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インカ帝国の数々の遺跡や、ナスカの地上絵のような謎に包まれた場所が旅人を魅了する南米の国ペルー。国土面積が日本の3倍もあるペルーには、コスタ(海岸砂漠)、セルバ(熱帯森林)、シエラ(高地山岳)という3つの気候区分があり、魅力は場所によってかなり異なっています。そんなペルーのたくさんの魅力を、一か月ペルーに滞在し、思う存分満喫した旅好き女子の私が、絶対に訪れてほしい観光地ベスト7に込めてご紹介します。
面積 | 128万5216㎢(日本の約3.4倍) |
人口 | 約3217万人 |
言葉 | 公用語はスペイン語 |
宗教 | 76%はローマ・カトリック。宗教の選択は自由 |
首都 | リマ |
通貨 | ソル(Sol) |
【世界遺産マチュピチュ】インカ帝国の空中都市
標高2,400m超えの山々の尾根に築かれた、インカ帝国の空中都市マチュピチュ。スペインの侵略によりインカの都市は破壊されましたが、マチュピチュはその場所の特性から侵略されることがなく、現在に至るまで、堂々と美しい姿を保っています。失われたインカ帝国の文化を今に伝えるマチュピチュは、周辺に広がる手付かずの自然とともに世界遺産にも登録されているのです。
マチュピチュ遺跡の背後にそびえる切り立った山ワイナピチュ。その頂上からは一味違ったマチュピチュを楽しむことができます。入場規制がされていて事前予約が必要ですが、登る価値は絶対にあります。ただ、山は断崖絶壁でかなり歩き辛い道なので、足元に細心の注意を払いながら登りましょう。
アクセス | クスコ~マチュピチュ駅 車と列車の乗り継ぎ マチュピチュ駅~マチュピチュ 専用バス 所要計約3時間半 |
入場料 | 遺跡のみ 入場時間6:00~16:30 大人152ソル 遺跡とマチュピチュ山 入場時間7:00~8:00、9:00~10:00 大人200ソル 遺跡とワイナピチュ 入場時間7:00~8:00、10:00~11:00 大人200ソル |
入場券購入HP | https://www.machupicchu.gob.pe/ |
列車予約サイト | ペルーレイル https://www.perurail.com/ インカレイル https://incarail.com/ |
マチュピチュの行き方と楽しみ方
マチュピチュ遺跡観光は2017年よりガイドの同行が義務付けられており、個人で入場することができないため、ツアーを利用して頂くのが一般的です。
日本からマチュピチュへアクセスするには、アメリカもしくはメキシコ経由でペルーのリマへ入り、そこから国内線でクスコという都市へ乗り継いだ後、バスと列車に乗車する流れになります。
マチュピチュの玄関口であるクスコは標高が3,800mと高く、特に時差ぼけ・睡眠不足などで疲れが溜まっている場合は高山病を発症してしまう傾向にありますので、なるべくクスコの滞在時間は短くし、宿泊先は比較的標高の低い”マチュピチュ村”を選ぶことをおすすめします。
山々に浮かぶ、天空の都市マチュピチュの建造物はカミソリの刃すら隙間に通さないほど石材の数々を綿密に積み重ねて作られており、約600年以上経過した今でも美しい景観を保っています。
マチュピチュ観光のベストシーズンはいつかと言うと、雨が少ない5~10月の乾季。
平均気温は20℃前後と日中は薄手のシャツやTシャツでも快適に過ごすことができますが、朝晩は防寒対策が必要になるほど冷え込みますので、長袖の上着や帽子なども予め準備しておくようにしましょう。
また、その他の注意点としてはマチュピチュ遺跡内にはお手洗いが用意されていませんので、ホテルや入口付近の有料トイレで済ませておくと安心です。
マチュピチュの入場チケットは現地では販売されておらず、オンラインで事前購入する必要があります。
1カ月前から購入可能で、時間帯ごとに買えるよう設定されています。特に午前中は人気が高く、売り切れてしまうことも多いので旅程が決まり次第、早めに購入されることをおすすめします。
かつて1日券だったマチュピチュの入場券は、遺跡の数々を安全に守るべく、観光客の混雑や集中を防ぐために、現在は4種類の周遊コースが用意されています。
おすすめはずばり、マチュピチュ遺跡内全体を唯一訪れることができる『サーキット2』です。
サーキット1は上からのみのショートコースとなりますが、サーキット2は上下のエリアを周れるので、マチュピチュ遺跡の色んな表情を楽しむことができます。
マチュピチュ遺跡は太陽の神殿や見張り小屋、インティワタナなど見どころ満載!
