目次
13世紀から約640年間、ヨーロッパの中心とでも呼べる存在だったハプスプルク家はウィーンに華麗なる宮廷文化を残しました。音楽、美術、建築、食など・・・あらゆるものが洗練され、現在に引き継がれています。オーストリアの旅とは、こうしたパプスブルク家ゆかりの地を訪問する旅なのです。これにプラスするのがアルプスへの旅。ザルツカンマーグートやチロルなど大自然の魅力も尽きません。ここではそうしたオーストリアのツアーの選び方について話をしたいと思います。
オーストリア基本情報
まずはオーストリアの基本情報です。
面積 | 約8.4万平方キロメートル(北海道よりやや大きい) |
人口 | 約880万人 |
首都 | ウィーン(人口約190万人) |
民族 | 主としてゲルマン民族。他にハンガリー系やユダヤ系民族も。 |
言語 | ドイツ語。ドイツで使われる標準ドイツ語ではなく、オーストリア。ドイツ語といわれる方言です。 英語も基本的によく通じます。英語だけでも不自由を感じることはありません。 |
宗教 | カトリック約78%,プロテスタント約5%,他にもイスラム教やユダヤ教も |
治安 | ヨーロッパの中で特に治安は良い方と言われていますが、町中でのスリや置き引きには注意が必要です。 特にウィーン。地下鉄や観光地、繁華街でのスリや、レストラン、大型ホテルでの置き引きが目立っています。 ホテルのチェックインの際に荷物を置いたまま手続きしている間に取られたという例もあります。 |
時差 | 日本よりマイナス8時間(サマータイム時はマイナイス7時間) |
オーストリアツアーは個人旅行がおすすめ
オーストリアほど個人旅行のツアーがぴったりの国はないでしょう。観光地を見るだけでなく、きままに歩かないと満喫できないのがオーストリアの町なのです。詰め込み式の団体旅行では十分に楽しめるとは言えません。ベストなのが往復の航空券、ホテル、都市間の移動(列車やバスなど)がセットになった個人旅行ツアーです。
オーストリアは面積が日本の5分の1ほどの広さです。主要都市間の公共交通機関も発達しているので、旅行がしやすい国です。公用語はドイツ語ですが、広く英語が話されているので、旅行者が不便を感じることがありません。そういう意味でも個人旅行に最適の国なのです。オーストリアの個人旅行を得意とする旅行会社に相談をし、モデルコースの中から自分にあったものを選び、それを自分流にアレンジしてもらうのが一番いい方法です。オペラを鑑賞したり、カフェを巡ったり、自分流にアレンジする旅こそ、この国では必要なのです。
オーストリアのツアーはこちら
深夜羽田発で仕事帰りにも出発可能!世界遺産プラハ、ウィーンでは2連泊!
ミュンヘンからノイシュバンシュタイン城やホーエンシュバンガウ城を観光。世界遺産ザルツブルグやハルシュタットにも宿泊!世界遺産ウィーンではゆったり2連泊!
1番人気は東欧3国周遊!!
オーストリアツアーの一番人気は他の国とのコンビネーションです。特にチェコ、ハンガリーとのコンビの人気が高いです。8日間、9日間の場合下記のようなコースが考えられます。
★日本→プラハ3泊→ウィーン3泊→機中泊→日本
チェコのプラハとの2国周遊。ゆったりとした日程でおすすめ。
★日本→ブダペスト3泊→ウィーン3泊→機中泊→日本
ハンガリーのブダペストとの2国周遊。こちらもゆとりがあるのでおすすめ。
★日本→プラハ2泊→ウィーン2泊→ブダペスト2泊→機中泊→日本
NO.1の人気コース東欧3国周遊。オーストリアに来たら、チェコにもハンガリーにも行ってみたいという人が多いですが、そもそもウィーン、ブダペスト、プラハともにかつては同じハプスブルク家の領土として栄えた町。3都市を周遊する旅は単に3カ国を訪問するというだけでなく、ハプスブルク家の栄華を訪ねるテーマ性のある旅でもあるのです。各都市間は列車またはバスを利用。
★日本→プラハ2泊→ブラチスラバ1泊→ウィーン2泊→ブダペスト2泊→機中泊→日本
上記コースにスロバキアのブラチスラバを加えた東欧4カ国周遊。少し欲張り気味ですが、アクティブに回りたい人におすすめ。
ウィーンは2泊でも十分?
