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チベットは青い国。中国は白黒の国。すっかり染まってまいりました[2013年11月14日]

正直なところ、中国という国に私は良いイメージを抱いていなかった。
学生時代、寮の隣人だった中国人留学生にそれはそれは悩まされた経験のある私は、中国人=苦手な人、という計算式が頭にできていたため、「今回の出張は成都とチベットです」と聞いたとき、正直不安だった。

タルチョのはためく山の上の聖地、そこにはずっと行きたいと思っていた。しかし極端に寒さに弱い私が、そんなところまで行けるのだろうか・・。
隣人のような人ばっかりだとしたら、中国は行きたくない・・。
なんてことを出発ぎりぎりまで考えていた。

しかし今、私は周りの人間に「成都すごく良い!人生で一度もチベット行かないなんてありえない!」と触れ回っている。学生時代のトラウマも、寒さへの恐怖も勝るものがあった今回の研修旅行!
「チベットで高山病+風邪=命の危険」と言われるチベットで、初日から高山病にかかり、しっかり風邪を引いて帰国した私の、奇跡のように綺麗な景色に出会う旅、どうぞ皆様のご旅行の参考になりますように。


【ラサ・シガッツェ・ギャンツェ】

ヒマラヤ山脈が見たい人は、成都からラサに向かう際には進行方向に向かって左側に座るようにとガイドブックに書いてあったので(ラサから成都に向かう際は逆側)、ガイドさんにお願いして左側の窓席をとってもらう。
窓の外には延々と続く雪山。これだけの雪山ならば、奥地に雪男がいても全く不思議はない。

雪山の中に何かおもしろいものを見つけようと目を凝らしているうちに、小さなラサ空港に到着した。

飛行機から降りると、思った通り、成都よりもだいぶ寒い。いや、これは極寒地京都育ちの私でも寒いぐらいの寒さである。
ダウンジャケットを羽織り、恐る恐る、一歩空港の外に出た瞬間、まるで空の中に放りだされたような錯覚に陥る。どこまでも突き抜けるように青く広い空、そこに浮かぶ真っ白な雲のなんと近いこと!!
チベットへ旅行に行った人は、みな口を揃えて、その青空の美しさを褒めるという。
私もしばらくぽかーんと口を開けて空を見上げる。

一瞬で口が乾燥して、むせ返りそうになったため、きゅっと口を閉めガイドさんとのミーティングポイントへと向かう。
ラサは高度が高いため、紫外線も強ければ、乾燥もひどい。リップクリームは必須です。

一日目はすこし歩くだけで、すぐに息がきれて軽い頭痛がしてくるため、無理をしないようゆっくりゆっくりと歩く。高山病の症状は誰しも多少あるものと聞いていたが、実際に体験してみると何とも不思議。
酸素が薄いため、頭がぼんやりとしてくるので、ゆっくり深呼吸をしながら、夢見心地でふわふわとお散歩へと繰り出す。

ポタラ宮の近くにある薬王山(チャクポ・リ)には、昔の貴族が、貧しくて仏画も掲げられなかった市民のために掘らせた摩崖石窟というとても大きな石窟がある。

初めて見たチベット仏教の絵は、やはりカラフルで期待を裏切りません。
色鮮やかな仏画の前で、当たり前のように五体投地を行う人たちの姿は、とても美しく絵になる!

摩崖石窟を少し奥に行ったところにあるマニ塚では、何組もの中国人カップルが結婚写真を撮影していました。
すっかり高山病になってしまったらしい新婦さんは、必死で笑顔を作りながらも、息も絶え絶えといった状態。

そんな二人を地元の子どもたちが興味深そうに見ていたので、一緒になって見学させていただきました。

おしり破れてますよ。

どこの国に行っても、子どもの笑顔は変わらないですね。
たくさん遊んでもらいました。

無理は禁物ということで、夜は早めにホテルに戻り、ゆっくり休養をとることに。
ラサに到着した日は、温度差がひどいため入浴も控えてくださいとのことで、すぐに就寝。
しかし夜中2時頃、それは急にやってきたのです。

急にマンガのように飛び起きる私。「え・・・、頭めっちゃ痛い」ギューっと締め付けられるような痛みに、少しの吐き気。
「え、何か、頭痛いな~痛いな~(稲川淳二風)。いかん、これでは明日無理や」
と、人間究極に痛いと独り言が止まらなくなるのですね。朝方までベッドの上をうめきながら転がり回りました。

しかし、朝起きると軽い痛みはあるものの、夜中のような頭痛は去っていました。

高山病は、元々高山病になりやすい体質の人もいれば、1回目は全くならなかったのに2回目はひどい頭痛になやまされるなど、その時の体調も影響してくるそう。
私はどちらなのか分かりませんが、なかなかひどい症状でした。
慣れてくるものかと、ずっと我慢していたのですが、ラサ→シガッツェ→ギャンツェと行程が進み、だんだん高度もあがってきて、もうだめだ!と、ついにギャンツェで酸素缶を手に入れました。

