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秘境を求めてチベットへ!標高3800mで知る、チベット仏教とその魅力[2014年07月03日]

以前、“インドの中のチベット”、“チベットよりチベットらしい”と言われるインド・ラダック地方に行ったことがある。
特にチベット仏教に興味があった訳ではない。なかなか日本人が行かないインドを見てみたかった、とかそんな理由だった気がする。
そんな軽い気持ちで行ったラダックの、思いもよらぬ秘境っぷりと、チベット仏教のラマ(高僧)でもあるガイドさんの聖人君子っぷり。本場のチベットはここより秘境なのか、チベット仏教徒はこんなにも徳の高い人種なのか!気になるっ!!これが今回、チベットを選んだ理由だ。

1日目
チベットまでは同日で入境できない。ゲートシティの成都でまずは1泊。
夕食に本場の四川料理を食べに行った。

陳麻婆豆腐

麻婆豆腐を注文。辛さよりも、山椒に味覚がマヒするくらい舌がしびれた。これはお腹壊すパターンのヤツだ!と確信した。
そしてこの日、チベットの入境許可証を手にした。これを取得するのに手間がかかるのだ。

チベット入境許可証

2日目

チベット空撮

飛行機は一気にラサへ飛ぶ。到着したら、そこはもう高度3800m、富士山級。高山病になる標高だ。
空港からラサ市内へは車で約1時間。荒涼とした山々が続き、初夏を迎えたばかりのチベットらしく、ところどころ黄色の菜の花畑や穏やかに流れる川が目に入る。ほのぼのした気持ちでラサ市内を目指す。しかし街が近づくにつれ、今まで抱いていたチベットへのイメージがもろくも崩れ去った。建設ラッシュの大型ホテル、たくさんの車、観覧車まであるぞ!え!?ラダックはもっと慎ましい感じでしたよ?!期待を裏切られたというのが第一印象だ。(後日、この印象はもう一度良い方向に覆ることになる。念のため。)
初日は、無理をせず適度に散歩をするくらいがベターという事だったので、軽くホテル周辺の散歩に出かける。・・・が、街並みの都会さ、漢民族の多さ、店から漏れ出す大音量の音楽に辟易して、ものの10分でホテルに戻る。夜は夜で、夜市(朝方4時くらいまでたくさんの飲食店が営業しているところ)の目の前だったので、朝方まで騒がしかった。
高山病の症状は呼吸の浅くなる睡眠時にかかることが多いようで、眠れなかったとか、酸素注入器を使ったなんてネットの書き込みを読んだりしていた。私はというと、若干の気持ち悪さとうっすらとした頭痛が2日目の昼間くらいまであったが、比較的軽度で済んだようだ。夜も快眠で、寝起きに手足、顔がむくんでいる程度。
高山病を避けるには、
・到着日は昼寝をしない
・無理な運動を避ける
・深い呼吸を心掛ける
・こまめに水分摂取
とのこと。

3日目
一旦ラサを離れ、車で4時間くらいのチベット第二の都市、シガツェへ向かう。途中にあった有料トイレがあまりにパンチが効いていたので、写真に収めておいた。チベットのローカルな場所ではトイレに壁やドアは存在しないようだ。

トイレットペーパーがないどころの騒ぎではない

今でも1000人を超える僧侶が生活している、タシルンポ寺へ。ここはダライ・ラマ1世が創建したシガツェの中心的な巨大な僧院である。ダライ・ラマと師弟関係と言われるパンチェン・ラマ1世から10世までの霊塔が建てられている。

タシルンポ寺に参拝に来た人たち

バターをかき混ぜるタシルンポ寺の僧侶

参拝に来る人たちは水筒の中にバターを入れて持ち歩いている。これをお祈りの時にロウソクにくべるのだ。

パンチェン・ラマ5世から9世の霊塔殿

お寺の中にある各部屋はいちいち写真撮影料を取られる。こまめに小銭が減っていく。。。
私がタシルンポ寺を訪れた日は、お祈りの日だったのか参拝者が多く、みなお寺の周辺でお弁当を広げお酒を飲み、まるでピクニック感覚だ。

参拝に来た人たち

4日目
シガツェからギャンツェそして再びラサへ。
まず私が向かったのはギャンツェ最大の見どころ、白居寺だ。ここにはチベット仏教最大の宗派であるゲルク派のほか、サキャ派、シャル派の三つの宗派が共存している。
ほかのゴンパと違いここでは宗派毎の服装の違い、お祈りの方法の違い、お経の違いがみられる、なかなかユニークなゴンパである。

こんなにも違いがあることにびっくり

こんなにも違いがあることにびっくり

こんなにも違いがあることにびっくり

五体投地する人

山積みになった経本

仏壇

白居寺

ギャンツェを出発し、標高5000Mを超えるカロー・ラ氷河を目指す。高い山々のくねくねとした道を走り徐々に車は高度を上げていく。1時間ほど走ったところでようやく峠に到着。目の前に迫る氷河は、それはもう大迫力だ。心なしか、少し歩いただけで頭がぼーっとするような感覚がある。気温も一気に下がり、標高の高さを感じさせる。そしてこんなに厳しい環境にも人が住んでいることに驚く。彼らの商魂はたくましく、民族衣装を着た子供たちが私を見るなり周りを取り囲み、写真を撮れとすごい勢いで話しかけてくる。一人に対して20元位支払った。

