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ポーランド・マォポロスカ地方とチェコ・南ボヘミア地方 男一人で古城ホテルを巡る・泊まる・贅沢な旅[2013年06月06日]

ツアーの視察のためにポーランドのマォポロスカ地方とチェコ・南ボヘミア地方へ、
1泊おきに城に泊まるという贅沢な一人旅をしました。

<クリチクフ城とクションシュ城>
ワルシャワ中央駅から朝早い列車に乗って出発。クションシュ城を目指し、まず途中のヴロツワフ駅まで
約6時間をかけて到着。列車を降りてそこから専用車でおよそ90分、クリチクフ城へ。
この城は陶器で注目を集めている都市、ボレスワヴィエツの北西およそ12キロに位置していて
700年以上の歴史を誇る。現在は主にホテルとして使われている。

客室とレストラン、さらにはスパなどの施設も充実しており、今と昔がうまく混ざり合った独特のホテル。
シングルでも1泊300ズオッティ(約9,000円)。価格の割にとても優雅な気分を味わえると思う。

クリチクフ城から車で2時間、今晩泊まりのクションシュ城へ。こちらの方がいわゆる”お城”といった感じがする。
この城はポーランドで3番目に大きい城。こちらも歴史が古く13世紀後半にまで遡る。ピンク色の外壁が印象的なスタイル。勝手な想像だがフロリダのディズニーワールドにあるホテルスワンとドルフィンはこの城をモチーフにしているのではないか?

ガイドブックで予習した写真からもある程度想像できたが森の中にひっそり佇む姿がとても美しい。
スケジュールの関係で城内観光ができなかったが、外観だけでも見る価値は十分あると思う。
間近からでなく、敷地を出て森の中をちょっと散歩して距離を置いて見るのがいいと思い、
レセプションでポイントを教えてもらい、さっそく出てみることに。
小雨が降りしきる中、絶景ポイントを探してさまようこと30分、ようやく森の中から姿をとらえた瞬間は
少し鳥肌が立った。雨天の夕暮れ時で、やや不気味にも感じるが漫画や映画などで描かれる”幽霊城”のような幻想的なシーンのイメージと重なり、しばらく見とれてしまった。

その反面、ホテルはちょっとがっかり。城内にはホテルが3つあってまずチェックインで迷ってしまった。私が泊まったのはBRAMIFEホテル。3つのホテルは城の使用人が住み込みで暮らしていた部屋を客室として使っている。
部屋そのものは普通のホテルと変わらない、どちらかというと狭く、鍵の使い勝手も悪い。全体の雰囲気も普通かなと感じる。人それぞれ好みかと思うがお城のホテルという期待はやや外れた。

でも、食事はとても美味しい。おすすめはスープ。ロスウマカロネン

ラーメンのような麺が入っていて美味。ただし英語メニューもなく、ポーランド語しか通じないのでオーダーに苦労する。

<ヴロツワフ 妖精像を探し求めて>
クションシュ城からタクシーで10分、シヴィエポドズィツェ駅へ。改札もなければホームもない、まさに田舎の駅。
待っている客は私だけでとても淋しい。本当に列車は来るのかと不安になったが一応(?)時間通りに列車はやってきた。

ホームがないので線路を跨いで乗車。およそ1時間でポーランド南西部の中心都市のヴロツワフへ。
駅のコインロッカーに荷物を預けて早速市内へ出てみる。午後の列車でクラクフへ行かなければならないため制限時間は約4時間しかない。主な目的は妖精像の写真を撮ること。旧市街へは駅から歩いておよそ10分だが、早速途中で妖精の像が。注意して歩かないとうっかり見落としてしまいそうなサイズだ。

1体でも多く取るつもりで来たので広場の観光案内所で妖精棲息の地図を6ズォッティで購入。
効率よく探すのに頼りになる武器を手に妖精探しを続行する。次から次へと見つかる毎に楽しくなっていく。郵便配達、バイク乗り、楽器奏者と音楽好き、岩運びなど様々なキャラクターが棲息している。

