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チベット仏教ゲルク派6大寺院の1つで総本山ガンデン寺
漢族、回族、チベット族、モンゴル族等が暮らす青海省の省都で最大の都市西寧。中国最大の塩湖・青海湖。街の象徴であり、かつてはダライラマの宮殿でチベットの政治と宗教の中心地であったポタラ宮が印象的なチベット自治区最大の都市ラサ。チベット第二の都市シガツェ。ヒマラヤ山脈の中心で中国とネパールの国境にそびえる世界最高峰の山エベレストのベースキャンプ。ネパールの首都で最大の都市カトマンズを天空列車(最高地点約5,000m)といわれる青蔵列車と専用車を利用し陸路で移動する浪漫感じる旅をご紹介します。
西寧

チベット仏教ゲルク派6大寺院の1つタール寺
青海省の省都で、人口は約200万人です。漢族が約8割を占めますが、回族、チベット族、モンゴル族なども暮らす多民族都市です。市街にはモスクの尖塔、ミナレットが立ち、回族のレストランでは羊の串料理などを楽しめます。

八宝茶(お湯を継ぎ足し蓋をし少しずらして飲む)
郊外にはゲルク派六大寺院の一つ、タール寺があり、標高は約2,200mで高度順応をするのにも適しています。
八宝茶には、なつめ、クコの実、菊などが入って、血行促進、身の疲れの緩和、風邪予防に効果があるとされる八宝茶。味は、さわやかでほんのり甘く、ほっと一息のティータイムを楽しめます。

青海湖

青海湖
東西60㎞、南北100㎞、4,400㎢を有する青海湖、これは、琵琶湖の約7倍、東京都の約2倍の面積で、中国最大の塩湖となります。
西寧から車で西に移動すると、約3,500mの峠を越えると草原が広がる景色に移り変わります。その後、しばらく車で移動すると、徐々に中国最大の塩湖である青海湖が見えてきます。

峠に建つチベット寺院
名前の通り青い水と真っ青な空が印象的な湖で、特に6月後半~8月後半には菜の花が咲くことが知られています。この時期は菜の花の黄色が青に加わる絶景を求め中国各地から多くの観光客が押し寄せます。
青海湖は標高約3,200ⅿあることから、青海湖観光はチベットへ向かう前の高度順応するのに適しているという面もあります。
青蔵鉄道(1)

西寧駅のホーム
西寧からラサへの青蔵鉄道は、ゴルムドを経由しラサへの所要時間は約20時間ほどかかります。
西寧(標高約2,200ⅿ)から約7時間後にゴルムド(標高約2,900ⅿ)に到着します。その後、徐々に標高を上げ、4,000~5,000ⅿの峠を越えた後、徐々に標高を下げ、チベット自治区最大の都市ラサ(標高約3,650ⅿ)に到着します。

西寧駅の構内
ゴルムド以降は高原地帯となり、6,000mを超える山々が連なる景観で、運が良ければ、キャン、ゴワ(チベットガゼル)、チルー(チベットカモシカ)、ヤク等の野生動物や放牧されたヤク、羊、ヤギ等を目にするチャンス!
ここ数年は、チベットへ向かう中国人の観光客が多いことから常に混んでいることが多く、早めの予約がおすすめです。
青蔵鉄道(2)

青蔵鉄道の列車の車内(1等寝台)
車内は、1等寝台(片側2段の4人のコンパートメント)、2等寝台(片側3段の6人のコンパートメント)がありますが大きな違いはなく、2等寝台でも十分快適に過ごすことができます。1等寝台は、2等寝台に比べて大幅に数が少ないこともあり、かなり運が良くないと予約を取ることが出来ないと言われています。
ちなみに列車内は標高がラサの3,650m同様に保たれる設定です。標高5,000m近くを走っていても、車内は安心ということです。

青蔵鉄道からの風景
車両にはトイレ、洗面台、給水口(お湯も可)等があり、トイレにはトイレットペーパーも常備されています。
また、食堂車では中華料理の定食等が提供され、車内販売では中華料理のお弁当やカップラーメン、果物などが売られているので、移動中にお腹が空いてしまっても安心です!
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ラサ(1)

