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全米第3位の大都市シカゴが個人旅行に最適な7つの理由

ミレニアムパーク Millennium Parkの「Bean」とシカゴの摩天楼

日本から直行便のある全米第3位の大都市シカゴ。誰もが知る街ではありますが、観光という観点から言うとロサンゼルスやニューヨークと比べてシカゴはあまりメジャーではありません。なぜなのでしょうか。マフィア映画のイメージどおり治安が悪いから?魅力的な観光地がないから?料理が美味しくないから?しかし実際訪れてみるとシカゴはロサンゼルスやニューヨークにも負けない魅力を放つ都市でした。むしろ個人で旅行するにはピッタリすぎるほどの街だったのです。そんな知られざるシカゴの魅力をご紹介します!(2018年末に訪れた際の情報を元にしています)

摩天楼発祥の地・シカゴは街全体が名建築の宝庫

ウィリスタワー展望台からの景色 正面に見える黒いビルがジョンハンコックセンター

シカゴと言えば真っ先に摩天楼の高層ビル群を思い浮かべる人も多いでしょう。シカゴに観光で訪れる日本人の中で最も多いのが建築を目的としたツアーなのだそうです。代表的な建物としてはシカゴで最も高く1973年完成の超高層ビル「ウィリスタワー」、ウィリスタワーと人気を2分する高層ビル「ジョンハンコックセンター」、アール・デコの様式が美しく映画のロケ地としても有名な「シカゴ商品取引所」、シカゴ大火後の建てられた近代摩天楼の基礎となるビル「ルッカリー」、ゴシック様式が印象的な地元紙シカゴ・トリビューンの本社「トリビューンタワー」など挙げればきりがありません。シカゴのダウンタウンは4大建築家の一人であるミース・ファン・デル・ローエがデザインした建物が多いことで知られています。

オークパークにある建築家フランク・ロイド・ライトの自宅

ちなみにシカゴ郊外には4大建築家のもう一人、フランク・ロイド・ライトが手がけた住宅が並ぶオークパークがあります。オークパークはシカゴから車で東に30分ほどにある閑静な住宅街。ひと際目を引くのが、ライト自身の邸宅とスタジオです。フランク・ロイド・ライトは日本の帝国ホテルを始めとして、落水荘、グッゲンハイム美術館、ジョンソンワックス社の設計者として知られており、水平を強調したプレーリースタイル(草原様式)はアメリカ最初の建築様式と称えられています。現在、ライト邸とスタジオは博物館として見学が可能です。ライトは日本贔屓だったようで、食堂の照明の透かし彫りや日本の障子や襖を連想させるデザインは、どこか日本人にとって親近感のある空間となっています。

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世界有数の芸術と文化の街

アメリカ三大美術館にかぞえられるシカゴ美術館

シカゴには多数の美術館や博物館がありますが、中でもシカゴ観光のハイライトともいえるのが「シカゴ美術館」です。印象派と20世紀のアメリカ美術をはじめとしたコレクションは約30万点にのぼります。しかし展示されている作品は2000点ほど、それでも1日かけても周りきれないほど巨大な美術館です。ピカソやレンブラント、スーラ、ホッパーなど近現代の美術史に残る巨匠達、そしてその作品の中でも非常に重要な作品は人類の至宝ともいえるコレクションです。シカゴに訪れたなら必ず訪れてほしい場所です。ちなみにシカゴ美術館の正面入口の2匹のライオンは、ニューヨークの自由の女神像と並び称されるシカゴのシンボルであり、シカゴ定番の記念写真スポットです。

スーラ「グランド・ジャット島の日曜日」 シカゴ美術館収蔵

その他にも高い企画力と先見性を持つことで知られ奈良美智をアメリカでいち早く紹介した現代芸術の殿堂「シカゴ現代美術館」、実物のアポロ8号の司令塔やドイツ潜水艦の展示が人気のシカゴで最も来場者数が多い博物館「科学産業博物館」、Tレックスのほぼ完全な骨格標本を持つことで知られる「フィールド博物館」、完成当時は世界最大の水族館だった「シェッド水族館」、世界最大の望遠鏡のコレクションを持つ「アドラープラネタリウム」など。1回の旅行では見て回れないほど美術館や博物館が充実しているのでシカゴには何度でも訪れる楽しみがあります。

