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アニマルパラダイス☆インディア!!ベンガルタイガーを探して ~インド・ジャングルでサファリ三昧の旅~[2016年04月02日]

2回目のインド訪問にして初めてやってきましたタージマハル

聖地ベナレスの朝、ガンジス河から極彩色でアンバランスな街並みと沐浴するインド人を眺める

寝台列車で乗客と仲良くなる。南インド・ケララ州出身の彼が持っていた雑誌はマラヤーラム語・・・読めない!

今回の出張はインド。
タージマハルやベナレスといった定番観光地も訪問するが、このたび与えられた最大のミッションはベンガルタイガーを見ること。インドでベンガルタイガーに会えることを売りにしている国立公園はいくつかあるが、今回行くのはその中でも遭遇率が高いといわれるペンチ国立公園とタドバ国立公園。それでもやはり見れないこともあるとか。
じゃあ見れるかどうかは日頃の行いによるのかなあ・・・。そう言われると自信がなくなってくるけど、ミッションだけに絶対に見て帰ってこなければならない。とりあえず心の中でヒンドゥーの神様に旅の安全とミッションの完遂を祈願して、インドへ向かった。

<アニマルパラダイスな国、インド>

言わずと知れた超人口大国、インド。日本の約9個分の国土に13億もの人々が住んでいる。しかもインド人という人種は、世界の中ではかなりユニークでキャラが強いと思われている。私たち日本人だって、インドに行ったことがなくてもインド人がどういう人なのかと問われれば、だいたいイメージがつく。いつもターバンを巻いている、毎日カレーを食べている、数字に強い、突然歌い出す、踊り出す、etc。もちろんこれらはステレオタイプであって実際はこれに当てはまらないインド人も大勢いるのだが、これほどイメージが固まっている人種もあまりいないだろう。
それと同じく、インドの動物も数や種類が多く、そしてユニーク。なんせ北はヒマラヤから南は熱帯まで、砂漠ありジャングルありととにかく国土がデカいインドだから、見られる動物もさまざま。はるか昔から人々と動物の絆は固かったようで、その証拠にヒンドゥー教の神様にも動物が多数登場する。

様々な神様がいらっしゃるとある食堂。真ん中は象の頭を持つ神様ガネーシャ

インドの街を歩いているといろいろな場所で寺院や祠に出くわすが、そこに鎮座しているのはやっぱり動物だったりする。そしてその祠の前で信者が熱心に祈っていたりもする。古くから人と動物が共存し、いかにつながりが深かったのか実感する。

そんなインドの愉快なアニマルの代表選手といえば、やはり牛。もちろんインドでは聖なる動物なのだが、神聖さゆえにインド人も扱いに困っているようで、ときどき「野良牛」が道路で立ち往生して渋滞の原因になっていたりする。特に聖地ベナレスでは牛の神聖さもグレードアップするのか、こんな光景があたりまえ。

車、人、リキシャがあふれただでさえ喧噪状態の道路に牛が出現するともうどうしようもなくなる。クラクションを鳴らされても、自分の立場が分かっているのか全く動こうとしない。そうしてさらにカオス状態へ・・・、これが日常風景なのだ。

田舎では牛は人の大切なパートナー。放牧されている牛が道路を埋め尽くしたり、

一家が牛車で大移動したりしている光景を目にして、牧歌的な景色にほのぼのとさせられる。

そしてサルもインドで最も身近な動物の一つ。しかも日本のとは違いかなりアクティブでいきなり乱闘を始めたりどんどん人間に近づいてきたりするので、旅行中に出会うとかなりインパクトがある。

今回訪れたムンバイ郊外の世界遺産の石窟寺院で有名なエレファンタ島では目の前ですさまじいサルの乱闘が繰り広げられ、正直石窟寺院より印象に残ってしまった。

目の前で繰り広げられる壮大なサルのスペクタクル


犬猿の仲って言葉があるけど、インドではどうなんでしょう

またサルの神様ハヌマーンは、インドで人気の神様の一つ。怪力と勇気、忠誠心、節の神様として、特に男性に人気なのだとか。

サルの神ハヌマーンを祀る寺院に・・・

本物のサルが登場

ガネーシャの祠で遊び回るサルたち

前置きが長くなってしまったが、ここからが本題。牛やサルを観察するのもいいけど、やはりアニマルパラダイスを満喫するにはサファリに行かなくては!

