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王家の谷、ツタンカーメンの墳墓の中で
ルクソールというと、エジプトに行く人の多くが訪れる場所ですね。王家の谷やカルナック神殿など有名どころの観光地はもとより、意外に知られていないファラオの墳墓群の話や、歴史上のファラオのエピソード、そしてルクソールから日帰りできる超お薦めの遺跡まで、今回は世界204カ国を訪問し、エジプトにも何度も訪れた井原三津子が、ルクソール観光 ベスト10として最新情報をご紹介いたしましょう。
カルナック神殿の列柱群に魅せられる

ルクソール観光のハイライト、カルナック神殿の列柱群
ルクソールを代表すると言っても過言ではない存在がこのカルナック神殿です。王家の谷など墓場のあるナイル川西岸「死者の都」に対して、ナイル川東岸にある人々の生活の場であった「生けるものの都」にあるのがカルナック神殿やルクソール神殿です。
カルナック神殿の中を歩いてみると、まず圧倒されるのが有名な大列柱室の存在です。巨大な石の柱が林みたいに134本ずらっと並んでいるのです。
柱の太さは人が手をつないで取り囲むと、15人くらいが必要になる柱もあるらしいというから驚きです。

天井があったかつての神殿の姿を見てみたい
1本1本に刻まれたレリーフが、当時の神々や王の物語を表現しています。ところどころにカラフルな色も残っている壁画があってびっくり。見上げているだけで、列柱のスケールの大きさ、神話と建築の融合した神秘的な世界に感動して口がぽかんと開いている自分に気が付きました。
今から4000年前に建設が始まったという古い遺跡で、その後1500年にもわたって実際に使い続けていたという歴史。その壮大な時間の流れに言葉を失ったのです。

古代神の世界への誘い ルクソール神殿

ラムセス2世座像がルクソール神殿を守る
ルクソールの中心的存在の古代神殿のもう一つがルクソール神殿です。カルナック神殿とは約3kmのスフィンクス参道で繋がっています。
ここの素晴らしさは正面の第一塔門に立ち並ぶ像。ラムセス2世の一対の座像と4体の立像。中に入っていくと、ラムセス2世の中庭や列柱廊へと続きます。
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ルクソール神殿の第1中庭には迫力のファラオたちがお出迎え
この神殿が実際の祭りや政治の舞台だったというのがリアルに感じられるはず。また古代の神々に近づいていくような設計の巧みさにも脱帽です。
ライトアップされたルクソール神殿は昼間とは雰囲気が変わって
昼の「遺跡」から、夜は物語の中の神殿みたいな神秘的なムードが味わえました。
王家の谷でファラオの墳墓巡り まずはツタンカーメンのミイラと対面

とても細長く感じるツタンカーメンのミイラ
ナイル川の西岸、死者の世界とされた王家の谷。歴代のファラオたちが自分のための墓を岩山の奥深くに掘らせたのです。外から見るとただの土色の谷ですが、一歩中に入ると壁一面にびっしり描かれた極彩色の壁画が張り巡らされびっくりします。
そこには「死後の世界をどう生きるか」が細かく描かれていて、まるで来世へのガイドブックみたいになっています。

ツタンカーメンの石棺。まわりを美しい壁画が取り囲む
前々から見てみたかったツタンカーメンのミイラ。いよいよミイラに会うために墳墓に入ってみました。深さ12mにある墳墓です。それほど深い場所にあるわけではなかったので、水汲みの少年に発見されたのでしょう。そうした発見のエピソードにもロマンがあるのです。
一番奥の部屋にツタンカーメンのミイラが安置されていました。小さくて細いミイラです。ガラス張りの棺の中で布に巻かれて顔と足だけ出しています。
自分の財宝は現在はカイロのGEM(大エジプト博物館)の秘宝室にあるので、ここではなにもなくて一文無しのようなツタンカーメン・・・・でもこの墳墓の入場料は結構高いから、死んでからたくさんのお金を稼いでいることになります。さすがはエジプトきってのファラオです!
入場料高めだけど美しすぎるセティ1世の墳墓とラムセス5・6世の墳墓必見
ラムセス5世・6世の墳墓は壁画の他に天井画が宇宙的な美しさ
エジプトで有名なファラオの筆頭のラムセス2世。そのお父さんがセティ1世です。(紀元前1290-1279)この墳墓はまちがいなくルクソール王家の谷で一番美しい墳墓です。壁画や天井画の美しさが断トツでカラフルで、オリジナルの絵が鮮明に残っています。
長い地下通路でなんと200mの深さまで降りていくのです。その道中、壁画がずっと続いています。入場料は一番高くて、額を聞いたらちょっとビビりますよ。当日うまく開いていたから上手く入ることができました。
こうした墳墓はいつ何時突然の修復などでクローズされるかわからないので、見られるときに見ておくのが得策かと思います。

