ヒマラヤの麓、神々の住む町(ネパール・カトマンドゥ)

ハヌマン神(ハヌマンドーカ)

ネパールの神々

「神々の住む町」という呼び名に、これほどふさわしいところは他にないだろう。道を歩けば、至るところにある寺院の数々。街角で出くわすのが、シヴァ神やヴィシュヌ神、ハヌマン神などのカラフルな石像たち。この地に暮らす人々の信仰の対象は華やかにして盛りだくさんだ。

クマリの館

クマリの館

壮麗なヒマラヤを有する王国ネパール。その首都である人口100万人の大都市カトマンドゥは、標高1300メートルのカトマンドゥ盆地に位置する。世界の屋根ヒマラヤの山々を目指す登山家やトレッキングを楽しむ旅人にとって、この町は玄関口でもある。
中世、マッラ王朝の時代に花開いたネワール文化は、きらびやかな寺院の数々を生み出し、今なお昔の趣を色濃く残す、神々の信仰に彩られた情緒溢れる町並みが残されている。極めつきは「生き神様クマリ」の存在。町の中心に位置するダルバール広場にある「クマリの館」には、人々から女神と崇められる生き神が暮らす。クマリは初潮を迎えていない血の汚れのない美少女が選ばれ、両親のもとを離されこの館で女神として暮らす。

スワヤンブナートの仏像

ボダナートの寺院

珠玉の文化遺産

カトマンドゥ市内のほかに、盆地に広がる近郊の見どころも多い。精巧な彫刻が美しい旧王宮や寺院のある「美の都」パタン、ネワール族の古都であり、赤褐色の古い町並みが魅力的なバクタプル、ネパール最大のストゥーパ(仏塔)のある、チベット仏教の聖地ボダナート、白いストゥーパが優美な、もうひとつのチベット仏教の巡礼の地スワヤンブナート、盆地を見下ろす丘の岩の上に立つヒンズー教寺院チャング・ナラヤン寺院、ガンジス川の支流に位置し、人々の沐浴風景も見られるネパール最大のヒンズー教寺院パシュパティナート。これらすべてが珠玉の文化遺産であり、見ごたえも十分だ。
1979年、こうした7ヶ所の見どころからなる、カトマンドゥ盆地全体が世界遺産に登録された。しかしながら近年、急激な都市化が進み、この古き良き町並みも破壊されつつあるという。そこで2003年、この地は「危険にさらされている世界遺産リスト」にも選ばれるに至ったのである。。