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マサイマラに行けば出会えるチャンス大
旅好きなら誰もが一度は憧れるケニアでのサファリ旅。雄大なサバンナと、そこで暮らす野生の動物たちのリアルな姿・・・まさに日本では味わえない非日常体験です。
ただ、サファリ初心者が悩むのが「限られた日数の中でどこを巡るべきか」という問題ではないでしょうか。ケニアにはいくつも動物保護区や国立公園がありますが、それぞれどんな違いがあるのか、どこに行けば自分の目当ての動物が見られるのか、分からないことも多いはず。
この記事では、世界205の国と地域を旅し、ケニアサファリを何度も体験した井原三津子とそのチームでケニアに4度訪れたトラベルプランナーの川崎彩乃が、各サファリの特徴やお勧めを紹介していきます。是非ツアー選びの参考にしてみてくださいね。
動物天国マサイマラ動物保護区(マサイマラ国立保護区)

夕暮れ時の印象的なシーン
初めてのサファリ旅行を計画している人に、まず最初に行くことを薦めたいのがここ。動物の種類も量もケニアで一番。ライオンをはじめ肉食獣に出会える確率が高いのです。生まれて初めてのサファリドライブで、私はまずシマウマのファミリーを発見して大興奮。次にキリン、象の親子と、どんどん動物リストが増えていきました。早朝と夕刻の涼しい動物の多い時間帯に、1日に2回のサファリをします。

イーグレット・サバンナ・キャンプのレストラン。味の良さにも定評あり
1日目の夕刻のサファリでついに念願のライオンを見ることができた私は、2日目からは見たい動物リストが増えていきます。次はチーター、次はヒョウと大物狙いに。それが満たされることが多いのもマサイマラならでは。
ケニアにはロッジスタイルやテント式ロッジがあって、グレードもいろいろ。ジャグジーバスまで付いていてフレンチやイタリアンのディナーが出るような豪華なサファリロッジは、滞在時間の長いサファリライフだから個人的に大好きです。
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1日サファリでタンザニア国境やマラ河へ

マラ川でレンジャーさんと記念撮影<マサイマラ動物保護区>
マサイマラで終日サファリを楽しむなら是非ともマラ河のほうまで車を走らせたいところ。マラ河の向こう側はタンザニアのセレンゲティ国立公園。よくテレビなどで取り上げられているヌーの川渡りはまさにこのマラ河を映したもので、シーズンになると餌を求めヌーたちが命がけでこの川を渡るのです。ケニアには4回ほど訪れている私ですが、残念ながらまだヌーの川渡りは実際に見たことはありません。運が良ければそんな奇跡の瞬間に立ち会えるかもしれませんね。
また、マラ河にはカバやワニなどが生息し、レンジャーさんの案内の元サファリカーを降りて離れたところから観察することもできます。

ランチボックスを狙ってアフリカンハゲコウが…!<マサイマラ動物保護区>
そして、個人的に終日サファリをお勧めしたい理由の一つが、サバンナの真ん中でランチタイムです。見晴らしのいい大きな木の下、安全を確認してサファリカーの外でボックスランチを食べる時間は解放感抜群。しばらくチキンやサンドイッチを頬張っていると、おこぼれ目当てで遠くからアフリカハゲコウが大きな翼を広げてやって来るではありませんか! アフリカハゲコウの好物は肉や骨。骨付きチキンの骨を投げるとすごい勢いで丸呑みします。調子に乗って餌付けしていた私は、気づけば周りを7羽ほどのハゲコウに囲まれるという異常事態に・・・。皆さん餌やりはほどほどに。サバンナならではのユニークな体験でした。(注:動物に餌をやることは禁止されているのでご注意下さい)
マサイ族の村 訪問の楽しみは?

マサイ族の村へ訪問<マサイマラ動物保護区>
多種多様な動物たちが生息するサファリ天国のマサイマラですが、楽しみはそれだけにとどまりません。もし動物だけでなく異文化にも興味があるなら、是非マサイ族の村にも足を運んでみましょう。
マサイ族はケニア南部からタンザニア北部にかけて暮らす半遊民族。ショカと呼ばれる赤い布を纏っているのが特徴的で、「視力が2.0もある」だとか「すごく高くジャンプする」だとか、テレビでも度々紹介されていますよね。彼らは牧畜文化を中心に生活をしていて野菜はほとんど食べず、今でも物々交換をしたり、男性は狩りに出かけたり、昔からの伝統を受け継いでいるのです。