セティ1世の壁画はどれもこれも魅了される美しさ
もう一つのお薦めはラムセス5世と6世の墳墓。これは両方一緒で地下通路も100mの深さです。
ここの素晴らしさは天井の美しさにあります。青を基調にして星空のような天井に、天空の女神ヌトが描かれて、壁画にも死後の世界のガイド的なストーリーがふんだんに描かれています。
ラムセス5世の墓をあとから息子のラムセス6世が拡張してリノベ。装飾も美しく追加したとか。そうしたエピソードも印象に残りました。
ハトシェプスト女王葬祭殿のハトちゃんは男装して王になった!

険しい岩山を背景に迫力あるハトシェプスト女王葬祭殿
いくら迫力があるとはいえ、遺跡はただ見学しているだけでは面白みに欠けます。やはりそこに秘められたストーリーを知らなければ・・・・
王家の谷の近くの切り立った岩山のふもとに広がる壮大なハトシェプスト女王葬祭殿。
段々になったテラスが奥に伸びていく独特のデザインが印象的。この整った直線と背後の荒々しい岩山のコントラストが印象的です。

ルクソールで見逃せない遺跡のひとつがハトシェプスト女王葬祭殿
この神殿を作ったハトちゃん(ハトシェプスト)は当時としては数少なかった女性ファラオ。自分の正統性や権威をしっかり示すためにこの壮大な建築を残したそうです。
ハトちゃんは夫であったトトメス2世の死後、義理の息子トトメス3世の摂政となりました。そのトトメス3世を追放して自分が王になったのです。女性は王になれなかった時代なので付け髭まで付けて男装したハトちゃん。カイロの考古学博物館にその彫像が展示されていました。
後に凱旋して復讐を遂げたトトメス3世は、「エジプトのナポレオン」と呼ばれているそうです。
対して、破滅の道に追いやられたハトシェプスト女王のことを、私は愛着を持って「ハトちゃん」と呼んでいます。そういえばルクソールのガイドさんも「ハトちゃん」と呼んでました。
トトメス3世による陰謀で、歴史から消え去りそうになったハトちゃんですが、ちゃんと歴史に残り脚光を浴びているのはよかったよかった。
ちなみに現在はハトちゃんのミイラはカイロのエジプト文明博物館のミイラ室にあるので、この前会いに行きました。
神殿は消えてメムノンの巨像だけがぽつんと残った

メムノンの巨像は守るべき存在を失ってしまった・・・
新王国時代に栄えた王、アメンホテップ3世の葬祭殿の入口に立っていた守り神の一対の巨大な座像。巨像の背後にはかつては葬祭殿が建っていたそうです。後に破壊され、後の王が石材として使ってしまったそうです。

顔が削り取られて迫力に欠ける容貌が残念
18mの高さの巨像だけが今でもポツンと残され、何もない場所に突然現れたような不思議な存在になっています。
巨像自体が迫力ある大きさですが、顔も削られているのは残念です。顔がはっきりしていたらもっとリアルに迫力があったでしょう。
何千年もそこに立ち続けているという事実が、時間の重みを感じさせました。
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馬車でルクソールの町を散歩 値段交渉の敗者となった私

馬車でルクソールの町を走ります
昔は値段交渉は得意で、粘り勝ちというケースが多かった気がします。今はもう面倒くさくなってだめかもしれません。ここエジプトでも、押しの強いオジに何度も負けてしまいました。
たとえばバザールを散歩してから泊まっていたホテルシュタイゲンベルガーに戻るのに馬車に乗ろうということになって、値段交渉開始。30分位の道のり、途中ウィンターパレスに寄ってもらう話で、馬車は一人200ポンド(約700円)という。馬主はウィンターパレスに立ち寄るのもいいよ。何分でも待つから問題ないよ。同料金でいい。確かにそう言っていた。
馬車は優雅にルクソールの町をパカパカ、風を切って走り抜けます。これは楽しい!

