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不思議の国インド[2014年01月21日]

インドにいるときの私の頭は、いつも忙しかった。
インドは騒がしい。
インドではボーっと歩けない。道に落ちている様々な動物の糞。よけることもなく向かってくる牛。
痩せ細った人の物乞い。へんな水溜り。猛スピードのバイク。大音量のクラクション。よけてくれない人、人、牛、人、牛、人、犬・・・

(インドのイケメン)

(青空理髪店)

インド人は本当に分からない。笑ったかと思えばすぐ怒る。温かいし冷たかったりもする。
ベナレスでのインド人との印象的な場面を紹介しよう。

サイクルリキシャーという大きな三輪車タクシーで、ホテルからガンジス川に向っていたときのことだ。ベナレスは交通量がとても多いのでよく渋滞に引っかかる。リキシャー運転手のおじいちゃん(おじいちゃんに見えたが、今考えると意外と若いかもしれない)は渋滞にひっかかって停まる度こちらを振り返り、やれやれ、という顔で、両手を水平に振ってセーフ、というポーズをする。セーフ、意味が分からないが私も真似して「セーフ」とするとおじいちゃんは嬉しそう。
インドはとにかく埃っぽい。あるとき、また渋滞にひっかかり、リキシャーが止まったところで目に埃が入った私は、鏡を見ていた。するとまた後ろを振り返って「セーフ!」とした、次におじいちゃん、手をこちらに伸ばす。どうやら私の鏡が気になるらしい。インドにきて数日、インドに対してまだ警戒心を持ったままの私は「盗られるかも・・」と思いつつ、鏡をおじいちゃんに渡す。するとおじいちゃん、鏡をみて自分の顔をチェック。
正直いって、おじいちゃんが着ている服、髪は清潔ではなく、顔も砂っぽく薄汚れている。前歯もない。だがおじいちゃん、自分の顔をチェックした後、親指を立てて「グッド!」と最高の笑顔。どうやら今日も彼は格好いいらしい。つられて私も笑顔になる。こんな可愛らしいおじいちゃんを疑ってしまったなんて・・・と私は少し心が痛んだ。

だがこれで終わらないおじいちゃん。
ガンジス川に着き、料金を払うときになってお札を出すと受け取ってくれない。何やらきれいなお札じゃないと後々困るらしい。きれいなお札は大きいお札しかなかったので、じゃあこれ・・と恐る恐る差し出すと、ぶすっとした顔でお釣を渡してくれた。だが、お釣のお札は非常に汚いお札だったのだ・・・なんやねん!!インドは分からない。

(おじいちゃんとのドライブ)

こんなこともあった。
ベナレスからアグラへ列車で向かう日だった。インドの列車は日本の電車のように「~へ到着いたしました、お忘れ物のないように・・」などのアナウンスは一切ない。どこへ着いたのかは、車内の現地の人に聞くか駅の看板で知るのみだ。運よくインド人一家と少し仲良くなっていた私は、アグラについたときに一家が「アグラだよ!」と教えてくれたので降りた。
荷物をもってプラットホームへ降りるがガイドさんがいない。ガイドさんは隣の車両に乗っていたはずだ。

あれ、ほんとにアグラ着いた?え?もう列車発車するかな、隣の車両みてみようか、いや、勝手に降りたけど自分の席にいたほうがいいかな、どうしよう、でもここが本当にアグラなら列車乗らないほうが!!!

日本の電車に慣れている私は、すぐに発車してしまうのではないかとパニックだ。

するとさっきの一家のお父さんが車両から降りてきた。
「友達がくるの?」
「違います、ガイドさんが一緒の列車だったはずで・・!」
「あーそう・・、もうすぐ来るよ、大丈夫。」
え、大丈夫って、どうして?あああ、どうしよう・・・
と重いスーツケースを引っ張りながら、隣の車両を覗き込んだり、もう1度自分の車両を覗いてみたり、落ち着かない私。その様子を落ち着いて見守るお父さん。2分ほど経っただろうか。そういえば列車はまだ発車しない。
「ほら!来たよ!」
ガイドさんが迎えに来てくれた。お父さんはよかったね、と満面の笑みだ。
「ほんとにありがとう~!!!!」
お父さんはチップも要求せず颯爽と去っていった。それまでの旅でインド人には散々チップを要求され疲れきっていた私に、何も要求せず無償でこの私のパニックを見守ってくれたお父さんに、失礼ながら大変感激してしまった。いや、単に列車が発車するまで暇だったからだろうか?私が旅行者だから?
だがこの旅で何回も、日本人は他人に対して、インド人がするようにこんな温かいことができるだろうか、と感じたのは事実である。

インドはタージマハールも、ガンジス川も、他の見所も大変素晴らしかった。
けれどもいずれもインド人との思い出が欠かせない。インド人は優しく、あったかく、心豊かでたくましい。
インド!また会う日まで!!


2014年1月 楠本 悠子

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