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あの街この街、どの街もあながち間違いないドイツ・ゲーテ街道への旅〜クリスマスシーズン編〜[2017年12月26日]

11月後半からターキッシュエアラインズ主催によるゲーテ街道の10日間の旅に参加して参りました。ドイツは3回目、今回訪問する都市の中でドレスデンとフランクフルトは以前訪れたことがありますがそのほかの都市は初めてです。ドイツの観光資源は数あれどやはり代表的なのはフランクフルトからローテンブルク、ノイシュバンシュタイン城へと連なるロマンティック街道。今回訪れたゲーテ街道はどちらかというと地味な印象ですが、ライプツィヒへの定期運行があるターキッシュエアラインでアクセスがしやすくなったので、これからドイツ旅行やドイツ文学、クラシック音楽が好きな方がいたらぜひゲーテ街道への旅行をお勧めします。ドイツらしい重厚な中世時代の建築物はもちろんのこと、文学・音楽、そして現代建築というドイツが世界へ発信した文化的な要素もしっかり堪能できるはず。何よりまだまだ観光地化されていない本当のドイツを知るにはうってつけのルートです。ちょうどクリスマスシーズンということもあり各地のクリスマスマーケットの様子も併せてレポートします。

行程は以下のとおりです。
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1日目:出発 機中泊
2日目:ライプツィヒ観光/ライプツィヒ泊
3日目:ドレスデン観光/ドレスデン泊
4日目:ワイマール観光/ワイマール泊
5日目:イエナ観光、エアフルト観光/エアフルト泊
6日目:アイゼナッハ観光/エアフルト泊
7日目:エアフルト観光、ヴェッツラー観光/ヴェッツラー泊
8日目:ヴェッツラー観光、フランクフルト観光/フランクフルト泊
9日目:フランクフルト観光/機中泊
10日目:帰国

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■■■11月29日 ターキッシュエアラインでライプツィヒへ■■■
出発の2時間半前に成田空港に到着。ターキッシュエアラインのカウンターはすでに長蛇の列。
荷物を預けるだけのカウンターであれば空いていたので、急遽成田空港のWIFIを使ってスマホでWEBチェックインをする。10分もかからずチェックインができたので、これで結構時間が節約できた。

その後、空港内をぶらぶらして19:30に今回ご一緒するファムのメンバーと初対面。主にオペレーターやプレス関係の方々で、BtoCの旅行会社は私のみであった。

皆さんと出国検査を通過して、搭乗口へ。ほぼ定刻どおりに成田を出発。
成田出発約2時間に夕食、イスタンブール到着1時間半前に朝食の機内食が出た。途中、おにぎりを一つもらう。夜食のおにぎりはただなのだ。
ターキッシュエアラインは今月の最初に社員旅行で乗ったばかりだったが映画のラインナップが30%くらい入れ変わっていたのには驚いた。

■■■12月1日 ライプツィヒ観光■■■
イスタンブールで約5時間の乗り継ぎ時間を経て、ライプツィヒへ。イスタンブールからライプツィヒまで約4時間のフライト。
ライプツィヒ到着。入国審査のカウンターはたった3つしかなかった。無事入国手続きを終えて、荷物をピックアップ。送迎の車でこの日のホテル、インターシティーホテルへ。

まだ部屋が全て整っていなかったので、荷物だけ預けて、目の前のショッピングセンターへ暇つぶしがてらに入館。スーパーマーケットやドラッグストアを巡り、妻に頼まれていたものを購入。
ホテルに戻り、チェックイン。シャワーを浴びて準備してから皆さんと市内観光へ出発。

●ライプツィヒ観光
ドイツ東部、ザクセン州の最大の都市。人口約60万人、旧東ドイツ地域ではベルリンに次ぐ規模の都市。ライプツィヒという都市の名前について、誰もが一度は耳にしたことはあるのではないだろうか?ドイツ国内の屈指の文学・音楽の都。あのバッハが生涯の後半をトーマス教会の音楽監督し、『マタイ受難曲』などの名曲はこの時代に生まれた。バッハのみならずメンデルスゾーン、シューマン、ワーグナー、瀧廉太郎などゆかりのある音楽家は数知れない。またドイツで2番目に古い大学であるライプツィヒ大学ではゲーテやニーチェ、森鴎外、現首相のメルケルもここで学んだとされる。そんな文化豊かな古都・ライプツィヒでは多くの著名人が通ったとされる数々の史跡やレストランを巡ってみたい。

・ニコライ教会
まず我々が訪れたのはニコライ教会。ニコライ教会はライプツィヒで最も大きな教会である。その純白の内装の絢爛さにため息が漏れる。毎週土曜日の午後5時からはオルガンコンサートが開かれる。なお1989年のベルリンの壁崩壊はここニコライ教会の月曜集会が東ドイツの民主化運動の発端とされているため歴史的にも重要な教会である。

・ライプツィヒのクリスマスマーケット
ライプツィヒ大学構内を経由してクリスマスマーケットを探索。ライプツィヒのクリスマスマーケットはアウグストゥス広場からマルクト広場まで800mほどにかけて続いている。主にエリアは3つに分かれている。大半が一般的なクリスマスマーケットのエリアだが、中世エリアに北欧エリアもある。都市によっては中世マーケットへの入場は有料のところがあるがここは無料。北欧エリアではフィンランドを思わせるサーモンのバーベキューやテントなどが設置されていて面白い。北欧のクリスマスマーケットがどのようなものかは見たことがないので正しいかはわからないが・・・。

・バッハ博物館
バッハの生涯についてののみならず、バッハが使用した楽器、手書きの楽譜の展示が多数。子供でも楽しめるようにタッチパネルやヘッドフォンなど使ったものも多い。もともとはバッハの友人であった商人一家の邸宅であったという立派な邸宅。中でも目を引くのは、バッハが試奏したというオルガン。さらにバッハが作曲した全楽曲のライブラリーを備えた試聴室。バッハ好きなら1日以上いても飽きることがないだろう。

・トーマス教会
バッハ博物館の向かいにある、1212年創立の歴史ある教会。トーマス教会少年合唱団は世界で最も歴史深い少年合唱団でありバッハが音楽監督を務めていたことでも知られている。この音楽監督時代の27年間に「マタイ受難曲」「フーガの技法」「ロ単調ミサ曲」などの重要な曲を残したとされる。バッハ没後200年を記念した1950年にトーマス教会の祭壇にバッハの墓が設けられた。またステンドグラスの一部にはバッハの顔が描かれているので探してみるのも楽しみの一つ。