一缶20元ほどで、約15分酸素を吸えるという街角のお店で買ったものですが、チベットのホテルには大体もっと大きな酸素ボンベが用意されており、こちらはだいたい150元ほどで約6時間酸素がでます。

酸素を吸ってしまうと、それより高度をあげて旅をしていくのが難しいということで、ずっと我慢していましたが、酸素缶を口に当て、5分もすると頭痛がすぅっとひいていきました。これまた面白い体験です。
私は酸素がどうもケーキの味がしてしょうがなかったので、ガイドさんに「酸素はケーキの味がするのですね!」と伝えたところ、「酸素は無味ですね」とのこと。
あの時の私の体にとっては、酸素はなによりのごちそうだったということでしょうか。

チベットで出会った日本人客の方にお勧めされたのが、高山病に聞くという「紅景天」という漢方薬。どこに売っていて、どれくらいの値段なのかは分かりませんが、お会いした方はみなさんケロっとされていたので、次に行くときは是非とも試してみたい一品です。

しかし、高山病に悩まされていたといっても、毎日夕方までは割と頭痛も軽かったので、観光は十分に楽しめました。

シガッツェ、ギャンツェでの見どころは、チベット仏教のお寺。
青い空に美しい寺の建物が映え、どこを切り取っても絵になります。

シガッツェ「タシルンボ寺」

ギャンツェ「パンコル・チョーデ」

完全にピースしてますね。

そして、この旅で私が一番楽しみにしていたのが、ここ。「ヤムドゥク湖」!!!

・・・実はこのきれいな写真、ヤムドゥク湖ではなく、ただのダムです!

ただのダムが何でこんなにきれいなんだ・・・。
チベットの底力に脱帽しながら、さらに車を走らせること一時間、山々を抜けていくと、急に目の前に広がるトルコ石色の湖。

まるで、空がぽちゃんっと落ちてきたかのような錯覚を覚えます。
こんなにキレイな景色がこの世にあったのかと、ここは天国なのではないかと思うほど。
深呼吸すると、体の中がこの青色に染まっていくような気持ちになります。

真っ青な空と、トルコ石色の湖の間はとても狭く感じ、きれいな色にサンドイッチされてしまったかのような幸せを心底楽しみました。

【成都】

中国の人に完全に偏見を持っていた私ですが、成都にいって180度考えが変わりました。
もっとうるさく、ごみごみとしたイメージがあったのですが、成都はどちらかというとのんびりした町というイメージ。

諸葛孔明ゆかりの町ということで、三国志ファンにも大変人気があり、中国の古い町並みを再現した町錦里、唐の詩人杜甫の住居跡など、古き良き中国があるかと思えば、「ここは中国の銀座です!」というショッピングストリートのあるオフィス街もあり、なんともお得な気分を味わえる町でした。

大好き関羽様

錦里の町並み

イトーヨーカドーと伊勢丹が肩を並べる

そんな成都で私が一番感激した場所。それがここ!
成都パンダ繁育研究基地!

動物園で長蛇の列に並ばされ、遠目にパンダをちら見するのが日本での限界。少しでもパンダに興味がある人ならば、是非来た方が良いと思います!
手を伸ばせば触れられそうな距離に、パンダがのんきな顔をしてごろごろしています。
日本の動物園とは違い、広大な敷地の中で、たくさんの仲間と大量の笹を食べているパンダは、とっても幸せそう。

そして、ラッキーなことに私は赤ちゃんパンダに出会うことができました!
日本で見るとしたら、何時間並ぶことになるか!
赤ちゃんパンダは、室内で飼育されているので、ガラス越しにしか見ることができませんが、何と、飼育室は私の貸切!!
べったりガラスにへばりついて、心行くまでその可愛さを堪能することができました。
その可愛いパンダの写真がこれ。

たれぱんだ実写版!!!

たれてるどころか、もうだれだれパンダでした!可愛い!!

出発前、あんなに恐れていた中国とチベット旅行。
今は、本当に一生で一度は行くべき場所だと、心からお勧めしたいと思います。
どこまでも果てしなく続く青い空と、どこまでも碧い湖。冴えきった空気。
さすが聖地とされるだけあり、身が引き締まり、生まれ変われるような気持ちにしてくれます。
そしてそんなチベットに行かれる際には、是非成都に立ち寄り、古き良き中国に触れ、パンダに癒されることをお勧めいたします!

みなさんが素敵な青と白黒に出会えますように!

新婚旅行に行ってきました!的な一枚。

2013年10月 大野

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