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~中世の街並みが残る歴史の町クラクフとマウォポルスカ地方への旅~[2014年07月10日]

ポーランドは社会主義の時代より知っているせいか、正直暗いイメージしかありませんでした。聞いたことがある地名としてはクラクフ、アウシュビッツ、ワルシャワのみ。メジャーな渡航先の国ではないとは思っていたものの、最近よく耳にしていたので気になる国ではありました。そんな時、出発2週間前に研修旅行のお話を頂き、クラクフを中心としたマウォポルスカ地方へ行く事になりました。

クラクフの旧市街

今回利用したのはルフトハンザドイツ航空。フランクフルト乗り継ぎで、約13時間のフライトです。
ポーランドは2008年にシェンゲン協定実施国となりましたので、入国審査は乗継国ドイツのフランクフルトで行いました。そこで、
入国審査官:「どこに行く?」
私:「ポーランド。」
入国審査官:「なぜ?」
私:「なぜ???観光ですよ、もちろん。」
その他も、ポーランドのどこへ?何日間?一人?等々聞かれましたが、最終的には「ま、いいけどね」みたいな顔でスタンプを押してくれました。しかし、「なぜ?」と聞かれたのは久しぶりです。(以前グアム入国の際、子供のパスポートにもイエメンやシリア等のスタンプが押してあるのを見られ、何故子供を連れて中東に行ったのかと聞かれた事がありました。)ポーランドは「なぜ?」と言われる国なのか??

フランクフルトからクラクフまでは1時間半のフライト、あっという間にクラクフに到着しました。
クラクフの空港はとても小さいので、すぐ外に出られます。
空港から旧市街内のホテルは約20分、長旅で疲れた体には嬉しい距離です。今日の宿は昔の建物をそのまま利用して改装した落ち着いたホテルPodRozaポド・ルージョン。旧市街の中のベストロケーションの4つ星ホテルです。

PodRozaエントランス

2日目:クラクフ市内
さて、まずはヴァヴェル城を見学です。ヴァヴェル大聖堂は14~18世紀までの約400年間、ポーランド国王の戴冠式を執り行った大聖堂であり、国王達の墓所でもあります。長きに渡り幾度も増築を繰り返しているので、ロマネスク、バロック、ルネサンス等々様々な建築様式が見られるのも特長です。
中でもロシア正教的な珍しい礼拝堂もあります。ここではガイドさんの歴代王様の話を聞きながらの見学がおすすめ、ポーランド人の祖国への愛国心を感じるでしょう。

ヴァヴェル大聖堂

旧王宮では美しいタペストリーや豪華な部屋を見ることが可能です。
城は全てを見学すると半日はかかりますので、余裕を見てスケジュールを立てた方がいいですね。

ヴァヴェル城内王宮

午後は中世からそのまま残る広場としてはヨーロッパ最大の中央広場へ。ぐるりとカフェが軒を連ね、その中央に建つ織物会館ではポーランド民芸品等を売っています。14世紀に建てられたルネサンス様式の建物はそれだけで価値があり見事です。

広々とした中央広場

広場を囲むパラソル

2010年には広場地下に博物館がオープンし、ポーランド人に人気。ポーランドの歴史が学べます。

当時の市場跡を残す(地下博物館)

クラクフの駅に行ってみましたが、何と1ヶ月前に地下駅がオープンし、線路はそのままですが、出入口や切符の販売は地下になりました。隣接するショッピングモールと繋がっているのでとても便利です。でも何となく歴史の町クラクフとは合わない気もしますが…

新クラクフ駅エントランス

ただぶらぶら歩くだけでも楽しいクラクフ旧市街でした。

馬車も走る旧市街

夕食にはポーランド名物で。ビーフのタルタル、酸っぱいジュレック、ザワークラウトとビーフの煮込みを頂きました。ビールとワインが安いので危険!?(ビール1杯350円位。)

レストランMiod Malina 牛肉タルタル

レストランMiod Malina ズレックZurek

3日目:クラクフ→ランツコロナ→カルヴァリア→バルヴァウト→ヴァドヴィツェ
クラクフより40分位の近郊にある、ランツコロナという小さな町へ。ここはクラクフの人達が週末過ごす避暑地で、緑豊かなのんびり出来る町。まだ無名のアーティスト達のショップを覗いたり、可愛いカフェでゆっくりしたり、ポーランドの人の休日を真似するのもいいかもしれません。

