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ふとしたことがきっかけで登山が趣味になり、槍ヶ岳や燕岳など日本アルプスの人気どころに登り始めた私。「せっかくなら、世界最高峰のエベレストを有するネパールでトレッキングも経験せねば!」と、初心者向けで人気の高い、アンナプルナ山群・プーンヒルトレッキング6日間に挑戦しました。プーンヒルという、3,198mの丘から見渡すアンナプルナ山群の朝焼けを目指すコースです。 こちらの記事では、「初心者向けとは言え、海外でのトレッキングは正直ハードルが高い・・・」と考えている方の不安が少しでも解消されるように、実際に私が歩いてきた経験を踏まえ、現地情報をお伝えします。
ネパールのトレッキングに必要な荷物、服装、ベストシーズンは?

シンプルなロッジのお部屋。毛布も借りれます。
プーンヒルトレッキングのベストシーズンは10月~5月。特に秋の11月は天気が安定し、澄み切った空に映えるヒマラヤが美しい時期です。また、春の3月~4月にはネパールの国花・シャクナゲが楽しめます。
トレッキングに必要な荷物は
必要な荷物は、30~40ℓのザック、レインスーツ、履きなれたトレッキングシューズ、衣類(速乾・防寒下着、靴下、ジャケット、フリース、Tシャツ、トレッキングパンツ)、充電機器など。日中は半袖でよくても、朝晩はかなり冷え込むため防寒具は必須です。レイヤリングができる衣類を準備しましょう。手袋、マフラーなど持っていくと便利です。宿泊するロッジに毛布はありますが、それだけでは寒さを補えません。荷物に余裕のある人は寝袋も持参すると良いでしょう。 また、ACAP(アンナプルナ保護区入域証)の手続きも必要です。旅行会社を通してであれば代理で申請・取得してくれます。

ロッジでは水やお菓子だけでなくビールも買えます!
紫外線対策も必須です。帽子、サングラスを着用し、日焼け止めを忘れずに。 トレッキングルート上には点々とロッジがあり、水は随時購入できます。1ℓのボトルがあれば十分です。行動食も同様にそれほど持参しなくて良いでしょう。 衛生面に関して言うと、シャンプー、リンスや石鹸なども持参しましたが、ほどんど使用しませんでした。なぜならお湯のシャワーがほとんど出ないから。風邪を引きたくない方は、数日シャワーはあきらめて、汗拭きシートやドライシャンプーで凌ぐことをお勧めします。また、絶対に重宝するのでトイレットペーパーは多めに持っていきましょう。
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1日目 カトマンズ-ナヤプル-ヒレ-ウレリ

ネパールローカルバスの旅
まずは首都カトマンズからポカラを超え、トレッキングの起点・ナヤプルまで向かいます。 一般的にはカトマンズ~ポカラは国内線かツーリストバス、ポカラ~ナヤプルはローカルバスやタクシー等で移動しますが、私は現地の方が利用する小型バスを利用しました。バスターミナル出発は朝6時。出発時、乗客は4名ほどでしたが、道中で乗客を乗せていくようです。 走行中開け放しのドアから客引きするスタッフのお兄さん。車のキャパシティなんて関係なく、スペースがあればすし詰め状態で乗せていきます。車道もでこぼこ道が多く、乗っているだけで初日からにヘトヘトになってしまいました。

可愛らしいウレリのロッジ カマラ・ゲストハウス
ランチ休憩も取りつつ、ナヤプル到着が15時半頃。ナヤプル~ヒレは歩くこともできますが(約3時間)、今回はさらにその先(約2時間)のウレリ泊ですので時間がありません。ヒレよりもウレリの方が展望が良いため、宿泊するならウレリがおススメなのです。ジープをチャーターし、ウレリに直接向かいました。途中、ACAPのチェックポストがあり、ガイドさんが車を降りて手続きしてくれました。 ウレリに到着したのは、17時頃。その後夕食をいただき、翌日からのトレッキングに備えて早めに就寝します。 案内された個室はシンプルな造りですが、シャワー付き。ここではお湯も出ました。ただし、ドライヤーはもちろんなく、髪を乾かさず夜を過ごせば風邪をひく!と洗髪はせず。ドライシャンプーを忘れたことを後悔しました。
施設名 | Kamala Guest house |
住所 | 9P4P+R6C, Bhuktangle 33700 ネパール |
TEL | 9779746032217 |
2日目 ウレリ~ゴレパニ