あいにくの雨に傘で片手がふさがる、レンズが濡れるなどの悪条件にもめげず、また4時間という制限時間の中、
ひたすら妖精を探し回る。焦りも多少あるがこれが意外にハマる。発見した時の喜び、さらにそれが買った地図やガイドブックに出ていないと密かに快感が増す。
もちろんこのヴロツワフは妖精だけではない。広場はカラフルな建物が並んでいる。この日は消防訓練のようなイベントが行われており雨にもかかわらず多くの人で賑わっていた。

   
          
市庁舎はこの街のシンボル。13世紀に建てられたゴシック建築でひときわ目立つ。

そしてオドラ川を中心に発展した水の都ヴロツワフのもう1つのポイント、旧市街広場からさらに北にあるピアセク島とヨハネ大聖堂に向かった。
オドラ川にかかる橋は愛の橋と呼ばれ、恋人たちが名前を書いた鍵をつけている、妖精も発見。
つい見落としそうなほどあふれる鍵の山の上にちゃっかりいるのがいい感じ。

ボートツアーで違った角度からも楽しめる。

オストルフツムスキ地区というヴロツワフでは最も歴史のある地区へ

対岸の公園から眺めるヨハネ大聖堂と聖十字架教会が美しい

駆け足でまわりあっという間に時間が過ぎてしまった。妖精を探す目的で細かなところまで歩いたからこそ感じたのだがこの街は歩くのが楽しい。もっと時間があって天気がよければカフェでビールを飲みながらゆっくり攻めたい。
街の主役である妖精たちは日々増え続けているのでガイドマップに出ていないところで発見!というサプライズ感もあって楽しかった。わずか4時間で充実の4時間だがまだまだ足りない4時間だった。とにかく街歩きが楽しいヴルツワフは個人的ではあるが評価が急上昇した。

<小ポーランド木造教会群>
今回のポーランドの出張のもうひとつの目的は世界遺産に登録されている木造教会群観光。
南東部に広がる山岳地帯マウォポロスカ地方は小ポーランドともいわれ、この付近には15世紀から16世紀の間に建てられた木造教会が50ほど残っている。その中で世界遺産にも登録されている保存状態の良い6つの教会を専用車で周った。朝の6時にホテルにドライバーさんが迎えに来てくれた。
先に結論を述べると、6つの教会をまわり終わったのが午後7時。つまり丸一日のハードスケジュール。

① リプニツァ・ムロヴァナ聖レオナルド教会

15世紀に建てられ17世紀にバロック様式に改築された教会。ガイドなしで来ているため、教会の人とうまく会話ができずそれぞれの教会に関する知識は得られなかったが、中に踏み入れるだけで独特の空気を体で感じることができる。最後の晩餐などの壁画に残されているのが特徴

また、世界遺産とは言ってもいつもオープンしているというわけではない。到着後、入口の立て看板に書かれた
番号にドライバーさんが電話をするとおよそ5分以内に管理人と思しきおじさん(時々おばさん)があらわれて
鍵を開けて中に入れてくれるといった段取り。言葉はポーランド語オンリーのため、詳しかろうがなかろうが、教会についての説明はまったく聞けない。1部の教会では簡単な英語のブローシャーがもらえる。世界遺産にもかかわらず特に入場料はかからないが、老朽化する施設の修繕のための寄付金が必要でどの教会も入口に記帳ノートとセットで置いてある。

② センコヴァ使徒聖フィリポと聖ヤコブ教会

16世紀前半に建てられたとんがり屋根の教会。ルネッサンス様式の主祭壇とバロック様式の聖画がポイント

③ ビナロヴァ大天使ミカエル教会

15世紀に建てられた教会。壁一面に聖書の場面が描かれているのが特徴。

④ ハチュフ聖母被昇天教会

6つの教会の中で最も古い教会で14世紀後半に建てられた。またここは世界最大の木組みのゴシック教会で
その彫刻がポイント、また、壁画もヨーロッパでもっとも古いものの1つに数えられている。

