世界の辺境に詳しいスタッフ澤西弘幸がレポート!
マダガスカル東海岸のパンガラン運河沿いにひっそりと佇むアンカニヌフィ。道路ではアクセスできず、ボートでしかたどり着けないこの小さな村は、手つかずの熱帯雨林と静かな湖、そしてキツネザルたちが暮らす豊かな自然に囲まれた、まさに秘境と呼ぶにふさわしい場所です。世界最大の島・マダガスカルならではの固有動植物との出会いはもちろん、ゆったりと流れる時間や素朴な村の暮らしも大きな魅力。世界51 ヶ国を旅した経験のあるファイブスタークラブ・スタッフ澤西弘幸が実際にこの地を訪れました。その魅力と見どころをご紹介します。
アンカニヌフィは、ペリネからさらに東へ進んだ、パンガラン運河がつなぐ2つの湖の最深部にたたずむ湖畔の秘境です。ペリネから約3時間、湖畔の村マナンバトでスピードボートに乗り換え、いよいよ秘境へ。運河を走る船旅では、水上からしか見られない緑豊かな景色が広がり、まるでジャングルクルーズのようです。到着後はパルマリウム保護区で多くのキツネザルと出会い、夜にはボートで小島へ渡り、夜行性のアイアイを探すナイトツアーも楽しめます。冒険気分と大自然を満喫できる、マダガスカル屈指のデスティネーションです。

パンガラン運河クルーズ

マナンバトのビーチの風景
マナンバトに到着すると、すぐに出発…と思いきや、ロッジ専用のスピードボートは他の外国人旅行者の到着を待ってから出航します。出発まで約1時間。砂浜に面したOrania Lodgeのレストランのテラスに座り、その間は白い砂浜を歩いたり、静かな湖を眺めたりとのんびり過ごします。何気なく立ち寄っただけのマナンバトですが、思わず足を止めたくなるほど美しい景色が広がっていました。
やがて全員がそろうと、いよいよ乗船です。スーツケースなどの大きな荷物を手際よく積み込み、アンカニヌフィへ向けて出発。いよいよ秘境への船旅の始まりです。

マナンバト~アンカニヌフィ(船上からの風景)
最初に広がるラソアブ湖は、穏やかなリゾート地のような風景。やがてパンガラン運河へ入ると景色は一変します。
両岸には緑豊かな森が迫り、まるでジャングルクルーズ。岸辺の村に近づくと、カヌーで漁をする人々や水辺で暮らす村人たちの生活を間近に見ることができます。
再びスピードを上げて運河を抜けると、もう一つの湖・アンピタブ湖へ。途中、船長が「あそこがアイアイの島だ」と教えてくれます。「今夜はいよいよアイアイに会える!」そんな期待がどんどん膨らんでいきます。
| 施設名 | Orania Lodge |
| エリア | マナンバト/Manambato |
アイアイの島(保護区)へ

絶滅危惧種アイアイ(アイアイの島)
夜のとばりが下り、月明かりだけが湖面を照らす中、ボートはいよいよアイアイの島へ向けて出発。約30分の船旅を終え、懐中電灯の明かりを頼りに静かに上陸。船長から注意事項の説明を受けると、いよいよ暗い森の中へ足を踏み入れます。
辺りは静寂そのもの。足元を照らしながらゆっくりと歩くこと約10分。突然、ガイドがライトを向けると、そこにはヤシの実を夢中でかじるアイアイの姿がありました。大きな目と長い耳、そして細長い中指を器用に使ってヤシの実に穴を開け、中の果汁を吸う姿は、とてもユニークで愛らしく、思わず見入ってしまいます。この保護区では、観察や保護活動のためにヤシの実を設置しており、高い確率でアイアイを観察することができます。

ヤシの実を抱える愛らしいアイアイ
かつてマダガスカルでは、不吉な動物として恐れられ、数を大きく減らしたアイアイ。現在では自然の中で観察できる場所は非常に限られており、この島は世界でも貴重な生息地のひとつです。
日本では童謡「アイアイ」のモデルとして親しまれていますが、実際の姿は想像以上に個性的。それでも、夢中でヤシの実を食べるしぐさは驚くほど愛らしく、この旅で最も印象に残る感動的な出会いとなりました。
撮影を楽しんだ後は、再び月明かりの湖をボートで渡り、静かなロッジへ戻ります。秘境アンカニヌフィならではの特別な夜は、いつまでも心に残る忘れられない体験となるでしょう。
| 施設名 | アイアイの島/Aye-aye Island |
| エリア | アンカニヌフィ/Akanin’ny Nofy |
パルマリウム保護区