晴れ渡ったウレリの朝
2日目。ロッジのバルコニーからは、なんとヒウンチュリの展望が!!これこそウレリに宿泊する理由です。晴れた日には、2日目にして既に美しいヒマラヤを臨めます。 7時半から朝食を食べ、その後ロッジを出発。プーンヒルの拠点、ゴレパニに向けて約5時間のトレッキングが始まりました。 森の中を進み、緩やかな登りが続きます。道は丁寧に整備されており、とても歩きやすいです。森の中なので直射日光を浴びることも少なく、森林浴を楽しみながら進んでいきます。

ゴレパニ村に到着!
途中バンタンティ、ナンゲタンティといった村があり、11時頃ナンゲタンティで昼食を取りました。昼食メニューはどこのロッジでも基本同じです。パスタやピザといった洋食や、ネパール料理・ダルバートやモモ、チベット料理・トゥクパ、チョウメン。その他ヘルシーなベジタブルスープもあり、動き疲れて食欲がない方でも選べるラインナップです。 昼食を終え、ナンゲタンティを12時半に出発。ゴレパニまでは少しきつい坂道が続きますが、歩行時間としては約1時間。すぐにゴレパニ村の入り口が見えてきます。ゴレパニは下村と上村に分かれていますが、景色が良いのは上村。力を振り絞って上村まで約20分登りましょう。 宿泊先はハングリーアイ・ゲストハウス。13時半過ぎに到着しました。翌日の早朝プーンヒルに備えて、18時頃夕食を食べ22時には眠りにつきました。
施設名 | The Hungry Eye Guest House and Restaurant |
住所 | deurali, Poon Hill Marga, Ghode Pani 33200 ネパール |
TEL | 9779846118140 |
3日目 ゴレパニ~プーンヒル

雲海に浮かぶアンナプルナサウスとマチャプチャレ
プーンヒルは朝焼けに染まるダウラギリやアンナプルナサウス、マチャプチャレの展望が美しく、多くのトレッカーが早朝から出発します。私がロッジを出発したのは5時。プーンヒルまでは約1時間、整備された階段を進みます。初めのうちは真っ暗なので、ヘッドライトがあると良いでしょう。また、プーンヒルは入域料として150ルピーが必要です。 ついに待ち望んだプーンヒルから見る朝焼け。この日は雲が多く、はっきりと山々を臨める時間は少なかったです。ただし、雲の切れ間から雪のかぶったアンナプルナ山群が見える瞬間はとても幻想的で、雲海に浮かぶ山々の雄大さにひたすら感動を覚えました。プーンヒルには小さなティーハウスもあり、コーヒーを飲みながら雲海と山々を眺めるという贅沢な朝を過ごせます。

ゴレパニ村の学校とバレーボールコート。山が素敵!
1時間半ほどプーンヒルで滞在した後、ロッジに戻り朝食を取ります。ゴレパニには2泊するため、4日目は長時間トレッキングなし。昼食、そして夕食の時間までフリータイムです。仮眠を取ったり、ゴレパニ村を散策したり、ロッジのラウンジで暖炉の火で暖まりながら本を読んだり…とのんびり過ごします。ロッジはWi-Fiも十分通じるため、不便なく過ごせます。 ゴレパニでの宿泊数ですが、日数に余裕のある方は2泊をお勧めします。ベストシーズンだとしても山の天気は変わりやすく、美しいプーンヒルからの眺望を楽しむためには、できる限りチャンスは多く持っていた方がよいでしょう。
4日目 プーンヒル~タダパニ

ロッジでダルバートを食べる時間は至福!
4日目の早朝、プーンヒルリベンジです。 3日目の夜は雷雨だったため少し不安でしたが、早朝外に出てみると星が綺麗に見えるほど晴れ渡っています。期待に胸を膨らませ、プーンヒルへ向かいます。 2泊した甲斐があったというもの。4日目はアンナプルナとダウラギリの眺望がはっきりと見渡せるほど晴れ渡っていました。 朝焼けでオレンジに染まる山々は神秘的で、同じ場所から見る景色でも天気によって見え方が全く変わることを実感し、自然の偉大さに改めて畏敬の念を覚えました。 名残惜しくもプーンヒルを去り、ロッジに戻って朝食。5日目はデオラリを超えてタダパニへ向かいます。約4時間のトレッキングです。

