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旅の充実度アップ!エジプト古代史をわかりやすく解説

エジプト考古学博物館
エドフのホルス神殿のレリーフ

エドフのホルス神殿のレリーフ

エジプトを訪れる観光客は昔から多く、政変やコロナの影響で一時観光客が姿を消しましたが、その数は徐々に回復してきています。エジプトを旅行するなら、多くの人は古代遺跡の数々を見てまわることになるでしょう。その歴史をある程度把握しておけば、実際に遺跡を見た時に、どんな時代にどんな背景があって作られたものなのか、理解が深まり、より遺跡観光が楽しくなります。そこで、今回は長い古代エジプト文明の歴史を各時代毎に分けて、簡単にご紹介したいと思います。

エジプト
正式国名 エジプト・アラブ共和国 Arab Republic of Egypt グムフーリーヤト・ミスル・アル・アラビーヤ
面積 約100万平方キロメートル(日本の約2.7倍)
人口 9,842万人
首都 カイロ
民族 主にアラブ人(その他,少数のヌビア人,アルメニア人,ギリシャ人等)
言語 アラビア語,都市部では英語も通用
宗教 イスラム教,キリスト教(コプト派)

古王国時代

ギザに建てられたピラミッド

ギザに建てられたピラミッド

古代エジプト文明の始まりは紀元前5,000年頃と考えられています。複数の部族が徐々に統一され、紀元前3,150年にナルメル王が上下エジプトを統一し、エジプト第1王朝が始まりました。上下エジプトというのは上エジプトと下エジプトの総称で、上エジプトはナイル川の上流側、カイロからアスワンあたり、下エジプトはカイロから地中海までのデルタ地帯を指します。

▼ピラミッドに関するお話はこちらにも
旅行前に知りたいエジプトの古代遺跡をご紹介~ピラミッド編~

エジプト旅行ではピラミッド観光は欠かせません。

エジプト旅行ではピラミッド観光は欠かせません。

第3王朝からの古王国時代が、私たちが一般的にイメージする古代エジプトの世界観に最も近いものでしょう。王が強い権力を持ち、巨大なピラミッドがいくつも建設されました。この時代のギザの3大ピラミッドやスフィンクスは現在も観光スポットとして有名ですね。クフ王のピラミッドなどの巨大な建造物が建設されたことから、当時の王の存在感の大きさが伝わってきます。

古王国時代
時代 古王国時代
この時代の見どころ ギザの三大ピラミッド、スフィンクス、階段ピラミッド、屈折ピラミッド、メンフィス博物館
主なエリア カイロ周辺

ピラミッド
入場料金 エリア入場料 160ポンド(約1,100円
クフ王のピラミッド内部 360ポンド(約2,500円)
カフラー王のピラミッド内部 100ポンド(約700円)
メンカウラー王のピラミッド内部 100ポンド(約700円)
営業時間 8:00~16:00(クフ王のピラミッド内は12~13時はCLOSE)
アクセス カイロ中心部から車で約1時間
住所 Al Haram, Giza Governorate,Ezypt
ロゴ

中王国時代

この時代から王墓は盗掘防止の為、王家の谷に隠された。

この時代から王墓は盗掘防止の為、王家の谷に隠された。

古王国時代の終盤から、徐々に中央政府の権力は衰退していき、各地の豪族が力を持ち始めます。この時代は第1中間期と呼ばれ、紀元前2,060年頃にメンチュヘテプ2世がエジプトを再統一し、中王国時代が始まります。国の都はテーベ、現在のルクソールです。

日が沈むナイル川西岸は死の象徴、東岸は生の象徴。

日が沈むナイル川西岸は死の象徴、東岸は生の象徴。

この頃ピラミッド建設も復活しましたが、以前ほど王の権力はなく、巨大なピラミッドは造られなくなりました。王の弱体化により、それまで王族のものと考えられていた死後の再生復活の概念が民衆の間にも広まり、人は死後、来世で復活できるという思想や、冥界の神オシリスへの信仰が民衆レベルで強まりました。また、しっかりした官僚制が築かれ、王に関係なく、安定した統治が行われる組織作りが進みました。現代に残る特徴的な遺跡は少ないですが、ソフト面に変化があった時代と言えるでしょう。

新王国時代

ハトシェプスト女王の像(エジプト考古学博物館)

ハトシェプスト女王の像(エジプト考古学博物館)

しかし第13王朝で統治力が急激に弱まったことでヌビアが独立し、各地の諸侯も分立。ついにはシリア方面から侵入したヒクソスによって、下エジプトに第15王朝が立てられました。この時代を第2中間期と呼び、ヒクソスはエジプトに馬と戦車を伝えました。
その後ヒクソスを追い払い、上下エジプトを再統一したのが第18王朝で、ここから新王国時代です。この時代は国外への動きが活発で、葬祭殿で知られるハトシェプスト女王は南方のプント(現在のソマリア)と船で交易を行いました。また、トトメス3世がシリアやヌビアに遠征し、エジプトの領土が最大になりました。