⑤ブリズネ諸聖人教会 
15世紀末から16世紀初めに建てられた教会

内部は美しいゴシックとバロック様式で主祭壇の両サイドにあるバロック様式の祭壇にある
16世紀の聖母マリア像が必見だが、これは管理人さんに頼まないと見られない。
持っていたガイドブックに見られるとあったので逃すまいとお願いしたからよかった。

⑥ デンブノ・ポトハランスキェ大天使ミカエル教会

15世紀半ばに建てられたゴシック建築の教会。中近東、アジアなど他国の影響を受けた装飾がポイント

最後にして初めて地元の人たちを見かけた教会。
たっぷり時間はかかったが6つ制覇は達成感がある。
時間がない場合はせめて①④⑤だけでも行くことをお勧めする。
世界遺産と言っても大小様々だ。失礼ながら田舎の村にポツンと佇むその姿。たまたまかもしれないが
観光客は全くと言っていいほどいない。6か所ほぼ時間と空間を独り占めできるということもかなり
貴重な体験ではないだろうか。 
                                
<ニェポウォイミツェ城>
この日の泊まりはクラクフ近郊のニェポウォイミツェ城。

この城は駅からバスが出ているので個人でも比較的行きやすいところにある。
ヴァヴェル城を模した回廊は雰囲気がある。あくまで自分の中の城というイメージからは
ちょっと遠い。

ホテル営業が2007年と比較的新しいので部屋はとても綺麗。普通の部屋でも広い造りになっており
電話をはじめアンティークな調度品がとても良い雰囲気を演出している。
なんといってもフローリングがうれしい。裸足で過ごすと疲れが取れる。

木の香りに癒されながら落ち着き、この日は久しぶりにぐっすり眠れた。
すべて見事に計算されたと体で感じるこのホテルは今回泊まった3つのお城の中ではもっとも居心地が良かった。

<日本語ガイド同行、専用車で行く1泊2日のチェコ田舎の旅>
① ルボカー城 城内ツアー 

プラハから乗り心地の良い車でおよそ2時間半、最初の目的地、チェコで最も美しいと言われているフルボカー城に到着

ドイツの貴族、シュヴァルツェンベルク家が20世紀半ばまで所有していたこの城には豪華な造りと多くの美術品が
保存されている。英語のツアーに参加したが、ガイドさんから借りた日本語の案内を読まないと楽しめない。
庭園と城の周りは自由に見られる。やはり城は遠目に見る方が楽しめると思う。

② ディヨヴィツキーブドヴァル醸造所とレストラン

個人的にはここがメイン。ビール工場と聞くだけでテンションが2倍上がる。
ブラジルやアメリカから来た人たちといっしょに英語ツアーに参加した。
外観からはビール工場とは思えない、むしろ自動車会社のショールームのようだ。
巨大な醸造タンクからモルトの仕込み、発酵、熟成からビン詰めまでほぼすべての流れを1時間で見る。
一番のお楽しみは途中、濾過処理前の試飲ができること。マイナス2度の寒いところで飲む、いわゆる絞りたての新鮮なビールは格段に旨い。出荷されるときはすべて濾過処理されるので、ここを出ると2度と飲めない。
そう思うと愛おしくなる、ビール好きにはたまらないサービスに感謝。

併設しているレストランはメニューの種類も豊富で味が良く、しかも価格がリーズナブル。
肉料理についてくるクシェン(西洋ワサビ)がクセになるほどうまい。これは何でも合う。
あとウトペネッツ。(写真)チェコ語で水死体といわれるこの奇妙な食べ物はソーセージの酢漬け。
で日本人の口にあうと思う。

③ ホラショヴィツェ


 
南ボヘミア風バロックというこの地方でしか見られない独特のスタイルが特徴。
当時のままの状態がほぼ完全に残されているという理由で世界遺産に登録されている。
綺麗で何もないとても静かな村。歩いても20分くらいの小さな村。

④ チェスキークルムロフ 

このツアーの泊まりは世界で最も美しい町と言われるチェスキークルムロフ。
街自体は静かで歩きやすく、夜でも全く危険を感じない。
たまたま見つけた異様に騒がしいバーで一杯。地元の人はフレンドリーな人が多い。