・アウアーバッハス・ケラー
1525年創業のレストラン。ゲーテがライプツィヒ在学中はこのレストランに通い、酒を飲みつつ「ファウスト」の着想を得たとされている。そのためレストラン内には「ファウスト」の登場人物である悪魔・メフィストを模したイラストや写真がある。館内も歴史を感じさせる造りで見応え十分。森鴎外もドイツ留学中にこのレストランに通ったことを彼の著作で述べており、日本人観光客を意識してか、レストラン壁には森鴎外が描かれている。

■■■12月1日 ライプツィヒホテル調査とドレスデン観光■■■

●ライプツィヒのホテル
ライプツィヒでは宿泊したインターシティーを含めて3つのホテルをインスペクションした。

<インターシティーホテル・ライプツィヒ Intercity Leipzig>
ライプツィヒ中央駅に近い4つ星ホテル。目の前にスーパーマーケットやフードコートなどが入っているショッピングモールがある。また街の中心部であるミッテ地区へは徒歩5分ほどなので交通機関からのアクセスもよく、観光、ショッピングにも便利で立地に関しては申し分ない印象。室内はかなり清潔で機能的、広さはそこそこ。ミニバーやセーフティーボックス、空調あり。無料のWIFIも利用可能。速さは早いわけでないがストレスフルという感じでもない。なおバスタブやスリッパはない。

<ウェスティン・ライプツィヒ Westin leipzig>
インターシティーホテルから徒歩2分、中央駅からは徒歩5分ほどの駅近くの5つ星ホテル。1980年代に鹿島建設が建てたという高層ビル。建てた当時はライプツィヒで最も高い建物だったそうで、高層フロアではライプツィヒの街並みが一望できる。また日本料理レストランが入っており、日本人の利用客も多いのだとか。ちなみに最上階のレストランはライプツィヒの中でも数少ない星付きレストランで、ハリウッドスターも訪問したそうだ。室内は広めで清潔、かなりモダンな造り。建設当初から変わっていないクローゼットなどはまるで新しい家具のように綺麗に手入れをされている。バスタブ、ドライヤー、セーフティーボックス、無料のWIFI完備。館内にはプールやジム、スパなどの施設もある。

<シュタインベルガーグランドホテル STEIGENBERGER Grand Hotel>
ウェスティンが機能面を重視した5つ星ホテルならば、クラシカルな5つ星なのが旧市街のど真ん中に経つシュタインベルガー。歴史ある建造物をそのままホテルに改築したような趣。旧市庁舎近くの立地で、観光には抜群。ライプツィヒの歴史を感じながら滞在したい方にはベストな選択肢だろう。モダンな室内にはバスタブ、ミニバー、スリッパ、無料のWIFI、セーフティーボックスを備えている。中でも驚きなのがバスルームにいながらテレビやラジオなどの音が聞こえるようにスピーカーが備わっていること。スイートルームに関してはバスタブに浸かりながらもテレビが見られるように設計されていた。もちろんジムやスパ、サウナの施設あり。


シュタインベルガーを後にして、ホテルへ戻り荷物をピックアップ。その後、ライプツィヒ中央駅へ。ライプツィヒから11:32のIC2445へ乗り込み約1時間、田園風景が広がる景色の中、高速鉄道の中で過ごす。12:36にドレスデン中央駅に到着。駅ではタクシーの運転手が待ってくれており、タクシーで一路、今宵宿泊するホリデイイン・サウスへ。

ホテルチェックイン後に、ドレスデン観光局の方と合流し、ホリデイインにてランチ。
ソイヤンカというトマトとパプリカのスープとソーセージをいただく。
ランチ後は、ドレスデンお住いの日本人ガイドさんと合流。そのまま市内観光へ出かける。

●ドレスデン市内観光
ベルリンから南へ約200キロ、ザクセン州の州都・ドレスデンは、ドイツ東部随一の人気観光都市。ザクセン王国の首都だった18〜19世紀に建てられたバロック調の街並みは美しく、どこを切り取っても文化的で豪華絢爛な世界が広がっており、「エルベ川のフィレンツェ」と讃えられる理由がわかるだろう。街そのものが博物館のようなドレスデンではあるが、博物館や美術館に展示されているザクセン王家の貴重なコレクションも見逃せない。マイセンの名品から中国・日本の陶磁器やラフェエロ、フェルメール、レンブラントなどヨーロッパ絵画の名作も目白押し、優雅な王侯貴族達の生活が目の前に浮かぶようだ。時間に余裕があればトラムか徒歩でアウグスト橋を渡り、新市街の対岸から眺める旧市街の景色や夜景を楽しむのもいいだろう。

・モルケライ プフント
本来は予定になかったものの皆のリクエストで立ち寄ることになった。実は「世界位で最も美しい乳製品店」とギネスブックに認定されている由緒あるお店なのだ。その理由は一目瞭然。店内を覆い尽くすのは全てマイセンのタイル。繊細な装飾が美しいタイルが張り巡らされた店内はまるで王宮の食卓のよう。店内にはチーズやミルクなどの乳製品はもちろん、お土産になりそうな箱入りの石鹸やチョコレート、シュトーレンにミルクのリキュールもある。パッケージもお店に負けず劣らず可愛らしいのでお土産にもぴったりだ。店内にはカフェも併設されており、フレッシュなミルクやヨーグルトジュースなどを店内で飲むこともできる。ドレスデン旧市街から新市街方面に向かう市電の11番に揺られて10分くらいなので気軽にいってみよう。
(店内は原則撮影禁止だが今回特別に許可を取って撮らせてもらった)

・ツヴィンガー宮殿
アウグスト1世によって建てられた、バロック建築の最高峰。旧市街からの正門にはアウグストがポーランドの国王と兼任していたことを示す菌の装飾を施した巨大な王冠がお出迎え。広大な中庭の両脇には建物がシンメトリーにデザインされている。各所に贅を尽くした宮殿はアウグスト大公の栄華を今に伝えている。現在は陶磁器博物館・数学物理学博物館・アルテマイスター絵画館の3つの博物館となっている。特にアルテマイスターはラファエロの「システィーナのマドンナ」を納める美術館として知られている。

・君主の行列
ドレスデンのシンボルとなっているマイセン製のタイルに描かれた歴史的人物たちの行列。1123年から1904年までのザクセン君主や時代を飾った芸術家など総勢93名。中でもザクセン王国の最盛期を誇った行列のほぼ中央に描かれたアウグスト大公の絵は必見。大公の乗る馬がバラの花を踏みつけているのは、プロテスタントのシンボルがバラであることから、プロテスタントからカトリックへの転向を示しているとされる。行列の後方にはこの作品の作者であるW.ヴァルターも描かれている。

