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世界100か国以上を旅してきたトラベルプランナーが初めて旅するエストニアをご紹介!

旧市街の可愛い雑貨店でキュートな猫たち発見!
私は世界100か国以上を旅してきたトラベルプランナーでヨーロッパはもちろん、中央アジアやアフリカなど幅広い地域を訪れてきました。旅先ではローカルレストランに足を運び、できるだけ現地の人々の視点に近い形で体験することを大切にしており、その様子はYouTubeでも発信しています。
そんな私が2025年6月に初めて訪れたのが、バルト三国の玄関口ともいえるエストニアです。フィンランドの首都ヘルシンキからフェリーでわずか1時間という近さにありながら、北欧らしい洗練を強く感じさせる国。かつてソ連の一部だったとは思えないほど美しい街並みが広がっています。首都タリンには世界遺産の旧市街があり、城壁と塔に囲まれた石畳の街はまるで中世に迷い込んだよう。13世紀にドイツ人商人たちが築き上げたこの街は、今もなお世界中の旅行者を魅了し続けています。さらに、雑貨やお菓子など旅好きの心をくすぐるアイテムも多く揃い、女子旅やヨーロッパ周遊にもぴったりの旅行先です。
今回はそんな知られざるエストニアについてご紹介します。

エストニアの基本情報
首都 | タリン |
言語 | エストニア語。英語はホテルやレストランなどでも通用します。 |
宗教 | キリスト教 |
時差 | 日本との時差は-7時間 ※サマータイム時-6時間 (日本が正午のとき、タリンは05:00) |
通貨・両替 | 通貨単位はユーロ(€)またはEURと表示されています。ユーロは日本で両替していくと便利です。 クレジットカード(特にVISA、MASTER)はほとんどのレストランやカフェ、ショップに加えて、 トラムなどでも幅広く利用されています。 1枚以上は持っていき、現金と上手く使い分けるのが良いでしょう。AMEX、JCB等は使える場所が限られています。 |
物価・チップ | 物価はヨーロッパの中でも少し安めです。 そのため日本での金銭感覚と大きくは変わりません。 例えば水1.5リットルのペットボトルが約0.8ユーロ(139円)円程度、 ランチセットは約8ユーロ(1,387円)程度です。チップの習慣はありませんが観光地では受け入れられつつあります。 カフェなどで食事をしたときに+1ユーロほどで端数が出ないように支払うとスマートです。 |
服装・マナー | 夏季の日中は20℃前後と快適で過ごしやすいですが、朝晩は冷え込みますので羽織るものを持っていきましょう。 また、天候が変わりやすいので折りたたみ傘や雨具を持ち歩くと安心です。 冬季は平均気温が氷点下となりますので防寒対策はきちんとしていきましょう。 1~3月は積雪で覆われますので、靴の選択にも注意が必要です。 |
エストニアの気候とベストシーズン
旅行シーズンは春から秋にかけてですが、もっとも穏やかで過ごしやすい夏6月~8月がベストシーズンといえるでしょう。
四季はありますが春と秋が短く冬が長いのが特徴です。夏季の日中は過ごしやすいですが、朝晩は冷え込みますので羽織るものが必要です。
白夜の影響で夏至の時期は23:00頃まで明るいです。
また、天候が変わりやすいので雨具を持ち歩きましょう。
一方冬季は緯度の割には寒くありませんが、それでも平均気温-5℃、時には-20℃程まで下がることがあります。
16:00頃には暗くなります
エストニアの治安
治安は比較的良いですが駅や公園周辺は気をつけてください。夜間に一人で出歩かない、人通りの少ないところを通らない、貴重品の管理を怠らないなど最低限の注意は必要です。ひったくりやスリに狙われないよう注意しましょう。
街中や駅、バスターミナルにある公衆トイレはほとんどが有料です。紙が設置されていないところもありますので、使用する際には気をつけましょう。
エストニアの食事
バルト三国の主食といえばライ麦パンとジャガイモで、スープや肉料理によく合います。エストニアを訪れた時に食べたいのがVerivorst(血のソーセージ)とSültと呼ばれる豚のかかとが入った煮こごりのゼリーです。
また、レストランやカフェではドイツやロシアの影響を受けたソーセージや揚げた肉、グリルチキン、スープなどの料理をよく見かけます。
エストニアの飲み物
水道水はそのまま飲めるくらいの品質に向上していますが、かなり硬度の高い硬水です。また、河川や海洋の汚染、古い水道管からの錆など問題がないわけではありませんので、飲料水としてはミネラルウォーターをおすすめします。
ペットボトルのミネラルウォーターは炭酸ガス入りとそうでないものが売られていますので、購入の際は誤って買わないように注意しましょう。
エストニアで注意すべき病気
特別気をつけなければならないような風土病はありませんが、長距離の移動や旅の疲れなどで体調を崩す場合があります。念のため常備薬を持っていくと安心です。
また、森に生息するダニの中にダニ脳炎やライム病のウイルスを持っているものが稀にいます。ハイキング等で森林に入る場合は、長そで長ズボンを着用するなどして肌を露出せず、咬まれないように注意しましょう。
中世の生きた博物館 タリン旧市街をぶらぶら歩き

