
ピクニック中のアンと親友・ダイアナ
『赤毛のアン』の物語が生まれた地・プリンス・エドワード島。日本から遠く離れていますが、幼いころに小説を読んだり、アニメを見たりして、作品に親しんだ方も多いのではないでしょうか。
一方で、「実際にどんな過ごし方ができるの?」「『赤毛のアン』以外には何があるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。そこで今回は、プリンス・エドワード島を実際に訪れ、『赤毛のアン』の世界と島の魅力を存分に満喫した私が、現地で見つけた美しい風景やおすすめの観光スポット、泊まったからこそ味わえた特別な時間をご紹介します。きっと読み終えるころには、プリンス・エドワード島へ行ってみたくなるはずです。
プリンス・エドワード島はどこにある?

大西洋を臨むキャベンディッシュビーチ
プリンス・エドワード島は、カナダ東部のセントローレンス湾に浮かぶ島で、カナダを構成する10州のうち最も面積の小さな州です。島の中心都市は州都シャーロットタウンです。赤土の海岸線や緑豊かな丘陵地帯、かわいらしい家々が点在する穏やかな風景が広がり、『赤毛のアン』の物語そのものを思わせます。

今回はトロントで乗り継ぎ!
日本からプリンス・エドワード島への直行便はなく、エア・カナダを利用し、トロントやモントリオールなどで乗り継いで州都シャーロットタウンへ向かうのが一般的です。乗り継ぎ時間を含め、所要時間は最短でも約18時間。決して気軽に行ける距離ではありませんが、だからこそ、たどり着いたときの喜びもひとしおです。都会の喧騒から離れ、穏やかに流れる「島時間」をゆっくりと楽しめます。

プリンス・エドワード島のシーズン

緑豊かな恋人の小径
カナダ国内でも避暑地として人気のプリンス・エドワード島。観光におすすめのシーズンは6月~10月です。
初夏の6月から7月上旬にかけては、リンゴの花や色鮮やかなルピナスが島の風景を彩ります。7月中旬から8月は比較的気候が安定し、海水浴や野外イベントを楽しむ人々で島全体がにぎわう時期です。9月から10月にかけては夏のにぎわいが落ち着き、木々が赤や黄色に染まる美しい紅葉の季節を迎えます。花、夏の活気、紅葉と、訪れる時期によって異なる島の魅力を楽しめます。

ピクニックが気持ちよさそう
一方、冬はほとんどのホテルやB&B、観光施設が閉まってしまい、完全にオフシーズン。日中でも気温が氷点下になることが日常的とのことで、初めてプリンス・エドワード島に訪れる方は避けたほうがよいでしょう。とはいえ、冬は冬でより観光客の少ない、ローカルな雰囲気が味わえます。島の魅力にはまった方は、冬の島を一度体験してみるのもよいかもしれませんね。
キャベンディッシュとグリーン・ゲイブルズ

モンゴメリの生涯に関する展示も豊富
キャベンディッシュは、プリンス・エドワード島の北海岸に位置する小さな村です。『赤毛のアン』の作者ルーシー・モード・モンゴメリが幼少期を過ごした場所で、物語の舞台「アヴォンリー」のモデルになったといわれています。プリンス・エドワード島のハイライトがこのキャベンディッシュなのです。
そんなキャベンディッシュの観光の中心となるのが、アンの家のモデルとなったグリーン・ゲイブルズです。緑色の切妻屋根が印象的な家の中には、アンの部屋をはじめ、マリラやマシューの部屋、台所などが物語の世界観に沿って再現されています。

アンが憧れていたパフスリーブのドレスも!
運が良ければ、アンと親友のダイアナがピクニックを楽しむ、物語の一場面のような光景に出会えることも。『赤毛のアン』ファンなら、ぜひ訪れたいスポットです。また、敷地内には納屋や展示施設もあり、作品を詳しく知らない方でも当時の島の暮らしや文化に触れられます。プリンス・エドワード島観光では外せない場所の一つです。
| 施設名 | Green Gables Heritage Place |
| 住所 | 8619 Cavendish Rd, Cavendish, PE C0A 1N0 カナダ |
| TEL | 902-963-7874 |
| 営業時間 | 最新情報は公式サイトご確認ください |
| 公式サイト | https://parks.canada.ca/lhn-nhs/pe/greengables |
「恋人の小径」と「お化けの森」

恋人の小径を歩こう!
グリーン・ゲイブルズの敷地内には、物語に登場する「恋人の小径」と「お化けの森」のモデルとなった散策路があります。「恋人の小径」は、小川のせせらぎや木漏れ日が心地よい、緑に包まれた美しい道。一方の「お化けの森」は、アンとダイアナの家を結ぶ近道で、想像力豊かなアンが恐ろしい場所だと思い込んでいた森として描かれています。実際に歩いてみると怖さはなく、静かで神秘的な雰囲気が魅力です。物語の場面を思い浮かべながら散策すれば、アンの世界をより身近に感じられるでしょう。

お化けの森。大きく広がる木々はお化けみたい…?
一つ注意したいのが、蚊がたくさんいるということ!特に恋人の小径は穏やかなせせらぎが心地よいのですが、油断していると蚊に何度も刺されてしまいます…。虫よけスプレーなどを持参しましょう。
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グリーン・ゲイブルズ郵便局