チェコ、オーストリア、ハンガリーの3国周遊のツアー8日間は大人気のルートですが、それだとウィーンは2泊しか取れません。それで大丈夫なのでしょうか?チェックしてみましょう。
まずは観光です。ウィーンの見どころはたくさんありますが、その中でも外せないのが王宮、シュテファン寺院、シェーンブルン宮殿、ベルヴェデーレ宮殿、美術史博物館。夜は国立オペラ座でオペラを鑑賞。また、違う日には楽友会館でコンサートを鑑賞。昼も夜も忙しいのがウィーンです。
ウィーンはカフェ文化の花が開いた町なので、スィーツ好きでなくてもカフェ巡りはしてみたいもの。サラダやスープを出す店からきちんとしたメインを出すカフェもあり、ランチやディナーでも使えます。カフェを使いこなすのがウィーンでは大切です。2,3軒のカフェにはぜひ訪問して。
おいしいオーストリアワインを求めて、ワイン居酒屋ホイリゲにも訪れてください。ウィーン音楽を奏でる楽団が席にまわってきたりして、気分も盛り上がります。
うーん。これではウィーン2泊では足りません。アレンジして、ウィーン滞在を3泊にするのもおすすめです。また時間がないのなら、同じ2泊でもプラハからの列車を朝早い便にすれば、午前中にウィーンに到着するので午後を観光に使えます。またブダペストへ出発する日に列車を午後にすれば、午前中が観光に使えます。いずれにしろ、こうした細かいアレンジやわがままを聞いてくれる旅行会社を選びたいものですね。
住所 | 13区 Schönbrunner Schloßstraße 47, 1130 Wien, |
電話番号 | +43 1 81113239 |
営業時間 | 8:30 〜17:30 季節により変動 |
公式サイト | https://www.schoenbrunn.at/en/ |
ザルツブルクとザルツカンマーグートも必須
ウィーンだけ訪問して、オーストリアを語り尽くしたという訳にはいきません。地方にもぜひ訪問したい場所がありますが、中でもザルツブルクとザルツカンマーグートはウィーン同様の必須の場所です。
ザルツブルクはモーツァルトが生まれた音楽の都。中世の香りを感じさせる古都で欧州のロマンチックな町の1つです。夏には世界でも指折りのアーティストが出演する「ザルツブルク音楽祭」が開催されます。ザルツブルクへはウィーンから列車で2時間半ほど。日帰りは物理的に可能ですが、1泊はしたいところ。
ザルツカンマーグートはザルツブルク南東の2,000m級の山々と70以上の湖が織りなす大自然があります。映画「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台としてあまりにも有名です。シャーフベルク山のSL列車やモンテゼーの教会など映画の舞台への訪問が魅力的です。ザルツカンマーグートは多くの湖が点在しているので、専用車での観光が便利です。
ザルツカンマーグートでも1泊滞在する必要があります。湖畔の町、ザンクト・ギルゲン、ザンクト・ヴォルフガングなどもおすすめですが、一番はハルシュタットです。湖面に映る町の姿は最高にロマンチック。また、車がシャットアウトなので、静かな環境という点でも申し分ありません。難点は1つ。ホテルの数が少なく、予約が取りにくいことです。できるだけ早く予約をする必要があります。
ザルツブルク周辺の観光を入れるなら2国周遊がおすすめ
ウィーン、ザルツブルグ、ザルツカンマーグート、ハルシュタットなどを観光する場合、ウィーンのIN/OUTのフライトを利用し、オーストリア周遊にするのが無難のような気がしますが、実はそうでもないのです。ザルツブルクへ行くのに一番便利な空港はウィーンではなく、ドイツのミュンヘンだからです。実際ミュンヘンからザルツブルクは列車で1時間半と、ウィーンより1時間ほど近いのです。それで、ミュンヘンIN/ウィーンOUTのフライトを利用し、次のようなルートもおすすめです。
★日本→ミュンヘン2泊(ノイシュバンシュタイン城観光)→ザルツブルク1泊→ザルツカンマーグート観光→ハルシュタット1泊→ウィーン2泊→機中泊→日本
別のルートとして、チェコとの2国周遊でかつザルツブルクにも行くのが下記のルートです。
★日本→プラハ2泊→チェスキークロムロフ1泊→ザルツブルク1泊→ザルツカンマーグート観光→ハルシュタット1泊→ウィーン2泊→機中泊→日本
チェコでは首都プラハだけでなく、世界で最も美しい町といわれるチェスキークロムロフにも滞在。そこから、オーストリアのザルツブルクへ抜けます。2国周遊でも地方を訪問できる充実のおすすめコースです。
