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デューン45<ナミブ・ナウクルフト国立公園>
世界100カ国訪問の渡邊竜一が案内するナミビア・砂漠好きならマストで行きたい国【こんな国あります!!世界の秘境】
南部アフリカの知られざる国ナミビア。南部にある世界最古の砂漠であるナミブ砂漠は、世界一美しく標高の高い砂丘があることで知られています。できれば砂漠の奥地でキャンプして、赤く染まる日の出のシーンを味わいたいもの。そして北部、アンゴラとの国境に近付けば、秘境エプーパの滝と謎のヒンバ族の村のある最深部カオコランドへ。ほかにもサファリの楽しいエトーシャ国立公園など。そんな見どころの多い国ナミビアを世界205の国と地域を旅した井原三津子と、世界100カ国を訪問した渡邊竜一が実際に現地を巡った体験を交えてご紹介します。

ナミビアってどんな国?

ビックダデイで日の出鑑賞<ナミブ・ナウクルフト国立公園>
ちょっとアフリカ通の人ならナミビアと聞いてナミブ砂漠を思い出すはず。もちろんナミビア最大の見所の一つがナミブ砂漠です。でも砂漠だけがナミビアの魅力ではないのです。北部カオコランドには全身を真っ茶色に塗って裸で暮らす孤高の民、謎のヒンバ族の村があって、秘境の滝エプーパでヒンバ族に出会えるのは他では味わえない貴重な体験となります。

ビックダデイで日の出鑑賞<ナミブ・ナウクルフト国立公園>
エトーシャ国立公園では朝と夕方に2回サファリドライブをしてたくさんの野生動物に出会えます。ドイツ移民の町スワコプムントにはちょっとドイツの田舎みたいな可愛い町並が広がり、それが海岸線に近く、少し郊外に走れば砂丘が迫っているという壮大なロケーションなのも魅力です。足を延ばせば、ウェルウィッチア(奇想天外)というユニークな植物も見られます。
ナミビアのツアーはこちら




ナミビアへの行き方

カタール航空もドーハ経由でヨハネスブルク行きが就航
ナミビアへ一番便利な方法は成田からアジスアベバ乗り換えのエチオピア航空で首都ウィントフックに行く方法です。他にも、日本から香港やドバイ、ドーハ経由のフライトでまず南アフリカのヨハネスブルクへ飛んで、そこで乗り換えて向かうルートもあります。ナミブ砂漠の奥地ソッサスフレイに向かう場合、ウィントフックへ入り、そこから陸路で約5時間でアクセスが可能です。

乗り継ぎの空港もいろいろ。ドーハだと夜でも華やかで楽しめる
砂漠の奥地で観光を終えて、ウォルビスベイへ抜けて、その郊外の見所を観光した後、ウォルビスベイ空港から出国するというルートが効率がいいでしょう。またはその逆でウォルビスベイから入ってウィントフックから出るというルートも可能です。行きや帰りにヨハネスブルクなどで1泊と言う場合もあります。
ナミビアのツアー

ドイツ移民の町スワコプムントではこんなコロニアルスタイルのホテルも
ナミビアへの団体旅行ではそのほとんどが南アフリカの喜望峰やジンバブエのビクトリア滝との組み合わせの決まったパターンしか見つかりません。団体旅行ではこんな辺鄙な国へのツアーは催行状況がよくないのが一般的。なので添乗員が付かないけれど現地でガイドさんがお世話してくれる個人旅行にするのがベストです。個人ベースなら1人からツアーは催行するので、好きな出発日に出られるメリットもあります。

エトーシャ国立公園のサファリロッジ・ エパチャロッジ の客室 (一例)
ほかの国とのコンビネーションのプランもいいですし、ナミビアを奥深く極める旅行も可能です。その場合アレンジを依頼するなら、スタッフが実際に行っていてナミビアに詳しく、親切に相談に乗ってくれる旅行会社を見つけること。そういう会社なら魅力的なモデルプランをいくつも作っていて、気に入ったものをベースにアレンジしていくことができます。世界中で唯一自分だけのナミビアの旅を作ってもらいましょう。
ナミブ砂漠の魅力

ソッサスフレイ大砂丘の近くのデッドフレイ
ナミビア最大の見どころのひとつナミブ砂漠。砂漠好きの私が雄大なサハラ砂漠の後で訪れて、唯一感動した砂漠はここナミブ砂漠の奥地の砂丘だけでした。スワコプムント周辺の砂丘だけ見ていても本物のナミブ砂漠を見たことにはならないので、砂漠好きならぜひ奥地のソッサスフレイを目指しましょう。標高が130mほどの砂漠デューン45には比較的簡単に登れるので、早朝ここに登ってあたりの風景を眺めるのがお薦め。
デューン45に登る
ピラミッドみたいな砂丘が荒野のあちこちに点在しているのは不思議な世界。ナミブ砂漠の砂丘のどれもが世界で最も標高の高い大砂丘群だと実感できました。砂漠の真っただ中に滞在し、満天の星に言葉を失い、砂漠が朝日に輝く風景に見惚れ、静寂の世界にどっぷりと浸るのです。これこそがナミブ砂漠の奥地に泊まる旅の醍醐味と言えるのです。
ナミブ砂漠でキャンプする意味は?

