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ヒマラヤらくらくハイキングと「はなのいえ」<ネパール>[2011年12月03日]

山は好きだが、「山ガール」と呼ばれるほどの知識も経験もない。おまけに高山病の不安もある。
でも、一生に一度はヒマラヤを見てみたい。そんな私がドキドキしながらも旅立ったのは、観光シーズンに入ったネパール。
当初の不安は杞憂にすぎず、素晴らしい景色と優しい人々に癒され、感動的な旅となった。

11月6日 1日目
成田から香港で乗り継ぎ、ダッカを経由してようやくカトマンズ空港に到着。
空港でビザを取得し、外へ出る。
空港から市内のホテルまでは約15分。深夜のため、道路にはほとんど人がいないが、日中の到着だと混んでいて、空港から市内のホテルまでは45分ほどかかるそう。
ようやく到着したホテルのシャワーはなんだかぬるく、ちょっと不安。。。

11月7日 2日目
7時朝食、8時出発の予定であったが、ぎりぎりの目覚め。急いで準備を進める。昨日はぬるく感じたお湯が、今日は熱い!どうも時間によるようだ。せっかくなので熱いお湯でシャワーをしたいが時間がなくて残念!!
慌てて朝食を済ませ、ロビーへ行くと、すでにドライバーさんが待っていてくれた。今日はドライバーさんと二人でチトワン国立公園へ向かうことになっている。
カトマンズの町は、昨夜の静かな風景とは一転、とても賑やかだった。道にはたくさんの牛。ネパール人の多くが信仰するヒンズー教では、牛はとっても神聖な動物のため、旅行中、いろんなところで出会うことができる。

チトワンへは休憩を含め、5-6時間、お昼すぎにはホテルに到着。
昼食後、今日一番の楽しみである、象のサファリへ早速出発。
宿泊するナラヤンサファリには象がいる。そのため、象のサファリではホテルの裏から象に直接乗ることができる。

早速乗せてもらう。大きな背中とはいえ、揺れて落ちないか心配。

私にとっては初めてのサファリ。サファリというと、アフリカに代表される、大草原を車で走りぬけるイメージが強いが、このチトワン国立公園では、木や草の生い茂る森林の中を象で歩き、動物を探すことができるのである。
ホテルは公園からラプティ川をはさんで対岸にある。象はホテルから川へ向かって歩く。しかし、どこを見ても橋が見当たらない。どうするのかなーと思っていると、象はそのまま川に直進!なんと、この川を歩いて渡るというのだ。

それほど流れが急ではないものの、川である。足いっぱい水につかる象が、倒れないか心配で、象に強くしがみついた。

公園に到着後、ジャングルの中を1時間ほど進んだが何も見られなかった。段々と日没も近付く。少々残念に思っていたところで、ガイドさんが鹿がいると教えてくれた。なんとか遠くに見つけてカメラを構えるが、鹿が気づくほうが素早く、既にお尻を向けて走り出していた。なんとか撮った写真がこれだ。

それからもしばらく進んだがやはり見えない。もうタイムリミットかなと半ば諦めかけていると、川の中に動物がいる、とガイドさんが教えてくれた。見るとそこには、ゆっくりと水に浸かるサイがいた!!

堂々としていて、想像よりも大きい。近づいても逃げる気配がない。なんだかすごくかわいい。

満足してサファリを終えた。チトワンには、ほかにもトラ、ヒョウ、ワニ、ゾウ、イルカ等がいるという。たくさん動物が見たいなら、時期は2-3月頃がいいようだ。

チトワン近郊のホテルでは、グループごとにスケジュールが決まっていることが多い。自分のスケジュールをみて行動することになっている。
さらに、注意が必要なのがこれだ。

この日お湯が出るのは17:30-18:30からの1時間のみ。この時間にシャワーをしなければ、水になるのだ。急いでシャワーの準備をしていると、突然部屋が真っ暗になる。外を見ても真っ暗。そうだ、停電の国なのだ。運良く10分ほどで明かりが戻ったが、ネパールは水力発電が多いため、水が少なくなる乾季は特に停電しやすいという。

11月8日 3日目
朝食後、散歩とカヌー体験のプログラム。ホテル近くの村を歩くと、牛や豚、鶏が餌を食べ、人々は外で髪を洗っていたり、洗濯をしていたり、料理をしていたり。かわいい子供たちもいっぱい。