散歩しながらお菓子のワゴンでつまみ食いも楽しい!
首都タリンに来たらまず向かうのが旧市街。メインターミナルであるタリン駅、タリン港からも徒歩圏内にある城壁に囲まれた街です。旧市街は丘の上に城や大聖堂の建つ「山手(トームペア)」と広場や市庁舎のある「下町」に分かれています。見どころは両方にありますが、まずはトームぺアの展望台で「絵葉書」の様な景色をバックに写真を撮ってから街歩きをスタートさせるのもいいですね。

タリン旧市街ヴィル門に並ぶフラワーショップ
下町歩きはゴシック様式の旧市庁舎のあるラエコヤ広場からスタート。下町に残る教会や市庁舎は15~16世紀に建てられたもので、中世の雰囲気そのもの。当時に思いを馳せながら歴史ある建物を見て歩き、オシャレなカフェでスイーツを食べながらおしゃべり、キュートな雑貨ショップでお買い物、女子には心躍る街歩きです。
エストニアのおすすめツアー



職人の手仕事に心奪われて 可愛い雑貨&陶器探し

キルトや毛糸の小物雑貨もかわいいものばかり♪
バルトの国々では豊かな自然の中で育まれてきた工芸品の継承にも力を入れています。工場で大量生産されるの物ではなく、職人が一つ一つ手で作るハンドメイドの「バルト雑貨」が人気です。エストニアでは木製品や陶器、ウール・ニット製品などが多く見かけられ、その色や形、模様は様々で同じものは二つとありません。そんなお店を覗きながら街歩きをしているときっと一目惚れしてしまう雑貨に出会えるはずです。

顔?模様?独特でときめくデザイン♪
木製品で人気なのはキッチン用品。マグカップやまな板、スプーンにお皿など全て木目や色目も違いますので、お気に入りを選ぶにも時間をかけて。また、民族衣装模様を描いたカラフルな陶器からは、ハンドメイドならではのあたたかみに加え、伝統を大切にしている人々の想いも伝わってきます。木製品だけでなくウール・ニット製品も地方ごとの伝統の柄で織られています。
バルトの国で一番美味しい! エストニア料理

人気レストランは押さえたい!エストニア料理に舌鼓
豊かな自然に囲まれたバルト三国では各国に郷土料理が存在しています。そんな中でもエストニアの料理は一番美味しいのだとか!それでは早速いただきます。まずオススメされるのが「ヴェリヴォルスト(血のソーセージ)」。本来はクリスマスに食べられるものですが、旧市街のレストランでは定番メニューとしているところもあります。お味は・・・是非お試しください!また北欧が近い事もありニシンのマリネ(酢漬け)やスモークサーモンもお決まりの前菜です。また、バルト三国共通して乳製品が豊富。食事に添えられるたっぷりのチーズがまた美味しいのです。

中世のコスプレが似合う店員さん
タリンの旧市街にある「オルデ・ハンザ」は中世をテーマにしたレストランで、店員さんが中世のコスプレをしていると人気です。商人の娘の恰好をしたかわいい店員さんと金髪の農夫に扮したウエイターさん!ついふらりと入ってしまいます。
実はビールも有名!? 種類豊富なエストニアビール

