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いつか行ってみたい!メキシコ・オアハカの「死者の日」

可愛く装飾されたオフレンダと呼ばれる祭壇

可愛く装飾されたオフレンダと呼ばれる祭壇

映画「リメンバー・ミー!」で日本でも話題になったメキシコのお祭り「死者の日」。おどろおどろしい名前とは裏腹に、メキシコ中がかわいいガイコツとオレンジのマリーゴールドで彩られ、人々も陽気に仮装する、世にも楽しいお祭りです!日本から遥か1万キロ離れたメキシコまで、実際にお祭りを体験しに行った私がお勧めする「死者の日」の楽しみ方をレポートします(^^)/

そもそも「死者の日」って何?!

「死者の日」を見に行くきっかけとなった一枚の写真

「死者の日」を見に行くきっかけとなった一枚の写真

ガイコツとマリーゴールド、パペルピカドと呼ばれるカラフルな切り絵のガーランドに飾られた、カラフルな祭壇。その一枚の写真は一瞬にして私の心を奪いました。それはメキシコの「死者の日」を映し出した写真だったのです。死者の日って何!!!すぐさまググり、いつか絶対行く場所リストの最上位にメキシコがランクインしました。さて、日本でも知名度が上がってきたこのお祭りですが、一体どういったものなのでしょうか。

ガイコツメイクの女の子 本格的~!!

ガイコツメイクの女の子 本格的~!!

簡単に言ってしまえば、死者の日は、メキシコ版のお盆です!日本でもお盆の時期には家族が集まって、迎え火を焚いて、ナスやキュウリの飾りつけをし、お墓参りに行きますよね。メキシコでは、お墓や各家庭、公園、レストランなどいたるところで「オフレンダ」と呼ばれる祭壇を作り、故人を迎えます。お盆の入りには家族皆でお墓に迎えに行き、数日後、またお墓に見送りに行く。お墓では故人を偲んで語らう人もいれば、出店なども出て、まさにお祭りの様相です。死者の日は11月2日とされていますが、10/30、31頃からメキシコ中がお祭りムード一色に包まれます。死者を楽しく迎えよう!という“メキシコ人らしさ”が溢れた、世界で最もハッピーなお祭りなのです。

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メキシコで一番お祭りが盛り上がるのはオアハカ!

祭壇を飾るアイテムの一つ、砂糖菓子

祭壇を飾るアイテムの一つ、砂糖菓子

死者の日の期間中、メキシコのいたるところでオフレンダ(祭壇)を見かける事ができますし、パレードなどのイベントも各地で催されます。ですが、せっかくであれば是非オアハカまで足を伸ばしてください!世界遺産にも登録されているオアハカという町は、メキシコの中でも先住民族文化が色濃く残っているエリアです。コロニアルな建築と、モンテアルバン遺跡やゲラゲッツァ祭(先住民族の衣装を着て伝統舞踊を披露するお祭り)など、メキシコらしさをギュッと濃縮したような街なのです。ちなみにオアハカは、アメリカの有名旅行雑誌「TRAVEL+LEISURE」の世界観光都市ランキング2020年度で第1位に輝きました!(日本は京都が第6位、東京が15位にランクインしています)

街のいたるところに陽気なガイコツが現れる

街のいたるところに陽気なガイコツが現れる

先住民族文化が残るオアハカはやはり、オフレンダも手が込んでいます。マリーゴールドや、故人の写真、故人が生前好きだったもの、砂糖でできたガイコツのお菓子、パペルピカド、パン・デ・ムエルトと呼ばれる死者が食べるためのパンなどが飾られるのが一般的。レストランにはガイコツ、通りにも広場にもガイコツ、ガイコツ。この時期オアハカは陽気なガイコツが色々なところからコンニチワ!しているのです。そしてオアハカ名物のパレードと、墓地巡りは必見です!やっぱり本場の死者の日を楽しむなら、オアハカに行かなくては話になりませんね。

日程の決め方やアクセス方法

死者が食べるためのパン・デ・ムエルトと呼ばれるパン

死者が食べるためのパン・デ・ムエルトと呼ばれるパン

前述の通り、死者の日の本番は11月2日ですが、お祭りはその前からスタートしています。パレードは毎年決まった日付ではなく、直前まで日程の公式発表がありません。できれば10月30、31日くらいにはオアハカ入りして、11月2日くらいまで滞在できれば十分にお祭りを堪能できると思います。
日本からオアハカまでのアクセスはアエロメヒコが最も便利です。直行便でメキシコシティまで行き、国内線で約1時間の距離です。バスを使うとなると7時間くらいかかるうえ、格安バス会社などはセキュリティの面で不安が残るのでお勧めできません。
ちなみに私が訪問した際はメキシコシティで首都と近郊の世界遺産テオティワカン遺跡を観光、バスでグアナファトまで往復し、国内線で10/31にオアハカINしました。せっかく日本の裏側まで行くのですから、オアハカ以外の都市も観光してみてはいかがでしょうか。

この笑顔・・・ キュンです!!!