テル・エル・アマルナ遺跡の宮殿跡

テル・エル・アマルナ遺跡の宮殿跡

文化的に注目されるのがアメンホテプ4世です。彼はそれまでのアメン神中心の多神教を、アテン神の一神教に変えさせ、テル・エル・アマルナ(現在のミニヤ)に遷都しました。自らも「アテンを喜ばせるもの」を意味するアクエンアテンに改名。これはテーベの神官の力が強くなりすぎた為の対抗策でした。この時代、エジプトでは珍しい写実的なアマルナ芸術が生まれ、他の時代にはない写実的な創作物が残されています。アクエンアテンの次の王が有名なツタンカーメンで、テーベに都を戻し、宗教も多神教に戻りました。

新王国時代
時代 新王国時代
この時代の見どころ カルナック神殿、ルクソール神殿、ハトシェプスト女王葬祭殿、王家の谷、
ツタンカーメン王墓、ルクソール博物館、アブシンベル神殿
主なエリア ルクソール

末期王朝時代

アスワンにあるヌビア村はフォトジェニックスポット

アスワンにあるヌビア村はフォトジェニックスポット

紀元前12世紀頃から新王国時代の王朝が衰退し始め、中央集権が崩壊して複数の王ができ、さらにリビア人やヌビア人の支配を受けるようになりました。この頃は第3中間期と呼ばれます。
その後アッシリアによる支配から抜け出し、独立した第26王朝前後から末期王朝時代に入ります。この辺りは様々な勢力が入り乱れるので、末期王朝時代の始まりについては、第25王朝や第27王朝など、様々な考えがあります。

イランのナグジェロスタムにあるアケメネス朝歴代大王の墓

イランのナグジェロスタムにあるアケメネス朝歴代大王の墓

第27王朝ではアケメネス朝ペルシャによって征服され、その後ギリシャと協力して一時はペルシャを退けますが、再びペルシャに征服されてしまいます。
当時、日本はやっと弥生時代くらいなので、古代エジプト文明がいかに古くから続いているかがわかりますね。

プトレマイオス朝時代

アレキサンドリア国立博物館

アレキサンドリア国立博物館

紀元前332年にマケドニアのアレクサンドロス3世がエジプトに侵攻し、ペルシャも滅ぼし大帝国となりました。アレクサンドロス3世の死後、国は崩壊し、部下たちによって後継者争いが繰り広げられました。これがディアドコイ戦争です。高校で世界史をとった人なら覚えているでしょうか?エジプトでは、部下の一人がプトレマイオス1世としてプトレマイオス朝を建てました。

港町アレキサンドリアではシーフードが有名

港町アレキサンドリアではシーフードが有名

そして、アレクサンドロス3世が造らせたアレキサンドリアを首都として、研究機関のムセイオンや図書館を建て、多くの学者を集めて学術の中心として栄えました。
しばらくは繁栄期が続きましたが、シリア戦争などで徐々に国力が衰え、台頭してきた共和制ローマの影響を受けるようになります。ついに紀元前31年にアクティウムの海戦でローマに敗れ、アレキサンドリアが陥落して、クレオパトラ7世が自殺。よってプトレマイオス朝が滅亡し、エジプトの独立王朝は終わりを迎えました。

プトレマイオス朝時代
時代 プトレマイオス朝時代
この時代の見どころ アレキサンドリア図書館、ロゼッタストーン
ロゴ

まとめ

王の権力が強く、大きな建造物が建てられた古王国時代や、新王国時代の遺跡が現在も観光の目玉になっていますね。それぞれの時代背景や流れを知っておくと、実物を見た時に当時を想像してみたり、考察してみたりする楽しみも味わえます。

あちこち周るのは大変という人は、カイロの考古学博物館や大エジプト博物館で様々な時代の遺物をまとめてチェックする事もできますよ。
充実したエジプト旅行の計画を立てる時の参考になれば幸いです。

▼エジプトに旅行に行く際はぜひこちらもご覧ください!
失敗しないエジプトツアーの選び方 プロが教えるおすすめ旅行の秘訣

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カイロの宿泊は1泊目がピラミッドエリアで滞在し、2日目は観光に便利な町の中心の豪華ホテル「ラムセス・ヒルトン」に滞在します。


 

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魅力的なのは、夜にアブシンベルで音と光の幻想的なショーを楽しみ、翌朝には、早朝から夜明けの神殿へ。観光客の訪れる前の静かで神秘的な神殿を満喫することです。好きなときに自分で観光できるので、世界遺産の壮大な遺跡を思う存分味わうことができる嬉しいコースです。


 

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クルーズ船ではサンデッキから朝日を眺め、1日の始まりを肌で感じながらリラックス。喧噪から離れ、ゆったり流れる時間と景色を堪能できます。

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