・フラウエン教会
1743年に完成したドイツ最大のプロテスタント教会。しかし1945年第二次世界大戦の空襲により一晩にして崩壊することになる。戦後はしばらく瓦礫のままで戦争の悲惨さを伝える遺構として残されていたが、信者たちの寄付により、1994年に再建が始まり2005年に当時の姿のまま蘇った。中でも注目なのはできるだけオリジナルの教会に使われた石をそのまま使っていること。年月が経ち黒ずんだエルベ川特有のオリジナルの砂岩と新しく使われた石が混在しているため、どの石がオリジナルかが一目瞭然だ。オリジナルの岩には番号が振ってあったためどこの位置の石かがすぐに分かったのだとか。

・ドイツ最古のクリスマスマーケット
クリスマスマーケットの起源には諸説あるが、最も有力なのがドレスデンのクリスマスマーケットだ。ドレスデンのクリスマスマーケットを象徴するのが巨大なクリスマスピラミッド。全長15メートル、6段もの台座がある木製タワー。各台座の上には手作りの木の人形がクルクルとまわっており、楽しげな雰囲気を演出している。
またレジデンツ宮殿の中庭では中世風のクリスマスマーケットが開かれている。中世時代を思わせるようなお店造りや店員の衣装に、ドレスデンならではのバロック式の建物の雰囲気も相まってまさに中世にタイムスリップしたかのようなエリア。入場料が必要ではあるが、ステージでは催し物や、魔女による占い屋さんや、ドイツ風五右衛門風呂など観光客を楽しませてくれるので一見の価値はあり。

観光後はドレスデンのホテルインスペクション。いくつかのホテルを、巡ったあとアルテマイスターのレストランにて夕食。じっくり焼いたアヒルのお肉、シュトーレン風のパフェをドイツビールとともにいただいた。

●ドレスデンのホテル
ドレスデンでは自分の宿泊したホリデイインを含めて4つのホテルをリサーチした。しかし後半の2つのホテルはさすがにクリスマスマーケットで有名な街のため、観光客が多く室内を見ることは叶わなかった。

<ホリデイイン・ドレスデン・シティサウス Holiday inn Dresden city south>
ドレスデン中央駅からタクシーで約8分。住宅街中にあるホリデイイン。市内中心部へはバスで向かう。正直場所はイマイチだが、さすがにホリデイインだけあって機能面はしっかりしている。機能的且つ清潔で、モダンなデザイン。室内は広くはないが一人だけの滞在であれば十分な広さ。室内にはバスタブ、ドライヤー、セーフティーボックス、無料のWIFIつき。

<ウイーンハウスQFホテル Vienna House QF Hotel>
旧市街のど真ん中、フラウエン教会のそばにある5つ星ホテル。もともとアパートを改築したような佇まいなので一見普通の住宅。そのためエントランスは小さいものの、一般的なホテルにはないような間取りや広さを持っている。内装はかなりモダン、室内にはバスタブ、ドライヤー、ミニバー、セーフティーボックス、無料のWIFIつき。旧市街を見下ろす景色も素晴らしい。

<タッシェンベルグパレ ケンピンスキー Taschenbergpalais Kempinski>
ツヴィンガー宮殿の目の前に立つ巨大なケンピンスキー。世界に数あるケンピンスキーだが、ドレスデンのケンピンスキーは建物そのものが歴史的な建造物。アウグスト大公が伯爵夫人に送った宮殿をそのままホテルに利用している。宿泊客はまさに自分が歴史の一部分となったような思いに浸れることは間違い無いだろう。残念ながらこの日はクリスマスシーズンとあり、部屋はフルブック。ホテル内部や外観は徹底してクラシック、館内にいくつかあるレストランはモダンなものから、気軽に食べられるカフェもあるのが嬉しい。なお冬の間は中庭にスケートリンクが設置される。

<シュタインベルガー・デ・ザクセ Steigenberger Hotel de saxe>
シュタインベルガーはドイツの定評のある5つ星ホテルチェーン。ライプツィヒでも拝見したホテルだ。ライプツィヒと共通しているのは旧市街ど真ん中、歴史を感じさせる建物をそのままホテルとして利用していること。ライプツィヒと比べると内装は幾分モダンな印象。2階にはノイマルクト広場が一望できるレストラン。こちらもあいにくクリスマスシーズンのため満室で室内は見せてもらえなかった。

■■■12月2日 ワイマール観光■■■
朝8時半にホテルを出発してタクシーでドレスデン駅へ向かう。列車出発まで30分ほどあるので、ドレスデン駅構内をウロウロ。ドレスデン駅はライプツィヒほどではないが駅内にある売店も充実しているので、ここでショッピングもできそうなくらいだ。ロッカーも多いので、ドレスデンに途中下車するのもいいだろう(ライトアップが素晴らしいので宿泊した方がもちろんいいのではあるが)。

ワイマールへ行くためにまずはICで途中のライプツィヒ駅にて乗り換え、ライプツィヒからは鈍行のリージョナル(RE)に乗って約1時間。ワイマールに到着。
ワイマール憲法やバウハウスの発祥の地として有名なワイマールだが、駅は小さい。後から聞いたところ人口約6万人の都市だそうだ。

タクシーに乗ってこの日のホテルのエレファントへ。

<エレファント Elephant HOTEL>
ワイマール駅から車で約5分。マルクト広場に建つワイマールを代表する5つ星ホテル。地下の「アンナ・アマーリア」は17世紀創業の1つ星レストラン。ガイドさんに曰く、もともとレストランのオーナーがホテルを建てる時に、このマルクト広場でサーカスがよく行われていたそうで、そのことにちなみサーカスによく使われる象をそのまま名前にしたそうだ。メンデルスゾーン、バッハ、リスト、ワーグナー、トルストイなどの著名人もここを定宿にしたことでも知られ、中でもヒトラーはこのエレファントを気に入り、ここのホテルのテラスから演説したとも言われている。歴史的なエピソードに事欠かないエレファントホテルだけあり、さすがにロビーや室内はクラシカルかつ上品。部屋は広めで清潔。室内にはミニバー、セーフティーボックス、バスタブ、ドライヤー、スリッパ、無料のWIFIあり。

エレファントに荷物を預けた後は、ワイマールの市内観光へ出発

●ワイマール市内観光(世界遺産)
1919年「ワイマール憲法」という世界に先駆けた民主的な憲法が制定された由緒ある街。それのみならず文豪ゲーテや音楽家リストはここワイマールで生涯の大半を過ごしたとされ、さらにシラー、クラーナハなどに愛された世界遺産の街でもある。また近代デザインの礎でもあるバウハウスが生まれたのがここワイマールだ。その後バウハウスはナチス時代に移転を余儀なくされるが、ここワイマールでは貴重な資料や、初期のバウハウスデザインを見ることができるとあって建築やデザインに携わる人々の憧れの地でもある。小さな街ながらも革新的な人々を世に送り出すドイツ屈指の文化都市なのだ。