ボートタクシーでナイル川を走るのも楽しい
いざ降りるときです。実際立ち寄りで10分ほど待ってもらったら、降りるときにその分払えという。
ここで話が違うとバトルをしてもいいけれど、そのエネルギーを考えたら、面倒になってもはやあきらめムードの私。
きっとそう言われるだろうと予想もしていたので、200ポンド×2名+上乗せチップ100ポンド=500ポンド支払ったら、相手は納得の笑みで終了。“Have a nice day!”と見送ってくれたほどです。これは相場よりだいぶ多めに払った感じです、その前に乗ったボートでも負けた私は、またもや敗者に。
お金に細かい方は最後までバトルして勝者になってください。でも生活かかってる相手はしつこくて、なかなか難しいし、バトルで怒っている相手と別れるのは気持ちがいいものではないですよ。私は少々のことなら笑顔をお金で買うと思うようにしています。
ツタンカーメンの墓を発見した少年の家を訪問
ツタンカーメンの王墓を発見した少年の写真を見せてくれるお孫さん
1922年11月4日のこと。水汲みをしていた少年が、水をこぼしたことから、ツタンカーメンの墳墓を発見したのです。少年は細かったので、狭い隙間から中に入って行けたのだそうです。現れたのがツタンカーメンの墓へと続く階段!!ほぼ手つかずの王墓と黄金の財宝が眠っていて、考古学史上最大級の発見につながったのだと言われています。
今はカフェを営む少年の家。壁には展示パネルが飾られている
その少年のお孫さんが経営している家はカフェになっていて、ツタンカーメンの墓の発見エピソードの展示品が並んでいました。フセインさんというお孫さんが出迎えてくれました。孫と言ってももうおじさんです。色々な写真のパネルの展示について説明してくれました。そして当時の少年の写真と一緒に記念写真を撮らせてもらいました。
私の一番のお気に入りの神殿はデンデラ
私が長年あこがれ続けてきたデンデラ遺跡に再訪が叶った
デンデラの遺跡は、私が初めてエジプトを訪れた時に大感動した場所でした。その後エジプトというと一番にデンデラと口をついて出るほど好きな遺跡であり続けました。それが今回久しぶりに再訪が叶ったのです。
クレオパトラ7世のレリーフが唯一現存するとされる神殿で、彼女が生きたプトレマイオス朝時代の芸術様式が見られるのがデンデラのハトホル神殿です。クレオパトラ7世の姿を伝える貴重な遺物です。
左のレリーフがクレオパトラとシーザー、そして子供の姿も
ハトホル神殿は古代エジプトの神殿の中でもっとも保存状態が良いとされています。外壁は茶色一色ながら、内部には鮮やかな色彩の部分があちこちに残っています。列柱室の柱の上部には愛の女神ハトホル神の顔と、まるで布地のドレープのような曲線が美しい女神の髪が見事な彫刻で表されています。神殿南側の外壁には、クレオパトラ7世と息子カエサリオン(プトレマイオス15世)がくっきりと美しいレリーフとなって描かれています。
とにかく見るものすべて、色褪せない魅力が健在。やっぱりデンデラだと再認識しました。
ルクソールから日帰りで足を延ばしたい、これもイチ押しのアビドス遺跡
外気にさらされてきたのに、これほどカラフルなレリーフが残っているのはすごい!!
ルクソールから車で約2時間半。デンデラ遺跡との組み合わせで訪れることが多いアビドス遺跡。ルクソールの観光地と比べ、ここまで来る観光客は少なくてガランとしています。遺跡の見学時に人が少ないのは神秘的で何より素晴らしいポイント。オーバーツーリズムもここでは無縁のよう。
アビドスにいた遺跡の番人と
ここはオシリス神の頭を祀る神聖な神殿であり巡礼の地。新王国時代紀元前1290年から30年ほどに、王であったセティ1世と息子のラムセス2世が父子で作り上げた神殿です。ラグジュアリーなレリーフが残され、まるで生きているかのようなファラオの姿も。7つの神々を祀った7つの至聖所があることも特徴的。青空の下、屋外の外壁に並ぶカラフルなレリーフの美しさには言葉を失います。
セティ1世と言えば王家の谷の墳墓でも最高の装飾を見ることができました。やっぱりセンスのいいファラオだったんだなあ!!

まとめ
デンデラに来ていたエジプトの子供たち
ルクソールの見どころベスト10、いかがだったでしょうか?壮大な神殿やファラオのパワーを感じる墳墓群・・・何もかも迫力満点。なんといっても4000年もの昔の遺跡がこれほど美しく残されていることに感動を覚えます。
エジプトを訪れるならぜひルクソールでゆっくり時間を作って、こうしたスポットを見学してほしいものです。
アビドスのローカルレストランでランチ
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