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スイス観光|列車でめぐる旅の魅力

アンデルマットヴィレッジツアー/悪魔の橋の上を新しい橋が通る

ゴルナーグラート駅とマッターホルン

ゴルナーグラート駅とマッターホルン

スイス旅行に欠かせないモノ。それは鉄道です。
世界に名だたるアルプスの名峰、青く澄んだ湖、可憐に咲き誇る花々と新緑、その合間を縫って走る鉄道。車窓からは大自然が織りなすスイスの爽やかな景色を次々と楽しむことができます。絶景に次ぐ絶景に私たち旅行者は心奪われるはず・・・。
もはやスイスの鉄道は単なる移動手段ではなく、鉄道に乗ること自体が目的になると言ってもいいほどです。この記事ではそんな鉄道大国スイスの魅力的な7つの路線を紹介いたします!

氷河特急

透明な箱が大自然を移動しているようなの氷河特急1等

透明な箱が大自然を移動しているようなの氷河特急1等

スイスの鉄道の代表格がこちらの氷河特急。その歴史は古く、1930年から運行を開始している路線です。
スイスの人気山岳リゾートであるツェルマットとサンモリッツをなんと8時間もかけて結んでいます(それもそのはず、平均時速は約34kmのため氷河特急はその名前とは裏腹に「世界一遅い特急」とも呼ばれいます)。
ツェルマットはマッターホルンの観光の拠点となる村ですので、スイス観光ルートに組み込みやすいのが特徴です。スイス旅行で最も人気のある列車と言えるかもしれません。

グラッパ(蒸留酒)を注ぐパフォーマンス

グラッパ(蒸留酒)を注ぐパフォーマンス

氷河特急のハイライトともいえる区間はアンデルマットからオーバーアルプ峠にかけて。アンデルマットの街並みを遥か眼下に広がる光景はまさに絶景です。
前述したように始発から終点まで8時間かかりますので、全区間乗車するつもりなら3コースメニューのランチを予約しておくことをおすすめします。雄大な景観を楽しみながら、舌鼓をうつランチもこの氷河特急の魅力の1つです。長丁場の列車の旅になりますので、写真撮影もしやすく比較的すいている1等席の利用をお勧めします。

ロゴ

ベルニナ特急

ベルニナ特急の車窓より

ベルニナ特急の車窓より

氷河特急と人気を二分するのがこちらのベルニナ特急です。スイス東部の街クールとイタリアの国境の街・ティラーノを結びます。路線はクールからサンモリッツのアルブラ線(1904年完成)とサンモリッツからティラーノのベルニナ線(1910年完成)に分かれていますが、スイス観光に便利なのは人気の山岳リゾートであるサンモリッツから乗車しティラーノまで向かうベルニナ線のルートです。
氷河特急が約8時間かかるのに対して、こちらのベルニナ特急は高低差1800mの起伏あるルートをわずか約2時間で駆け抜けます。

氷河が流れ込む白い湖 ラーゴビアン

氷河が流れ込む白い湖 ラーゴビアン

ベルニナ特急の最大の見どころは何と言っても360°ループするブルージオ橋。落石の危険性のある山間の狭い谷の中で農地や道路を守りながら、高度を落とす方法として考えられたそうです。ちなみに箱根の登山鉄道はベルニナ鉄道を参考にして造られました。

ティラーノに到着したらイタリアの美味しいレストランでイタリアンのランチするのもいいですね。あるいは途中下車して標高2,985mのディアボレッツァ展望台に行くのも良いアイデアです。

ゴールデンパス・パノラマ急行

ゴールデンパスパノラマ急行の車体

ゴールデンパスパノラマ急行の車体

ルツェルンとモントルーを結ぶ路線はレマン湖、トゥーン湖、ブリエンツ湖などの8つの湖のほとりに沿って走る風光明媚な景観が楽しめるとあって、ゴールデンパス・ラインと呼ばれており旅行者にも大人気です。
ゴールデンパス・ラインは3つの鉄道会社を跨いで運行しています。ルツェルンからインターラーケンがツェントラル鉄道。インターラーケンからツヴァイジンメンモントルーからがBLS。ツヴァイジンメンからモントルーがモントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道です。

1等席パノラマビュー できればVIP席の方が◎

1等席パノラマビュー できればVIP席の方が◎

中でもツヴァイジンメンからモントルーを運行するモントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道が1979年から運用しているゴールデンパス・パノラマ急行には定評があります。このパノラマ車両のVIPシートは、なんと運転席よりも前方に8席のシートが設けられ、目の前の美しい素朴な風景が文字通りパノラミックに広がります。またこの区間では1930年代に運行していたレトロな客席を改修したクラシック車両も運行しています。
氷河特急やベルニナ特急では味わえない体験ができるのもこのゴールデンパス・パノラマ急行の素晴らしさなのです。

ゴッタルド・パノラマ・エクスプレス

ゴッタルドパノラマエクスプレスの船でフリューレンへ

ゴッタルドパノラマエクスプレスの船でフリューレンへ

スイス建国のきっかけとなった伝説的英雄、ウィリアム・テルをご存じでしょうか?14世紀、スイスにおいてハプスブルク家の支配が強まってきた時代の話です。ハプスブルク家から遣わされたウーリ州の領主であったゲスラーによる悪政が続いていたころ、ゲスラーによってウィリアム・テルが理不尽な理由により殺されそうになりました。運よくゲスラーの手から逃れたウィリアム・テルは、不屈の精神によってゲスラーを打ち取ります。
この出来事はスイス人の信念に火をつけ、スイス独立の契機になったといわれています。

