目次
河岸遊歩道リバーウォーク
小学校低学年までを過ごしたアメリカ。父の暮らすテキサス州の長い地平線を、父の運転で巡った6日間。かつては近づくことのなかった国境地帯を越え、メキシコにある父の職場も訪れました。2月とは思えない陽気と、開放的なラテンの空気。つい食べ過ぎてしまう、背徳感たっぷりのテキサス料理にメキシカン。少し老けた父の懐かしい横顔を隣に、広大なテキサスを満喫しました。本記事を読み終わる頃には、あなたもきっと、誰かと旅に出たくなるはず。
【1日目】テキサス到着
ラレド国際空港 外観
羽田から直行便でダラス・フォートワースへ飛び、国内線に乗り継いでテキサス州の内陸港ラレドへ。メキシコとの物流拠点でもあることから「ラレド国際空港」と名付けられていますが、施設はコンパクトでローカルな雰囲気。1年ぶりに会う父に迎えられ、自宅までは車で10分ほどの短いドライブ。街中に溶け込む星条旗に、期待が膨らみます。

冷えたメキシカンビール
大学を無事に卒業見込みであること、送別会続きで慌ただしい日々を過ごしていたことなど、父と近況を交わしながら向かったのは、「絶対にここに連れて来たかった」と父が鼻を膨らまし案内してくれたテキサスBBQの名店「Rudy’s Country Store and Bar-B-Q」。カントリーソングが大音量で流れる店内で本場のBBQにかぶりつき、キンキンに冷えたメキシカンビールが長旅の疲れを心地良くほどいてくれました。

【2日目】メキシコを感じる

米墨国境地帯のモール「ザ アウトレットショップス アット ラレド」
一晩明けて外が明るくなると、父が暮らす小さな貿易都市の街並みがはっきりと見えてきました。今やロサンゼルスを抜きアメリカ最大の輸出入拠点となったラレド国境ゲート。アメリカ経済を支えるボーダーとして、高速道路には大型トラックや長い貨物列車が絶え間なく行き交っています。2日目は、そんな国境ゲートにほど近く、リオ・グランデ川の向こうにメキシコを望むショッピングモール「The Outlet Shoppes at Laredo」で買い物を楽しみました。
絶品の熱々タコス “Volcanes”
国境であるリオ・グランデ川に沿って車を走らせると、どこか緊迫感がありつつも、古き良き建築と乾いた砂の匂いを含んだ空気が広がります。夜は、父が「絶品だ」と太鼓判を押すメキシカンレストラン「Palenque Grill Hwy 35」へ。スタッフも客もほとんどがメキシコ人というアウェーな空間でしたが、マルガリータや熱々のタコス、牛肉と鶏肉のファヒータは期待以上の美味しさ!英語で注文する私たちと、表情ひとつ変えずスペイン語で応じるウェイターのやり取りも面白く、言語は通じなくとも伝わる温かいサービスに大満足しました。
【3日目】サンアントニオへ

夕暮れのサンアントニオを歩く馬車
3日目は長いドライブからスタート。高速道路を2時間半走ると、本土最大級の広さを誇るテキサスの地平線と、日本で目にすることのない長さの貨物列車が現れました。物流までもがアメリカンサイズなんですね。到着したのは、映画のワンシーンのような街並みと、スペイン統治時代の面影を残す建築が広がるサンアントニオ!時間がゆるやかに流れる、懐かしさを感じさせる街です。