朝は早起きして街歩きへ。石畳の小路や細い路地を抜けて城を目印に歩くのが楽しい。

ヴルタヴァ川とチェスキークルムロフ城

昼からは城内ツアーにも参加。ガイドさんに日本語訳のテキストを借りた。やはりこれがないと
よくわからないから注意。

⑤ 最後はテルチへ。

モラヴィアの真珠と呼ばれる世界遺産の街でプラハからウィーンへ向かう途中に位置している。ここには16世紀に発展した当時の姿のまま残っている。左右には絵のように美しいカラフルなルネッサンス様式とゴシック様式の家が建ち並んでいてその1階部分がアーケードになっているのが特徴。

中心のザハチアーシュ広場でビール休憩。1杯約100円でこのクオリティは日本ではありえない!なんていい国だ。

                                                 
<最後の宿泊はシャトーズビロフ>
テルチから一気に北上して最後の宿泊地シャトーズビロフへ。
位置的にはプラハから西へ車で40分、ズビロフの森の中にあるこの城はかの有名な画家、
アルフォンスムハがアトリエをかまえていたことでも有名な12世紀に建てられた歴史あるお城。

ムハは官能美を描くアールヌーボー画家。パリで成功したあとチェコに帰国しスラブ民族の歴史を描く大連作
『スラブ叙事詩』をこの城で制作したと言われている。
歴代のオーナーの部屋とお宝を見られる城内ツアーがある。もちろんムハ一家が暮らしていた部屋、
も見学ができる。ただし内部は撮影禁止なので記録できないのが残念。
城はずっとチェコ軍のために使われており、歴史は古いがホテルは新しい。生まれ変わったのは2008年のことなのでまだ5年未満。客室棟の向かい側、城の棟の1階がレストランとなっている。客席数も多く、結婚式などイベントでも使われるらしい。夜になるとバンドの生演奏で盛り上がる。

城のまわりには何もないのでもちろん食事はここで取るしかないのだが意外と値段は安くて良心的。
味の方もとても良いので最後の夜として申し分なかった。

泊まった部屋はデラックスツインで一人には広すぎてかえって落ち着かない。
大きい造りに加え天井が高いので広い部屋がさらに広く感じる。普通の部屋も見せてもらったが
2人で泊まるなら絶対にデラックスがおすすめ。

別棟の地下にはスパ、サウナもある。


 
洞窟プールも雰囲気よく、1泊だけでもいい思い出が作れるだろう。
早朝の森林散歩もとても気持ちいい。

プラハの喧騒から離れて1日くらい過ごしてみるのもいいだろう。

以上、ワルシャワをスタートしアウシュビッツやニェジツァ城などもまわり、久しぶりに非常に中身の濃い贅沢かつハードな旅を味わった。今まで抱いていた東欧のイメージがこの短期間で大きく変わった。
どちらの国も料理とピヴォ(ビール)がとてもおいしい国なので特にビール好きにはたまらない旅になる。
最も感動したのはポーランドの最後の夜。アウシュビッツのガイドさんに教えてもらったクラクフ駅近くのマテイキ広場の前にある、ミシュラン2つ星のポーランド料理店JAREMAでの出来事。
夕暮時に入ると狭い店内では2人のミュージシャンによる軽快な生演奏が行われていた。

座ってビールをオーダーした時にピアニストと一瞬目が合った。その直後に“さくら”の即興演奏。
イントロを聴いた瞬間から最後まで鳥肌が立ちっ放しだった。特にうねり続ける低音の響きがカッコ良すぎる。
やはり生の音は違う。旅先でこんなサプライズは初めてだ。日本人である私に対するその心遣いに感激するだけでなく、プレイそのものが無茶苦茶カッコ良い。やるな、このオヤジ!さすがショパンを生んだ国、ピアノにかけての
こだわりは半端じゃないと感じた。
運ばれて来た料理をはるかに凌ぐこの粋なおもてなしがとても心に残る旅であった。

2013年5月 櫻本

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