かつて日本人も暮らした、昔懐かしい風情が残る町(ベトナム・ホイアン)

来遠橋

ベトナムにあった日本人町

日本橋と呼ばれる「来遠橋」は、ホイアンの町の中心にある、木造の屋根付のユニークな橋である。橋の中には小さなお寺があって、橋の両端には猿と犬の像が橋を守っている。 この橋ができたのは1593年のこと。ベトナムがグエン朝の時代、ここホイアンは中国、インド、アラブを結ぶ交易の中心、海のシルクロードの要衝として栄えていた。タイのアユタヤ、フィリピンのマニラと共に日本人町が造られ、最盛期には1000人もの日本人がこの町に暮らしたという。日本橋のほかにも、町の郊外には日本人の墓も残っているのだ。

シクロに乗って記念撮影する筆者

快適なシクロ観光

その後、江戸時代の日本の鎖国政策によって日本人が住まなくなってからは、華僑の人々が移り住んだ。だから、ホイアンの町並みはどこか中国南部の雰囲気を漂わせている。
町の見どころをざっと回るにはシクロと呼ばれる自転車の前に座席が付いたタクシーをチャーターするのが最適だ。古くて細い道を走るのに、この速さがちょうどいい。ベトナムならではのシクロは1時間チャーターしても4ドルと格安である。名所旧跡をシクロのドライバーは上手に回ってくれる。日除け屋根を下ろしたり、上げたり、記念写真を撮ってくれたりとサービスにも余念がない。

懐かしい町並み

ホイアンの古い家々は、200年も前に建てられたものが残り、京都の町屋に似た細長いつくりで、中国と日本の建築様式が融合した装飾が美しい。中は博物館になっていたり、刺繍工場やギャラリー、ホイアン名物のランタン(提燈)のブティックとして使われていたりして、日がな1日ぶらぶら歩きも飽きることがない。どこかとても懐かしい気がするのは、そのルーツに日本人の名残を感じるからだろう。
最近では、町外れのビーチ沿いや川沿いに高級リゾートホテルも建つようになり、ホイアンはベトナムでも指折りの観光地として、欧米人をはじめとする世界の旅人を集めるようになった。 昔懐かしい街並み