パルマリウム保護区内のシロクロエリマキキツネザル
朝、レセプションに集合し、ロッジ専属の現地ガイドから簡単な説明を受けると、いよいよ保護区散策のスタートです。
まずはガイドがキツネザルの鳴き声をまねて呼びかけます。すると、ブラウンキツネザルやシロクロエリマキキツネザルが次々と姿を現しました。どこに隠れていたのかと思うほど、あっという間に集まってきます。
ペリネのレミュールアイランドでも間近で観察しましたが、ここでの数の多さと迫力は別格。まさにキツネザルたちの楽園です。
庭園を抜けると、いよいよ森の中へ。今度はガイドがインドリの鳴き声をまねて呼びかけます。しばらく反応はありません。しかし次の瞬間、森の奥から複数のインドリが一斉に鳴き始めました。

パルマリウム保護区内の森散策(インドリ)
そして、ついに出会えました。高い木の上にいた2頭のインドリが、ガイドの呼びかけに応えるように少しずつ下りてきて、私たちの目の前へ。1頭は白黒の美しいインドリ、もう1頭は全身が黒いインドリです。大きな体に対して顔は意外と小さく、どこか子グマのような愛らしさがありました。
インドリが間近まで下りてきました。人に慣れた個体とはいえ、キツネザルへの直接の餌やりや接触は、動物の健康や感染症防止の観点から推奨されていません。観察時は現地ガイドの指示に従い、適切な距離を保つことが大切です。目の前で見る表情や仕草は想像以上に愛らしく、感動のひとときでした。
写真や動画をたっぷり撮影した後はロッジへ戻ります。庭園には再び多くのキツネザルが集まり、最後まで夢中でシャッターを切り続けました。
| 施設名 | パルマリウム保護区/Palmarium Reserve |
| エリア | アンカニヌフィ/Akanin’ny Nofy |
パルマリウムロッジ

パルマリウムロッジのレストラン
スピードボートを降りると、桟橋のすぐ先が「パルマリウムロッジ」です。階段を上ってチェックインを済ませ、鍵を受け取って客室へ向かいます。
客室は緑豊かな庭園の中に点在し、蚊帳付きのベッドやシャワー、トイレを完備。滞在時は、スマートフォンの電波もほとんど届かず、日常を忘れてゆったりとした時間を過ごせます。
レストランはレセプションのすぐ隣にあり、朝食時には木の上にキツネザルが現れたり、欄干を歩いたりする姿を間近で見ることができます。滞在中は、至るところで野生のキツネザルと出会える、まさにキツネザルたちの楽園です。

アンカニヌフィの白砂のビーチと保護区が隣接する
パルマリウムが運営する宿泊施設には、保護区に隣接する「パルマリウムロッジ」と、白砂のビーチ沿いに建つ「パルマリウムビーチホテル」の2タイプがあります。今回は、保護区へ直接アクセスできるパルマリウムロッジに宿泊しました。
一方、パルマリウムビーチホテルは保護区から少し離れていますが、両施設は同じ運営会社が管理しています。そのため、モーニングサファリなど保護区を訪れる際は、ホテルと保護区の間をスピードボートで送迎してくれるので安心です。白砂のビーチを眺めながら、ゆったりとしたリゾートステイを楽しみたい方には、パルマリウムビーチホテルがおすすめです。
| 施設名 | パルマリウムロッジ/Palmarium Hotel Ankanin’Nofy |
| エリア | アンカニヌフィ/Akanin’ny Nofy |
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まとめ

白砂のビーチに立つパルマリウム保護区の看板
今回、私はペリネから1泊2日の日程(ペリネ→アンカニヌフィ泊→アンタナナリボ)でアンカニヌフィを訪れました。限られた日程でも十分に楽しめるのか確かめたいという思いもありましたが、その不安はすぐに吹き飛び、期待をはるかに上回る、すばらしい体験となりました。
アンカニヌフィ最大の魅力は、ボートでしかたどり着けない秘境であることです。パンガラン運河を走る船旅、湖畔に広がる穏やかな景色、そして数多くのキツネザルが暮らすパルマリウム保護区。さらに白砂のビーチが広がるリゾートの雰囲気も味わえる、世界でも珍しい旅先です。
マダガスカルを訪れるならぜひ足を延ばしていただきたい、私が心からおすすめするキツネザルたちの楽園です。