マサイ族の村へ訪問<マサイマラ動物保護区>
マサイ族は基本的に写真撮影を嫌い、町中で勝手に写真を撮ろうものならすごい剣幕で怒られてしまうのですが、ツアーでマサイ族の村を訪問する場合は話が別。
きちんとお金を払えば写真や動画は撮り放題ですし、歓迎のダンスはもちろん、彼らの生活様式まで丁寧に紹介してくれます。特に歓迎のダンスは迫力抜群。背の高いマサイ族の男性が何人も集まって、これでもかと自慢のジャンプを披露してくれるので、ケニアらしい旅の思い出になること間違いなしです。
キリマンジャロの麓でサファリならアンボセリ国立公園

キリマンジャロを見ながらサファリをするなら アンボセリへ
アフリカと言えばキリマンジャロ。山に憧れて登山やトレッキングを目指すならタンザニアからアクセスしますが、キリマンジャロを背景にしたサファリをしてみたいならケニア側のアンボセリ国立公園がお薦めです。一面に広がるサバンナの向こうにはキリマンジャロの壮麗な山並みが一望のもと。山の麓には象の群れがいて、大パノラマの写真が撮れるのです。ただし、山を見るのが目的なら季節を選ぶ必要があります。私は雨季に入る3月に行ったときは、山の下半分が雲に覆われ、9月にリベンジしてやっと山の全景を拝むことに成功。

象が多いことでも知られる アンボセリ
滞在ロッジは、敷地内から山が見えるところと見えないところがあるので、山にこだわる人はこれにもこだわりましょう。ロッジに居ながらにして目の前にキリマンジャロがそびえているといった理想的なロッジを選べば、食事タイムも幸せ気分に。高級ロッジが好きなら、テントロッジの「トルティリスキャンプ」が一押しです。
希少動物を見るならサンブール動物保護区(サンブール国立保護区)
サンブール族の村が近くにある
キリンには3種類あるのをご存知でしょうか?マサイマラ動物保護区にいるマサイキリン、もともとウガンダにいてケニアはナクル湖国立公園にもいる、絶滅の危機に瀕しているロスチャイルドキリン、そしてここサンブールなど北半球にいる網の目状の柄がくっきりと美しいアミメキリン。またサンブールにしかいないグレービーシマウマも、白黒の縞模様がはっきりしていて、ミッキーマウスのように丸い耳を持つ特徴的なキリンです。サンブールの魅力はこうした希少動物の存在と言えます。
立って葉っぱをムシャムシャ、ゲレヌクのユニークな姿
マサイマラ動物保護区に匹敵する動物の濃さを求め、次に目指すならサンブールとも言えます。通常の動物も多い中で、ユニークな動物を見つける体験は楽しいものでした。インパラのようなアンテロープ(レイヨウ)のゲレヌクも珍しい存在。初めてこれを見た時は、折れそうに細い2本足で立ってムシャムシャ葉っぱをかじっている姿が愛らしかったです。
ナクル湖にはユニークな動物がいて、人気のテントロッジにも滞在!

ナクル湖でサイ発見!
ひと昔前に比べ、フラミンゴの姿が少なくなったナクル湖国立公園ですが、希少価値の高いシロサイやクロサイ、絶滅の危機に瀕したロスチャイルドキリンといったユニークな動物が見られることで知られています。他にも多くの動物がいて、運がよければライオンやヒョウが見られることも。

イーグレット・サバンナ・キャンプのレストラン。味の良さにも定評あり
ナクル湖での滞在先は人気の高いテントロッジ「イーグレット・サバンナ・キャンプ」(旧 フラミンゴヒル・テンテッドキャンプ)があります。テントといっても、シャワールームにトイレ、洗面台などもあって、ベッドには蚊帳がかけられムードもあるインテリアです。通常のロッジと引けを取らないほどの設備の本格的なテントで、敷地内にはプールもあります。食事もステーキなどメインディッシュを選べる3コースディナーが一般的で、その味のよさにも定評があります。
スィートウォーターでサイやチンパンジーに出会う

NORTHERN WHITE RHINOSと触れ合う<オルペジェタ動物保護区>
オルペジェタ保護区、通称スィートウォーター。ナイロビから車で3~4時間の距離に位置する私営保護区で、アフリカ最大のクロサイの生息地でもあります。
ここではサイやライオン、象などのビッグファイブに加え、多種多様な動物を観察することができるのですが、それと同時に、絶滅の危機に瀕した動物たちを人の手で保護する活動も行っています。

オルペジェタではサイがよく見れる<オルペジェタ動物保護区>
その中でも特に必見なのが、サイの保護区の存在。クロサイのほか、現在世界に2頭しかいないと言われているキタシロサイを24時間体制で監視・保護している施設です。ここではなんと、実際にサイに近づいてその体や角にタッチしたり、餌やりをすることが可能で、サイをより身近に感じることができます。温厚で優しい性格なので子供が近寄っても大丈夫。サファリカーに乗っているだけでは味わえない特別な体験です。
ロイサバ動物保護区で夢にまでみたスターベッド体験

