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スルタン・ハジ・オマル・アリ・サイフディエン橋(SHOAS)
ブルネイはボルネオ島にある小さな国で、マレーシアと南シナ海に囲まれた美しい自然と豊かな文化が調和した魅力的な国です。ボルネオ島北部に位置するこの小国は、熱帯雨林に囲まれた豊かな生態系を誇り、スルタン・オマール・アリ・サイフディン・モスクやウル・テンブロン国立公園など、見どころが満載。ブルネイの首都バンダルスリブガワンでは、伝統的な水上家屋の見学やナイトマーケットを楽しむことができます。東南アジアの中でも指折りの治安の良さで、静かで安全な環境と、親しみやすい地元の人々が訪れる旅行者を温かく迎えてくれます。
ブルネイってどんな国?

車社会の為、どのエリアも歩行者はほとんど見かけない
ブルネイはボルネオ島北部に位置し、石油や天然資源が豊富な大変豊かな国として知られ、美しい自然と文化が調和した魅力的な小国家です。国土の東側、テンプロン川流域は熱帯雨林の広大な国立公園でエコツーリズムの宝庫。首都バンダルスリブガワンは、近代的な街並みで華麗なモスクや伝統的な水上集落や市場も見どころ。
また世界で指折りの大金持ちとして知られる国王が統治しており、国民の教育費・医療費は無料、かつ消費税や個人の所得税も無く、それ故か皆あまりガツガツしておらず、優しくおっとりした国民性が特徴です。通貨はブルネイドル(BND)ですが、シンガポールと通貨協定を結んでおり、シンガポール・ドル(紙幣のみ)も等価で利用できます。

気になる治安やイスラム教の戒律は?

キアンゲ・オープンマーケットのセニョーラ
現在の国王はバイリガル教育政策にも熱心で、公用語はマレー語ですが、国民のほとんどの人が英語でもコミュニケーションを取っています。また、イスラム教徒についてはコーランを読む為にこれまでも文語のアラビア語学習は義務だったそうですが、「話せるアラビア語」習得を目指して、最近では口語のアラビア語もカリキュラムとなっているそう。アジアのイスラム教国の中では一番戒律が厳しいと言われており、飲酒は禁止されていますが、入国時に申告さえすれば観光客はアルコール類を持ち込み可(ただし公共の場では飲酒は控えて、ホテルの自室で飲むのはOK)。日本との時差はたったの1時間、何と言っても非常に治安が良く、英語も通じ、それでいて異国情緒を感じられる、今一押しの海外です。
スルタン・オマール・アリ・サイフディン・モスク

ブルネイの夜を彩るオールドモスクの夜景
ブルネイのオールドモスク(正式名称:Sultan Omar Ali Saifuddin Mosque)は、1958年に建設され、ブルネイのイスラム教の中心地として重要な役割を果たしています。オールドモスクは、その美しいアラブ・ペルシャ様式の建築と、広々としたモスク広場が特徴です。モスク内部には、美しいモスクのミナレットがそびえ立ち、モスクの周囲には、ブルネイの歴史や文化に関する展示があり、訪れる人々にとって学びの場ともなっています。オールドモスクは、ブルネイの宗教的な生活や文化を象徴する建物であると同時に、多くの人々が訪れる観光名所となっています。

BIBD Frameから眺めるオールドモスク
ブルネイで観光客が内部を見学出来るモスクは、このオールドモスクとニューモスクのふたつのみ。イスラム教の安息日とされている金曜日と、土曜日から木曜日のお祈りの時間帯以外であれば、モスクに入ることも可能。訪問可能な時間帯は、08:30~12:00/13:30~15:00/16:30~17:30となっています(2025年1月現在)。その際、女性は(短パンなど露出の多い服装の男性も)入口で貸し出している黒い上着を着用します。モスクの前には人工のラグーンがあり、16世紀の王室御座船のレプリカが浮かんでおり、夜のライトアップはとても幻想的。ブルネイ旅行で絶対に外せないスポットのひとつです。
施設名 | スルタン・オマール・アリ・サイフディン・モスク |
エリア | バンダル・スリ・ブガワン |
住所 | Jalan McArthur, Bandar Seri Begawan BS8711 ブルネイ |
入場料 | 無料 |
ジャメ・アスル・ハッサナル・ボルキア・モスク

