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トルクメニスタンとは?謎に満ちた独裁国家?【こんな国あります!!世界の秘境】

ヤンギ・カラ渓谷

ヤンギ・カラ渓谷

「中央アジアの北朝鮮」と呼ばれる国があることをご存知でしょうか。
それはトルクメニスタン。厳しい大統領崇拝や情報統制がとられていることから、現代における独裁国家の1つとされています(2000年代中頃までインターネットの利用を制限していたほどです)。
空港や街中には現大統領のベルドイムハメドフ氏の肖像画が溢れ、首都であるアシガバートには大統領の金色像が誇らしげに設置されています。

謎に包まれたトルクメニスタンですが実は今、日本人観光客に人気のスポットがあることをご存知でしょうか?
こちらの記事ではトルクメニスタンの基本情報はもちろん、知られざる必見のスポットについても解説していきます。

トルクメニスタンってどんな国?

トルクメニスタンの人々

トルクメニスタンの人々

トルクメニスタンは中央アジアの南西部に位置する国で、北をウズベキスタンとカザフスタン、東をタジキスタン、南をアフガニスタンとイラン、西をカスピ海に囲まれた国です。
国土の約85%はカラクム砂漠で占められており、主に南部の山沿いに都市が形成されています。

初代大統領の顔が 描かれた茶缶

初代大統領の顔が 描かれた茶缶

トルクメニスタンの民族構成はトルクメン人が約8割を占めており、その他はロシア人やウズベキ人など。公用語はトルクメン語ですが、旧ソ連だった経緯もあったためロシア語も通じます。トルクメン人の中でも一部のエリート層はロシア語しか話せない人もいるそうです。トルクメニスタンの初代大統領サパルムラト・ニヤゾフもその1人でした。

このようにロシアとの繋がりが深いトルクメニスタン。かつては輸出・輸入とも9割近くが旧ソ連諸国を占めていましたが、2006年当時のニヤゾフ大統領はロシア依存の経済から脱却を図るため、中国と天然ガス供給事業について合意してからは中国との関係に重きがおかれるようになりました。

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トルクメニスタンの見どころは?

トルクメニスタンの代名詞的スポット「地獄の門」

トルクメニスタンの代名詞的スポット「地獄の門」

トルクメニスタンの見所は前述したように国土の約85%が砂漠地帯となっていますので都市部よりも砂漠地帯の壮大な景観や遺跡に知られた見所が点在しています。

中でも日本人のみならず、世界的に注目が集まっている観光スポットが「地獄の門」です。「地獄の門」は自然によって造られたものではなく、ソ連時代の1971年に地質調査のために地面に円筒形状の穴をあけるボーリング調査の際の事故によって偶然生まれました。

ロバにまたがる羊飼いのおじいさん

ロバにまたがる羊飼いのおじいさん

さらにトルクメニスタンには、2021年現在、3つの世界遺産があります。

1.ニサのパルティア時代の城塞群
2.クフナ・ウルゲンチ
3.国立歴史文化公園「古代メルブ」

「メルブ」に関しては、後ほど触れますので、ここでは「ニサのパルティア時代の城塞群」、「クフナ・ウルゲンチ」について説明します。

◎ニサのパルティア時代の城塞群・・・紀元前3世紀頃にあったとされるパルティア王国時代の都市ニサの遺跡。王家の建物が集う旧ニサと一般民衆の居住区である新ニサの2つのエリアから構成されています。アシガバート市内から車で約20分。

◎クフナ・ウルゲンチ・・・ウズベキスタンとの国境にある遺跡。アムダリヤ川沿岸にあるシルクロードにおける最大の都市で12世紀から13世紀の間に、ホラズム・シャー朝の首都として栄えました。しかし14世紀にアムダリヤ川の流れが変わったことにより徐々に衰退していったとされています。ウズベキスタンから陸路で「地獄の門」へ向かう途中に立ち寄るのが定番のルートです。

ここを見なければ始まらない!「地獄の門」

暗闇にポッカリ空いた穴 まさに地獄の入り口!

暗闇にポッカリ空いた穴 まさに地獄の入り口!

多くのトルクメニスタンを目指す旅人がその目的としているのがこの「地獄の門」です。その名にふさわしく暗闇の中に真っ赤に燃え盛る炎が印象的ですよね。
地質調査の際にガスによる事故を防ぐために火を投げ入れたところ、地中から溢れる天然ガスに引火して40年もの間燃え続けることになったのだとか。