アクセス | ザルツブルクよりウィーン方面行き特急で約50分 アットナング・プットハイムへ。 列車を乗り換えローカル線で2時間弱でハルシュタットへ。駅から渡し船で町へ。 交通の便が良くないので、ザルツブルグから専用車を利用するという方法も。 |
ホテル | ぜーホテル・グリューナー・バウムやヘリテージホテルが人気がある。ホテルの数が少ないので、かなり前からの予約が必須。 |
公式サイト | www.hallstatt.net |
王道のオーストリア周遊はこのコース
オーストリアの田舎の町へ行けば、他の国とのコンビにした方がいいというのは、先ほど述べましたが、そうはいってもオーストリアだけを周遊したいというのならこのコースです。ウィーン、ザルツブルグ、ザルツカンマーグート、ハルシュタットにドナウ川のヴァッハウ渓谷をプラスした内容になっています。
★日本→ウィーン1泊→ザルツブルク1泊→ザルツカンマーグート観光→ハルシュタット1泊→メルク→ドナウ川クルーズ→デュルンシュタイン1泊→ウィーン2泊→機中泊→日本
ドナウ川流域で最も美しいといわれるのが、ヴァッハウ渓谷です。いくつもの古城や修道院が立ち、美味しいワインを産み出すブドウ畑も続きます。ドナウ川のクルーズも就航して、中でもメルクからデュルンシュタインの間の風景はイチオシです。華麗なるバロックの大聖堂のあるメルクからクルーズ船は出発。約1時間半かけてデュルンシュタインに到着するまでがハイライトです。ここはあの「美しき青きドナウ」のイメージそのものです。
伝説の古城がそびえる町デュルンシュタインは小さな小さなメルヘンの町。ここではドナウ川に面した17世紀からの古城ホテル、シュロスホテル・デュルンシュタインにぜひ泊まってみたいものです。
住所 | Dürnstein 2, 3601 |
電話番号 | 43-27111212 |
アクセス | オーストリア国鉄デュルンシュタイン駅から徒歩10分。ドナウ川クルーズのデュルンシュタイン港から徒歩3分。 |
予算 | ツインで215ユーロ(1室)くらいより |
公式サイト | www.schloss.at |
アルプスの町や大自然も体験したい
オーストリアといえば、雄大なアルプスの景色を忘れるわけにはいきません。一番のおすすめがオーストリア中部にあるフランツ・ヨーゼフス・ヘーエです。オーストリア最高峰グロースグロックナー(3,797m)の展望台で、オーストリア最大の氷河、パステル氷河が圧巻です。
オーストリア西部が有名なチロル地方です。3,000m級の山が連なり、緑豊かな渓谷や牧草地が広がっています。スイスほど観光地化していず、スイスほど日本人がいないのも魅力です。
チロルには大きな谷(タール)があります。1つはインスブルック西方のエッツタールです。氷河に削られた長い深い渓谷です。その最奥の村がオーバーグルグルです。標高1,930mの場所にあります。迫力ある大氷河とチロルの大自然が満喫できる村です。
もう1つの谷はインスブルック東方のツィラータールです。広々していて、明るく緑が多いのが特徴。代表的なのが、ノスタルジックなSL列車も走るマイヤーホーヘンです。
チロルでもう1つ、おすすめしたい町がインスブルック北西にあるゼーフェルトです。チロルの牧歌的な風景と、洗練された高級感を併せ持つ町で、2,3泊のんびり滞在するのに最適です。
アクセス | インスブルックから列車で40分のエッツタール。駅前からバスで1時間30分でオーバーグルグルへ |
ホテル | エーデルワイス&グルグルが人気ホテル。4つ星や3つ星中心で料金はやや高め。 スキーシーズンがハイシーズン。 |
公式サイト | www.obergurgl.com |
まとめ
いかがでしたか? オーストリアは魅力がたくさん詰まった、とっておきの国です。あとで、ココに行けばよかった・・とか、あれを食べればよかった・・などと後悔しないように、出発前にしっかりプラニングをしてください。
▼関連記事として、こちらもご覧ください。
旅好き女子にご提案!!オーストリアの見どころベスト7
オーストリア入国制限|いつから行ける?コロナ後の旅行(最新)
オーストリアのツアーはこちら
深夜羽田発で仕事帰りにも出発可能!世界遺産プラハ、ウィーンでは2連泊!
ミュンヘンからノイシュバンシュタイン城やホーエンシュバンガウ城を観光。世界遺産ザルツブルグやハルシュタットにも宿泊!世界遺産ウィーンではゆったり2連泊!