目次

起きたら広がる景色
ヨーロッパ初心者が、ひとりでロンドン〜パリの夜行バスに乗ったらどうなるのか?
ロンドン~パリ間の移動に普通の人が選ぶのは、フライト、または、ユーロスターの列車でしょう。
でも私はあえて夜行バスを選ぶという選択をしたのです。
ちゃんと安全に、そして快適に夜を過ごせるのかなど長時間の移動と聞くだけで少し身構えてしまうけれど、思い切って挑戦してみることにしました。果たしてその挑戦の結果は?
今回、中国が大好きで「ヨーロッパなんて自分には関係ない」と思っていた井上が、初めてバスで足を踏み入れたヨーロッパの体験、ロンドン〜パリ夜行バスのリアルな一夜をお届けします。
旅の始まりバスターミナルへ
ターミナルの外観
ロンドンの出発地点は『London Victoria Coach Station』と呼ばれるターミナルです。ここはヨーロッパ各地への長距離バスが発着する、ロンドン最大規模のバス発着所。最寄りの地下鉄ヴィクトリア駅からも徒歩5分ほどとアクセス抜群で、町の中心部にあるため、迷う心配はほとんどありません。

電光掲示板を読み取る
ターミナルに入ってみると大きい電光掲示板が迎えてくれます。ここで自分のバスの乗り場を探しましょう。私は見つけられずインフォメーションセンターに聞きに行きました。もちろん親切に教えてくれます。中には売店、トイレ、チケットカウンターなど最低限のものはそろっています。利用者を見てみると9割はアフリカ系の人とバックパッカーが少しでバスターミナル内が今回の旅で一番緊張した場所でした。

一夜を過ごすバスと対面 ー 予想以上に快適なバスだった!
ロンドン街並み
ヨーロッパといえば、遅延が当たり前というイメージを覚悟していましたが、なんと乗車受付は予定より10分前に始まりました。待ちわびていた私は1番乗りでした。手順はシンプルです。まず荷物を自分でトランクルームに預け、パスポートとQR付きのチケットを用意。運転手がチェックしたら、そのまま乗車できます。

ロンドンの街並み
果たして、夜を過ごす車内はどんな感じなのか。翌日のコンディションは、ここでの過ごし方次第で決まります。バスは2列×2列の4列シートでリクライニング付き。さらに、1人につきUSB充電も完備されていて、トイレもちゃんとあります。唯一の欠点は、ほとんど使えないに等しいWi-Fiくらいでしょうか。日本と比べても遜色ない快適さです。あとは旅の醍醐味、隣の席がどんな人かドキドキしながら出発を待つのみです。
イギリスに別れ

車内が快適そうで満足
20:30、定刻通りにロンドンを出発したバスは、国際航路の入り口であるドーバー港まで途中停車することはありませんでした。もうすぐイギリスを離れると思うと、ドキドキが止まりません。結局、私はイギリス国内の移動中は緊張と興奮で一睡もできませんでした。

出入国に関しては、状況によって異なるので、これはあくまで一例として紹介します。
私たちのバスはドーバー港で入国審査がありました。審査はこの一回きりでした。車内で「貴重品を持って降りてください」と指示があり、前の人についていくと、気づけば空港の出入国審査のような場所に到着。そこでパスポートにスタンプを押してもらいます。スタンプはフェリーのマーク付きで、特別感があります。そしてベルトコンベヤーに乗っているかのように止まることなくバスにまっすぐ戻ります。
イギリス・フランスのおすすめツアー



バス旅なのにドーバー海峡の船旅も楽しめた!

フェリー内①
バスによっては、海底トンネルを走り船に乗らないのもあるらしいけれど、今回はバスごとフェリーに乗り込み、船内へ移動できるタイプでした。
フェリーの中には簡易的なビュッフェコーナーやお土産屋さんがあり、何より目を引くのはずらりと並ぶ座席の数。乗車している人がみんな横になれるくらいの椅子がありました。
船旅の時間はおよそ100分。海の上で過ごすひとときは、移動というより休憩のような安堵感がありました。
船旅まで味わえてラッキーな気分。

フェリー内②
イギリスを離れていく瞬間を感じたいなら、ぜひ甲板へ出てみましょう。海風を受けながら、遠ざかっていくイギリスの夜の灯りを眺める時間は、少し切なくて特別です。肌を刺すような冷たい潮風が吹くので、上着だけは忘れずに。
寝て起きたらパリ
ドーバー海峡横断中
バス旅もいよいよ終盤。ドーバー海峡を渡り、フランス側の港町・カレーに到着です。再びバスに戻るのですが、ここで少し注意が必要。なんとフェリーの中には20台近くのバスが並んでいて、バスを探すのが一苦労なんです。
迷わないためにも、乗船前にバスのナンバープレートを写真に撮っておくのがおすすめです。
パリの地下鉄
バスに戻る頃にはもう眠気が限界で、「このままパリに着かないでほしい」なんて本気で思ってしまうほどでした。車内もみんな同じ気持ちなのか、とても静かで、照明も落とされていて心地よく休めます。
気づけば目的地の「Bercy」に到着。ターミナルから地下鉄の駅までは徒歩8分ほどと近く、多くの人がそちらへ向かうので、もし地図が読めなくても人の流れについて行けば大丈夫。
こうして、長いバス旅の末に無事パリへ到着しました!
ユーロスターVsバス、夜行バスを使うツアーがあるなんて

ユーロスターの様子
ロンドンとパリを結ぶ主な移動手段といえば、やはりユーロスターが定番。平均2時間半ほどであっという間にパリへ連れていってくれます。
それに比べて、今回利用した夜行バスは20時30分発、翌朝5時30分着。およそ9時間の長旅です。

ロンドンの駅構内
バスが安いのは、移動時間を考えればある意味で当然かもしれません。
ユーロスターは時期や購入のタイミングによって料金が大きく変わり、ネットで調べたところ最安で1万円を切ることもあれば、当日券では3万円を超えることもあるそうです。
一方、今回利用した夜行バスも価格の変動はありますが、高くても1万円を超えることはほとんどありません。
時間を取るか、費用を取るか──その選択もまた、旅の一部なのだと感じます。

パリ滞在中に郊外のシャルトルへ行き「光のシャルトル」を見てみたい
でも、バックパッカー気分も味わえた今回のプランはとっても楽しい体験となりました。
旅費をセーブしたい人なら、ロンドンの旅でも、ロンドだけ行くのではなく、たとえば、帰りにいっそのことこの夜行バスでパリへ行ってみるのもおすすめです。
帰りのフライトの空港税もロンドンは約30,000円以上と高いため、パリから帰るほうがかなり安上がりになるからです。
また、ファイブスタークラブでは夜行バスを使ったツアーもあります。初めてのヨーロッパ旅でも、この夜行バス旅は楽しそうです。

まとめ

エッフェル塔
いかがでしたでしょうか?
実際にロンドン~パリを移動したからこそ感じたこと・知ってるリアルを記させていただきました。
ザ・旅を感じられる夜行バス!想像を超えた楽しい旅行になるはずです
イギリス・フランスのおすすめツアー