美しいランツコロナ Lanckorona


ランツコロナから約20分のところにある町カルヴァリアには世界遺産の修道院と巡礼公園があります。ここはエルサレムのゴルゴタの丘に見立てて42もの礼拝堂が造られ、イースターの時期にイエスの受難劇が再現されるのです。修道院の聖堂も素晴らしく荘厳でした。

カルヴァリ修道院

カルヴァリ修道院

だんだんキリスト教の雰囲気が高まって来たとこで、マウォポルスカ地方木造教会群の一つバルヴァウトの聖エラスムス受難教会へ。この教会は世界遺産に登録はされないものの、18世紀より人々に愛されている素朴な趣のある木造教会です。

聖エラスムス受難木造教会

聖エラスムス受難木造教会

ここから約30分のところにある町ヴァドヴィツェ。以前のローマ法王ジョンパウロ二世の誕生の地です。生まれてから高校生まで過ごした家が博物館となっています。最近リニューアルし、生涯が解る仕立てになっており、とても見応えがあります。カトリック教徒でなくとも、ローマ法王時代の彼の功績を知る人は誰でも楽しめる博物館です。

聖ヨハネ・パウロ2世教会

今日の宿泊はヴァドヴィツェ近郊のMLYN JACKA Hotel&Spaムウィン・ヤツカ。スパメニューの充実した4星ホテルです。
元は粉引き工場だった建物を改築し、解放感のある造り。レストランも美味しく、宿泊客以外にも人気です。スパはマッサージ師が男性の場合もあるので、苦手な方は事前に確認しましょう!
夜も更け、ポーランド名物のカツレツをと1杯10zl(350円)のシャンパンで大満喫でした。

MLYN JACKA hotel & Spa

MLYN JACKA hotel & Spa レストラン カツレツ

4日目:ヴァドヴィツェ→ザコパネ
今日はマウォポルスカ地方木造教会群の見学です。
マウォポルスカ地方には築100年以上の木造教会が約200点在しています。中には15世紀から変わらぬ姿で建つ教会も。2003年に6つの教会が世界遺産に登録されました。その1つリプニツァ・ムロヴァナへ。人口数百人の村にあるこの教会は外見は素朴ですが、内部は美しいフレスコ画が残り、500年もの月日が流れたとは思えぬ美しさでした。フレスコ画にはダ・ヴィンチより先に描かれた後ろ向きのユダの「最後の晩餐」もあります。

「最後の晩餐」ユダは後ろを向いている

リプニツァ・ムロヴァナ木造教会

次に訪れたドーブルの木造教会タダイのユダ教会は木造ながら、内部は広く色彩も豊かな教会です。

ドーブラ木造教会

ランチ後、今回楽しみにしていた山岳リゾートのザコパネへ向かいました。ザコパネはスロヴァキアとの国境地帯にある夏も冬も楽しめるポーランドでもポピュラーなリゾート地です。なるほど、どこか軽井沢の様な雰囲気が。ケーブルカーを利用すればものの5分で1136mのグバウフカ山山頂に到着。目の前には美しい山々が見渡せ、風が心地よく、いつまでもここにいたくなりました。

ザコパネZakopaneケーブルカー

グバウフカ山山頂

ザコパネの駅から、ケーブルカー駅まで繋がるクリプフキ通りはお土産屋さんが並び、ザコパネ特産のファークロアや、シープスキン、レザー、木製品など見て歩くだけでも楽しい通りです。また、ザコパネ名物の羊のスモークチーズは塩気がほんのりと、全く癖がなく美味しい!

ケーブルカー乗り場周辺にはお土産屋さんが沢山

ザコパネ名物スモークチーズ

ザコパネの宿泊はHotel Belvedere Resort & Spa。ホテルから見渡せる山々の景色が素晴らしく、のんびり過ごせるホテルです。日本で言う、軽井沢のような場所なので、ホテルもリゾートの様に広く、テラスやバルコニーで本を読んだりするのが似合います。

Hotel Belveder Resort& Spa

5日目:ザコパネ→ヴィエリチカ→クラクフ
ザコパネからクラクフに戻る途中にヴィエリチカ岩塩坑に寄りました。ここは13~20世紀まで稼働していた岩塩採掘場でユネスコの世界遺産に登録されています。地下約300メートルまで掘られた採掘場の一部をガイドの説明を受けながら当時の様子に思いを馳せながら進みます。採掘場の巨大な空間を利用した礼拝堂の1つ聖ギンガ礼拝堂はこれが地下なのか?と、一瞬言葉を失うほどのスケールです。シャンデリアや祭壇も塩でできているのが見事です。