中には入場時間が限られているスポットもありますので、開放時間を随時確認したり、日本語ガイドのアドバイスを参考にしながら巡るようにしましょう。
いまだに解明されていない謎の多さとそのミステリアスで美しい景観から、インスタグラムで#machupichhuと検索すると、約200件以上の画像がヒットするほど世界各地の旅人の心を魅了し続けているマチュピチュ遺跡。
特に人気の撮影スポットは、マチュピチュの高台から下ったところにある『市街地入り口』で、石垣で作り上げた門がフレームのように見えることから、SNS映えするとして多くのツーリストがこちらで写真撮影を楽しんでいます。
サーキット2を選んだ際は、こちらの箇所も周遊する流れになりますので、是非カメラの中にお気に入りの一枚を収めてみて下さい。
体力に自信があれば、マチュピチュの背後にそびえる山『ワイナピチュ』の登山に是非トライしてみて下さい。
ワイナピチュ登山は1日400人限定のプレミアムなアクティビティ!所要時間は約1~2時間ほどかかりますが、山頂から眺めるマチュピチュはまさに絶景です。
数百年以上もの間、誰にも気づかれることなくひっそりと眠り続けていたインカ都市の魅力を存分に堪能しましょう。
また、ワイナピチュに入山するにはサーキット4のチケットを購入する必要があります。
朝7時からと朝10時からの2グループに分けて販売されており、他の周遊コースと同様に、早い者勝ちとなりますのでなるべく訪問の1カ月前には予約購入することをおすすめします。
マチュピチュ観光ではワイナピチュ山だけでなく、マチュピチュ山の周遊コース(サーキット3)もありますので、登山が好きな方であれば、2泊3日のプランがおすすめです。
マチュピチュ山は標高3,082メートルほどで、ワイナピチュよりも高い場所にありますが、なだらかで道も広く、観光客自体も比較的少ないので自分のペースでゆっくりと登れるのが特徴的です。
どちらかというと、登りよりも下りの方が滑りやすいので要注意です。ゆっくり歩けば問題ありませんが、トレッキングポールを準備しておくとより安心かと思います。
また、マチュピチュ観光時の宿泊先として人気のマチュピチュ村のホテル周辺には登山好きにはたまらない、マッサージ屋さんが多数並んでいる他、飲食店も点在していますので朝から晩まで充実したひと時を過ごすことができますよ。
日本からマチュピチュまでは飛行機・シャトルバスでの乗り継ぎを含めて、約30時間以上の長旅になりますので、帰国まで体力をしっかり温存しておきたいという方はワイナピチュ山や、マチュピチュ山に登らずに、サーキット1のコースに組み込まれている『インティプンク(太陽の門)』へ行くのもおすすめです。
インティプンクの魅力は何といっても、マチュピチュ全体を見渡せるところ。
標高は2,720メートルと高い位置にありますが、傾斜が緩やかなのでハードな運動に慣れていない方も気軽に楽しめる他、遺跡の中心部はもちろん、奥に聳えるワイナピチュ山も一望できるので、マチュピチュの壮大さを肌で感じることができます。
写真を撮ったり、休憩を挟みながらでも約1時間半程度あれば回れるので、1泊2日のショートプランをご希望の方やマチュピチュ村での観光もゆっくり楽しみたい時にも最適です。
チケットを購入する前に1点押さえて頂きたい注意点があります。
旧システムでは、クスコ文化庁の管理の元でマチュピチュのチケット販売が行われていましたが、ペルー政府は2024年1月より新システムを運営するリマの民営企業“JOINNUS”に移行することを発表しました。
これに伴い、現地ではクスコ・マチュピチュの市民団体・組合などによる反対抗議が発生しており、一時的にマチュピチュ行きの列車やシャトルバスが運行を中止するなど、マチュピチュ遺跡に訪れる観光客への影響が生じています。
反対デモは概ね平和的に行われているものの、遺跡に入るまでに数時間も足止めを余儀なくされた方も居たという報告が挙がっています。現在も話し合いが続けられており、次のデモ実施の有無や規模については現時点では発表されていません。
今後もルール等が急遽変更になる恐れもありますので、マチュピチュ遺跡への訪問を検討している方は最新情報に十分ご注意ください。