街歩きに適したサイズ

シカゴ最先端のホットなエリア ウィッカーパーク

シカゴの街は歩くのにとても適したサイズです。ロサンゼルスやニューヨークは地下鉄やバスに乗らなければとても有名観光地を見て周れるサイズではありませんが、シカゴは自分の足だけでほとんどの観光が可能です。観光スポットとショッピング街、博物館、大きな公園がいずれも近くに密集しているため移動はとても効率的、日本で言えば新宿や銀座、上野が隣り合っているようなイメージです。ダウンタウンに宿を取れば、日本人観光客にも人気のあるホールフーズやトレイダージョーズなどのスーパーマーケットにも徒歩圏内。お土産の購入にも事欠きません。もちろん公共の交通機関はアメリカでトップレベルに発達しているので便利です。

シカゴといえばこの風景 高架鉄道

少し郊外に足を延ばしたいということならシカゴの流行発信地とも言われるウィッカーパークがお勧めです。シカゴのループエリアからはブルーラインに乗り込み数十分。Damen駅を起点としたミルウォーキー通りには流行に敏感なシカゴリアンが経営するレストランやバー、セレクトショップが並んでいます。中でも面白いのがクラフトビールの量り売りをしているビアバー「Tapster」。店内に備え付けの60種類ものサーバーから思い思いにクラフトビールを楽しめます。実はシカゴにはミシガン湖の美味しい水を水源としたマイクロ・ブリュワリーが多く存在しているので、街歩きに疲れたらちょっと一杯リフレッシュするのもいいですね。

B級から高級レストランまで大充実のグルメの街

シカゴピザの人気店 Lou Malnati のディープデッシュピザ

アメリカの西海岸・東海岸から美味しい食べ物が集まるシカゴはまさにアメリカの食の都といっても過言では無いでしょう。それを証明するかのようにアメリカでミシュランガイドが発行されているのはたった4都市、サンフランシスコ・ニューヨーク・ワシントンDC、そしてシカゴなのです。実際、毎日のようにシカゴの有名店で食べ歩きましたが、シーフードもお肉も美味しくどれもハズレがありません。シカゴのよいところは、それなりに対価を払う高級レストランももちろん美味しい上にB級グルメのホットドックやピザまで、シカゴ独特のオリジナリティがあり味も文句なしという点です。ここではシカゴに行ったら外せないシカゴを代表するB級グルメをご紹介します。

シカゴっ子に愛されるポーティロズのItalian Beef

シカゴグルメの代名詞といえば、分厚い生地のピザでしょう。ディープディッシュと呼ばれる底の深い鍋でゆっくり焼かれたパイのようなピザは外はサクサク、中はとろとろジューシー。とっても食べ応えがあるので美味しすぎて注文しすぎないように注意してください。そしてもう一つ外せないのがホットドッグ。シカゴのホットドックで特徴的なのがケチャップを使わないこと。代わりにピクルスやレリッシュ、トマト、玉ねぎ、マスタードなどのトッピングがバラエティー豊か。特にトライして欲しいのはソーセージではなくローストビーフをたっぷり挟んだItalian Beefというホットドック。通は牛肉を煮たスープをパンにどっぷりと吸わせるソークト(SOAKED)、日本で例えるなら「つゆだく牛丼」スタイルで食べるのだとか。

夜も楽しいエンターテインメント

劇場が並ぶシアターディストリクト

シカゴは夜も退屈することがありません。まずシカゴのブロードウェイ。ニューヨークのブロードウェイには規模こそは劣りますが、ニューヨーク公演の前に、まずシカゴで公演されることが一般的です。そのためニューヨークで見るよりも料金が安く気軽に鑑賞できるのがうれしいポイントです。さらにシカゴ・ブルースとシカゴ・ジャズといったシカゴ発祥の音楽も忘れてはなりません。シカゴはブルースの都と言われているほど、ダウンタウンを中心にブルースを聞かせてくれるパブやライブハウスがひしめいています。シカゴ・ブルースの基盤となったのがマディ・ウォーターズのエレキギターを使ったスタイル。シカゴ・ブルースから発展して現在のロックが生まれたと言われています。