この笑顔・・・ キュンです!!!

今や世界中から観光客が訪れる人気イベントとなった「死者の日」のお祭りですので、事前の準備は必須です。私はメキシコシティから国内線でオアハカに向かいましたが、出発の9カ月前に国内線とホテルの予約をしました。直前だと予約が取れない~!とか、国内線の料金が高い!と泣きを見る事になるかもしれません。国内線やホテルが高騰する前に余裕をもって準備しましょう。

いざ本番!オアハカの「死者の日」をどう過ごすのか

本格的なマーチングバンドの皆さん

本格的なマーチングバンドの皆さん

では、実際に私が2015年にオアハカを訪れた際の日程をもとに、オアハカの「死者の日」の過ごし方をご案内します。
10/31、ホテルにチェックインしたら早々に町に繰り出しました。街中にオフレンダとガイコツが溢れ、まるで夢の国のような雰囲気です。どこからともなく、大砲の音が聞こえてきたらそれはパレードの始まりを告げる合図です。パレードは大概サントドミンゴ教会から始まります。私も街歩きをしていたら、昼間のパレードに遭遇しました!子供も大人も気合の入った仮装に身を包んで町を練り歩きます。特に子供の仮装のクオリティと可愛さといったら!あまりのカワユさにハートをわしづかみにされました。豪華なマーチングバンドも出て楽しい雰囲気に心も弾みます。
そして、31日の夜は死者を迎えに行く日。夜は墓地に向かうのです。とはいっても、どこの墓地に行ったらいいのか、どうやって行けばいいのか、少しハードルが高いです。是非現地ツアーを利用してください。私の参加したツアーではメイン会場の一つであるパンテオン・サンミゲル(PANTEON SAN MIGUEL)、 ホホコトラン(XOXOCOTLAN)という2か所の公共墓地を巡ってくれました。

11/1 いよいよ本番!夜のパレード

11/1 いよいよ本番!夜のパレード

11月1日、昼間はオアハカ郊外の観光をし、いよいよ夜はパレードの本番。可愛い仮装をした人々と音楽隊が街を練り歩き、世にも愉快なパレードが始まります。昼間のパレードとはうって変わって、かなり本格的です。大きなガイコツの人形が空を舞い、伝統衣装+ガイコツメイクの子供や女性が大きな花カゴを頭に載せ、カラフルなスカートの裾を翻しながら踊り歩きます。棺桶から出てきたガイコツを担ぐ司祭のような男性。まるでこの世に戻ってきた死者が束の間の現世や家族との再会を喜んで行進しているみたい・・・。本当に夢のような楽しい時間でした。
そして11月2日、この日、死者は自分たちの世界に帰っていく日です。日本でいう送り火ですね。人々はご先祖様をお送りするために日暮れ頃から墓地に集まるのです。私は夜9時頃、タクシーで祭りが一番盛り上がるというサンフェリーペ共同墓地に向かいました。タクシーで片道20分、日本円にして約500円ほどでした。

墓地に行けば陽気なメキシコ人の死生観を肌で感じる

可愛くデコレートされたお墓とマリアッチ

可愛くデコレートされたお墓とマリアッチ

パレードの楽しさもさることながら、やはり墓地での人々の様子が本来の「死者の日」を最も感じられる場所ではないでしょうか。墓地の周りにはマリーゴールドや色とりどりの花、生前の写真、キャンドル、故人の好物、砂糖菓子、お人形など意匠を凝らしたデコレーションで鮮やかに飾り付けられています。マリーゴールドは死者が祭壇を見つけるための目印という言い伝えがあるのだそうです。日本人であれば人様のお墓を写真に撮っていいのかと、戸惑うかもしれませんが、彼らはとてもウェルカムに対応してくれます。ですが、ここは墓地である事、彼ら故人を偲んでいるということを忘れずに敬意をもって行動しましょう。

これがお墓?!あまりの可愛さに悶絶っ(*´Д`)

これがお墓?!あまりの可愛さに悶絶っ(*´Д`)

愛情をこめてデコレーションされたお墓の周りに集まる家族たち。マリーゴールドを頼りに現世に戻ってきた故人を想って、朝まで家族で語らうのです。心がぽっと温かくなるような、彼らを見ているとそんな優しい気持ちがこみ上げてきます。墓地の周りには露店もたくさん出て、非常に賑やかです。マリアッチと呼ばれる音楽隊が音楽を奏で、まるでパーティーそのもの。死を悲しんでばかりいるのではなく、こんなに明るく迎えるなんて、陽気なメキシコ人の死生観に触れられたような気がしました。

夜に墓地って・・・オアハカの治安は大丈夫なの?!