キャンプ明けの朝 朝の「地獄の門」へ繰り出します。

キャンプ明けの朝 朝の「地獄の門」へ繰り出します。

この「地獄の門」への行き方ですが、一般的にウズベキスタンから陸路でトルクメニスタンに入国して車で約4時間かけてダルヴァザへ向かいます。ダルヴァザはトルクメニスタン中央部、「地獄の門」がある村のことで、遊牧民のテケ族が350人程度暮らしています。
このように首都であるアシガバートより約260km北上した、砂漠の真ん中のかなり辺鄙な場所に「地獄の門」はあるため、観光客が泊まれるようなホテルなどの宿泊施設は皆無です。そのため観光客は「地獄の門」の周辺の砂漠にてキャンプすることが一般的です。
「えっ!砂漠でキャンプ?」と多くの方は感じられるかもしれませんが、無理もありません。なんせシャワーはもちろん水洗トイレもないのですから。それでも「キャンプしても訪れる価値あり」と私は断言します。なぜなら「地獄の門」は夕方や真夜中、そして朝。訪れるタイミングによって見え方が変わるのも「地獄の門」の良さだからです。
あまり写真では紹介されませんが、意外に朝の「地獄の門」もオススメですよ。暗闇の中ではどれくらいの深さの穴なのか燃え盛る炎の中では推し測ることができませんが、朝であればその「火口」もはっきり見えます。

トルクメニスタンの首都アシガバートって?

中央アジア最大のトルクメンバシ・ルーヒー・モスク

中央アジア最大のトルクメンバシ・ルーヒー・モスク

実は「北朝鮮よりも独裁的な国」とも表現されることもあるトルクメニスタン。フランスを拠点にしている言論の自由と擁護を目的とした組織「国境なき記者団」が発表した2019年の報道の自由度ランキングで、トルクメニスタンを報道の自由度ランキングで最下位に選びました(2021年は178位、ワーストから3番目)。

そんなトルクメニスタンの首都であるアシガバートは生活感が感じられないほど整然とした美しい街並みとユニークな建造物、街の至る所に貼られているベルドイムハメドフ大統領の肖像画が目を引きます。

屋内観覧車の「ALEM(宇宙)」

屋内観覧車の「ALEM(宇宙)」

アシガバートの政府系機関の施設には大理石がふんだんに使われているため「世界で最も大理石が使われている場所」としてギネスに登録されているのだとか。街並みが整いすぎているのも、北朝鮮などの独裁国家の特徴ですよね。

中でも大きな見所はトルクメンバシ・ルーヒー・モスク。ニヤゾフ前大統領の生誕の村に建てられたというモスクは、中央アジア最大の規模を誇るモスクで壁には(通常は『コーラン』ですが)ニヤゾフ元大統領が記した書物『ルーフナーマ』の一節が取り入れられいます。トルクメニスタンの大統領崇拝がこんなところにも表れていますね。

「独裁国家」というと危険なイメージがあるかもしれませんが、トルクメニスタンのビザはすべての行程を入国管理局に申請する必要があり行程を管理されているので、(ある意味)旅行客は安全に町歩きが可能です。
ただし撮影不可の政府機関もありますので、撮影の際には都度付き添いのガイドに確認されることをお勧めします。

太古の海 ヤンギ・カラとは?

ヤンギ・カラの絶景スポット

ヤンギ・カラの絶景スポット

ヤンギ・カラは古代の海が干上がり、風雨による途方も無い年月を掛けて侵食されてできた巨大な渓谷です。白亜の地層とピンク色のヨウ素を含んだ地層が織りなす不思議な光景は、トルクメニスタン随一の絶景と言っても過言ではないでしょう。

このヤンギ・カラが創り上げられた要因は1億6000万年前から存在していたという太鼓の海「テチス海」。長い年月をかけて太陽に照らされたテチス海の海中では植物プランクトンが増大しました。5000万年前頃に海底が干上がり始め大地が隆起すると、植物プランクトンなど海の生物の死骸を含んだ堆積層が地表に現れたのです。
つまりピンク色の地層は無数の太古の海中にいた生物の死体が含んだミネラル分なのです。

ヤンギ・カラ渓谷にあるゴズリ・アタ廟

ヤンギ・カラ渓谷にあるゴズリ・アタ廟

この自然が創り出した奇跡の大地に訪れるには、まず首都アシガバートから空路でトルクメニスタン東部の港町トルクメンバシへ向かいます。トルクメンバシ到着後、4WDに乗換え、時折ラクダやヒツジが草をはむ光景を横目で見ながら、砂漠の荒野に続く1本道を3時間あまりひた走ります。決して快適な道のりではありませんが、ヤンギ・カラに到着すれば一瞬でその苦労は忘れてしまうはず。。。

ちなみにヤンギ・カラ渓谷のそばには14世紀頃にこのエリアに住んでいたというイスラム神秘主義の指導者ゴズリ・アタを祀る霊廟があり、ヤンギ・カラと併せて巡るのが定番のルートです。

中央アジア最大の遺跡・メルブ

メルブ遺跡のハイライト ギズ・カラ

メルブ遺跡のハイライト ギズ・カラ

1999年にトルクメニスタン初の世界遺産に認定されたのがこのメルブ遺跡です。アシガバートから東に約400kmのマーリ州に100km四方におよぶ広い範囲に点在するシルクロード最大にして最古の遺跡です。

メルブ遺跡がその名を最初に歴史に刻んだのは紀元前6世紀。アケメネス朝ペルシャのオアシス都市の1つとして発展しました。現在は「エルク・カラ」にてその遺構を見ることができます。

