千年の歴史を誇る戦禍を免れた美しき古都(ポーランド・クラクフ)

荘厳な雰囲気漂う馬車

中世の面影を今なお色濃く残す奇跡の街

14世紀から17世紀にかけて、ポーランドの首都であったクラクフ。1386年から200年近く続いた、全盛期ヤギェウォ王朝の時代には、ウィーンやプラハと並ぶヨーロッパ文化の中心として、クラクフは栄華を極めたのである。
ポーランドは長い歴史の中で、幾度となく亡国の憂き目に遭ってきた悲劇の国というイメージがある。18世紀にロシアやプロイセン(ドイツ)などに国土を分割されたときも、オーストリア領となったクラクフだけはポーランド語の使用が認められ、ハプスブルク王朝文化と、自国の文化が見事に融合して、独自の文化が花開いたのであった。
第2次世界大戦の戦禍をも奇跡的に免れて、中世の面影を今なお色濃く残す美しい旧市街は、1978年、世界遺産に指定された。

中央広場の聖マリア教会

どこを取っても絵になる風景

見所が集中しているクラクフの旧市街は、歩いて十分に見て廻れるちょうどいい広さであった。どこを取っても絵になる風景はそぞろ歩きに最高の町である。中央広場に面して高く聳える聖マリア教会は、13世紀に建てられたゴシック様式の素晴らしい教会で、なんとあのローマ法王となったヨハネ・パウロ2世は、かつてはここで大司教を務めていた、クラクフ出身なのだという。広場に大きな面積を占めるクリーム色の織物会館は、今では民芸品などの土産を売る市場となっていて、活気に溢れている。

黄金ドームのバベル城

再訪を願って・・・「シグムントの鐘」の伝説

コペルニクスもここで学んだといわれるヤギェウォ大学は、1364年に設立された歴史があり、赤レンガ造りの情緒ある建物は通ってみたいと思わせる優雅さであった。
旧市街の南、丘の上に堂々たる姿を見せるのがバベル城である。黄金のドームが目を引くシグムント・チャペルはポーランドにおけるルネッサンス建築の傑作といわれる。塔にのぼり旧市街を見下ろすと、眼下を流れるヴィスワ川から吹くそよ風が心地よい。礼拝堂にある巨大な「シグムントの鐘」に触れてみた。鐘に触れるとまたこの地へ来られるという伝説が実現してほしいから・・・。