いただきます~ビールジョッキもかわいい!
実はエストニアはドイツやチェコと並ぶほどのビール消費大国。毎年5月には「Tallinn Craft Beer Weekend」と呼ばれるバルト海で最大級の国際的なクラフトビール祭りが開催されます。エストニアはヨーロッパ圏の中でも比較的物価が安い為、若い人でもビールを謳歌出来るのです。
エストニアの人気銘柄ビール達~♪
2大ビールとして、有名なのが「SAKU(サク)」と「A.Le Coq(アラコック)」、スーパーには必ず並んでいる銘柄です。その他にも定番銘柄が多くありますが、最近はクラフトビールも人気で、タリン市内にはブリュワリーやパブが増えました。いろいろなビールを飲み歩き、お気に入りのブリュワリーを見つけるのも旅の楽しみのひとつですね。
エストニア第2の都市タルトゥへ — 知性と自然が溶け合う、静かな学びの町

タルトゥの市庁舎
エストニア南部に位置するタルトゥは、首都タリンからバスで約3時間。タリンとラトビアの首都リガの中間にある街です。エストニア第2の都市でありながら、都会の喧騒とは無縁で、驚くほど素朴で穏やかな空気が流れています。どこか懐かしく、訪れる人をそっと受け入れてくれるようなやさしさが魅力です。
町の中心には、エストニア最古のタルトゥ大学があり、学生や研究者が行き交うカフェや書店が並びます。ここは「学問の都」としても知られ、知的な雰囲気が町全体に満ちています。

トーメの丘にある大聖堂跡
そしてもうひとつの特徴が、街と自然の近さ。たとえば旧市街から徒歩数分でアクセスできる「トーメの丘」では、歴史的な遺跡や展望台を巡りながら、のんびりと緑の中を散策することができます。小鳥のさえずりや風に揺れる木々の音が、旅人の心をゆるめてくれるはずです。
また、タルトゥは博物館の町としても知られています。民族文化を深く学べるエストニア国立博物館をはじめ、アート・自然・文学など多彩な分野の施設が町のあちこちに点在。知性と静けさ、そして自然が美しく調和したこの町は、タリンやリガから少し足を延ばしてでも訪れる価値のある、隠れた名所です。
タルトゥで過ごす時間は、心と体の両方が深く満たされる旅になるでしょう。
サウナの原点はここにあった。ヴォル地方で体験する究極の癒し

「スモークファーム」の代表格 ムースカファームにて
エストニアの伝統文化を深く体感したいなら、エストニア第2都市のタルトゥから車で1時間の南部の町ヴォルに足を延ばしてみてください。エストニア南部のヴォル地方に残る「スモークサウナ」は、サウナ好きの日本人にぜひ体験してほしい“究極の癒し”です。サウナと聞くと日本ではドライサウナやフィンランド式ロウリュが主流ですが、スモークサウナはその原点とも言える存在。煙突を持たず、炉に薪を焚き、煙が充満したあとで自然に煙を抜いてから入るという独特のスタイルです。室内には木の香りとやさしい煙のぬくもりが広がり、体の芯からゆっくり温まる感覚は格別。湿度も高めで、息苦しさがなく、肌への刺激も少ないため、初心者にもやさしいのが特徴です。

ムースカファームの採暖室 サウナの合間にここでお茶を飲む
スモークサウナ体験の中でも特に印象的なのが、サウナに入る前に池に入って身を清めるという工程。最初は戸惑いますが、これが“自然と一体になる”第一歩。さらに、ロウリュの蒸気とともに詠唱(チャント)が響き、まるで神聖な儀式のような時間が流れます。灰や蜂蜜で身体をこすり浄化したり、白樺の枝「ヴィヒタ」でマッサージを受けたりと、五感すべてを使って癒されるひとときです。
日本のサウナ文化とは異なる“祈りと自然”が息づくスモークサウナ。この静かで神秘的な体験は、単なる入浴を超えた“内なる旅”。サウナを愛する方も、これからサウナに挑戦したい方にも、エストニアのスモークサウナは特別な一歩になるはずです。心も身体もゆるめて、世界最古のサウナ文化に身をゆだねてみませんか?
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【番外編1】 ヘルシンキへのプチ旅行