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インカ帝国の首都クスコは「へそ」を意味する
かつてインカ帝国の首都として繁栄し、スペインによって征服されてしまったクスコ。そんなクスコの街並みは、インカならではの美しい石組みがスペインのコロニアル様式の建物を支えているという極めて美しいものです。
観光の中心となるのはアルマス広場。インカ帝国時代も、スペイン征服時代も街の中心でした。この広場を起点として、美しいクスコの街並みを楽しみながら観光しましょう。インカの石組み技術の素晴らしさがわかる12角の石や、スペインの征服者が息をのむ程美しかったという太陽の神殿(コリカンチャ)は広場のすぐそばです。また、ピアスやポーチなどの可愛いグッズも周辺でたくさん売られているので、お土産探しにも最適です。
住所 | Del Medio 123, Cusco 08000 ペルー |
住所 | C. Hatunrumiyoc 480, Cusco 08002 ペルー |
住所 | Santo Domingo s/n, Cusco 08000 ペルー |
営業時間 | 月~土 8:30~17:30 日 14:00~17:00 |
入場料 | 15ソル |
海抜3,980mに位置する巨大なチチカカ湖
アンデス山脈のほぼ中央に位置する町プーノ。こじんまりとしたプーノで最も有名なのは、汽船が就航する湖としては世界で最も標高の高いチチカカ湖です。その海抜は富士山よりも高い3,890m!広さも驚くことに琵琶湖の約12倍あり、広大な湖の中にはウロス島やタキーレ島といった島々が存在します。その中でも必ず訪れたい島が、トトラという葦科の植物を組み上げて作られた浮き島・ウロス島です。
ウロス島へは、プーノの桟橋からモーターボートに乗って約40分。少々長めの船旅を終えてウロス島にたどり着くと、世界中の国の歌を歌って出迎えてくれる住民の方々。私が行った時はチューリップの歌を日本語で歌ってくれました。植物で作られた島の踏み心地はというと、フカフカとしている一方、強く踏んでも壊れないほどしっかりとしているという、今まで体験したことがないような不思議な感覚でした。
住所 | Titicaca, Puno, ペルー |
ツアー料金目安 | ウロス島(半日) 15ドル(2,306円)~ ウロス島+タキーレ島(1日) 30ドル(4,611円)~ ウロス島+タキーレ島+アマンタレ島(1泊2日) |
乗り合いボート料金(プーノ~ウロス島) | 25ソル |
多くの謎に魅了されるナスカの地上絵
荒涼とした大地のペルー南部の町ナスカには、多くの謎を秘めたナスカの地上絵があります。紀元前後から800年にかけて栄えたナスカ文化で描かれたものですが、地面をキャンパスにした巨大な絵をなぜ描いたのか、何を意味しているのか、こうした謎は未だにはっきりと解明されていません。謎めいた数々の巨大な地上絵は、旅好きの心をくすぐること間違いなしです。
数々の地上絵を楽しみたいならセスナに乗るのがベスト。渡される地上絵の地図を頼りに、地上絵の形や場所を確認してみましょう。セスナの操縦士も何の絵があるのか教えてくれます。ただし、セスナは地上絵が見やすいように左右に大きく揺れるので、乗り物に弱い方は酔い止め薬をお忘れなく。
ミラドールからは海藻や手の地上絵を楽しめます。空から見るとわかりませんが、地上の砂を取り除くことによって描かれた線は意外と太く、延々と続く長さにも驚かされます。
アクセス | リマ~ナスカ 長距離バスにて約6時間半~8時間 |
料金目安 | 遊覧飛行 45~100ドル(6,917円~15,371円)(シーズンによって値段が異なる) ※別途空港使用料20ソルが必要 |
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砂漠の楽園・オアシスのワカチナ
広大な砂漠の中に、突如として現れるオアシス。大きな湖と青々と茂る木々からなるオアシスのワカチナは、まるで映画のような素敵な景色が見られる場所として人気のスポットです。オアシスの湖でボートに乗ってゆったりとした時間を過ごすのはいかがでしょうか。また、ただでさえ美しいワカチナがさらに美しくなるのは夜。真っ暗な砂漠に囲まれた夜景の灯りは絶景です。