ラサの象徴・ポタラ宮
チベット自治区最大の都市(標高約3,650ⅿ)。
ラサでは多くの見どころがありますが、ポタラ宮とジョカン(大昭寺)は外せないスポットです。
ラサの象徴であるポタラ宮は、かつてのチベット仏教の宗教と政治の中心で、以前に比べて入場できるエリアは制限されていますが、現在も入場での観光が可能です。(但し事前の予約が必要で、入場時間と観光の時間が決められています)。

ジョカンにて 五体投地する人々
ジョカン(大昭寺)は旧市街の中心にあり、チベット仏教徒の心の拠り所となっています。ポタラ宮ほど厳しくはありませんが、入場での観光は事前の予約が必要となります。
旧市街はジョカン(大昭寺)を中心に周辺のバルコル(八角街)での散策ができます。バルコルには多くの商店以外に外国人向けのレストランやカフェもあり、散策した後の一休みにも困りません。
ラサ(2)

多くの商店、土産物屋、レストランが立ち並ぶバルコル(八角街)
ラサにはチベット仏教最大宗派ゲルク派六大寺院の3つ(セラ寺、デプン寺、ガンデン寺)があります。
セラ寺は、ラサの中心地から北に約8㎞の位置にあり、かつては日本人の河口慧海や多田等観もここで仏教を学びました。午後には僧侶が問答修行をしていることがあり、その姿を目にするチャンスもあります!

チベット仏教ゲルク派6大寺院の総本山ガンデン寺
デプン寺はラサの中心地から西北に約12㎞の位置にあり、規模はゲルク派六大寺院で最大といわれています。
ガンデン寺はゲルク派六大寺院の総本山。ラサから東に約1時間半の山の上(標高約4,300ⅿ)にあります。寺の周囲を回る巡礼路の散策も楽しめますが、1時間ほどかかりますので時間に余裕をもって散策しましょう。
高地を歩くときはいつもよりゆっくり、水分補給を忘れずに!
ヤムドゥク湖

ヤムドゥク湖(湖畔からの風景)
ラサの南西約70㎞に位置し、標高約4,400ⅿの高さの淡水湖です。
チベット仏教3大聖湖の1つで、チベット語で高原牧場のトルコ石の湖を意味すると言われています。
タルチョ(チベット仏教の五色の祈禱旗)がなびくカンパ・ラの展望台からは、深い青と山、真っ青な空と白い雲のコントラストが印象的な景観を目にすることができるだけでなく、チベット犬やヤク等の動物と一緒に写真を撮ることもできます。

ヤムドゥク湖(展望台からの風景)
展望台からつづら折りの道をしばらく下っていくと別のポイントがあり、ここでは湖畔から湖と7,000m級の山と真っ青な空を見上げる景観も楽しむことができ、湖の澄んだ水を感じることもできます。
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ギャンツエ

チベット最大の仏塔をもつ寺院・パンコル・チョーデ
ラサから南に移動し、ヤムドゥク湖、カローラ氷河の展望台に寄りながら西に移動すること約6時間の場所に位置するチベット自治区第三の都市が、ギャンツエです。
チベット仏教各派(サキャ派、ゲルク派、シャル派など)が共存し仏教学問の中心地であるパンコル・チョーデ(白居寺)の門前町として有名です。

カローラ氷河
チベット最大の仏塔をもつパンコル・チョーデの2階には、壁画のマンダラや立体マンダラがあります。また、大集会堂の左に白い大きなストゥーパ、パンコル・チョルテンが立ち並びます。内部には約77の小さい部屋があり、仏像や壁画を見学することができます。
各部屋を見学していくと、部屋ごとに異なる世界があり、チベット密教の神秘性を感じることができます。
シガツェ

