おとぎ話の世界!トゥルッリ滞在とイタリア料理講習・アルベロベッロ

世界遺産の町・アルベロベッロの旧市街

世界遺産の町のとんがり屋根のトゥルッリ

童話の世界に紛れ込んだかのようなとんがり屋根のトゥルッリの家並み。イタリアのかかとの部分、豊かな農業地帯として知られるプーリア州にある世界遺産の町アルベロベッロ。ここへ行くなら、トゥルッリのホテルに泊まってみたいとかねてから思っていた。トゥルッリは15世紀もの昔から建てられてきた伝統的な家だ。石灰岩がたくさん採れる土地柄、また川がなく水の確保をもっぱら雨水に頼るため、雨水を取り込める三角屋根と貯水タンクが必要だった。外壁は1.5mもあって、屋根は3重構造である。45℃にもなる夏でも中は10℃も涼しく、氷点下の冬も中は暖かく、傾斜のある屋根に雪も積らない。

もともとオレンジ色だった屋根の石は風化して茶色になり、美観のため白く塗られた外壁と共に、情緒ある外観を生み出している。屋根に書かれた白いユニークな模様は、その家の信仰やギリシャ神話に由来しているもので、時々見かけるIHSという文字はイエスキリストの意味だとか。また、トンガリ屋根のてっぺんに付いた飾りはピナクルと呼ばれる家紋のようなものだという。

ホテル・トゥルッリ・ホリディ

お部屋一例

一軒家丸ごと貸し切って滞在するトゥルッリ

アルベロベッロの中心地であるモンティ地区には、なんと1030ものトゥルッリが密集している。小道に面してトゥルッリが建ち並ぶ姿はおとぎ話の世界にほかならない。ひとつひとつがレストランや土産物店になっている観光エリアの真っ只中に、目指すわれわれのトゥルッリホテルはあった。
さあチェックインとレセプションを探す。ところが、それらしきものはない。係りの人が現れて通りに面したドアの鍵を開けてくれたので中へ入ると、そこはいきなりテーブルと椅子が並ぶリビングルーム。なんとトゥルッリが一軒家丸ごと貸切なのだった。人数によって小さなトゥルッリから部屋がいくつもあるトゥルッリまであって選べるのだ。私たちのトゥルッリはファミリー向きに部屋が2つあって、小さなキッチンも付いていた。天井が高く白い壁のリビングには暖炉もありなんとも素敵。台所の勝手口から外庭に出て石の階段を登ると、トゥルッリの屋根が密集した風景が見渡せる。隣のトゥルッリと壁を共有しているのもたくさんの家を建てるための手段だと聞いた。ホテルの管理事務所は歩いて5分のところにあって、その裏手のトラットリア(レストラン)に朝食を食べに行くというシステムもおもしろい。

クッキングレッスンでの一コマ

オレキエッティのできあがり!!

見よう見まねで何とか完成!難しくも楽しいクッキングレッスン

アルベロベッロ滞在中のハイライトは、プーリア州の地方料理のクッキングレッスンだった。町外れの田舎の農家、パッピーノさんのお宅にお邪魔することになった。広い敷地を持つ農家で、犬や猫のほか牛や馬、ヤギに羊に豚、そしてウサギにイグアナまで飼っている。ウサギが可愛くて娘はさっそく追いかけて遊んでいた。
お父さんとお母さん、18歳の息子さんの3人暮らしで、全員英語はまったく話せず、でも陽気で優しく、よく食べよくしゃべる、イタリア人らしいにぎやかな家族だ。
講習メニューはプーリア州の名物、耳たぶ型のもちもちパスタ「オレキエッティ」のトマトソースと、シチュー。熟練技のお母さんが器用に耳たぶパスタを作って見せてくれ、見よう見まねで私たちも作る。意外に難しいものの楽しい体験だ。骨付き肉はオリーブオイル、ニンニク、バジルと農家で採れた自家製トマトのソースをたっぷり使い、ブランデーも入れてじっくり煮込む。
すべて自家製のワインやさくらんぼのジュースなど飲みながらの楽しい試食タイム。オレキエッティはさすがに本場の美味しさ。シチューも柔らかい肉が味わいがある。何の肉かとお父さんに聞いてみる。するとお父さんは自慢げに言った。
「ウサギ肉だよ。農場で今朝まで走り回っていたウサギだから最高だ。この辺りでは一番のご馳走さ」