転するという話、よくありますがチベットは安全運転です。

到着したら早速タシルンポ寺の観光です。敷地内にはたくさんの宮殿があり、迷路のような中を歩きます。寺の街を歩いているような感じでした。そのうち主要なものはパンチェンラマを祭る4つの建物です。どのお寺でも僧侶が熱心に掃除をしたり信者がお祈りをしているのをみてチベット仏教というものがチベットの人々にとっての生活の一部であることを実感しました。

夜はホテルのすぐ横にあるスーパーマーケットを物色。特に珍しいものはなく、四川省など近隣の町からのものがほとんどでした。チベットには食品メーカーなどの大きな工場はないと聞いたので、そのせいかもしれませんが、遠くから運ばれてきていることもあって、売られているものは若干高めです。チベット産のものは朝早くからやっている自由市場にありました。アクセサリーなどの産地はおそらく中国本土か、インドあたりかと思われますが、野菜などは地元産です。背負ってきたと思われる小さなかご1つにチーズや野菜、生肉がいろいろ入って、たくさんの人が同じものを売っています。おとなり同士で同じものを売って競争にならないのでしょうか。心配になります。

3日目はシガツェから100キロほど離れたギャンツェに移動します。ここまでも2時間かけてゆっくりゆっくり移動します。歩いて白居寺を訪問します。すぐ横にはギャンツェゾンがありますが、現在その中には何もなく外からみるだけとなっています。白居寺ではたくさんのチベット人が巡礼にやってきていました。大きな仏塔の中には108のお釈迦様や仏像があります。全部見るなら6階まで階段を上らなくてはなりません。上まで登ればギャンツェの景色が一望できるのに、全部のお釈迦様を拝むことができるのに・・・高度4,100メートルのギャンツェではさすがに息が切れてのぼれませんでした。この旅で一番残念だったことのひとつです。

ギャンツェではチベットの名産のヤクの肉を食べました。味や色は牛肉に近い感じです。日本人の口にも合うと思います。このあたりでは焼き飯や麺、野菜炒めなどの中にたくさん使われます。参考までにヤムドゥク湖ではこのヤクに乗って写真を撮ることもできます。(有料です。交渉により値段が決まります。)

4日目はラサからギャンツェへ移動した道をなぞり、ラサへ戻ります。ここでのハイライトはカローラ氷河と峠。ここは今回のツアー中の海抜最高地点で約5,200メートルで、このあたりを車から降りて歩くだけで心臓がどきどきしてきます。ここに15分もいたら、普通の人ならすぐに頭が痛くなってくるとのこと。羊を抱いたチベットのおばあちゃんは私に写真をとってもらいたくて、こちらへ突っ走ってきましたが、息も切らさずさすがです。行きは濃い霧で何も見えなかったので、帰り道にかなりの期待をしていたのですが、あいにく帰りは雪のためみることはできませんでした。この氷河がきれいに見られることは年間を通じてもそれほど多くないそうです。

こういった高度の高いところにはチベット仏教お祈りの書かれたルンタと言われるいろとりどりの経文旗がはためいています。このカローラ峠と氷河にもありました。天に一番近いから祈りが届くと信じて、みんなが結んでいっていつしか鉄塔は鉄塔であることがわからなくなるくらいのルンタでいっぱいになっていました。(写真参照)私もこの先の旅の安全を祈って、この場所をあとにしました。

ラサのスタンダードクラスのホテル

さてチベットでのホテル事情ですが、シガツェやギャンツェでは選択ができるほどのホテルはありません。弊社で通常利用する宿泊ホテルはその街の中で一番いいとされるところです。正直なところほんとに質素で飾り気のないホテルですが、水周りなど全体的には清潔で快適に過ごせるホテルです。むかーし理科の授業で勉強したことをいまさら思い出したのですが、高度が4,000メートルにもなるとお湯の沸点は80度です。平地より20度も違います。熱々のお湯がでにくいところも問題かもしれません。自然の力には勝てません。どんなクラスのホテルでもここだけは仕方がないので、あきらめましょう。
この4日目はラサに戻ってラサの5つ星ホテルをいくつか視察しました。この4日目はラサに戻ってラサの5つ星ホテルをいくつか視察しました。