<ペンチ国立公園>

インド中央部、マディヤプラデシュ州にあるペンチ国立公園。ペンチ川を中心に豊かな森が広がるこの国立公園は、ベンガルタイガーの遭遇率が高いことで最近注目を浴びており、シーズンにはインドのサファリファンや外国人観光客でにぎわう。
サファリドライブは朝と午後の2回。ガイドさんとドライバーさんに加え、公園入口でレンジャーがジープに乗り込む。これでいつベンガルタイガーが現れても見逃さないから安心!
さっそく、6時にホテルを出て最初のサファリドライブへいざ出発。

早朝からジープが列をなす公園入口。人気の高さがうかがえる

サファリといっても、アフリカのようなサバンナではなくジャングル内の道路をジープで走り回るといったもの。ジープはオープンカーで、道路も意外とちゃんと整備されているのでなかなか快適。

ジャングルに入ってまず出迎えてくれるのは、シカの一種アクシスジカ。日本と同じく体に斑点があり、なじみがある。奈良公園のシカなどと違って、ジープを見つけるとすぐ逃げてしまうが・・・。

手前のサル、ハヌマンラングールもよく見かける

このあと、ブラックバック(インドレイヨウ)や

ジャッカル、

スイギュウとインドならではの動物に次々と遭遇。テンションが上がる!


けれどなかなかお目当てのベンガルタイガーは現れない。

「最近雨が異常に多いから、あまり期待しない方がいいかも」とガイドさん。
ベンガルタイガーは水分補給のため水辺によく集まってくるが、雨が降ると水たまりがあちこちにできるため、ベンガルタイガーも分散してしまうのだという。
やっぱりベンガルタイガーに出会うのはなかなか難しいのか。それともやっぱり日頃の行いがものをいうのか・・・。

そんな中あるものを発見。

木についた傷は、ベンガルタイガーが爪を研いだあととのこと。やっぱりトラを見れるチャンスはあるのだ。

サファリでの朝食。簡素そうだけど、インドでの食事ランク上位に入るほど美味しかった!

幻想的な湖と湖畔に集まるアクシスジカ

インドクジャク

しかし結局この日の朝のサファリではトラを見ることはできず、午後からのサファリでも収穫はなし。

ペンチ最後のサファリとなった翌日朝のサファリドライブ。いきなり、ベンガルタイガーの目撃情報が入ってきた。
そのポイントへ行ってみると、象に乗ったレンジャーがずらりと並んだジープの近くへベンガルタイガーを誘導しようとしているところ。

象を間近で見れるだけでも十分すごいのに、この近くにベンガルタイガーがいるなんて・・・。ドキドキが止まらない。
そして急にざわつく観光客とガイドさんたち。ついにベンガルタイガーが現れ・・・たのだが、見えたのはほんと一瞬だけ!
しかも私は視力がよくないため、トラっぽい胴体をほんのちょっとだけ見ただけで終わってしまった。

黄色と黒のしましまがかろうじて見える・・・。

その後も近くで待ってみたり、別の目撃スポットに行ってみたりしたものの、ベンガルタイガーとは出会えず。あえなくタイムアップとなった。

今回はトラをしっかりと見ることができず、不完全燃焼に終わってしまったペンチでのサファリ。けれどそれ以外に好きな動物ができたのは大きな収穫だった。それはサルの一種ハヌマンラングール。
数が多いので難なく見ることができるのだが、白い体毛と黒い顔という日本でなかなかお目にかかれない風貌に加え、仕草がどこか人間に似ていて愛嬌を感じる。たくさん見る機会があるけれど、見ていて全く飽きることがなかった。

岩の上にちょこんと

仲間もやってきた

道路脇で歓談中?

一心不乱に木の実を食べる

体育座り

顔アップ

サルの神様ハヌマーンのモデルになったともいわれるこのサル。そのため生息地では神の使いとされ、手厚く保護されているのだとか。ベンガルタイガーもいいけれど、インドでのサファリの際はぜひ彼らにも注目!