どの国でも田舎が好きな私だが、ネパールのいなかは、異国というより、懐かしさが込み上げる、故郷に近いものを感じた。

1時間半ほど歩くと川へ出た。ここはチトワン国立公園に隣接するラプティ川。大人一人分ほどの幅のカヌーに乗り込む。

7人も乗ったせいかカヌーは深く沈んで、水面がかなり近い。流れの緩やかな川で、ゆっくり、ゆっくりと安定してカヌーが進んでいく。

途中、チトワン国立公園の木々にはたくさんの猿たち。餌を食べているのか、遊んでいるのか、なんだかにぎやかに、忙しく動き回っていた。

さらにしばらく進むと、スタッフが「サイがいるよ」と教えてくれた。カヌーを近くにとめて、公園に上陸。すると、遠く草むらの中に1頭のサイがいた。

ちょっと遠かったものの、その姿は堂々としていた。

ホテルに戻り、すぐにポカラへ向かった。いよいよヒマラヤに近付くのだ。
ポカラは晴天。到着してすぐ、目の前に雄大な山々がそびえていることに驚いた。
夕方、夕暮れ時が美しいという、フェワ湖でボートに乗る。
ボートに乗ってすぐに見えるのはアンナプルナ連峰の美しい姿。

ボートで進むうち、だんだんと日が傾く。それと同時に、山は少しずつ、うっすらオレンジ色に染まってきた。白い山々がオレンジ色に染まる姿は本当に美しい。

11月9日 4日目
8:45頃ホテル発。荷物をポカラのホテルに預け、ヒマラヤハイキングへ向かった。
ポカラから約1時間でカーレに到着。ここからヒマラヤハイキングスタート。
心配していたハイキングだったが、途中、少しきつい坂があるものの、全く苦にならない。

村々をすぎ、上を目指す。

カーレ出発から約1時間、10:45頃にオーストラリアンキャンプに到着。
既に汗で身体中びっしょり。ここはレストランとホテルになっていて、登山家たちが少し休息を取るところ。このあたりから見えるアンナプルナ連峰の山々が本当に美しい!

アンナプルナ連峰の山々の中でも、独特の形で印象的なのがマチャプチャレ(6,993m)。

他の山よりも標高は低いが近くにあるので大きく見える。しかし、マタプチャレは未だかつて誰も登頂したことがないそうだ。以前、登頂が試みられたものの、その崩れやすい地質と急で危険な斜面のため成功せず、現在は政府が入山を禁じているという。
オーストリアンキャンプで休憩したあと、さらに1時間ほど歩くとダンプスに到着する。
ダンプスでは、アンナプルナ連峰のほか、遠くダウラギリという山を見ることができるのだ。

ダンプスで昼食後、アスタムという村へ向かう。目的地は自然農場型リゾート「はなのいえ」。このはなのいえに2泊することになっている。
到着してすぐ、私はこの「はなのいえ」が大好きになった。
はなのいえがあるアスタムは、ポカラから約15㎞北西にあり、アンナプルナ連峰が見渡せる丘にある。

はなのいえは自然農場。稲は既に収穫されていたが、畑にはたくさんの野菜、果物、花があふれる。キウイ・モモ・バナナなどの存在感のある果物から、チンゲン菜、カリフラワー、ネギ、にんにく、唐辛子、しそ、なす、ゴーヤ、人参、大根、ジャガイモなどなど、本当にたくさん育っている。

驚くのは、いろいろな野菜が同じ畑に植えられていること。有機農業のため、虫がつかないよう、また、畑を耕し、栄養が行き届くよう、工夫されているとのこと。

はなのいえでは養蜂もしているので、畑や庭を散歩していると、たくさんの蜂に出会う。

蜂が苦手な人は最初戸惑うであろう。私も最初は「どうしよう、黒い服着てると襲われやすいって聞くし着替えようかな。」などと、不安になっていた。しかし、心配は全く無用であった。蜂は美しい花々の蜜を集めるのに必死で、私のことなど全く気にしていないのだ。

また、蜂はとても農薬に弱いという。そのため、蜂がこれだけ元気に飛び回っているということは、畑に農薬がなく畑も元気な証。蜂はバロメーターでもあるようだ。

18:00前、日が沈む前に五右衛門風呂に入りたいとお願いし、シャンプーを作ってもらった。はなのいえでは石油製品は使わない。そのため、ゲストのシャンプーもお風呂に入る直前に手作りで作ってくれるのだ。ハーブの良い香りがするシャンプーは泡立たないがすっきり洗える。

<写真:A0872>
五右衛門風呂はちょっと深めで、座るとなんとか首が出て山が望める。小学校の時以来の五右衛門風呂!こんなところで体験できるとは!
入浴後、食前酒として、ロクシーというお酒を振舞ってくれた。ひえでできた地元のお酒で、日本酒に似ているが、これが大変強い。

19:00 待ちに待った夕食。この日は日本食。噂には聞いていたが、大変すばらしい内容!メインは本格的なとんかつ、米は日本の米、漬物、おひたし、きちんと出汁をとった味噌汁など、見た目が大変美しく、バランスもとても良いものばかり。そして味も本当にすばらしい。

料理の指揮をとっているマネージャーさんは、ポカラで日本食を学んだ後、実際に日本で勉強したという本格的な味であった。

夕食後、部屋に帰ろうと外に出ると、昼の暖かさとは一転、寒くなっていた。するとスタッフに呼び止められた。待っていると、なんと、湯たんぽを持ってきてくれた!このヒマラヤの麓で湯たんぽが借りられるなんて、驚いた。
そして部屋(コテージ)に帰ろうとすると、おじさんが懐中電灯で足元を照らしながら横を歩いてくれた。施設の素晴らしさはもちろん、この温かいおもてなしの心が、はなのいえの魅力なのだ。
湯たんぽのぬくもりを感じながら、10時前には就寝。