宝物館の中にあるニューモスクのレプリカ
ガドン地区の近くに位置するニューモスク(正式名称:Jame’asr Hassanil Bolkiah Mosque)は、現代的なデザインと伝統的な要素が調和したブルネイの象徴的な建築物です。巨大な金色のドームと美しく彫刻されたミナレットが特徴で、遠くからでも一目でそれと分かります。29代目スルターン ハサナル・ボルキア現国王が1994年に即位25周年に合わせて建てたモスクです。第28代目の前国王が命じて建てたモスクと比較して新しくできたものなので、通称「ニューモスク」と呼ばれています。

ブルネイの夜を彩るニューモスクの夜景
このニューモスクは国王のポケットマネーで建てられたもので、モスクの内部は豪華なシャンデリアや広々とした礼拝スペースがあり、床や柱はイタリア製の大理石が惜しみなく使われています(外のベンチまで大理石!)また、王族専用の入口もあり、その中央にあるエスカレーターは国王専用のものなのだとか。男性用と女性用のモスクがあり、女性は男性用モスクに入れますが、男性が女性用モスクに入ることは禁じられています。オールドモスクと同様、金曜日とお祈りの時間帯以外は、非イスラムの観光客も内部を見学することが出来ます。ブルネイ国内で一番の規模を誇るモスクあり、その荘厳さと静けさに触れながら、ブルネイの豊かな歴史と文化を感じることができるでしょう。
施設名 | ジャメ・アスル・ハッサナル・ボルキア・モスク |
住所 | Simpang 127, Bandar Seri Begawan, ブルネイ |
入場料 | 無料 |
ブルネイのおすすめツアー



カンポン・アイール

水上集落の人気のAirbnb、Kunyit 7 Lodge
カンポン・アイールはブルネイの首都バンダルスリブガワンに位置する、水上に浮かぶ独特な集落です。この集落は、ブルネイ川の両岸に広がっており、数百年の歴史を持ちます。現在では約30,000人が住んでおり、世界最大級の水上集落とされています。
この集落の家々は木製の柱で支えられた高床式の建物で、家の他にもモスク、学校、消防署など生活必需の施設が揃っています。住民たちは主にボートを使って移動し、川を生活の一部として利用しています。カンポン・アイールは、伝統と現代生活が見事に調和した場所と言えるでしょう。

豪華絢爛な室内!
ブルネイ政府はこの水上集落の保存に努めており、観光客向けのツアーも提供されています。訪れる人々は、ガイド付きボートツアーで集落を巡り、地元の家庭や文化施設を訪れながら、伝統的な生活様式を垣間見ることができます。住民の方々は観光客に対しても非常に親切で、彼らの生活や文化を紹介してくれます。一般的に「水上集落」と聞いて想像するような簡素な家でなく、家の中に一歩入ればとても水上に建っているとは思えぬ立派過ぎる室内が!ご家庭によってはハイティーを出して下さるところも。ブルネイを訪れる際には、ぜひこの魅力的かつ貴重な文化遺産でもある水上集落を訪れて、その独自の雰囲気を体験してみてください。
施設名 | カンポン・アイール |
エリア | バンダル・スリ・ブガワン |
公式サイト | https://www.bruneitourism.com/wp-content/uploads/2019/08/Kg-Ayer-Walking-Trail_compressed.pdf |
ガドン・ナイトマーケット

大容量&カラフルなジュース。どこのお店も1Lくらいから売っていた
ガドン・ナイトマーケットは、ブルネイ最大の夜市で、常設の屋内で生鮮食品店や屋台、生活雑貨店など約100店舗が営業しています。夕方から夜にかけて開催されるため、ブルネイの日中の暑さを避けて訪れることができ、観光客や地元の人々が集まる賑やかな場所となっています。
マーケットに足を踏み入れると、すぐに香ばしい匂いとエネルギッシュな雰囲気に包まれます。が、他の東南アジア諸国のナイトマーケットと比較すると、かなり衛生的な印象。基本的に毎日掃除の方が入るそうで、よくある市場特有の臭さだったり、ハエがたかっていたりという風景は皆無。屋台はお腹を壊しそうでちょっと…という方も、ガドンの屋台はトライしてみてもいいかも。

”ホットケーキ”は知立市名物大あんまきを彷彿とさせる味
ナイトマーケットはさまざまな食べ物の屋台が立ち並び、気軽に手軽にブルネイ地元の料理を楽しむことができます。タピオカミルクティーやココナッツウォーターなど、実に様々な飲物が売られていますが、個人的な一押しは、テー・タリック (Teh Tarik)。マレーシア、シンガポール、ブルネイあたりの東南アジアで広く親しまれている伝統的な甘~いミルクティーです。甘辛いピーナッツソースをつけて頂く、香辛料で味付けされた串焼き「サテー」も是非試して欲しい一品。どれも1~3ドルから楽しむことが出来ます。注意点として、暑い国のナイトマーケットとは言え、ブルネイはイスラム教の為露出を控えた服装を心掛けましょう。またマーケットでは現金が主流ですので、予め十分な現金を用意して行きましょう。
施設名 | ガドン・ナイトマーケット |
エリア | ガドン地区 |
住所 | WW39+RPC, Simpang 37, Bandar Seri Begawan, ブルネイ |
ザ・モール(The Mall)