・ワイマールのクリスマスマーケット…
ワイマールのクリスマスマーケットはマルクト広場から劇場広場にかけて、約300mの間に広がっている。ドレスデンと比べると観光客は少なく、かといってライプツィヒと比べて車の往来などはなく、歩行者しかいないような石畳の道を歩いて巡るので、これまでの3都市の中では私はワイマールのクリスマスマーケットが好きだ。クリスマスマーケットを楽しんでいるのもドイツ国内の観光客や地元民が多い印象を受け、店員の人も愛想がいい。
私たちはホテルエレファントの真ん前に屋台を出しているワイマールのクリスマスマーケット名物のテューリンゲン・ソーセージのホットドックとホットワインでこの日のランチ。

・バウハウス博物館(世界遺産)…
バウハウス創立の地に立つ博物館。1919年にヴァルター・グロピウスによって創立された芸術造形学校バウハウスは、近代デザイン史の金字塔として語られる。ヴァルター・グロピウスやオスカー・シュレンマー、パウル・クレーなど一流の芸術家が教鞭をとり1925年にデッサウに移転するまでこの地で絵画、彫刻、家具、印刷に至るまで様々な分野の教育、研究を続けてきた。この博物館にはワイマール時代の歴史を知る展示物や作品が収められている。なお2019年のオープンを目指して、バウハウス創立100年の節目を迎えるにあたって新しいバウハウス博物館をワイマール郊外に建設中だ。

・バウハウス大学(世界遺産)…
ワイマールの中心地から徒歩10分ほど、イルム公園のそばにあるバウハウス大学。デッサウに移転後、残されたバウハウスの校舎は、その後デザイン専門学校を経て建築土木工科大学となり、その後1996年にバウハウス大学と名称を改めた。現在、建築、土木工学、アート・デザイン、メディアの4学部の学生たち約5000人が学んでいる。大学内は出入り自由。そこかしこにあるバウハウスデザインの階段や電球、壁の絵。何より驚くのが現在の視点からも見てもバウハウスのデザインは全く古びておらず、とても100年前のデザインとは思えないこと。特に大学校舎のアールヌーボーとバウハウスデザインの折衷は初期バウハウスを思わせる造りで大変興味深い。

・リストの家…
バウハウス大学近くにあるのがリストの家。現在は楽譜や手紙、実際に使ったピアノを展示する博物館となっている。リストは1842年にワイマールの宮廷楽士長として招かれた。リストの代表曲の大半はここワイマール時代に残されたもの。1861年にローマに移住するが再びワイマールに戻り、生涯を閉じるまでここワイマールで過ごした。

・ゲーテの家…
文豪ゲーテが1782年から1832年の晩年まで過ごしたとされる住居。ゲーテは絵画や鉱石、陶磁器など約5000点もの芸術品の収集家であったそうで、広い住居の中に所狭しに作品が展示されている。中でも面白いのはドア。外から内側に向かって連続で続いているドアは、徐々に小さくなっている。これは家の中の人が大きく見えるような仕組みだそうだ。ゲーテの身長は160センチ程度、ドイツ人としてはかなり小柄だったのがコンプレックスだったとのこと。またゲーテの家には新館が隣接されており、そちらはゲーテの自画像やスケッチ、彼が愛用した楽器などの展示。外観からのイメージよりも館内は大変広く展示物はかなり多いので時間に余裕を持って観光したい。

・クリスマスコンサート…
市内観光の後はヘルダー教会にて、クリスマスのガラコンサート。約1時間半に渡ってのバッハ特集。バッハはここワイマールの音楽監督を務めたことがあるそうだ。教会の中でのコンサートなので雰囲気たっぷり。こういったコンサートの料金は20ユーロから30ユーロ、しかも街の中心地で行われるので、いかにクラシック音楽がドイツないしヨーロッパの方々に身近なものなのかを思い知らされた。

夕食はヘルダー教会近くのJagemannsにて。

■■■12月3日 イエナ観光とエアフルトへ■■■
朝9時半に出発して、ゲーテの家を観光(ゲーテの家については12月2日の項を参照)。
その後、イエナに向かうためにワーマルを出発し、列車に乗る。REの列車で約15分。イエナはワイマールの隣の町である。ワイマール駅ではワイマール観光局の方とガイドの方が出迎えてくれた。荷物を車の中に預けて、ランチのため旧市街へ出発。旧市街は駅から徒歩で10分程度だ。

ランチは旧市街のZur Nollにて、タラのフライを食べる。タラはイエナで沢山食べられる魚だそうだ。ドイツでは基本的に肉が続くので、魚が食べられるのは嬉しい。食後は市内観光へ出発。

●イエナ市内観光
人口の4分の1程度が学生だという緑豊かな大学都市。イエナは「詩人・思想家・研究者の街」とも呼ばれており、街の中心に位置するイエナ大学はかつてゲーテが総長を務めていたという1558年創立の名門大学。さらにはシラー、ヘーゲル、フィヒテなどドイツを代表する文化人が教鞭を振るっていた。イエナ駅近くにはかつてシラーが住んでいたとされるシラー記念館もある。またイエナは世界的な光学機械メーカー「カール・ツァイス」の発祥の地としても知られており、光学博物館では初期の顕微鏡や望遠鏡など光学器具の歴史を知ることができる。

・イエナのクリスマスマーケット…
販売しているものは他と大きな違いはないが、やはり道ゆく人は地元の人々が多い印象。この日は日曜日とあって、皆ホットワインやチーズパンなどを買って、思い思いに雰囲気を楽しんでいるように感じた。マーケットはいくつかのエリアごとに分かれており、一番大きなマーケットはマルクト広場、入場無料の中世のマーケットもある。また午後5時になると市庁舎から生演奏が行われる。

・イエンタワー…
イエナのシンボルとも言える超高層ビル。ショッピングセンター兼オフィスビルだが、屋上の展望台ではイエナの街の展望を楽しめる。といっても私がいった時は雪景色で何も見えず、とにかく寒かった。


・シラー記念館…
シラーの住んでいた庭付きの家。彼は家族や召使いと共に住んだとされ、住居及び隣接する調理小屋や庭塔を見学できる。シラーはイエナ滞在中に『ヴァレンシュタイン』『手袋』や『人質』を書き上げ、戯曲『メアリー・ステュアート』を書き始めた。またこの邸宅の庭ではシラーとゲーテがたびたび意見を交換したとされている。