メキシコの共同墓地にいた素敵な男性

メキシコの共同墓地にいた素敵な男性

メキシコと聞くと、麻薬や強盗、スリ、など危険なイメージを持つ人もきっと多いと思います。実際に私がメキシコシティの街に降り立った時も、なんだか殺伐とした雰囲気を感じ、あぁここは南米の国だな・・・と身が引き締まる思いになりました。ですが、オアハカに至っては本当にメキシコシティと同じ国なのかな?と思うほどに、のんびりとした空気が漂っています。

お祭りの間は夜中まで陽気なオアハカの町

お祭りの間は夜中まで陽気なオアハカの町

死者の日を目的にオアハカを訪問すると、どうしても夜に行動しなければならなくなります。しかし一人で夜のパレードを見ているときも、一人でタクシーに乗って墓地に行くときも、まったくと言っていいほど危険を感じませんでした。体感的にはパリやバルセロナの地下鉄に乗るときの方がよっぽど緊張するような・・・。そう、オアハカはメキシコ有数の安全な街の一つなのです。ただし、オアハカも海外であることは変わりません。スリや置き引きなどの軽犯罪は存在しています。人混みに行くときや高価な物を持っているときなど、最低限の注意は心がけましょう。

「死者の日」以外でオアハカの滞在を楽しむ方法

一見するとまるで滝のようなイエルベ・エル・アグア

一見するとまるで滝のようなイエルベ・エル・アグア

死者の日のイベントの多くは夕方から夜がメインになってくるので、日中のパレードがない日は近郊の観光地を巡るのがお勧めです。人気な観光地は世界遺産でもあるモンテアルバン遺跡ですが、個人的に遺跡よりも面白かったイエルベ・エル・アグアと呼ばれる渓谷をご紹介します。スペイン語で沸騰した水を意味するこの場所は、まるでトルコのパムッカレのような場所です。ミネラルを多く含む水が、長い年月を経て固まり、まるで滝が石灰化してしまったような独特な景観を生み出しています。付近が天然のプールになっているのですが、「沸騰した水」とは名ばかりでものすごくぬるい!ある程度寒さを覚悟の上、泳いでみてはいかがでしょうか。(ただしきちんとした更衣室やシャワー施設なんてものはありません)私はローカルバスを乗り継いで行きましたが、面倒な方はオアハカからツアーも出ています。

ティアンギスでは民族衣装を着た人達をよく目にします

ティアンギスでは民族衣装を着た人達をよく目にします

せっかくオアハカに来たら、ティアンギスと呼ばれる市場に出かけてみましょう。ティアンギスとは500年以上前からある、先住民族たちの青空市です。村によって開催の曜日が異なるので、事前にチェックが必要です。私は日曜日に開催されるトラコルーラと呼ばれる村のティアンギスに行ってきました。民族衣装を着て野菜や花を売る女性や、生肉をその場で買ってBBQしている人もいて楽しい雰囲気です。16世紀に建てられた教会は、こんな小さな村にこんな美しい教会が?!と思うほど見ごたえがありオススメです。

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まとめ

勇気をもってオアハカへの扉を開いてみましょう!

勇気をもってオアハカへの扉を開いてみましょう!

いかがでしたでしょうか。今や世界中から注目を浴びるようになったオアハカの「死者の日」の祭り。想像以上にハッピーでカラフルで、こんなに幸せな気分になれるお祭りがこの地球上に存在しているなんて思いませんでした!もし行くことを悩んでいる人や写真を見てちょっとでも興味を惹かれる人がいれば、是非10月、メキシコ行の航空券を用意してみてください。リメンバーミー!の世界があなたを待っています!

今回のトラベルアドバイザー
久保井 奈々子/75か国訪問

学生時代、単身東南アジアを周遊したのをきっかけに海外旅行にハマる。これまで75か国以上訪問してきた中でも特に印象深かったのはパキスタンのフンザ、ウユニ塩湖、サハラ砂漠、南インドの大水郷地帯、メキシコの死者の日のお祭り等。日本では目にすることのできない大自然や文化を体験することこそ、私的旅の醍醐味!

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