奥深いジャングルの中に眠るマヤの至宝(メキシコ・パレンケ遺跡)

碑文の神殿

ジャングルの中の遺跡

鬱蒼と生い茂る熱帯雨林のジャングルを分け入って歩くのは、ちょっとした探検家の気分であった。メキシコで最高の遺跡が、ここパレンケにあると聞いてはるばるやってきた。以前訪れたグアテマラのティカール遺跡に匹敵する素晴らしさと聞いて、期待は膨らんでいた。いずれもジャングルに埋もれたマヤの遺跡だ。

点在する神殿や宮殿

迫力!「碑文の神殿」

しばらく行くと、突然ジャングルが開け、目の前に姿を見せたピラミッド型の建造物。これがパレンケ遺跡の中でもとりわけ壮麗な「碑文の神殿」であった。すごい迫力だ。
マヤ文明の最盛期であった7世紀。これを建てたパカル王は当時としては驚異的なことに、80歳もまで生きたそうである。それでも完成は間に合わず、彼の息子の代になった692年、ようやく神殿は完成した。
正面の階段は69段ある。これはパカル王が国を統治し続けた69年間を表すのだという。数えながら、急な階段を一段ずつ上まで昇ってみた。柵もなくてちょっと怖いが、その分、眺めは溜息が出るほど素晴らしい。あたり一面、瑞々しい緑のジャングルの中に、存在感を持って点在する神殿や宮殿の姿は壮観のひと言だ。蒸し暑い気候の遺跡にあって、ここだけは心地よい風が吹き抜けていた。
この最上部に残されていた石版には、王朝の歴史が620の象形文字の碑文にされていて、その歴史的価値は高い。また、後の1952年には、この神殿の地下にパカル王の墓が発見され話題を呼んだ。一緒にヒスイなどの副葬品も見つかっている。

今なお謎多き密林の中の遺跡群

今なお謎多き遺跡

いくつかの遺跡を廻ると、その高度な文明に驚かされる。中にはスチームサウナや水の流れるトイレの跡まであり、まるでローマ時代の遺跡を見ているようだ。
でも、文明都市はやがて何らかの理由で放棄され、ジャングルの中に眠り続けることになる。18世紀に発掘されるまでの、なんと800年もの永い眠りだった。謎を残したまま、密林の中にその姿を完全に封印されていたのだ。
発掘が開始されてから、マヤの聖域は少しずつ解明されてきた。とはいえ、パレンケの遺跡は、実はまだ全体の数%しか発掘されていないのだという。何が出てきても不思議ではない、今なお未知なる遺跡だからこそ、人々のロマンをかきたてるのだろう。
次に来たときは、いったい何が見られるのだろうか? 期待は尽きない。

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