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バンスカー・シュティアヴィニツァの新城
世界205の国と地域を訪問した井原三津子が薦めるスロバキアの必見スポット
世界中の観光名所ではオーバーツーリズムが叫ばれています。とりわけ世界遺産など、特別な観光地はより一層、観光客が押し寄せてきても不思議ではないのが現状。
でも例外がありました!ここスロバキアは、なぜかオーバーツーリズムとは無縁の国のひとつです。
天空の城ラピュタのように美しいお城があったり、おとぎの国みたいな可愛い中世の町があったり、世界遺産で有名な観光名所だったり、どこへ行っても予想外に人が少ないことに驚くはずです。人込みをかき分けての観光は興ざめですね。静けさのある観光地でこそ感じられる本物の感動を味わいたいものです。
今回はそんなスロバキアの見どころをご紹介。世界205の国と地域を訪問した井原三津子が、ごく最近、ハンガリーと一緒に訪れたばかりの情報をご紹介します。

天空の城ラピュタのモデル スロバキア指折りの見どころ スピシュ城

天空に浮かぶような早朝のスピシュ城
スロバキア東部、プレショフの町の西部に位置するスピシュ城。一面に広がる草原の高台に位置する壮大な城です。中欧で最大級の規模を誇るだけあって見ごたえ十分。
ジブリの「天空の城ラピュタ」の舞台とも言われ、その風景はロマンに溢れているのです。
実はその歴史は古く、1209年にモンゴル人の襲来に備えて建造された大要塞だったとか。1780年の火災で焼け落ちた部分も多いけれど、城壁や塔、礼拝堂に厨房など、今でも見学できる建物が残されています。

麓の村からお城へはハイキング気分で歩いていきましょう
バスや専用車を利用して麓のスピシュスケー・ポドフラディエの町に着くと、そこからは約40分歩いてお城へ向かいます。塔の上から見下ろす草原と町の風景はまさに絶景。
ここはわざわざ行ってみたい、スロバキアで指折りの見どころにほかなりません。
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おとぎの国みたいに可愛い14世紀の町 バルデヨフ

ぽつりと立っている市庁舎が可愛い
スロバキアの北東部、14世紀に造られた旧市街が美しい世界遺産の町バルデヨフ。
ポーランドとの国境に近く、交易の町として栄えた歴史があります。城壁や砦もよく保存され、旧市街は世界遺産に指定されています。
町を見渡すには聖エギーディウス大聖堂の塔に昇ってみるのがお薦め。

カラフルで絵になる家並みが続く
この大聖堂は13世紀のシトー会の美しい教会で、内部見学をした後、塔に昇ります。
塔の上からはラドニツネー広場を取り囲むように整然と立ち並ぶ可愛らしい家並みと、広場の真ん中になぜか一つだけポツンと立っている旧市庁舎が見下ろせます。
その姿がなんともユニークで愛らしく目を引きます。私のお気に入り、印象的な写真が出来上がりました。
オーバーツーリズムとは無縁の町 スロバキアの世界遺産バンスカー・シュティアヴィニツァは穴場

バンスカー・シュティアヴィニツァの町を丘の上から眺める
今や世界中のどんな観光地でもオーバーツーリズムが普通です。でもここスロバキアのバンスカー・シュティアヴィニツァは違います。世界遺産なので、通常なら世界中から観光客が押し寄せても不思議ではありません。
なのにどうしたことか観光客をほとんど見かけません。私が行ったのは5月下旬でシーズンもいい時だったのですが・・・。週末は増えるそうですが平日はシーズン中も空いています。ごみごみしていない素敵な静寂の漂う町中をゆっくりと散策する喜びに浸りました。
町中の雰囲気の良いレストランでランチタイムを楽しみました。野菜のクリームスープとメインは豚肉のステーキ、グリルチキンなどのコースランチ。2コースで一人13ユーロほど。テーブルに現れたシェフは腕全体にタトゥーを入れた迫力満点のがっしり大男で迫力満点。でもとっても優しい方でした。

メインストリートでグルメやショッピングも楽しい
この町は15世紀には銀の採れる鉱山として栄えた歴史があり、当時はヨーロッパで1~2を競う裕福な国と言われた場所です。
過去の栄光の話が多い町ですが、街並みの美しさは今も健在です。写真を撮ったら絵になる新城。新しいと言っても16世紀にできたもの。白い円筒形の建物に黒いとんがり屋根が可愛らしくて印象的です。スロバキアへ行くなら、ぜひ立ち寄ってみたい町のひとつなのです。
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厳しい決まり事で迫害を受けていた新教の木造教会のあるフロンセック村

フロンセック村の木造教会にて
スロバキアのフロンセック村には木造教会があります。これは1725年から1726年に建てられた新教、プロテスタントの教会です。木造の大きな掘立小屋みたいでユニークな外観。当時新教の教会を立てる際はカトリックから迫害を受け、いくつかの決まりごとがありました。

木造教会は質素な小屋のような外観
その決まり事とは・・・・???
★木造であること。
★釘など鉄製のものは使わない。
★鐘楼など塔は建てない。
★メイン通りには造らず目立たない場所に建てること。
★1年以内に仕上げること。
・・・よく見ると釘代わりに木の杭で器用に建てられています。観光客の姿もなく、ひっそりした教会。のどかな緑の平原に囲まれてぽつんと佇んでいます。これが世界遺産とはにわかには信じられない気持ちになりました。
ドナウ川に面したスロバキアの首都ブラチスラバ

旧市街のミハルスカー通り<ブラチスラバ>
かつてはチェコスロバキアというひとつの国だったのが、1993年にチェコとの連邦制を解消し主権国家となったスロバキア。その首都がブラチスラバです。
街の南にはドナウ川が優雅に流れ、そのほとりにはマリア・テレジアも戴冠式を行った、町で最古の聖マルティン教会の姿が見られます。
町で最大の見どころはブラチスラバ城でしょう。12世紀より度重なる改築によって四方に塔が建ち、まるでテーブルをひっくり返したみたいなユニークな形になったことでも有名なお城です。

ブラチスラバ城
旧市街の入口でもあるミハエル門。そのテラスからは旧市街の素晴しい眺めが望めます。ブラチスラバ市内は旧市街を徒歩でゆっくり回るのがお薦めです。
スロバキアは美味しいワインの産地でもあるので、散策の合間のランチタイムにお食事と一緒にワインをゆっくり楽しむのもいいですね。スロバキアはそんなゆったりした休日を楽しむのが似合う国。ブラチスラバの楽しみ方もそういう風にしてみたいものです。
またこの町はオーストリア国境に近くウィーンから60kmという便利なロケーション。フライトの玄関口をウィーンにして、この町へアクセスするのもお薦めの方法です。
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まとめ

ボリュームたっぷりでリーズナブルな食事も楽しみ
今度の旅では、チェコと一緒に訪れたり、ハンガリーやオーストリアと組み合わせたり、どこかの国々と一緒に訪問するのに便利な国、それがスロバキアでしょう。
スロバキアの魅力、地味ながら奥深い味わいを感じてもらえたでしょうか?華やかさはないものの、穏やかで静かで癒される風景、街並みを堪能してみてください。

バンスカー・シュティアヴィニツァの街角にて