スターベッドには蚊帳が付いているので安心
満天の星空に包まれて、サバンナの真っただ中で一夜を過ごすスターベッド。その写真を見た私はいてもたってもいられず、ロイサバ動物保護区へ飛んでいきました。ケニア北部に位置するロイサバは、自然や野生動物を保護するエコツーリズムを推奨する極上ロッジです。まさにポツンと一軒家のように、広大なサバンナの中に点在するスターベッド。100%自然素材のナチュラルロッジで、ベランダに出された蚊帳付きのベッドの周りには天井も窓もなく、遮るもののないサバンナの空気を全身で感じるのです。

サンブール族のスタッフが民族衣装姿でお出迎え
そのサービスは一流で、専属シェフが作ってくれる料理も、大自然の中で頂くとまた格別の美味しさです。昼間はサファリ三昧、夜は象のトランペットやハイエナのいななきを聞きつつ星空の下で眠り、早朝目覚めると、地平線を真っ赤に染め上げる朝陽をベッドにいながら堪能するのです。身も心もリセットできるのは、こんなひとときに違いありません。
ナイバシャ湖でボートサファリとウォーキングサファリ

ナイバシャ湖でのボートサファリも楽しみ
首都ナイロビから車で4時間。ナイバシャ湖は、ケニアでは珍しいボートサファリを楽しめるエリアです。ブハッとカバが息継ぎのために顔を出すところをボートの上から観察できます。
ただ、このナイバシャ湖で私が最もお勧めしたいのが、モーターボートを走らせた先にあるクレセントアイランド。

クレセントアイランドでウォーキングサファリも体験
ここはキリンやシマウマ、ウォーターバックなどさまざまな動物が生活する特別な場所。 通常のサファリでは当然サファリカーを出て写真を撮ることはできませんし、オフロードに侵入して動物に近づくこともNGです。しかし、ここクレセントアイランドでは自分の足で動物に接近していく 「ウォーキングサファリ」が楽しめちゃうんです! そんなことして危なくないの? と思われるかもしれませんが、どうかご安心を。クレセントアイランドにはライオンやチーターなどの肉食動物はおらず、安心して動物たちを観察することができます。
もちろん近づきすぎると逃げていく動物もいますが、キリンのような大型の動物は人間が来てもへっちゃら。実際に私も、カメラでは収めきれないほどぐんとキリンに近づいて、 その足元から見上げることが出来たのですが、それはそれは大迫力の体験でした。 クレセントアイランドは別途入場料を払う必要がありますが、他の保護区では味わえないサファリスタイルなので、きっとサファリ上級者でも楽しめること間違いなしです。
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ジラフセンターでキリンと遊ぶ

ジラフセンター<ナイロビ>
「マサイマラとか動物保護区が凄いのは分かったけど、ナイロビには何もないの?」と疑問に思われた方。いえいえ、ナイロビにも面白いスポットがあるんです。
絶滅の危機にあるロスチャイルドキリンの保護と繁殖を目的とした施設、ジラフセンタ一。ここにはキリンと触れ合えるプラットフォームが設置されていて、一般客でもキリンに餌をやれると大人気の場所です。
手をしっかりと洗って餌を受け取ったら、いざ餌やりゾーンへ。キリンたちは文字通り首を長~くして餌を待っています。ロスチャイルドキリンの特徴は脚が白くて模様がはっきりしているところ。たしかによく見てみると白い靴下を履いたようにも見えます。
ジラフセンター<ナイロビ>
長い舌をこれでもかと伸ばしてべろりと餌を舐めとっていくのですが、そのざらざらとした舌の感触と、眼前に迫るキリンの顔は迫力満点! サファリとはまた違った角度からキリンを楽しめ、面白い写真が撮れること間違いなしです。
ジラフセンターにはキリン関連のお土産物屋さんが併設されていますが、ここでは現金が使えずクレジット決済のみなので 買い物予定の人は注音が必要です。
ジラフセンター<ナイロビ>
まとめ

サンブール族の村<ロイサバ動物保護区>

サンブール族の村<ロイサバ動物保護区>
いかがでしたか? 実はケニアと言ってもエリアによって動物の多様さや見られるものは異なります。特にマサイマラは世界でもトップレベルの動物天国。サファリが初めての人にも、そうでない人にもお勧めの保護区です。
アミメキリン<ロイサバ動物保護区>
是非予算や日数、自分の見たいと思っている動物に合わせてプランニングしてみてくださいね。サファリの旅の相談ならベテラン揃いのファイブスタークラブのスタッフにお任せ下さい!!