<タドバ国立公園>

ペンチ国立公園から車で約4時間、ムンバイと同じマハラーシュトラ州にあるタドバ国立公園。ここもまたベンガルタイガーがよく見られることで、人気がある国立公園のひとつ。
私としては、ミッションを達成できる最後のチャンス。ここでベンガルタイガーを見なければ日本に帰れない!(ということはないけどそういう気持ち)

ペンチと同じく、サファリは朝と午後の2回でやはりガイドさんとドライバーさん以外にレンジャーがつく。
ただペンチが人里離れたうっそうとしたジャングルなのに対し、ここは農村の中に急にジャングルの入口がある感じ。実際、国立公園内に人が住む村もあるそうだ。何百年も前に当時の王様が建てたといわれる石柱もあり、古くから開けていた場所のよう。

公園の周りはのんびりした農村風景

そして待望の瞬間は最初の朝のサファリドライブでいきなりやってきた。
私たちのジープしかいない中、唐突にレンジャーが左側の茂みをさして「タイガー」と声をひそめる。エンジンを止めてじっと見ていると、出てきた出てきた・・・。

全く人を恐れることなく、ジープのすぐ後ろを横切っていくベンガルタイガー。その姿は美しく、神々しいものがあった。
私たちの前で次から次へと現れるベンガルタイガー。その数なんと4頭。なんとファミリーだったのだ!4頭とも堂々と座ってこちらを覗いているものすごい構図になった。何回も何回もサファリドライブに出かけてもベンガルタイガーを見られないこともあるという中、これ以上の幸運はない。

ああよかった、やっぱり自分の日頃の行いが良かったのだ!

「あの母親の名前はマヤだ」とレンジャー。絶滅の危機に瀕しているベンガルタイガー、ここでは生息数を管理して名前をつけ、保護に努めている。その数も年々増えているとのことで、泊まっていたホテルのロビー入り口には年ごとの生息数がホワイトボードに書かれてあった。

トラを発見したときは私たちのジープ以外見当たらなかったものの、このトラの情報は瞬く間に公園内のジープに伝わったようで、気づくとかなりの数のジープに囲まれていた。

ペンチでは外国人観光客が多かったがタドバはあまり知られていないようで、ここに来るのはインド人が中心。その中でも富裕層がほとんどのようで、いいカメラを持っている人が多い。なかにはこんなプロ用と思われるカメラをお持ちの方も。一目見ると兵器か何かか?と思う。

ちなみにタドバでは250mm以上のレンズの持ち込みには追加料金が課されるというルールがあるので、彼らも払っているはず。それだけベンガルタイガーを本気で見たいのだ。ファインダーを覗く真剣な目つきに心を打たれる。

トラを観察するのと同様、トラを観察するインド人を観察するのもなかなか楽しい。けれど彼らにとっては私のような外国人も珍しいようで、まわりからじろじろ見られていたりする。ここでは私たちも、観察対象の動物の一種なのかも。

結局最初に姿を見せてから30分ほどでトラが去って行ったが、感覚としては何時間もの間トラを観察しているように思えた。それほど知らず知らずのうちにトラに魅せられていたのか・・・。

トラが去ったあと、集まっていたジープの集団もちりぢりに走って行った。私たちのジープもここを離れて公園内をひとまわりすることに。

タドバで見られる他の動物も、ペンチとほぼ同じ。

アクシスジカとハヌマンラングール

シカの一種サンバー

大群で水を飲みに来たイノシシ。これは壮観!

公園内には大きな湖があるので、水面から顔を覗かせているワニの仲間マーシュクロコダイルも見られた。

ここの朝食もボリュームがあって美味しかった!

タドバ国立公園の別の入口。よく見ると柵がタイガーカラー

ペンチ、タドバ両国立公園で合計5回サファリドライブして、お目当てのベンガルタイガーが完全に見えたのが1回、かろうじて確認できたのが1回。十分すぎる結果になった。
でもたとえベンガルタイガーが見えなくても、オープンジープでほぼ手つかずのジャングルの中を縦横無尽に走り回る、他の国ではなかなか味わえないサファリは最高の体験になっていたと思う。

インド旅行といえば歴史と宗教を訪ねる旅がずっと主流だった。けれども今回の訪問で気づいたように、この国はアニマルパラダイスとしての一面も持っているし、快適なサファリもできる。これからは「タージマハルを見にインドへ・・・」ではなく、「タイガーサファリしにインドへ・・・」という旅行も当たり前になっていくのかも。
そして多種多様な旅の楽しみ方ができるインドという国の奥深さに、改めて恐れ入るのだった。
【スタッフおススメ度】
●ペンチ国立公園 ★★★★
ほぼ手つかずの大自然が広がるジャングルで、オープンジープに乗ってのサファリドライブ。メインディッシュはベンガルタイガーだが、そのほかにもインドならではの動物をたくさん観察できる。
●タドバ国立公園 ★★★★★
ペンチと同じくジャングル内でサファリ。見られる動物はペンチとほぼ同じだが外国人観光客がまだまだ少なく、穴場的存在。ここでやっとベンガルタイガーを間近で見ることができて感激!
(2016年3月 伊藤卓巳)

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