モダンな店内
ガドン地区に位置する高級ホテル、ザ・リツクン・インターナショナル(The Rizqun International Hotel)と併設された「ザ・モール」(The Mall)は、ブルネイ屈指の大きなショッピングモールです。ホテルと直結している為、便利にショッピングや食事を楽しむことができます。
薬局や服屋などローカル向けのお店がずらっと並んでいる他、Cartierなどの海外ブランド、台湾発祥のGong cha、謎の日本食チェーン店など、様々な店舗が入っており、地元の人々や観光客で賑わっています。

“中東のゴディバ”、レバノン発祥の高級チョコレート「Patchi」
映画館やカフェ、レストランの他、子供向けのアクティビティやイベントも定期的に開催されており、家族連れにもおすすめです。また、ブルネイは基本的に「コンビニ」が無いので、ザ・モールの地下のスーパーマーケットは旅行者にとって非常に有難い存在。夜も22:00迄営業している為、ちょっとしたお土産や必需品を買うにもとても便利。基本的に年中無休ですが、金曜日の12:00~14:00だけは、イスラム教の礼拝の為クローズします。尚、ザ・モールに限らず、金曜日の礼拝の時間帯はブルネイ中のレストランやお店が営業を一旦停止となる為ご注意下さい。
施設名 | ザ・モール(The Mall) |
エリア | ガドン地区 |
住所 | WW48+6MP, Bandar Seri Begawan, ブルネイ |
営業時間 | 10:00~22:00 |
公式サイト | https://jp.bruneitourism.com/event-location/the-mall-gadong/ |
ザ・エンパイア・ブルネイ

豪華絢爛なロビー。スタッフも皆様上品な佇まい。
ザ・エンパイア・ブルネイは、ブルネイ・ダルサラーム国の北岸に位置する南シナ海を見渡す最高級ホテルです。広大な熱帯雨林に囲まれたこのホテルは、豪華な宿泊施設と充実したサービスで知られています。522室のお部屋とスイート、閑静なプライベート・ヴィラがあり、実に広々とした快適で豪華な空間を提供しています。現在、世界で「7つ星」と言われているホテルは、この「エンパイア・ホテル」と、ドバイの「ブルジュ・アル・アラブ」のふたつだけです。

荘厳で煌びやかな柱がとても絵になる
ホテル内には、ビーチ、プール、ラグーン、ジャック・ニクラス設計の18ホーのルゴルフコースなど、様々なアクティビティが揃っています。また、地元料理や各国料理を楽しめるレストラン、映画館、スパなど、時間を忘れてリゾートを楽しめる施設も完備。1泊なんて勿体ない!せめて2泊以上は滞在して、エンパイアでしか味わえない贅沢な時間を体験して頂きたい。人気の「アフタヌーンティー」は、現在は土日と祝日しかオープンしていないので、「絶対にエンパイアでアフタヌーンティーがしたい!!」強い希望をお持ちの方はご注意を。尚、ホテル周辺で歩いて行けるような飲食店はありませんので、タクシーで街へ繰り出すか、敷地内のレストランでの食事をお楽しみください。
施設名 | The Empire Brunei |
エリア | ジュルドン地区 |
住所 | Kg Jerudong, Muara – Tutong Hwy, Brunei BG3122 ブルネイ |
TEL | +673 241 8888 |
公式サイト | https://theempirebrunei.com/ |
ブルネイのおすすめツアー



1泊★ウル・テンブロン国立公園で癒される旅
ウル・テンブロン国立公園

スリル満点!キャノピー・ツアー
ウル・テンブロン国立公園は、ブルネイのテンブロン地区に位置する自然豊かな国立公園です。この公園は、ブルネイで最も未開発な地域の一つであり、濃密な熱帯雨林や曲がりくねった川が広がっています。公園内には多様な生物が生息しており、自然愛好家や冒険心を持つ人々にとっての楽園と言えるでしょう。バンダルスリブガワン地区からはブルネイ湾を挟んでかなり行きにくい飛び地でしたが、全長26.3kmの「スルタン・ハジ・オマル・アリ・サイフディエン橋」(SHOAS)が2020年に開通となった為、今では市内から1時間半程で訪れることが出来ます。