朝日に輝くデューン45
あなたが砂漠好きなら、ナミブ砂漠でキャンプすることを強くお薦めします。なぜなら、キャンプすることで大砂丘の日の出シーンが見られるからです。日の出の時間帯に大砂丘の上に立つこと。それこそが大自然のドラマのハイライトシーンを味わうための重要ポイントです。刻一刻と砂漠を美しく染め上げていくシーンは感動のひと言。

ナミブ砂漠のキャンプサイト。こんなテントを張ってくれます
セスリウムのホテルに泊まると、国立公園の開門が日の出以降のため、中に入って大砂丘の日の出を見る時間には間に合わないのです。国立公園でキャンプする人だけが日の出鑑賞が可能となるのです。(例外のロッジを除く)ワイルドな体験の砂漠キャンプですが、ちゃんとベッドもあるテントの設置もガイドさん任せ。トイレもシャワーもキャンプ場にあるので安心です。大自然の中で食べるガイドさん手作りのディナーは格別の美味しさ。例えようのない美しい日の出を鑑賞したら、大砂丘でのデザートブレックファストが待っています。生涯の思い出となるひとときです。
「ソッサスフレイ大砂丘」と絵画のような枯れ木のフォトスポット「デッドフレイ」

ソッサスフレイ大砂丘とデッドブレイ<ナミブ・ナウクルフト国立公園>
ナミブ砂漠の奥深くに広がるデッドフレイは、時間が静かに止まったかのような風景を見せる場所だ。白く乾いた湖底には、約500年前に水が途絶え、約1000年前に生きていたアカシアの木々が、微生物による分解を免れて化石のように立ち尽くしている。枯れ木の黒、地面の白、そして背後に迫るオレンジ色の巨大な砂丘。その非現実的なコントラストは、朝日や夕日に照らされることで、より神秘的な表情を帯びていく。

ソッサスフレイ大砂丘<ナミブ・ナウクルフト国立公園>
そのデッドフレイを抱くように位置するのが、ナミブ砂漠最奥地のソッサスフレイだ。平坦な印象のサハラ砂漠とは異なり、ここでは砂丘の立体感が圧倒的な存在感を放つ。世界でも屈指の高さを誇る大砂丘群が連なり、旅人の多くはデューン45に登って、果てしなく続く砂漠の景色を目に焼き付ける。日帰りでは辿り着けないこの地に泊まり、満天の星と朝日に輝く砂丘、そして深い静寂に身を委ねる時間こそ、ナミブ砂漠を旅する醍醐味なのだ。
ムーンランドスケープと太古の植物ウェルウィッチア

ムーンランドスケープと太古の植物ウェルウィッチア、ウェルウィッチア<スワコプムント>
ナミビアのムーンランドスケープに立つと、地球にいながら別の惑星を訪れたかのような錯覚に包まれる。約5億年前、スワコプ川の浸食によって形づくられた大地は、起伏と陰影を重ね、月面を思わせる荒涼とした表情を見せる。その過酷な環境の中で、千年以上生きるといわれる太古の植物ウェルウィッチアが、静かに根を張り続けている。

ムーンランドスケープ<スワコプムント>
生命の気配がほとんど感じられない風景の中で、この植物だけが時間を超えて存在していることが、この地に深い奥行きを与えている。クアッドバイクで大地を駆け抜けたり、砂丘でサンドボードを楽しんだりと、非日常の体験ができるのも魅力のひとつ。だが、何より心に残るのは、SF映画の一場面のような圧倒的な風景の中に身を置き、ただ静かに地球の長い時間に思いを馳せる、その瞬間なのだ。
謎のヒンバ族と出会う

エプーパの滝の向こうはもうアンゴラだ
ナミビア最北端、アンゴラとの国境に位置するエプーパの滝は、原始の世界ともいうべき秘境中の秘境。乾ききった大地に突如として現れる緑のオアシスとワニのいるワイルドな河。丘から見下ろす迫力いっぱいの滝の風景は「ロスト・ワールド」に紛れ込んだ気分です。このエプーパの滝には古い伝統的な生活を続けている誇り高いヒンバ族の村があり、村を訪れて彼らに会うことができます。
ヒンバ族はカッコよくて誇り高い民族
ヒンバ族は強い日差しや虫から肌を守るために、赤い粘土をアロマオイルで溶いたものを体中に塗っているので全身赤茶色。腰に皮布を巻いただけのスタイルです。女性はアフリカ民族の中でも特に美しいといわれていて、髪型やアクセサリーもとてもユニーク。私が村へ向かう道中、たまたま村へ向かうヒンバ族の人々をガイドさんが車に乗せてあげました。不思議な歌を歌いながら彼らは楽し気です。なんだかカッコよくて、とても誇り高く心優しい人々だと感じたのです。
気軽に行けるヒンバ族の村
気軽に行けるヒンバ族の村 ヒンバ族の村訪問<ダマラランド>
ヒンバ族の暮らしに触れたいと思っても、本来の居住地であるナミビア北部オプウォ周辺までは、長い移動を覚悟しなければならない。けれど、旅の途中で、もう少し気軽にその文化に出会える場所もある。ウィスやエトーシャ国立公園近郊には、主要な観光ルートからアクセスしやすいヒンバ族の村が点在している。