ヘルシンキの港に着いたらまず向かう大聖堂
エストニアの首都タリンからは、フェリーで約2時間。バルト海を越えて、隣国フィンランドの首都ヘルシンキへ気軽に足を伸ばすことができます。日帰りで両国を楽しむ観光客も多く、時間に余裕があればぜひ訪れてみてほしい街です。
ヘルシンキは首都でありながらコンパクトな街で、主な見どころが中心部にぎゅっと集まっています。観光スポットを効率よく巡れるため、短い滞在でもしっかり満喫できますし、街中を走るトラムを使えば移動もスムーズ。北欧らしい洗練された街並みの中に、個性的な建築や自然が調和する光景が広がっています。

フィンランドと言えば「ムーミン」!ムーミンカフェでひとやすみ♪
また、ヘルシンキは北欧デザインの聖地でもあります。日本でも人気の「マリメッコ」や「イッタラ」、「アラビア」といったブランドの本社やアウトレットショップがあり、現地ならではのお得なショッピングも楽しめます。デザインに敏感な方や、北欧雑貨が好きな方にはまさにたまらないエリアです。
港近くのマーケット広場では、新鮮なシーフードやフィンランドならではのベリー類などの食べ歩きもでき、可愛らしい手作りの工芸品や雑貨を扱う露店も並びます。地元の人々との触れ合いもあり、旅情を感じられるひとときが過ごせるでしょう。
もしもう少し時間に余裕があるなら、近郊にある「ムーミンワールド」へ足を延ばすのもおすすめ。子どもはもちろん、大人にも人気の癒しスポットで、ヘルシンキで1泊して訪れる価値は十分あります。
洗練された街並み、ユニークな建築、美味しい食、心ときめく雑貨──そんな魅力が詰まったヘルシンキ。タリンとのセットで訪れれば、まさに北欧の魅力を凝縮したような旅が楽しめます。
【番外編2】 もはや手段でなく目的!豪華シリアラインの紹介

天気の良いは気持ちよく広がるバルト海
エストニアの首都タリンと、フィンランドの首都ヘルシンキを結ぶ移動手段として、もっともおすすめなのが「タリンクシリヤライン」。この航路には複数のフェリー会社が運航していますが、なかでもタリンクシリヤの大型フェリーは、単なる移動ではなく“旅そのものが目的になる”豪華な船旅を楽しめるのが魅力です。乗船したら、まず立ち寄りたいのが船内の免税店。北欧ブランドの人気雑貨が市内よりもお得に手に入るほか、酒税の関係でビールやワインをケース買いするフィンランド人の姿も多く、異国らしい活気にあふれています。
そして何といってもおすすめなのが、名物のランチビュッフェ。約30ユーロで、サーモンやローストビーフ、チーズやサラダ、デザートまで北欧らしい豊かなメニューが食べ放題。さらにビールやワインも飲み放題とあって、コストパフォーマンスは抜群です。ただしビュッフェはヘルシンキ到着の1時間前頃に終了するため、あまり遅い時間に行くと十分楽しめないことも。出航の1時間前から乗船可能なので、なるべく早めにフェリーターミナルへ移動し、ゆっくり船内を堪能するのがコツです。

北欧名物の食べ放題!お腹を空かせておきましょう!
船によってはサウナやスパエリアも完備。ガラス張りの窓越しにバルト海を望みながら汗を流すサウナ体験は、静けさと解放感に包まれる北欧ならではの癒しのひととき。さらに、スロットマシンが並ぶカジノや、夜にはラウンジで生演奏も行われ、大人のための時間もしっかり用意されています。天気がよければデッキに出て、海風とともに広がるパノラマを楽しむのもおすすめです。
タリンのフェリーターミナルは旧市街からやや離れているため、アクセスにはタクシーや配車アプリを利用するのが便利。到着後は、ヘルシンキの港から市内中心部までトラムで約10分。スムーズに移動できる点も嬉しいポイントです。
たった数時間の船旅で、食も買い物もリラックスも楽しめる“海の上のラグジュアリー空間”。旅の移動時間すら特別な思い出になる、そんなフェリー体験を、ぜひあなたもタリン〜ヘルシンキ間で味わってみてください。
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まとめ
「バルト三国」と言うとどこか遠い国に感じるかもしれませんが、北欧にとても近く雑貨も街並みもとても素敵な国々です。中でもエストニアは北欧の国により近く観光もしやすい国。女子旅だけでなく、家族旅でも楽しめるので是非一度訪れてみて下さい。