ルクセンブルク LUXEMBOURG

ルクセンブルクを訪れたとき、そこが他のヨーロッパの街とどこか少し違うことに気付くでしょう。素朴で美しい旧市街は深い緑と天然の要塞に守られ、ゆっくりとした時間が流れています。一方で城壁の向こうの新市街には、現代的なデザインのビルが立ち並んでいます。フランスとドイツ、ベルギーに囲まれたルクセンブルク大公国は神奈川県と同じ大きさ。ヨーロッパの要衝とされてきました。周辺各国から度重なる侵略を受け、城と破壊を繰り返し、出来上がった旧市街は世界遺産に指定されています。美しい街並みを楽しんだ後は、にぎやかな街角のテラスで名産のワインはいかが？お土産には王室御用達のお菓子屋さんオーヴェルワイズがおすすめです。

ルクセンブルク大公宮は、ルクセンブルク市の中心にある壮麗な宮殿で、大公家の公式な住居です。16世紀に建設され、その後改装され、現在の美しい外観を持っています。特にルネサンス様式とゴシック様式が融合した建築が特徴です。
現在も大公によって使用され、公式行事や外交イベントが行われます。宮殿の前では昼間に衛兵交代の儀式も行われ、訪れる人々にとって一大イベントです。また、一部が一般公開されており、豪華な部屋や歴史的な家具を見学でき、ルクセンブルクの歴史と伝統を感じることができます。

ボックの砲台は、17世紀に建設されたルクセンブルク市の歴史的な防衛施設で、長い間市を守る役割を担っていました。砲台には地下要塞や防空壕が広がり、戦争の時代には敵の攻撃を防ぐために使用されていました。現在では観光名所として一般公開しているため、地下の通路を歩きながら当時の防衛設備を見学できます。また、砲台からはルクセンブルクの街とその周辺の美しい景色を一望できるため、絶好の写真スポットとしても知られています。

ルクセンブルクは、1985年に締結された「シェンゲン協定」の発祥地として知られています。この協定により、加盟国間でパスポートなしで自由に移動できるようになり、ヨーロッパの統合が進みました。ルクセンブルク市内には、シェンゲン協定に関する記念碑や展示があり、協定の歴史的重要性を感じることができます。さらに、ルクセンブルクの美しい街並みや自然も魅力で、シェンゲン協定の誕生地としての特別な意味を持つ場所です。

ヨーロッパの中心に位置し、面積は神奈川県ほどと非常にコンパクトなルクセンブルク。しかしその小ささからは想像できないほど、経済力は高く、一人あたりGDPは世界でもトップクラスを誇ります。国内にはEUの主要機関のひとつである欧州司法裁判所をはじめ、数多くの国際機関が拠点を構えており、こうした政治的な安定が経済成長を力強く支えています。さらに、フランス語・ドイツ語・ルクセンブルク語・英語の4言語を自在に操る、多言語かつ高スキルな人材が豊富であることも、この国の大きな強みです。旅行者にとってもルクセンブルクは魅力的な国です。世界遺産に登録された美しい旧市街や、渓谷が織りなす豊かな自然、そして機能的で洗練された都市空間が、上質なヨーロッパ体験をコンパクトに楽しめる穴場的な目的地となっています。