11月10日 5日目
6:00-6:30頃と言われていた日の出が見たくて、5:00に起きた。
準備を済ませ。6:00に外へ出た。うっすら明るくなるとともに、鳥のさえずりが聞こえ始める。
太陽が顔を出す前、周りが徐々に明るくなっている。

今か今かと待ちわびていたが、15分も経つと、身体が冷えてきた。それでも日の出が見たくて耐えていると、スタッフが温かい紅茶を持ってきてくれた。
この朝日を見ながらの紅茶が、この旅で一番おいしい紅茶となった。

6:30 日の出を見た後、はなのいえのプログラムの一つ、アスタム村の散歩に出かけた。山の上にある小学校と中学校が目的地。朝の光に照らされる山々と木々、草、早朝から働く人、行きかう人との挨拶。

とても穏やかな時間が流れる。学校の校庭からはこんな風景が広がる。

朝食後、キッチンではろうそく作りが行われていたので、少しだけ手伝わせてもらった。紐にろうをつけては冷ます、という作業を100回ほど繰り返すそうだ。ろうそく作りは少し時間のあるときに行う。

はなのいえのプログラムは実にさまざまで、季節によって異なる。それは、季節によって収穫できるものも作業も異なるためだ。そのため、何度訪れても違った楽しみが味わえるのも魅力だ。

12:30 昼食「幕の内弁当」
こんなにレベルの高い幕の内弁当は食べたことがない、と言っても過言ではないだろう。

彩りも味も素晴らしい。

夕方、水牛の乳搾りへ。現在、はなのいえには2頭の水牛と、数頭のヤギがいる。水牛はヨーグルトやバターの原料のほか、糞は畑の肥料となる。ヤギも糞が肥料になるほか、子ヤギは町に売り、現金収入になるそうだ。ちなみに、鶏や卵、魚は村から買ってくる。
まずおじさんが低い椅子に腰掛け、乳搾りを始める。思ったより簡単そう。

早速、おじさんに教わりながらやってみる。しかし、なかなか出ない。おじさんがが手を貸してくれる。するとようやく出た!嬉しがっているとすぐ終わってしまう。おじさんのような勢いがない。

何度かさせてもらった後、おじさんの作業を見学していると、あっという間にバケツいっぱいのミルクがとれた。これをキッチンに運ぶ

日が暮れると、満月が顔を出した。素晴らしい日の出を見た日に、今度は満月が見られるなんて、なんていい日!
満月に照らされるアンナプルナ連峰もまた、素晴らしかった。

11月11日 6日目
この日の朝食も日本食。おいしい焼きおにぎりである。

出発までゆっくり過ごした後、大好きになったはなのいえを出て、ポカラへ向かった。
ポカラはアスタムに比べると人が多く賑やかだが、それでもカトマンズよりはずっとのんびりしているので、ゆっくりお土産を選ぶならポカラがお勧めだ。
レイクサイドと呼ばれるフェワ湖沿いには、たくさんのレストラン、トレッキング用品店や土産物屋が並んでいる。

ハンドメイドのフェルト製品もとってもかわいい。

11月12日 7日目
午前に予定していた飛行機が天候の影響で2時間半遅れたものの、なんとかカトマンズに到着。
到着後、ガイドさんに会い、ダルバール広場へ。
16:00 クマリの館へ到着。現在のクマリは5歳のときから、7歳の現在までクマリ。祭りのとき以外は外に出ることもなく過ごすそうだが、この日は少しだけ顔をみることができた。
18:00頃 ホームステイ先のお宅に到着。
早速、食事の準備が始まった。豆のスープ。マッシュルームと野菜の炒め物。おくらとポテトの炒め物。ブロッコリーの炒め物。チキンの煮物など。まぜたり、味付けをしたりするのを手伝わせてもらった。

よく、インドやネパールの料理はスパイスの味でどれも似たような味に感じる、といった話をきく。実際に私も味付けの違いを知らなかったのだが、家庭料理で使用するスパイスはどの料理も同じものであった。6種類ほどのスパイスが常備してあり、野菜や肉、料理や食べる人によって分量を変えているのだ。化学調味料を使わないものが多いので、健康的な気がした。

11月13日 8日目
いよいよ最終日。駆け足の旅も今日で終わり。
朝食はお母さんと一緒にプーリを作った。

小麦粉を練って油で揚げたサクサクパンである。

次回は私が料理を作ります!と家族に宣言し、ホームステイ先を出発した。

大自然も、人々も、文化も、全てが新しく、衝撃的なネパールの旅が終わった。
またきっとここに帰ろう、心に誓った。


2011年11月 西田

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