チベット仏教ゲルク派6大寺院の1つタシルンポ寺
チベット自治区第二の都市。
チベット仏教最大宗派ゲルク派六大寺院の1つタシルンポ寺は、歴代のパンチェン・ラマによる政治・宗教の中心として栄えたということもあり、他のお寺とは異なり歴代のパンチェン・ラマの霊塔が点在されています。また弥勒仏殿には高さ26mの金色の弥勒座像が安置されています。
特に、奈良の大仏の約1.7倍の大きさに、圧倒的な迫力を感じました。

チベット仏教ゲルク派6大寺院の1つタシルンポ寺
街の北側にはローカルマーケットがあり、かつてのチベットの雰囲気が残っています。以前はラサにも同様のローカルマーケットがありましたが現在はなく、おそらく他の都市でも同様の雰囲気を残すローカルマーケットを見つけることは難しい状況です。
サキャ

ローカルマーケット
シガツェからラツェ方面に約2時間移動した後、南に約30分移動した場所に位置するチベット仏教四大宗派の1つサキャ派が生まれた町。
11世紀にサキャ派の開祖クンチョク・ギェルポ(サキャ・パンディタ)がサキャ北寺を建立した後にサキャが発展し、現在はサキャ派の総本山サキャ南寺が最大の見どころとなっています。

チベット仏教サキャ派の総本山サキャ南寺
サキャ南寺は要塞のような外観と外観の色(グレーのような暗い藍色)が特徴で、他のチベット仏教のお寺の外観や色(白と赤が基調)とは雰囲気が大きく異なります。
現在のチベット仏教では最大宗派ゲルク派のお寺が圧倒的に多い為、チベットではサキャ派のお寺は僅かとなっていますがモンゴルではサキャ派のお寺が多いといわれています。
エベレストBC(ベースキャンプ)

エベレスト(エベレストBC 標高約5,000mからの風景)

エベレストと私(エベレストBC 標高約5,000mからの風景)
エベレストBC行のバスターミナルから専用バスに乗り換えて約1時間移動するとエベレストBCに到着。バスの降車場から少し歩くと石碑があり、石碑の先にはギャウ・ラの展望台から遠くに見えていたエベレストが眼前に迫り圧倒的な迫力を感じます。
中国・ネパール国境

国境近くの町・キーロン
国境近くの中国側の町・キーロン(標高約2,800m)から緑が生い茂る景観を車で約1時間移動するとそこが中国とネパールの国境。標高は約1,800m。キーロンとは約1,000mの標高差があり暖かく感じます。

中国とネパールの国境
中国のイミグレーション(近代的な大きな建物)に対し、ネパールのイミグレーションは質素な建物というのが非常に印象的(でしたが、少し先にはネパールのイミグレーションが建設中です)。
時差は2時間15分。時計を時差の2時間15分戻し、4WDの車で約5~6時間かけてネパールの首都カトマンズを目指します。
カトマンズ

ダルバール広場
ネパールの首都で人口約85万人(周辺を含めると約400万人)の最大の都市。
標高約1,330mということもあり、チベットからこの街に移動してくると気温が高く、空気が埃っぽく感じます。
多くのホテルやゲストハウスのあるタメル地区から、かつての王宮や寺院が立ち並ぶ街の中心である、ダルバール広場等の旧市街を散策すると息が上がらず普通に歩けることに感動してしまいました。

ダルバール広場
タメル地区には欧米人のツーリストが多く、ネパール料理をはじめ、インド、西洋、日本、中国、韓国料理等、各国料理のレストランが立ち並び、旅の最後に食の選択で締めくくることができました。
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まとめ

オールドティンリーからキーロン間の風景
ラサ、シガツェ、ギャンツェ、サキャでチベット仏教のお寺を巡りチベット仏教の奥深さを知りました。
ヤムドゥク湖、カローラ氷河、エベレストBCといった標高約4,000m~5,000mの自然の偉大さを感じました。

ヒマラヤ山脈
時間と体力があれば、標高約2,200mの西寧から青海湖(約3,200m)、青蔵列車で途中約5,000mの峠を越えてラサへ。約3,800mのラサからシガツェ等を経て約5,000mのエベレストBC、さらに国境を越えてネパールのカトマンズを目指す旅もきっと楽しいに違いありません!