新開通の世界最長トンネル

新開通の世界最長トンネル

そんなウィリアム・テルのゆかりの地を湖船と鉄道で結ぶのがこちらのゴッタルド・パノラマ・エクスプレスです。ルツェルンからルガーノ間を結ぶこのルートは、かつては「ウィリアムテル・エクスプレス」と呼ばれていました。
ゴッタルド・パノラマ・エクスプレスがユニークなのは、ルツェルンからフリューレンまでは列車ではなく、クラシックな蒸気船で渡ること。フリューレン到着後は、優雅なパノラマ列車に乗り換えて、イタリア語圏のルガーノまで向かいます。アルプス越えの名所ゴッタルド峠や世界遺産の古城が残るベリンツォーナの街並みなど、スイス建国時代の歴史深い景観が楽しめるとあって人気を博しています。

ユングフラウ鉄道

クライネシャイデックから乗車してTop of Europeへ

クライネシャイデックから乗車してTop of Europeへ

ユングフラウ鉄道は世界で最も有名な登山鉄道かもしれません。19世紀末から20世紀初頭にかけて建設された鉄道で、産業革命の後に始まった鉄道旅行ブームの流れに乗り、多額の資金をかけ1912年に完成しました。
ユングフラウ鉄道の最大勾配は250パーミルとなっています。これは日本で最も急な静岡県の大井川鉄道の90パーミルを遥かに凌ぐ数字です。
さらに終点のユングフラウヨッホ駅は標高3,571mでヨーロッパの鉄道駅で最も高い位置にあると言われています。1912年に完成してから、100年以上も記録が破られていないのは驚きですよね。

プラトー展望台

プラトー展望台

始発のクライネ・シャイデック駅を出発すると、アイガー、メンヒ両山の山中をトンネルで通過し、終点ユングフラウヨッホ駅に到着となります。ユングフラウ鉄道は非常に人気のある路線ですので席に座って車窓からの景色を写真の納めたい方は予め予約しておくことをお勧めします。予約しなくても乗車はできますが、非常に混雑しますのでユングフラウヨッホ駅までの片道35分間、立ちっぱなしとなります。
ユングフラウヨッホ駅に到着したら駅に直結している「Top of Europe」の展望台からスイス最大のアレッチ氷河の景観を楽しみましょう!

ゴルナーグラート鉄道

雪の中を走るゴルナーグラート鉄道

雪の中を走るゴルナーグラート鉄道

マッターホルンの麓の街・ツェルマットは、スイスを旅するなら絶対に訪れてほしいスポットです。その理由は凛々しいマッターホルンの姿をツェルマットの街中からでも望むことができるからです。ハイキングしなくても美しい山の姿を目の当たりにできるのはツェルマットの素晴らしい特徴の1つですね。
そんなツェルマットに滞在して、もし乗車する登山鉄道を1つ選ぶならこのゴルナーグラート鉄道をお勧めします。

展望台近くにあるクルムホテル・ゴルナーグラート

展望台近くにあるクルムホテル・ゴルナーグラート

始発のツェルマット駅から終点のゴルナーグラート駅まで約30分。約1500mの標高差を一気に駆け上がります。
ゴルナーグラート駅のそばは展望台になっており、マッターホルンの他にもモンテ・ローザ、リスカムなどの多数の4,000m級の名峰を望めます。
帰りはローテンボーデン駅で途中下車して、リュッフェルベルグ駅までハイキングはいかがでしょうか?所要時間約1時間半の短めのトレイル、沿道には彩豊かな高原植物が咲き乱れ、道の途中には逆さマッターホルンが見えることで知られる湖、リュッフェルゼーを経由できるとあってハイキング初心者にもお勧めのコースです。

ピラトゥス鉄道

ピラトゥス山を走る鉄道

ピラトゥス山を走る鉄道

今回紹介するスイスの鉄道の中で、最も知られていないのがこのピラトゥス鉄道かもしれません。なぜならスイスの旅行の代表的な観光ルートからは外れているためです。スイス観光のメインはやはりグリンデルワルトやツェルマットであり、氷河特急やベルニナ特急にも乗車できればまだ良い方です。観光地としての知名度が3番手、4番手の場所は残念ながらなかなか行き先の候補に挙がらない状況です。そんな中でピラトゥス鉄道はもっと多くの日本人の皆さんに知ってほしい鉄道です。

世界一急勾配の斜面を登る鉄道としても知られています。

世界一急勾配の斜面を登る鉄道としても知られています。

ピラトゥス鉄道は標高約2,000mほどのピラトゥス山の岩肌を這うように走る登山列車です。標高2,000mというとマッターホルンやアイガーなど他の名だたる名峰と比べて高さでのインパクトは欠けますが、ピラトゥス山の周囲には他の高い山がない独立峰のため、美しいルツェルン湖と合間って見事な景観を創り上げています。
特に注目すべきは傾斜度最大480パーミルという世界一急勾配な登山鉄道である点です。この記録は1889年のピラトゥス鉄道開業以来まだ破られていません。機械の小型や技術の革新が格段に進んだ現代から見ても、このような場所にレールがひけたこと驚きですよね。

ロゴ

まとめ

いかがでしたでしょうか?
スイスの代表的な路線を紹介してきましたが、いかにスイスの鉄道が歴史深く、考え抜かれて造られていることがお判りいただいたのではないでしょうか?
100年以上続く路線が未だ現代に使われているなんて凄いですよね。スイスの鉄道は、職人の国スイスならではの人々の努力の結晶と言えるかもしれません。
スイスの鉄道の歴史を知ればよりスイス旅行が楽しくなりますよ!

 

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