ヴィエリチカ岩塩坑

ヴィエリチカ岩塩坑 聖キンガ礼拝堂

今回特別に地下130メートルの採掘場跡にオープンしたヘルスリゾートに案内して頂きました。
ここは塩等の鉱物を利用したヘルスリゾートで、宿泊も可能です。ヘルスとの名前の通り、エアロビクスやストレッチ等のメニューを取り入れ健康的に過ごします。日帰りもOKなので旅行に組み合わせる事も。
何故かエアロビクス体験と言う事になり、地下130メートルでエアロビクス・・・思い出になりました。

ヴィエリチカ岩塩坑内 The Wieliczka Salt Mine Health Resort

ヴィエリチカ岩塩坑内 The Wieliczka Salt Mine Health Resort

この施設に到着するためにひたすら地下の道を進みますが、途中鍵が閉まっていて進めなく薄暗い中立ち往生してしまう事もあったりと、怖いながらも面白い体験でした。
この岩塩坑ヴェリチカはクラクフから電車でも簡単に来られるので是非訪れて頂きたいです世界遺産です。

6日目:クラクフ→近郊→クラクフ
あいにくの雨のスタートで近郊観光です。クラクフ中心より北西にある、鷲の巣古城街道を走りました。この街道には14世紀より貿易ルートを守るために城が建てられました。
その中のひとつ、ビェスコヴァ・スカワ城へ。周りを美しい緑に囲まれたこの城は自然に溶け込むようにひっそりと建っていました。今回は雨だったせいもあり、少し物悲しい雰囲気ではありましたが、当時の様子を想像しながら城を歩くのはいいかもしれません。晴れた日は緑とのコントラストが美しいお城です。

ビェスコヴァ・スカワ城

ビェスコヴァ・スカワ城

午後はクラクフのヴァヴェル城の東南にあるカジミエンシュ地区を歩きました。この地区は14世紀当時クラクフとは別の町としてつくられ、迫害を受けていたユダヤ人が暮らしていました。15世紀からはさらに多くのユダヤ人が移り住んで来たので、すっかりユダヤ人街に。
しかし、第二次世界大戦によってユダヤ人がいなくなり廃墟と化、長い間放置されていました。
それが、近年ようやくいろいろなショップが並び始め、おしゃれなスポットとして活気づいてきたところです。この一角にある、「スタイニヤ・カフェ」は映画『シンドラーのリスト』で舞台となったユダヤ人住居跡をカフェにしたお店。カフェだけでなく、元住居をホテルにもしています。

『シンドラーのリスト』舞台スタイニヤ・カフェ

当時の重々しい様子が目に浮かぶようで少し切なくなりますが、カフェではビールが美味しいと評判です。

『シンドラーのリスト』舞台スタイニヤ・カフェ

最終日のランチ、クラクフで人気の『POD ANIOLAMIポド・アニョワミ』 という歴史あるレストランでピェロギ作りを楽しみました。日本でいう餃子のようなもので、小麦粉から皮を作り、具材は「肉」「ジャガイモ+チーズ」「ポルチーニ+玉ねぎ」など様々で、茹でてもよし、焼いてもよしの食べやすい料理です。本当においしく、次から次へとどんどん食べられますので、パーティなどでも活躍しそうです。食事の後、歴史あるレストランの内部を紹介していただき、クラクフを後にしました。

レストランPod Aniolami

レストランPod Aniolami

ピェロギランチ

今回の研修旅行はクラクフを中心としたマウォポルスカ地方のみでしたので、大都会はなく、のんびりと中世の町並みを楽しめる旅行となりました。またいつか、またポーランドの違う顔を見に訪れたいと思います。

【おすすめ度】
●クラクフ旧市街・・・★★★★★L
クラクフの美しい歴史的な町並みは世界遺産に登録されています。ポーランドでは必ず訪れたい町です。
●ヴァヴェル城・・・★★★★★
いろいろな様式の建築が入り混じった大聖堂は見ものです。
●ランツコロナ・・・★★★
とても素敵な町なのですが、交通の便がやや不便。もし時間に余裕があれば訪れたい町です。
●木造教会群・・・★★★★★L
マウォポルスカ地方には200あまりの木造教会がありますので、世界遺産となっていない教会でも素晴らしいので是非いくつか巡ってみてください。
●ザコパネ・・・★★★★★
軽井沢のような避暑地です。もしポーランドに長めに滞在出来るなら訪れて欲しい山岳リゾート。
●ヴィエリチカ・・・★★★★★L
スケールの大きさに圧倒される世界遺産の岩塩坑です。クラクフからも近いので必見です!


(2014年6月 能祖 文子)

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