メキシカンマーケットの小店に並ぶカラフルなお土産
名所の1つであるリバーウォークを、昼と夜に散策。整備された運河と、オープンテラスのレストランが連なる風景。「アラモ伝道所」でテキサスの過去に触れた後は、メキシカンマーケットで色彩豊かなお土産を見て回りました。そこにいるだけで踊り出したくなるような陽気な音楽と鮮やかな色彩が気持ちを掻き立てます。街には馬車も走っていますが、サンアントニオは、あえて自分の足で歩きたくなる街です。
【4日目】買い物day
大型ガソリンスタンド施設 「Buc-ee’s」 マスコットと私
サンアントニオの街を後にした4日目。高速道路を走っていると「あと2マイル」「あと1マイル」と、可愛いビーバーの標識が次々と現れます。向かったのは、アメリカ南部を中心に展開する超大型ガソリンスタンド兼コンビニチェーン「Buc-ee’s(バッキーズ)」。全米一清潔と言われるトイレをはじめ、ビーバーのロゴをあしらったアパレルやお菓子がずらりと並びます。なかでも名物のブリスケットサンドは、甘旨いソースが絡んだほろほろの牛肉が絶品。本業のガソリンスタンドの規模を超えた大型コンビニ、思わず長居してしまいそうでした。

Tanger Outlets San Marcos
ブリスケットサンドで腹ごしらえを済ませたら、サンアントニオ郊外のアウトレットモール「Tanger Outlets San Marcos」へ。かつてアメリカに住んでいた頃によく通った「Abercrombie & Fitch」や「Polo」で、父におねだりをして買い物を楽しみました。帰り道には、アメリカでお馴染みの中華ファストフード「Panda Express」 でテイクアウトをして、久々に家族で食卓を囲みました。
【5日目】メキシコへ越境

父の職場訪問で開いてくださった歓迎朝食会
丸1日を観光に当てられる最後の日は、父の職場訪問を兼ねてメキシコへ。貨物専用橋や歩行者用の橋を進み、銃を携えた軍人を横目に書類を提出してインタビューを通過すると、いよいよメキシコ入国。リオ・グランデ川を隔てて目と鼻の先にあるのに、その往来には緊張感が漂います。父の職場の方々はとても温かく迎えてくださり、ゲームやお土産交換を交えた朝食会を開いてくださいました。遠い異国の地で真摯に仕事に向き合う父の背中に、感謝と尊敬の思いが深まるひとときでした。
スーパーマーケット「H-E-B」父の買い物カゴ
再び検問所を通過してアメリカへ戻ると、スーパーマーケット「H-E-B」でお土産や夜のタコスパーティーの食材を買い出し。アメリカにいながらメキシカンカルチャーが色濃く息づくこの街のスーパーには、多種多様なトルティーヤやサルサソースが並びます。父が作るチーズたっぷりのタコスと美味しいビールが、強い日差しを浴びた体にじんわり染み渡ります。私のお気に入りビールは、「パシフィコ・クララ」!
【6日目】夜明けと共に帰国

ラレド—ダラス・フォートワース間の国内線
早朝4時、眠い目をこすりながらラレド国際空港へ。父が車で送ってくれ、保安検査の直前までそばにいてくれました。コンパクトな空港だからこそ、搭乗ゲートのそばまで父と言葉を交わせた時間が特別に感じられました。国内線に乗り込み、まだ眠るラレドの街を見下ろすと、空がゆっくりと朝焼けに染まり始めていました。父との数日間をなぞるように、旅の終わりが近づいています。

ダラス・フォートワース空港で見た朝焼け
ダラス・フォートワース空港は広大でありながらも清潔で、ターミナル間を結ぶモノレールやいくつものエスカレーターを使って移動します。羽田までは直行便で約12時間。窓側の席を取って、果てしなく続く地平線を染める朝焼けや夕焼けを眺めて余韻に浸るのも良いかもしれません。

終わりに
アメリカは、いつ、どこを訪れてもスケールの大きいわくわくを感じさせてくれる場所です。西と東ではまた異なる表情を見せ、豊かな食文化や新たな出会いの喜びがあります。なかでも、メキシコ国境に面したテキサス州は、文化・歴史・生活が交差する、知的好奇心を刺激してくれる土地でした。
学生時代を支えいつも応援してくれた父に顔を見せられたこと。父の働く場所を訪れたこと。私の学生時代がスタートしたアメリカの地を、社会人になる直前に再び踏むことができたこと。体は疲れていても、そんなことで胸はいっぱいでした。大きな背中で広い世界を示してくれた父のように、これからは私が旅を通して誰かの心を動かしたい。その思いで、春からファイブスタークラブでの歩みを始めます。
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