ワカチナでは、サンドバギーやサンドボードを楽しめるツアーも行われています。サンドバギーではドライバーがわざと砂丘を駆け降りるように運転するので、もはやジェットコースターのような絶叫体験ができます。サンドボードは難しいように思うかもしれませんが、ボードの上に座って砂丘を滑り降りるだけなのでとても簡単です。髪の毛がバリバリになるくらい砂まみれになることは不可避ですが、確実に一生の思い出になるはずです。
住所 | W66P+QQM, Ica 11000 ペルー |
アクセス | リマ~イカ 長距離バスにて約4時間半 イカ~ワカチナ タクシーにて約10分 |
インカの聖なる谷(ピサック・ウルバンバ)
インカ帝国の遺跡が残されているのが聖なる谷(ピサック・ウルバンバ)。5,000m級のそそり立つ山々に囲まれた谷は、マチュピチュへの中継地点として通る人が多いはず。聖なる谷に築かれた素晴らしい遺跡の数々に圧倒されることでしょう。ピサック遺跡はその広大さや遺跡の造りにミニ・マチュピチュと言われることも。また、マチュピチュへの列車の停車駅があるオリャンタイタンボは、かなり急な山の斜面に築かれた段々畑とインカ帝国ならではの美しい石組みに感動します。遺跡の頂上から眺める街並みと、高々とそびえる山々の景色も極上です。
遺跡入場料 | ・クスコ周遊入場券3 70ソル 2日間有効 ピサック、オリャンタイタンボ、ウルバンバ、チンチェーロ入場可 ・クスコ周遊共通入場券 130ソル 10日間有効 クスコ市内と近郊の施設入場可 |
備考 | 聖なる谷巡りはツアー参加がベスト。 9時〜19時ほどの日帰りツアーが一般的。費用は約100ソル。 |
住所 | H5R4+X8X, Písac 08105 ペルー |
時間 | 7:00~18:00 |
休業日 | なし |
住所 | PPVM+5M7, Ollantaytambo 08676 ペルー |
時間 | 7:00~18:00 |
休業日 | なし |
聖なる谷の見所は遺跡だけではありません。アルパカやリャマに餌をあげることができる牧場もあります。近くで見てみると意外と大きい動物なので最初は少し怖いかもしれませんが、つぶらな瞳で見つめてくる彼らには癒し効果満載です。
住所 | km 23, a, Pisac, Cusco, ペルー |
入場料 | 無料 |
時間 | 7:00~17:00 |
コンドルが飛ぶコルカ渓谷(カニョン・デル・コルカ)
「コンドルは飛んでいく」という曲はご存じですか。日本でも馴染みのあるアンデス地域の民族音楽です。この曲を思い浮かべながら訪れてほしいのが、ペルーを代表する大きな鳥コンドルが見られるコルカ渓谷です。コルカ渓谷は、アメリカのグランドキャニオンよりも深いとされる渓谷で、じっと見降ろしてしまうと足元がすくむ程。しかし、展望台から見下ろす景色はまさに絶景です。そんな絶景を背景に、大きな翼を広げて優雅に飛行するコンドルが見れたら、感動すること間違いなしです。
ペルーにおいてコンドルは神の使いともされている神聖な鳥。切り立った渓谷の間を、気流を利用してどこまでも優雅に飛行する様は、誰もが圧倒される姿です。コンドルは午前中に活発に活動するので、コンドルを見るなら午前中に訪れるのがベストです。
住所 | Las Peras 4356, Lima 15311 ペルー |
アクセス | リマ~アレキパ 飛行機にて約1時間 バスにて約15時間半~18時間 アレキパ~チバイ バスにて約3時間半 チバイ~カバナコンデ バスにて約2時間 ※カバナコンデからコンドルの見える展望台までは、さらに徒歩1時間 |
備考 | コルカ渓谷へはツアー参加が便利。 日帰りでも可能だが、ハードスケジュールのため1泊2日のツアーがお勧め。 料金約30~120ドル(4,611円~18,445円) |
まとめ
雄大な自然と歴史ある遺跡の宝庫である南米の国・ペルー。
地球の裏側まで行くのは少々大変ですが、旅好きなら訪れて損はない場所です。今回私が選んだ7つのスポットを参考に、ペルー旅行の計画を立ててみてはいかがでしょうか?