民族衣装を着た子供たち

民族衣装を着た子供たち

私が旅行中、好きで何枚も写真に収めた“タルチョ”。タルチョは峠や、聖なる場所や、川などにかかる、お経が書かれた祈祷旗。青は空、白は雲、赤は太陽、緑は水、黄色は土を表し、タルチョがはためく度にチベット仏教が広まるという願いが込められている。
チベットの真っ青な空とタルチョのコントラストはとてもきれいだ。

はためくタルチョ

カロー・ラ峠をくだり、チベット4大聖地のひとつ、ヤムドゥク湖へ。
トルコ石の湖と譬えられるこの湖は、本当にターコイズブルーで、きらきら輝いていた。なんとも残念なのだけれども、私の技術不足で本来の5割減の美しさしか表現できていない、この写真・・・(泣)くやしー!

ヤムドゥク湖にてヤクに乗る

ヤムドゥク湖にいたチベット犬 かなりでかい

ここにもタルチョ

ここにもタルチョ

5日目
ラサに戻り、市内観光へ。
ダライ・ラマの離宮として使われていたノルブリンカ。1959年、チベット動乱の際、ダライ・ラマはここからインドへ亡命した。入って正面の階段にある時計は、彼がここを発った時刻のまま時を止めているのだとか。

ノルブリンカでチベット民族衣装を着る

ポタラ宮の南西にある、チャクポ・リ(薬王山)に向かう。ここには大きな壁画があり、大小1000体を超える仏像が描かれている。周りには熱心に五体投地する人もちらほら。
チャクポ・リの周辺には石を削っている人たちがたくさんいる。僧侶がお経を読み上げ、それを石に掘って、参拝者に売っているのだ。こうして掘られたものはマニ石と呼ばれ、それを積み上げたものがチャクポ・リの奥にあるマニ塚だ。

チャクポ・リ

マニ塚

マニ石

マニ石

7日目
いよいよラサのメイン観光スポット、ポタラ宮へ。
夏場は入場者制限があり、チケットの購入も個人では難しい。前日までに予約をしておいて、朝早くからチケット引き換え所に並ぶ。引き換え券に入場時刻も指定されているのだ。

ポタラ宮にある部屋は1000を超えると言われているが、決められた箇所しか観光は許されていない。慣れてくると忘れがちだが、ここは標高3800mを超える高地なので、階段の上り下りの多い、ポタラ宮の観光は思いのほか疲れる。

そして、チベット旅行の中で一番と言っていいほど印象に残ったのが、ジョカン(大昭寺)とその周辺のバルコル(八角街)だ。
まさに日本出発前にいだいていたチベットのイメージそのもので、ラサに到着したばかりの時にだいぶがっかりさせられたが、ここにきてチベット名誉挽回と言わんばかりの面白い風景に出会えた。
ジョカンに近づくにつれ、お香のにおいがたちこめてくる。チベット仏教の総本山である大昭寺をめざし、途方もない距離を移動してきた人たちが、真剣な顔で全身を投げ出し巡礼している。中には片足のない人、五体投地の繰り返しでおでこや鼻の頭の皮膚が固くなり巨大なマメのようになっている人がいた。両手両足、頭、体全てを投げ出し、自分の身長分の距離だけを移動する。途方もないお祈りスタイルだ。

五体投地する人たち

五体投地する人たち

五体投地する人たち

五体投地する人たち

五体投地する人たち

五体投地のパフォーマーだけではなく、チベット各地から来た民族衣装を着た人たちを眺めるのもまた楽しい。

ラッキーな事に、大昭寺についた時刻がお祈りの時間だったらしく、たくさんの僧侶の読経を聞くことができた。

大昭寺の僧侶

大昭寺の僧侶

熱心にお祈りをするおばあちゃんの横顔

大昭寺前の広場

大昭寺

そのあとセラ・ゴンパへ行くが、ここでもグッドタイミングで読経の時間に遭遇!

セラ・ゴンパの僧侶

セラ・ゴンパの僧侶

こうしてチベットの旅行を終えた。
ラサに着いたばかりの喪失感が一転、かなりの充実感を得てラサを飛び立っていた。
確かにラサの街は都会で、チベットらしさが失われていたのだが、世界遺産ポタラ宮の見応えは確かなものだし、なによりチベット仏教徒の信心深さに畏敬の念を抱いた。独特なお香の匂いやバター茶の微妙な味、青空にはためくタルチョ、高山病でぼーっとする頭、ショッキングなトイレ、耳から離れない僧侶の読経などなど、私の想像していた、“秘境チベット”は確かにそこにあった。

ラサ
★★★★★L 『一生に一度は行ってみたい、スーパーおすすめの旅先』
ポタラ宮は迫力満点、大昭寺の周辺にはチベット仏教の面白さが凝縮されている

ヤムドゥク湖
★★★★★  『ぜひ行ってみたい旅先』
湖の美しさが素晴らしい

カムパ・ラ
★★★★★  『ぜひ行ってみたい旅先』
標高5000mはなかなか味わうことができない

シガツェ・ギャンツェ
★★★    『興味があれば行ってみたい旅先』
チベット仏教に興味があるのであれば是非

(2014年6月 久保井 奈々子)

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