観光を終えた後はイエナ駅に戻り、荷物を引き取りエアフルトに出発。
イエナからエアフルトへはREで約30分。駅にてエアフルトの観光局の方に合流。
エアフルトはさすがにテューリンゲン州の州都だけあって、イエナやワイマールと比べて一際大きな駅だ。といっても人口は23万人ほどなので日本でいうと埼玉県の春日部市くらいの規模。この日はエアフルト駅そばのインターシティーにチェックイン。

<インターシティー エアフルト Intercity Erfurt>
駅から徒歩で2分程度。駅を使って移動するには最適なホテル。市内中心部へは駅前から出ているトラムを利用して。徒歩でも15分程度の距離だ。ホテルはシンプルで機能的。エントランスやホテルロビーはライプツィヒで見たものよりも小さめだが、清潔で好印象。室内も同様でドライヤー、ミニバー、無料のWIFIあり。バスタブはなくシャワーブースのみ、セーフティーボックスやスリッパはない。

チェックイン後に早速、クリスマスマーケットを見学しつつ、夕食のレストランへ向かう。エアフルトのクリスマスマーケットについては12月4日のエアフルト市内観光の項目で。
ちなみに夕食はボークステーキをローカルビールとともに。


■■■12月5日 エアフルトとアイゼナッハ観光、フルダへ■■■
8時半に朝食をとり、エアフルト観光へ。

●エアフルト市内観光
テューリンゲンの州都・エアフルトは8世紀にマインツ大司教の司教座が置かれた歴史的古都だ。13世紀には藍染産業の中心地として栄え、第2時世界大戦の戦火を免れた旧市街には中世時代に建てられた荘厳な建物が多く残っている。中でも象徴的なのはクレーマー橋。橋の両脇に木組みの家が立ち並ぶ様子は美しく、フィレンツェのベッキオ橋を彷彿とさせるが、店舗と住居を備えた石橋は他に例を見ない。またゲーテがナポレオンに謁見した邸宅やマルティン・ルターが学生時代を過ごしたエアフルト大学など各所に見所が点在する文化の香り漂う都市だ。

我々が訪れたエアフルトの見所は主に以下の通り。

・ドーム広場…
エアフルトのシンボルとも言えるのがこのドーム広場に立つ、2つの教会。向かって左側がマリエンドーム大聖堂。742年に設立された礼拝堂が起源。14世紀にはゴシック式の内陣が加えられ、現在のような姿となったのは1465年。内部にはステンドグラス、ロマネスク様式の聖母像、青銅の燭台など見所多数。右側に建つのが3本のとんがり屋根が特徴的な外観の聖セヴェリ教会。1280年に僧院教会として建築が始まったカトリック教区の教会だ。内部には聖セヴェリの石棺、石の聖母像など芸術的な作品が数多い。

・クレーマー橋(商人の橋)…
両側にドイツ特有の木枠の建物がある石の橋。長さは120メートル、人が住む橋としてはヨーロッパ最長の橋だ。橋を北側から見ると橋の構造がよくわかる。建物の1階は焦点となっており雑貨屋、チョコレート専門店などが軒を連ねている。中でも知られているのがゴルトヘルム・ショコラーデンマニファクトゥーアという手作りのチョコレート工房。ドイツの名産を使ったチョコレートが豊富で、女性の旅行客に大人気だ。

・アウグスティナー修道院…
1277年に創立されたゴシック様式の修道院。かつてマルティン・ルターが約6年間、僧侶としてこの修道院で活動していたという。現在は修道院時代の歴史やルターにまつわる資料の博物館となっている。

・エアフルトのクリスマスマーケット…
ドーム広場を中心に広がるエアフルトのクリスマスマーケットはさすがテューリンゲン最大の都市だけあり、大きな賑わいを見せる。と言ってもドレスデンのように有名なクリスマスマーケットではなく、大都市からのアクセスもそこまでいいとは言えないので、お客さんはほぼ近郊にお住いのドイツ人。外国人観光客はほぼいない。ローカル色が強すぎず、かと言ってもお店のバリエーションも豊富なので、ツーリスティックなクリスマスマーケットが少し飽きてきた方には大変おすすめ。ドーム広場の大聖堂の裏側は中世のマーケットになっている。もちろん入場は無料。

エアフルトを観光した後はホテルに戻り、アイゼナッハに向けて出発。エアフルトからアイゼナッハはICで約30分。アイゼナッハ駅にて係員と合流して、アイゼナッハの観光を開始。まずはヴァルトブルグ城へ向かう。

●アイゼナッハ観光
アイゼナッハはテューリンゲンの森の北西部に位置する人口4万人ほどの小さな街。テューリンゲンの森を見おろすように建てられたヴァルトブルグ城は石造りの堅牢な後期ロマネスク様式。その美しさから最も「ドイツらしい城」とも言われる。ノイシュバンシュタイン城主のバイエルン王ルードヴィヒ2世が城を建てる際にヴァルトブルグ城の「祝宴の間」を参考にしたのは有名なエピソード。またかつてバッハが生まれてから10歳まで過ごしたとされる築600年以上の生家が、現在は「バッハの家」という博物館として解放されている。展示物はライプツィヒのバッハ博物館の2倍以上。中でも当時の楽器を使ったミニコンサートは興味深い。

・ヴァルトブルグ城(世界遺産)…
1067年テューリンゲン伯爵ルードヴィヒ・デア・シュプリンガーが建てたとされる世界遺産の城塞。お城の一部がレストランとホテルになっており、観光の前に我々はこの展望の良いレストランで腹ごしらえ。さすがに古城のレストランとあって、優雅な雰囲気に浸れる。
その後、坂道を登り城の上部へ。城内は現在博物館となっており、出土品や当時の調度品など中世そのままの内部を見学できる。日本語の音声ガイドもあるのでチケットを買うときに申し出よう。ヴァルトブルグ城の必見ポイントは3つ。1つはエリザベートの間。壁に描かれた金色のモザイクが美しい。モザイク画の内容は聖エリザベートの一生を表している。2つ目が前述したバイエルン王のルードヴィヒ2世が城を建てる際に参考にしたという「祝宴の間」。もともと平らだった天井は1817年にドイツ学生組合がヴァルトブルグ城で祝宴を催した際に急仕立てで整えたものだそうだ。3つ目が「ルターの部屋」。ルターが10ヶ月をかけて新約聖書をドイツ語に訳した小部屋。この新約聖書の完成が現在のドイツ語の基礎になっている。まさにプロテスタント及びドイツ語の始まりの場所とも言える。