シカゴの有名ブルースクラブ キングストンマインズ

シカゴ・ジャズもシカゴ・ブルースに劣らず深い歴史があります。20世紀初頭、ニューオリンズで職を失ったミュージシャンが工業化の進むアメリカ北部のシカゴに移り住み始めます。さらにジャズの成長を後押ししたのが1920年に施行された禁酒法。秘密裏にアルコールを売買していた酒場(スピークイージー)ではジャズは欠かせない音楽となりました。シカゴ・ジャズはニューオリンズスタイルを発展させソロとアンサンブルの役割をはっきりさせた演奏が特徴で、ベニー・グッドマンやジーン・クルーパなど有名ミュージシャンもシカゴで生まれました。

スポーツシティ・シカゴ

摩天楼が輝く シカゴの夜景

私が旅した機会には残念ながらスポーツ観戦する機会はなかったのですが、シカゴはスポーツが盛んな都市としても知られています。スポーツ観戦好きな方にはたまらない都市と言えるでしょう。私のように90年代に10代を過ごした方がまず思い出されるのは何ともいっても90年代に黄金期を迎えたNBAのシカゴ・ブルズ。マイケル・ジョーダンが在籍したことでも知られる名門チームです。2016年にワールドチャンピオンとなったMLBのシカゴ・カブスも忘れてはなりません。あのダルビッシュ有投手を擁するチームとして日本からの期待と注目を集めています。なおカブスのみならずシカゴはMLBを代表するもう一つの野球チーム、ホワイト・ソックスの本拠地でもあります。

アメリカで一番人気のスポーツ、アメリカンフットボールのシカゴ・ベアーズはさすが大人気で、街のいたるところでロゴをあしらったTシャツやタオルなどを見ることができます。近年では米国でもサッカー熱が高まっており、スポーツバーでは地元のシカゴ・ファイアーに声援を送っている人も多くみられました。さらにシカゴはウインタースポーツも盛んで、アイスホッケーの名門チーム、シカゴ・ブラックホークスも人気があります。一年を通してなにかしらプロスポーツのシーズンに当たりますので滞在中にもし機会があれば、是非観戦してみてください。

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実は治安が良い街

ウィリスタワー展望台を案内してくれたフレンドリーなスタッフ

個人的にはかなり意外なことでしたがシカゴは治安が良いのです。シカゴを舞台にした映画「バットマン」シリーズやマフィアの抗争をテーマにした映画「アンタッチャブル」などのようにシカゴの至るところで毎日凶悪犯罪が繰り広げられるイメージがあるかもしれませんが、全くそんなことはありません。もちろん油断は禁物ですが、シカゴの治安は全く問題ないと言い切ってしまって良いでしょう。個人的にはニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコなどアメリカの有名観光地と比べても治安がよく、シカゴは全く危険な雰囲気を感じることがない都市でした。夜でもダウンタウンの中を自由に歩ける雰囲気があるのが、個人旅行には何より向いている点です。

シカゴの有名ダイナー Lou Mitchell’s にて

今回の取材に同行した日本人の女性にも話を聞きましたが、夜一人で行動するときも特に恐怖を感じる出来事はなかったそうです。また今回の旅でお世話になったシカゴ在住のスタッフやレストランのスタッフも非常にフレンドリーで、写真撮影にも気軽に応じてもらえ、シカゴの旅がより思い出に残るものとなったことは言うまでもありません。そういえばシカゴは大阪と姉妹都市、お笑い(スタンダップコメディ)が盛んなことや水の都であることも雰囲気が似ていますね。しかし郊外には治安が悪いエリアは存在しますので、必ずしもシカゴだからどこでも安全ということではありません。最低限の注意は払った上で、是非シカゴの旅をお楽しみください。

 

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