また遺跡内には仏寺があった形跡からあり、紀元前1世紀頃に仏教が伝来したことを裏付ける重大な資料としても知られています。ちなみに仏教遺跡としては世界最西端のものです。

トルクメニスタンのみならず中央アジアを代表する遺跡

トルクメニスタンのみならず中央アジアを代表する遺跡

広大なメルブ遺跡ですが、その中でも最も目を引くのが「キズ・カラ」です。

キズ・カラは高さ20mを超える城壁をもつ城塞で、紀元前6世紀から7世紀に建てられた有力者のための住居とされています。13世紀にモンゴル軍が攻め込んだ際にはここに住む多くの女性が城壁から身を投げたという言い伝えから、キズ・カラは「乙女の城」とも呼ばれているのだとか。

メルブ遺跡は紀元前6世紀から18世紀にかけてのゾロアスター教、キリスト教、ユダヤ教、仏教、イスラム教の宗教遺産がそのまま保存されているという世界でも稀にみる遺跡で、まさに必見の場所と言えるでしょう。

トルクメニスタンへの行き方

ターキッシュエアラインズのスタッフと

ターキッシュエアラインズのスタッフと

さて、そんな未知なる国・トルクメニスタンへの行き方ですが、残念ながらかなり交通の便が悪い国の1つです。

乗継ぎ時間などの効率を考慮しますと航空会社はターキッシュエアラインズがオススメです。イスタンブールでの乗継ぎ時間を含めて最短18時間程度で首都アシガバートの空港に到着します。

もう1つの方法は何度か本稿でも触れているとおり、ウズベキスタンから陸路で入国する方法です。
空路よりもこちらの陸路の方が一般的かもしれません。なぜならウズベキスタンの人気観光地の1つでもある世界遺産の古都ヒワとトルクメニスタンの国境は目と鼻の先だからです。確かにせっかくヒワにまで行くのですから、時間が許せばお隣のトルクメニスタンの「地獄の門」も訪ねてみたくなりますよね。

アシガバートのタルクーチカバザール

アシガバートのタルクーチカバザール

ウズベキスタンから入国する場合は、まずタシケントからウズベキスタン東部の都市の国内線でウルゲンチ或いはヌクスへ移動します。午前便であれば、その日中にトルクメニスタンに入国して、「地獄の門」のキャンプサイトまで行くこともできます。

ただしトルクメニスタンへの陸路超えは世界でも最も面倒な国の1つかもしれません。
まず旅行会社に依頼してツアーを組んでもらう必要があります。なぜなら入国の際にトルクメニスタンの入国管理局が発行する招聘状を提出する必要があります。この招聘状を発行してもらうには旅行会社を通じて予約せねばなりません。

また無事招聘状を用意できたとしても、ここからも大変。スーツケースの中身も全てチェックされる上に、入管の職員の手続きは驚くほどのスローペース。先客がいる場合、入国手続きに2時間待たされる可能性もあります。

トルクメニスタンへのツアー

ミナレットから眺めるヒワの町

ミナレットから眺めるヒワの町

前述のように管理体制が厳しいトルクメニスタンですから、一般的に旅行会社を通じて予約しなければ招聘状が下りません。よってトルクメニスタンでは原則、ツアーで行くことになります。

とは言っても、まだまだ訪れる人が少ない国ですからツアーの数はそれほど多くはありません。
最も一般的なのはウズベキスタンとトルクメニスタンの「地獄の門」を周遊するパターン。トルクメニスタンに行くツアーとしてはこちらが一番人気です。

アシガバートのロシアンバザール

アシガバートのロシアンバザール

しかし中にはトルクメニスタンだけを巡りたい方や、せっかくトルクメニスタンに行くのであれば「地獄の門」だけじゃなく他の名所にも訪れたいという方もいらっしゃるはず。
そんな方にはトルクメニスタンなど中央アジアエリアに強い、個人旅行客をメインに取り扱っている旅行会社に手配を依頼してみてはいかがでしょうか?トルクメニスタン国内はもちろん、ウズベキスタンだけでなく他の中央アジアとの組み合わせなど、要望に合わせて行程を組み立ててくれるはずです。

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まとめ

いかがでしたか?
独裁国家と聞くと、足を踏み入れるのもためらわれるような国のように想像してしまいがちですが、知られていないだけで意外にも魅力的な観光地が多いですよね。
アクセスの悪さ、事前の招聘状の取得、現地での入国の手続きなど観光には不便な点も多い国ではありますが、だからこそ観光客慣れしていない素朴な人々との出会いも旅の醍醐味です。
コロナ後にはトルクメニスタンへの旅行を検討してみてはいかがでしょう。

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今回のトラベルアドバイザー
橋本 康弘/112か国訪問

これまで旅した国は100カ国以上のトラベルプランナー。特に好きな国はイタリア、スイスやカザフスタンなどの中央アジア。ゲストハウスから5ツ星ホテルまで何でも体験するのがモットー。2020年はアメリカのコロラド州からモンタナ州までレンタカーでドライブする旅行を計画していたがコロナの影響で断念。

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