・バッハの家…
バッハが生まれてから10歳まで過ごしたとされる築600年以上の生家。ライプツィヒの博物館も立派な施設だったが、このアイゼナッハの博物館はさらにそれに輪をかけて立派。展示物は2倍以上。天井からぶら下がった透明なカプセルの椅子に座りながら聞けたり、演奏者の映像と巨大なスクリーンで鑑賞できるブースがあったりと見た目にも楽しい。中でもバッハ作った楽曲を当時の楽器を使って演奏してくれるミニコンサートは興味深いため、時間やタイミングが合えば必ず参加したい。施設内にはギフトショップやカフェなども併設されている。

・アイゼナッハのクリスマスマーケット…
アイゼナッハのクリスマスマーケットはかなり小さい。小さいながらも地元の人が楽しんでいるような感じはあるのでアットホームな雰囲気を味わいたいなら是非。

アイゼナッハを後にして、ICEにて約1時間でフルダへ。フルダ駅にてフルダ観光局の方と日本語ガイドさんに合流してホテルへ向かう。
フルダのホテルは東側の出口から徒歩3分ほどのコンベンションセンターを兼ねた大型ホテル、エスペラント。

<エスペラント Esperanto>
フルダ駅そばの4つ星ホテル。比較的新しく清潔。近くにはレストランなどはないが、駅にはいくつか売店などあるので立地は良い。館内にはゲストは無料で使えるスパを併設。比較的広めの室内にはスリッパ、バスタブ、ミニバー、ドライヤー、無料のWIFIを備えている。

ホテルにチェックイン後は、旧市街まで歩いてクリスマスマーケットを観光しつつ夕食会場へ。フルダのクリスマスマーケットについては12月5日の項目で。
レストランは大聖堂近くマリティムホテルの地下にて。

■■■12月5日 フルダ観光とヴェッツラー観光■■■
朝食を食べた後フルダを観光。

●フルダ市内観光
フランクフルトから北東に100キロ、ヘッセン州のフルダはドイツのほぼ中央に位置するベネディクト派の修道院を起源とした古都だ。744年に聖ボニファティウスが修道士シュトゥルミウスに修道院の建立を命じたのがきっかけである。間も無く巡礼地となり急速に発展したフルダが現在のようなバロック式の建物の建築が始まったのが18世紀ごろと言われている。またかつてゲーテはワイマールからフランクフルトへ移動するときに必ずフルダにて1泊していた。彼が定宿にしていた旧市街のホテルは今も営業しており、ホテルのレストランではゲーテが好んで食べたメニューを用意している。

オランジェリーと市宮殿に囲まれたバロック風とイギリス風の宮殿庭園を抜けて、まずミヒャエル教会へ。

・ミヒャエル教会…
ベネディクト派の修道士墓地の教会として9世紀初期に建てられた。カロリング朝時代のクリプタ(地下の大聖堂)が残っており、フルダの中でも最も古く貴重な建造物の一つ。

・大聖堂…
ミヒャエル教会の隣にあるのが、フルダの建築物の中で最も象徴的なバロックである大聖堂。元々は修道院だったが、建築家のヨハン・ディンツェンフォーファーがバジリカの基礎を残したまま、サン・ピエトロ大聖堂を参考にイタリア・バロック風に設計された。祭壇には聖ボニファティウスが埋葬されており、未だ宗教的に重要な巡礼地である。なお博物館が隣接しており、そちらでは聖遺物や儀式のための衣類や道具などを収めており、フルダの歴史を知ることができる。

・フルダのクリスマスマーケット…
東ヘッセン州のフルダのクリスマスマーケットは、6万人の地方都市にしては大都市に引けを取らないかなりゴージャスな造りになっている。マルクト広場には巨大なクリスマスピラミッドがあり、2階に登ることができる。クリスマスマーケットは数多いが人が登ることができるクリスマスピラミッドは珍しい。またフルダのクリスマスマーケットは3つのエリアに別れている。普通のクリスマスマーケット、中世エリア、「冬の森」エリア。最後のエリアは年によってテーマは異なり様々な趣向が凝らされている。今年は「冬の森」がテーマで、地面には木のチップが敷き詰められており、まるで森を歩いている気分。踏みしめるたびにふかふかしているので気持ちがいい。遊びにくるお客さんは地元の方がほとんどで観光客は少なめ。と言ってもお店の方はフレンドリーなので、とっても過ごしやすい。

フルダを観光した後は、ホテルに戻り荷物をピックアップ。
その後、駅に向かいお世話になったガイドさんとお別れ。

次なる都市・ヴェッツラーへ向かう。フルダからヴェッツラーへは私鉄で約2時間。昼食は車内でサンドイッチをいただく。
ヴェッツラー駅にて現地の観光局の方とガイドに合流して、今夜のホテルへ移動。
車で8分程度のミシェルホテルヴェッツラー(Michel Hotel Wetzlar)へ。

<ミシェル ホテル ヴェッツラー Michel Hotel Wetzlar>
駅から旧市街を挟んで反対側にある4つ星ホテル。駅からは車で8分。旧市街へは徒歩10分ほど。ホテル自体は大変近代的で新しい。中にはサウナ、プール、バー、レストランを備えている。ホテルのバーは深夜1時まで営業している。この辺りは周りにお店はないため、こういったバーがあるのは嬉しい。ちなみに夜バーに行ったところ、平日の夜にも関わらず大変賑わっていた。地元の方々もきているのだろうか。ホテルは2棟に分かれており、我々が宿泊したのは別館のスタンダードルーム。部屋は比較的広めで、バスタブ、セーフティーボックス、無料のWIFIあり。ミニバーやスリッパはない。ロケーションさえ気にならなければ大変機能的なホテル。


ホテルでしばし休憩した後はヴェッツラー旧市街へ。

●ヴェッツラー観光
フランクフルトから北に60キロにある人口5万人の都市。青年ゲーテがこの街にて「若きウェルテルの悩み」を生み出すきっかけとなった街。この街の景観を特徴づけているのが美しい木組みの家々が織りなす街並み。18世紀ごろの建物が保存、修復がなされ美しい状態を保っている。中でもコーンマルクトの景観は圧巻。ヴェッツラーは10世紀ごろにフランクフルトと同等の帝国都市に位置付けられ、時の皇帝フリードリヒ1世バルバロッサは帝国の土地を守るためにヴェッツラーの高台に城塞を築いた。現在もその遺構を街中に見ることができ、当時の面影を感じることができる。文化・歴史・建築の面からも興味がつきない街だ。

・ロッテハウス…
1772年、青年ゲーテは見習生としてヴェッツラーの帝国最高法院に在籍していた。その時、ゲーテは友人の婚約者であるシャルロッテ・ブッフに恋に落ちる。その苦い経験を参考にして書かれたのが処女作の「若きウェルテルの悩み」である。ゲーテが足繁く通ったシャルロッテの自宅(ロッテハウス)は現在博物館として開放され、当時のことをしのばせる。