プーンヒルより見晴らしが良いかも…!?
デオラリの標高はプーンヒルと同等で3,100mを超えています。多少空気の薄さを感じつつ、それでもゆっくり進めば問題のないルートです。眺望が大変よく、プーンヒル同様アンナプルナ山群を見渡すことができます。 デオラリからは一気に400m近く谷を川沿いに下り、バンタンティへ。川のせせらぎに癒されながらも、急な道のりを下っていくため膝に負担がきます。下りが苦手な私は少し時間がかかり、14時ころタダパニに到着しました。タダパニには立派なロッジが5件ほど立ち並び、正面にマチャプチャレがそびえる贅沢な景色を味わえます。
施設名 | Fishtail View Top Lodge |
住所 | Work, Ghandruk 33700 ネパール |
TEL | 9779869081784 |
5日目 ジヌーダンダ温泉へ

タダパニからの贅沢な眺め
タダパニからはいくつか道が分かれます。4,130mのアンナプルナベースキャンプ(ABC)へ向かう道。グルン族の村ガンドルンへ下る道。そして、私が今回選んだジヌーダンダ温泉へと行く道です。ジヌーダンダ温泉はABCトレックの一部としても有名ですが、プーンヒルからの帰路で立ち寄ることもできます。タダパニからの所要時間は約5時間です。 プーンヒルまでのルートとは少し異なり、浮石があったり滑りやすい土砂の道を進む区間もあるので注意が必要です。ただ、森を抜けると山間部に広がるネパールの田舎町らしいのどかな景色が楽しめます。村々の中を通って進んでいくルートですが、田畑で育てられる野菜、野放しでいる鶏や牛など、現地の生活の様子が伺えて楽しいルートです。

温泉の脱衣所。水着着用必須です。
タダパニ出発が8時で、ジヌーダンダに到着したのは14時頃。途中1時間の昼休憩も取りました。正直、今回のルートで一番つらい行程でした。山間部の村々の道は基本的に整備されているのですが、むしろ永遠に階段を下ることになり膝に負担がかかります。トレッキングポールは持っていなかったので、道で拾った竹を代用しつつ慎重に下りました。 無事ジヌーダンダのロッジに到着し、1時間ほど休憩してから温泉に向かいます。ジヌーダンダの村からさらに20分ほど下らなければならず大変ですが、温泉に入れば足の疲れがフッと抜けて軽くなります。トレッキングの終盤には欠かせないスポットです。また、シャンプーを使うことも可能ということで、こちらで約4日ぶりに頭を洗ってすっきりできました。
施設名 | Jhinu Danda Hot Spring |
住所 | CR8H+884, Ghandruk 33700 ネパール |
6日目 ポカラへの帰路

めちゃくちゃ揺れます。大つり橋。
いよいよトレッキングの最終日。ポカラまで戻ります。 この日のハイライトは長さ約200ⅿの巨大なつり橋。私は大好きな部類ですが、高所恐怖症の方は要注意です。時折ロバも通るようで、ロバが渡りきるまで通行は待て!と注意書きがありました。 つり橋を超えたら、そこからはジープも通れる広さに整備された道をひたすら歩きます。ナヤプルまで歩くことも可能ですが、ジヌーダンダを出発してから約3時間ほど歩いた場所でジープをチャーター。一機にナヤプルまで戻ることにしました。ナヤプルからは別の車に乗り換え、ポカラに戻ります。

無事ポカラに到着。フェワ湖沿いでのんびり。
ポカラはネパール第2の都市で、フェワ湖沿いにレストランやホテルなど集まっています。カトマンズより落ち着いた雰囲気で、ショッピングしたり、フェワ湖沿いの散歩したりとのんびりできるお勧めの街です。トレッキングを終えた人向けにマッサージ店やランドリーサービス店も数多くあるので、利用してみるとよいでしょう。

まとめ

行き先の看板見るとやる気がでてきます
プーンヒルは標高3,000ⅿを超える場所ですが、ゆっくり登っていけば初心者でも高山病になることなくたどり着ける、お勧めのトレッキングルートです。初めての海外トレッキングに行きたい、でも場所に迷っている…というそこのあなた。是非プーンヒルトレッキングにチャレンジしてみませんか? マチャプチャレやアンナプルナ、ダウラギリといった美しい山々に囲まれて、ネパールの雄大な自然の中を歩く経験はかけがえのないものになること間違いなしです。 興味のある方は、是非ファイブスタークラブまでお問い合わせください。
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