石油のほか金融、貿易で富む 近代的でゆったり、清潔な町並み(UAE)

オイルマジックの街

ドバイと言われて連想するのは砂漠、石油、そして昔ヨーロッパへ行くとき飛行機が止まった中継の空港。今ならサッカーのワールドカップ予選の相手国だったUAE(アラブ首長国連邦)の都市。このくらいが私の知り得るすべてだった。
7つの首長国からなるUAEのうち、アブダビに次いで2番目に大きい首長国のドバイは「中東の香港」と呼ばれているらしい。
実際に町並みを見てみると、近代的でゆったりとして清潔なところは、むしろ「中東のシンガポール」という感じであった。
ペルシャ湾の入り口に位置する貿易港であり、町中が免税のフリーポートだから、モダンなショッピングセンターも立ち並ぶ。クリーク(運河)が街を分け、アブラという水上タクシーが存在するのもこの街の特徴だ。
30年ほど前に油田が発見されるまで、この地は一面砂漠と荒野が広がっていて、こんなビル群は何一つ存在しなかったなどとは想像もつかない。まさに「オイルマジック」を目の当たりにした気分だ。

税金、教育費は無料

3885平方キロの面積に住む68万人の人口の20%は地元ドバイの人々で、残る80%がインド、パキスタンなどからの出稼ぎ移民である。
ドバイの人々は石油以外にも金融や貿易で潤う金持ちが多く、しかも国から家も安く支給され、税金も教育費もすべて無料というからうらやましい限りだ。労働力の大半は出稼ぎの外国人で賄っているわけだ。
地元民は敬虔なイスラム教徒だから、女性は黒いアバヤという衣装で全身を包みベールで顔を隠している。
600店もの金製品の店が両側に軒を連ねるゴールドスークを歩いていると、ゴールドショッピングを楽しむ 彼女たちの手に金のブレスレットや指輪がジャラジャラと見え隠れしていたりして、思わずのぞき込みたくなってしまうのだ。
それにしても、中東というととかく危ないイメージが付きまとうが、あるガイドさん曰く(いわく)、「この街は治安がいいから、女の人が夜、金や宝石のアクセサリーを付けまくって歩いていても、何一つ盗(と)られる心配はありません」と断言していたのが印象的だった。

4WDの砂丘滑り

いくら偉大なるオイルマジックとはいえ、ドバイに砂漠がなくなったわけではない。実は街から一歩外へ足を延ばせば、期待通りの砂漠が赤茶けたスロープを見せてくれるのである。
ドバイから4WDで砂丘登りをして、バーベキューランチを楽しむという日帰りプランが一般的だが、私はその後マウンテンリゾートであるハッタに泊まるため、南東へ向け車で1時間、途中オマーンとの国境を越えてオマーン領を通り抜けて行った。ハッタへ行く場合のみオマーンのビザは不要なのだと知った。
ごつごつした岩ばかりの迫力あるハッタマウンテンに近い砂丘はずいぶん砂の色が赤い。海沿いの砂丘の砂は白っぽいが、ここら辺は山から鉄や銅の成分が溶け出して砂を赤くしているのだとか。
砂丘登りは自分の足ではなくジープで上がってくれるので楽チンだ。かなりの急カーブをジェットコースターみたいな猛スピードで滑り落ちるのはスリル満点である。
砂丘の頂に立って、4WDが砂丘を登り降りするのを見ていると、自分が乗っている以上にドキドキする。私たちが乗るときは厳しくシートベルトを着用させるのに、自分だけはシートベルトを締めようともせず、ドライバーは自慢気にアクロバティックな砂丘滑りを披露してくれたのだった。