・ヴェッツラーのクリスマスマーケット…
今回訪れたゲーテ街道の中でも街の大きさに比例してかなり小規模な印象だが市庁舎の前にはスケートリンクが設置されるなど地元の人々のみで盛り上がっている。取り立てて必見というわけではないが、田舎町な雰囲気がいい。

夕食はローカルレストランのDer Potreiterで。途中、ゲーテに扮した方(多分現地ガイド)がやってきて場を盛り上げる。
夕食後は有志で駅前のスーパーマーケットに出向き、お土産の買い物を楽しむ。私はドイツのクラフトビールやドイツブランドのチョコレートをたっぷり購入。

■■■12月6日 ライカ本社観光とフランクフルト観光■■■

朝8時半にホテルロビーに集合し、ヴェッツラー郊外にあるライカ本社へ。

・ライカ本社…
カメラファン憧れのメーカーとして知られるライカ。著名なジャーナリストやカメラマンが愛用し、ライカのレンズを通して世界を動かしてきた。2014年に本社を発祥の地・ヴェッツラーへ凱旋移転。レンズの形を模した本社オフィスの1階にはライカのマイルストーンとなった名機や定期的に写真展が開かれている。私が個人的に心引かれたのは、雑誌や新聞の表紙を飾った数々の有名な写真。モハメドアリやチェゲバラ、ベトナム戦争などどこかで見たことがある写真はいずれもライカ社のカメラで取られたそうだ。
その後、英語のガイドツアーに参加して、実際の修理・製造工程の一部を見学や、カメラの仕組みやライカの歴史を紹介してもらう。展示にはライカの偽物を集めたコーナーがあり、中国や日本、ロシアで作られた偽物の中には今や世界のカメラ界のスタンダードとも言えるキャノン製のライカを模したカメラが公開されている。あのキャノンも最初はライカのコピーから始まったことを物語っている。
ヴェッツラーはライカのみならずカール・ツァイスの工場もあるそうなので、カメラファンにはたまらない場所であろう。オフィスにはライカショップも併設されている。

その後、ライカ本社近くのカフェにて休憩。
途中、本社近くにできる予定のホテルの紹介を受けて、ヴェッツラー駅へ向かう。

ヴェッツラー駅にてガイドさんや観光局のスタッフとお別れ。一路フランクフルト駅を目指す。
ヴェッツラーから約1時間、フランクフルト駅に到着。
駅からはタクシーでこの日のホテルであるマリティムホテルへ移動。

<マリティム MARITIM>
フランクフルト中央駅から車で5分、地下鉄にも近く中央駅までは2駅のメッセ会場に隣接する5つ星ホテル。こういった立地ゆえメインの客層はメッセ会場を利用するビジネスマン。徒歩で観光に行くのは少し時間がかかるため、移動手段を重視しなければ満足いただけるホテルだろう。ホテルそばにはショッピングモール・スカイラインプラザができたので買い物にも便利。室内にはセーフティーボックス、バスタブ、無料のWIFIあり。スリッパ、ミニバーはなし。館内にはプール、ジムなどの施設を備えている。

ホテルにチェックイン後はスカイラインプラザにてお土産を物色、その後ガイドさんと合流してフランクフルト観光へ出発。

●フランクフルト観光(前半)
日本からの直行便が多数運行する国際都市フランクフルト。中世の時代には神聖ローマ帝国の帝国都市として戴冠式などが行われ、17世紀にはロスチャイルド家などの銀行家が、フランクフルトを金融都市として発展させる。第2時世界大戦時には空襲により甚大な被害がでたフランクフルトだが、戦後は高層ビル群がたつ近代的な街へと生まれ変わった。とはいえかつての戦火を免れた大聖堂や旧市庁舎、ニコライ教会は当時の栄華をしのばせ、マイン川の沿いには博物館が多数連なり、街の中心地にはこの街の誇りであるゲーテの生家もあるため見所は尽きない。

ホテル近くの地下鉄駅からまず向かったのがクリスマスマーケットのメインエリアとなるレーマー広場。

・レーマー広場…
フランクフルト観光の中心ともいうべきエリア。レーマーとは1405年からフランクフルト市庁舎として利用されている建物で階段状の屋根が特徴。市庁舎前に広がる広場はレーマー広場と呼ばれ、中世の歴史的な街並みを再現している。ちなみにレーマーとはイタリアのローマが名前の起源である。

・パウロ教会…
1848年5月にドイツの自由と統一を図ろうとしたフランクフルト国民議会が開かれたことで知られている教会。この時に決議された制度はのちのワイマール憲法やドイツ連邦共和国の基礎となった。しかし当時、プロイセン国王が自由主義的な憲法は当然ながら受けいられらず、自由主義的なドイツ統一は頓挫した。

・大聖堂…
神聖ローマ帝国皇帝の選挙と戴冠式が行われた、13世紀から15世紀にかけて建てられたゴシック式の教会。高さ95メートルの塔は遠くからでも目立つ。主祭壇のホーホーアルター、中央祭壇の「四組祭壇」や南正門の「7人の預言者」は見逃せない。なおガイドさん曰くアルプスの少女ハイジにもこの大聖堂は登場するそうだ。

・フランクフルトのクリスマスマーケット…
やはりドイツで一番のゲートシティたるフランクフルトだけあり、様々な人種のお客さんが目立つ。そのため出店しているお店の数や種類はこれまで体験した中でも飛び抜けて多い。しかしガイドさんの話を聞くとフランクフルトのクリスマスマーケットへの新規参入は難しいらしく、お店を出しているお店は何代にも渡って同じ場所に同じお店を出しているそうだ。私たちが訪れたアーモンド菓子屋さんで何年ほど続いているか確認したところ33年目だという。現在の主人は3代目とのこと。またフランクフルトのホットワインも他の街とは違い、ワインの味が濃い印象。ガイドさん曰く、ワインの味やカップに至るまでフランクフルト市より細かい規定があるそうだ。様々な人々がやってくる国際都市だけあり、フランクフルト市はクリスマスマーケットのお店のレベルや味に、他の都市よりもこだわりを持っているように感じた。


この日の夕食はマイン川の対岸にある地元客で賑わうDAHEIMへ。飲屋街がひしめく下町の風情の中にあるレストラン。私はフランクフルトソースのシュニッツェルをリンゴ酒とヴァイツェンを注文。ライ麦の黒いパンも美味しい。スタッフもフレンドリーで文句なし。ちょうどこの日は12月6日のセント・ニコラウスの日のためサンタクロースに扮したおじさんたちがクリスマスソングの演奏会を開いており、運良く聞くことができた。