見た目もかわいい郵便局
グリーン・ゲイブルズの近くにある、緑の屋根と白い外壁が印象的な郵便局。現在も郵便局として営業しており、切手や絵はがきを購入して、日本へ送ることができます。注目したいのは、ここから出す郵便物に押してもらえる、『赤毛のアン』をモチーフにした特別な消印です。旅先から家族や友人へ送るのはもちろん、自分宛てに出せば、帰国後も旅の余韻を楽しめるすてきな記念品になります。

美しい島の風景が描かれたポストカードも売っています!
また、モンゴメリが暮らした祖父母の家の郵便局を再現した場所としても有名です。モンゴメリは、郵便業務を行う傍ら、原稿を書いていたそうです。当時の郵便局の様子がわかる博物館にもなっていて、見応えのあるスポットです。
モンゴメリの生家

9時~17時まで開館しています
キャベンディッシュから少し離れたニューロンドンには、『赤毛のアン』の作者ルーシー・モード・モンゴメリが1874年11月30日に生まれた家が残されています。白い壁と緑色の装飾が印象的な小さな家で、館内では、彼女が生まれた寝室やヴィクトリア時代の家具などを見学できます。モンゴメリの私生活を伝えるスクラップブックや、結婚式で着用したドレスのレプリカなども見学できます。

実際にモンゴメリが書いた手紙や、雑誌の切り抜きなど
グリーン・ゲイブルズが物語の世界に触れる場所なら、こちらは作者自身の人生を知る場所。両方を訪れることで、『赤毛のアン』が生まれた背景をより深く感じられるでしょう。ただ、キャベンディッシュからは少々離れているので、『赤毛のアン』にまつわるスポットを効率よく回れる「アンツアー」に参加するのがおすすめです!
シャーロットタウン

街のシンボル、セント・ダンスタンズ大聖堂
シャーロットタウンは、プリンス・エドワード島の州都であり、島の玄関口となる街です。1864年にカナダ連邦結成へ向けた会議が開かれたことから、「カナダ発祥の地」としても知られています。街の中心部には、ヴィクトリア様式の建物や赤レンガの街並み、おしゃれなレストランやショップが集まり、徒歩でゆっくり観光できます。夏には『赤毛のアン』ゆかりのミュージカルが上演されることもあり、作品の世界を舞台でも楽しめるのが魅力。キャベンディッシュとは異なる、歴史ある港町の雰囲気や島ならではのグルメを満喫できる街です。

アイスクリームだけでなく、Tシャツなどの限定グッズもあります!
PEI名物のロブスターをはじめ、シーフードを味わえるレストランが立ち並び、グルメを楽しむにもうってつけ。カナダで大人気のアイスクリームブランドCOWSの発祥地でもあります。日本のアイスクリームに比べると、少し甘めに感じるかもしれませんが、観光中の休憩スイーツにもぴったりです!
キャベンディッシュのB&Bに泊まる意味

外観もかわいらしい、すてきなB&B
キャベンディッシュはシャーロットタウン発着のオプショナルツアーなどで日帰りでも観光できますが、『赤毛のアン』の世界をじっくり味わうなら、キャベンディッシュにあるB&Bへの宿泊がおすすめです。観光客が少なくなる夕方や早朝には、静かな田園風景や鳥の声、柔らかな光に包まれた島本来の穏やかさを感じられます。

カナダで日本を感じる柄が!
なかでも「キャベンディッシュ・ブリーズ・イン」は、日本人女性オーナーが迎えてくれるアットホームな宿。手作りの朝食に加え、周辺の見どころや散策方法を教えてもらえるため、初めての滞在でも安心です。グリーン・ゲイブルズや国立公園のビーチにも歩いて行くことができ、散歩しながら島の風景を楽しめるのも魅力。観光地を見るだけでなく、アンが愛したような「島の暮らし」に触れられることこそ、キャベンディッシュに泊まる大きな意味です。
| 施設名 | Cavendish Breeze Inn |
| 住所 | 40 Memory Ln, Cavendish, PE C0A 1N0 |
| TEL | 902-963-3385 |
| 公式サイト | https://www.cavendishbreezeinn.com/ |
ロブスターランチ

名物のロブスターを、同じく名産のジャガイモとともに!
プリンス・エドワード島を訪れたら、ぜひ味わいたいのが名物のロブスターです。冷たい海で育ったロブスターは、身が引き締まり、噛むほどに広がる甘みが魅力。豪快に丸ごとゆでたロブスターを、溶かしバターやレモンとともに味わうのが定番です。

ツアーでご一緒した方に勧められて私も注文。ブルーベリーの風味が意外とよく合います。
最初は殻の外し方に戸惑うかもしれませんが、レストランでは食べ方を教えてもらえるため、初めてでも安心。大きな爪や尾に詰まった身を一つずつ取り出して食べる時間も、旅ならではの楽しい体験です。美しい海やのどかな風景とともに味わう新鮮なロブスターは、プリンス・エドワード島旅行を締めくくる忘れられないごちそうになるでしょう。

まとめ

ビーチで眺める夕焼けも格別
いかがでしたか。
実は私も仕事で訪れる直前になって『赤毛のアン』を読んだ「にわか」ですが、実際に訪れ、『赤毛のアン』の世界をはじめ、美しい自然や穏やかな時間の流れにすっかり魅了されました。「何もしないことを楽しむ場所」という、B&Bのオーナーがおっしゃっていた言葉の意味がよく理解できるほど、自然の中に身を置いているだけで癒される場所です。ぜひ、プリンス・エドワード島の魅力に触れる旅をしてみてはいかがでしょうか。
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