ヒンバ族の村訪問<ダマラランド>
多くは現地ツアーによって訪れる形となり、送迎や村人とのやり取りはガイドがすべて取り持ってくれる。サファリの合間に立ち寄れる半日ほどの行程でも、彼らの装い、暮らし、そして静かな佇まいに触れるには十分だ。短い時間であっても、その土地に根ざした生き方を垣間見る体験は、旅人の心に小さな余韻を残してくれる。
ブッシュマンの岩絵

ブッシュマンの岩絵
トゥイフェルフォンテンを訪れると、人の営みがいかに長い時間をかけてこの大地に刻まれてきたのかを、静かに思い知らされる。乾いた岩肌に刻まれた無数の線や点は、かつてこの地で暮らしたブッシュマン(サン)の人々が残した岩絵だ。動物の姿や足跡、水場を示す印は、装飾ではなく、生きるための記録であり、祈りでもあったのだろう。約二千年もの時を経てもなお、岩絵は風景の一部として息づいている。強い日差しの下、ガイドの言葉に耳を傾けながら岩場を歩くと、彼らが自然と対話しながら生きていたことが、少しずつ伝わってくる。ここでは過去は遠いものではなく、今も大地の中に静かに息づいている。トゥイフェルフォンテンは、旅人に時間の深さと、人と自然の関係をそっと問いかける場所だ。
広大なエトーシャ国立公園でサファリ

バーチェル・サバンナシマウマ
首都ウィントフックから車で北へおよそ五時間半。エトーシャ国立公園は、ナミビアが誇る野生動物の楽園だ。その広さは日本の四国に匹敵し、地平線が見えるほど遮るもののないサバンナが、どこまでも静かに広がっている。大阪府ほどの規模といわれるマサイマラと比べても、この空間の余白は際立っている。
この広大さゆえに、エトーシャでは「ほとんどすべての動物に出会える」とも言われる。いわゆるBIG5のうち、バッファローを除くゾウ、ライオン、ヒョウ、サイが生息し、多様な命がこの大地に息づいている。

大自然の中に建つサファリロッジ「エパチャロッジ」にステイ
今回、わずか一日半のサファリであっても、ゾウやライオン、サイをはじめ、シマウマ、スプリングボック、キリン、オリックス、ジャッカル、ヌー、ダチョウと、多くの動物に出会うことができたのは、経験豊富なレンジャーに導かれたガイド付きサファリだったからこそだろう。痕跡を読み、風向きを感じながら進む時間は、野生との距離を自然に縮めてくれる。
追いかけるのではなく、待つことで見えてくる命の営み。エトーシャ国立公園は、ナミビアの旅のなかで、深く静かな余韻を残す、忘れがたい場所となる。
ドイツ移民の町スワコプムントとその周辺の見所

スコッツコピーには大きな岩山がゴロゴロ
ドイツ移民の町スワコプムント。大西洋に面したプチドイツのようなコロニアルタウンでは、朝から靄がかかって独特の雰囲気が漂っています。町を一歩離れると大砂丘が広がり、デューン7と呼ばれる美しい砂丘が紺碧の海に迫り、世界でも指折りのユニークな風景を生み出しています。その光景は訪れる旅人に強烈な印象を与えてくれるのです。
フラミンゴラグーン<スワコプムント>
海辺の町ウォルビスベイではフラミンゴが群れを成し、赤い羽根を広げて飛び立つ姿も印象的です。土漠の中、ごろごろと切り立った岩場の間をひた走っていると、珍しい植物が見つかります。それが奇想天外(ウェルウィッチア)と呼ばれる1500年から2000年も生きる砂漠の植物です。そんなウェルウィッチア探しも楽しいひとときです。
ナミビアのツアーはこちら





まとめ
いかがでしたでしょうか。日本ではまだ馴染みの薄い国ナミビアですが、この記事を通して、次の旅の行き先として思い浮かべていただけたなら嬉しく思います。世界最古の砂漠に広がる圧倒的な風景、静けさの中に息づく野生動物、そして人と自然が共に生きる時間。そのひとつひとつが、他では得がたい旅の記憶を残してくれます。
砂漠に心惹かれる旅人にとって、ナミビアはきっと特別な存在になるはずです。これから、日本からナミビアを訪れる旅行者が少しずつ増え、この国の魅力が広く知られていくことを願っています。そう遠くない将来、ナミビアは「砂漠を旅するなら外せない国」として、多くの人に語られる存在になることでしょう。