■■■12月7日 フランクフルト観光&ショッピング、ドイツ出国■■■

フランクフルト滞在2日目。
朝9時にマリティムホテルのホテルインスペクション。
その後2度目のフランクフルト観光へ

●フランクフルト観光(後半)
この日はゲーテが英語でゲーテの生家と歴史博物館まで案内してくれた。ゲーテが地下鉄に乗って我々を案内してくれる様子はシュールだった。なぜ地下鉄の乗り方までわかるの?と聞いたところ「私はモダンな男なのだ」ということだった。

・ゲーテハウス…
ゲーテの生家は第2時大戦の際に破壊されてしまったが戦後忠実に復元された。調度品に関しては避難をさせていたためオリジナルを見ることができる。ゲーテは1749年8月28日に生まれた。ゲーテの父は政府高官、母はフランクフルト市長の娘というフランクフルトの中でも屈指の名家であった。当時の暮らしぶりを伝える展示内容となっている。

その後旧市街を歩きながら歴史博物館へ移動。

・歴史博物館…
フランクフルトの古代〜現代にかけての歴史を物語る資料を展示している博物館。博物館には城壁の一部、帝国時代に使われた道具、古銭のコレクションなど展示物のジャンルは多岐にわたる。特に近現代の展示が充実しており、中でも圧倒されるのはフランクフルトの街を再現した巨大なジオラマ。難しいこと抜きにして楽しめる展示も多数あるので時間に余裕があったらぜひ訪れてみてほしい。

フランクフルトの買い物といえば…
歴史博物館を観光した後はお土産を買いに中心部のデパート・ギャレリアカウフホーフへ。特に買いたいものが決まっていないのであればこのギャレリアはおすすめ。ドイツブランドはもちろん様々なジャンルの人気ブランドが出店しているし、地下は高級スーパーになっているので、ご近所や友人たちへのちょっと贅沢なお土産を探す場所としてはちょうどいい。ビールやワイン、チョコレートなども豊富に揃っているし、ビールが苦手な人へのお土産であればアップルサイダーやフランクフルト名物のリンゴ酒も売られている。私はここでドイツらしく黒いパン(ライ麦パン)とプレッツェル、チーズを購入(3つで10ユーロ程度)。

その後ホテルに戻り、シャワーを浴びて帰国の準備。タクシーでフランクフルト空港へ。
お土産をたっぷり詰め込んだスーツケースは許容範囲ギリギリだった。
こうして10日間に及ぶゲーテ街道の旅は無事に終了。

【旅行を終えて】
10日間の旅行を終えて感じたのはドイツの中小都市の持つ観光力のアベレージの高さです。街中に構える大聖堂や教会などの貴重な建造物、博物館などの資料の充実さやアクセスの容易さはほかのヨーロッパの国々の中でもトップレベル。これまで名前を聞いたことがなかった片田舎の都市であっても、息を飲むような美しい光景や見事な建築物、素晴らしい施設が必ずありました。時や場所を選ばず、常に新しい驚きを与えてくれるドイツ。やはり4回目、5回目と訪ねたくなる魅力のある国であることを再認識した旅行となりました。
最後にこの旅行を主催していただいたターキッシュエアラインズ及び旅行に同行してくださったドイツ観光局の大畑さん、また今回に旅行で出会うことができた私と同様に旅行関係に勤務している方々やメディアの方々にこの場を借りて感謝します。私が持つ視点とはまた別の視点でドイツを見ることができ、また今回訪れなかった場所に関しても興味を持つきっかけとなりました。ドイツに関しては比較的に知っている気にはなっていましたが、まだまだ知らないことが数多くあり、ドイツの奥深さを実感した旅となりました。

【9都市の感想】

ライプツィヒ★★★★
ドイツ国内の屈指の文学・音楽の都。バッハを始め、クラッシック音楽に馴染みがある人であればさらに楽しめるのではないだろうか?またゲーテや森鴎外が通ったとされるアウアーバッハス・ケラーもライプツィヒに訪れた記念にぜひ行って見てほしい。

ドレスデン★★★★★
今回訪れた9都市の中でもやはりドレスデンの旧市街の優雅さはピカイチ。ドイツに訪れたならぜひ一度は行ってほしい場所。クリスマスマーケットはさすが最古のマーケットだけあって観光客に大人気。フランクフルトに次いで混雑していた印象。

ワイマール★★★★
この街の見所は何と言ってもバウハウス関連の施設とゲーテの家。バウハウスについてはデッサウやベルリンにも関連施設はあるが、2019年に新しい博物館がオープン予定なのでそれが楽しみだ。ドイツ国内に数あるゲーテの家の中でも生涯の大半を過ごしたゲーテの家は数あるゲーテの博物館の中でも規模が大きく、展示物の数も充実。

イエナ★★★
ゲーテ街道の街でも最も日本人に知られていないであろう学生の街。小さい街で緑が多く、のんびり気ままに滞在したい方にはおすすめ。

エアフルト★★★★
実はこの旅に参加するまで、私はこの都市の名前を知らなかったのだが、訪れて見てびっくりこんなに素晴らしい場所だったなんて。2つの教会が見事なドーム広場に、木組みの家が並ぶ商人の橋。観光客が少ないのはそのアクセスゆえだろうか。クリスマスマーケットの雰囲気もいい。

アイゼナッハ★★★★
世界遺産ヴァルトブルグ城は必見。ノイシュバンシュタイン城の見本となったドイツの数あるお城の中でも最も素晴らしい城の中の一つ。国内最大規模のバッハ博物館も見逃せない。

フルダ★★★☆
修道院を中心として広がった古都。大聖堂、ミヒャエル教会、オランジェリーと市宮殿とその庭園など土地を広範囲に使った巨大な建物が多い。個人的には訪れた9都市の中でのクリスマスマーケットではベスト1、2を争うほど、私の好みだった。

ヴェッツラー★★★★
今回の旅、最大の掘り出し物と言えるのがヴェッツラー。フランクフルトから約1時間の小都市。どうしてもフランクフルトの影に隠れがちだが木組みの家々の見事な景観を持つコーンマルクトのライトアップは必見。観光客もほぼいないので、ぜひ今のうちに出かけてほしい。

フランクフルト★★★★
ドイツのゲートシティだけあり、やはり観光・買い物・食事など様々な要望に応えてくれる都市。これまで小さな都市を巡っていたので、大都市ならではの良さを実感した。美しいレーマー広場を中心としたクリスマスマーケットは広範囲に渡り大きな賑わいを見せる。

(2017年11月 橋本康弘)

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