天然ドクター・フィッシュの滝
ウル・テンブロン国立公園では、トレッキングやラフティング、ロングボートツアーなどのアクティビティが楽しめます。特に有名なのは、地上43メートルの高さから熱帯雨林を見渡せるキャノピーウォークで、360度のパノラマビューを楽しむことができます。キャノピーまでたどり着くには熱帯雨林の中を云百段の階段を登って行かねばならない為、滝のような汗をかきます。飲み水は多めに持参、そして汚れても良い服装と靴で挑みましょう。キャノピーツアーの後は、滝つぼで天然のドクターフィッシュが足をついばんでくれます。ウル・テンブロンはブルネイの大自然の恵みを感じながら、心も体もリフレッシュ出来る特別な場所なのです。
施設名 | ウル・テンブロン国立公園 |
エリア | バトゥアポイ森林保護区内 |
公式サイト | https://jp.bruneitourism.com/bruneiplaces/ulu-temburong-national-park/ |
フレーミー・レインフォレスト・ロッジ

お昼のチキンの煮込み。シンプルながら美味!
フレーミー・レインフォレスト・ロッジ(Freme Rainforest Lodge)は、ブルネイのテンブロン地区に位置するエコロッジです。このロッジは、ウル・テンブロン国立公園の入り口にあり、壮大な熱帯雨林の中で自然の美しさを存分に楽しみながら、リラックスした滞在を提供しています。
環境に配慮した設計がされており、エコフレンドリーな施設が整っています。宿泊棟は冷房完備で快適な滞在が可能、シャワー・トイレは共同となります。ロッジの目の前のテンブロン川を眺めながらの朝食は特別な時間となることでしょう。

ボートでテンブロン川上流へ。熱帯雨林のトレッキングへ出発!
ロッジでは、川を渡るジップラインやボルダリングなど、さまざまなアクティビティが楽しめます。動きやすい服装で、汚れても良い(これが重要!)履きなれたスニーカーと着替えの持参がマストです。ロッジ内のレストランでは、地元の新鮮な食材を使った料理が提供されており、美味しい食事を楽しむことができます。竹筒の中で炊く、バンブーライスのデモンストレーションを見ることも出来ます。
全体的にロッジの設備はシンプルですが、フレンドリーなスタッフ達の笑顔に心癒されること間違いなし。ブルネイの熱帯雨林の大自然と触れ合いながらリフレッシュするのに最適な場所です。
施設名 | Freme Rainforest Lodge |
エリア | ウル・テンブロン地区 |
住所 | No.35, Simpang 1783 Jalan Batang Duri, Bangar PD1951 ブルネイ |
TEL | +673 223 4280 |
アクセス | バンダルスリブガワン地区から車で約1.5時間 |
公式サイト | https://freme.com/freme-rainforest-lodge/ |

近場の海外に行き尽くした方におすすめ!

ボルネオ島の原住民族、イバン族の女の子達
ブルネイは熱帯気候で一年中気温が高く雨季と乾季がありますが、どちらの時期でも旅行者が楽しめる国です。乾季は2~8月で、特に気候が安定している2~4月がベストシーズンと言われています。いずれの季節でもスコールと呼ばれるにわか雨が降りますが、雨季でも一日中雨が降り続くことはありません。
時期的に気を付けるべきはイスラム教の断食月である「ラマダン」で、この1か月間は日の出から日没までの間、飲食(水も含む)が禁止され、レストランもテイクアウトのみか、一部の非イスラムのお店でしかイートインが出来ません。また、博物館や観光施設もクローズが早まったり、新旧モスクも中には入れない等様々な制約がある為、基本的には観光客はラマダン時期は避けた方が無難です。

夜のイスタナ・ヌルル・イマン(王宮)
ブルネイ人のほとんどが敬虔なムスリム。イスラム教は国教と憲法に定めており、私たちが想像する以上に国民の生活にはイスラムの影響が深く根ざしています。酒類やドラッグの取り締まりは厳しく、酒類はホテル、レストランでも提供しないため、ブルネイでどうしても飲みたい!と言う方は、日本から持ち込みしてホテルのお部屋でお楽しみください(持ち込みの際は必ず税関の専用アプリで申請を)
派手な観光スポットは無いけれど、都会と自然がコンパクトに一体化していて、イスラム文化が深く根付いているからこその秩序や平和な雰囲気は旅行者にとっても心地良いもの。日本からの直行便で僅か5時間、最短2泊4日での旅行も出来るお手軽さ。是非次回の海外旅行はブルネイへ!
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