新鼎飯店は2005年にオープンしたホテルです。インターネットや酸素ボンベまで設置されています。若干の追加費用が必要ですがポタラ宮が見えるお部屋もあり、チベットにきたことを実感できるようなそんなホテルです。

フォーポインツシェラトンの入り口

フォーポインツシェラトンは2007年オープン。低層で外観はチベットの人の家のような建物です。周囲に溶け込んでうっかりするととおりすぎてしまいそうです。ホテルの中は中庭があったり、お部屋は薄型テレビに現代的なインテリアでシェラトンらしい雰囲気です。乾燥しているチベットではありがたい加湿器なんかもあったりして、いたれりつくせりのサービスが期待できます。
余談になりますが、11月にはセントレジスがオープンするそうです。ラサで一番の高級ホテルとなります。現地の業界で飛び交う噂では1泊1ルームで4万円以上とか・・・。世界各地にラグジュアリーなホテルを展開するセントレジスです。どんなホテルなのか気になります。

5日目はお待ちかねのポタラ宮観光です。現在、ポタラ宮へは入場にはガイドの同行が必要です。また事前の入場予約が必要で、かつ4月から10月までのシーズン中は内部の見学時間は決められた1時間に限定されています。
10月末のポタラ宮は観光客よりもアムドや中国の各地からやってくる巡礼者でいっぱいでした。彼らの中には家畜や宝石などを売り、ポタラ宮までくる人たちもいるそうです。一生に一度はポタラ宮を巡礼するということがチベットの人たちの夢だそうです。ポタラ宮はチベット仏教の本山のようなところ。そういえば以前行ったブータンの人もそんなことを言っていました。みんなこの日のためにおしゃれをして、内部の神殿にむかって一生懸命お祈りをしながら入り口に向かっていたのが印象的でした。

ポタラ宮への入場予約

09:40の入場予約がされているため、1時間前にはポタラ宮の敷地内へ入ります。中に入って間近に見るポタラ宮は美しい!外観の写真撮影ができるポイントもたくさんあります。入場予約時刻と入場1時間以内という時間のカウントはメインの宮殿、白宮に入った時点からスタート。神様、お坊さん、修行僧などなどチベット仏教にかかわった多くの人たちが祭られています。宮殿の中には多数の祭壇があるので、1時間の制限の中で駆け足で見ることになります。願わくば・・・もう少しというのが本音ですが、文化財保護のため、また信者の方たちのお邪魔にならないため仕方がありません。中は写真撮影も禁止されており、その美しさをうまくお伝えできませんのでぜひラサに行かれた際にはポタラ宮に入られることをおすすめいたします。ポタラ宮は外から見る以上に内部は繊細でした。そしてあちこちにバターランプといわれるろうそくが灯っていて、金ぴかの糸で織られた織物や黄金の祭壇など、神秘的で美しいところでした。

青蔵鉄道が開通した時期はその列車コースの予約が入るたび、席がとれるかいつもひやひや・・・そんな時期もありましたが、2008年の暴動でチベットへ行かれるお客様はぐっと少なくなってしまった気がします。「中国の一部」であることからいろいろな面で不安定な状況が続いていましたが、やはり現地では観光収入が頼りの部分も多くあるようで、街中にはいたるところで公安が拳銃を持って立っていたり、交通警察が道路で取り締まったりと警備がしっかりとされ観光客が守られているなという感じがしました。警備のかいあって最近では治安もすっかり落ち着いています。
チベットは街も景色もお寺も本当に「色」が美しいところです。金色のいちょう並木を通りました。ヤムドゥク湖では見たこともない青さに感動しました。お寺にはいろとりどりの無数のルンタがかけられていました。ここの自然はまた季節がかわれば、その季節だけの色を私たちに見せるのだと思います。チベットはまた冬に、また夏に、同じこの場所に立ってみたいと思わせるところでした。「極彩色」という言葉がぴったりのチベットへぜひおでかけください。

2010年10月 吉木

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