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ラニ・キ・ヴァヴで少しずつ下へ下へと降りていくと、どんどん風景が変わる
階段井戸をなめていた・・・・・・井戸なんてどうってことないだろう。階段が付いてるだけでしょう。
いえいえ、とんでもなかったのです。インドにある階段井戸のすごさは、自分の目で見て確かめないとわかりません。ただの階段でもなければ、ただ井戸でもない!
今回ご紹介するインド3大階段井戸は、まさに神殿か大寺院か、荘厳な建築物に他ならなかったのです。これを見始めたら、きっと病みつきになってしまうはず。…私もそうでしたから。
階段井戸は単なる井戸とは大ちがい!!

ラニ・キ・ヴァヴの壁面は、これが単なる井戸ではないことを証明している
水を汲むためにかつてインドの人々はたくさんの階段井戸を造りました。地面を掘り下げ深さが30mもの深くて大きい井戸のスケールには驚かされます。単なる井戸と呼ぶには美しすぎるものばかりなのです。
ヒンドゥーの神々のレリーフが彫られた柱が林立し、壁面も埋め尽くす彫刻の数々。その姿は巨大な寺院か神殿のよう。
インドの平野部を中心に、乾燥して水の少ないラジャスタンやグジャラート州に特に多く、インド全土で12,000もの大小さまざまな階段井戸(英語ではSTEP WELL)があるそうです。

アダ・ラジの階段井戸。近くで見るほどにその精緻な素晴らしさが見えてくる
かつての「海のシルクロード」の交易の場として、20㎞から30㎞にひとつの階段井戸が作られて、キャラバンサライのように隊商宿として使われたり、王族の避暑地として行楽の場となっていたそうです。
たくさんの階段井戸の中から厳選した3大階段井戸をご紹介いたしましょう。どれもが一目見るなりため息が出るほど感動的なものばかりです。
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ラニ・キ・ヴァヴは世界遺産になっている唯一の階段井戸

上から見下ろしたら、次はどんどん下へ降りていきます!
階段井戸と言われてどんな井戸を想像するでしょうか?大小さまざまな階段井戸があるインドですが、ここラニ・キ・ヴァヴは井戸というよりまさに壮大な神殿なのです!インドの100ルピー札にも描かれ、世界遺産にも指定されています。階段井戸で世界遺産に選ばれたのはここだけです。
深さ27m、奥行き64m、幅20m、11世紀に造られたグジャラート州で最古かつ最大の階段井戸です。こここそ、まさにインドのベスト階段井戸にほかなりません。

壁面を埋め尽くすレリーフにも魅了される
アーメダバード郊外、かつてシルクロードの中継地として栄えたパタンにあって、喧騒の町にあるのではなく緑豊かな公園のようなのどかな場所に、いきなり奥深い7層の階段井戸が全貌を見せます。
最初に見た瞬間は驚きと感動の嵐!鳥肌が立つ光景とはこのことでした。上から見下ろした後は階段を順番に降りていき、一番下まで降りて見上げる素晴らしい眺めもお薦め。
周りの壁面を覆い尽くす800以上のヒンドゥーの神々の精緻な彫刻も必見です。
観光していると、インド各地から来た観光客が、私たち日本人が珍しいのか、一緒に写真を撮りたいと、どんどん人々が集まって来て、まるでスターになった気分です。インドの田舎ではこういうことが多いから、またそれも楽しい思い出となるはずです。
施設名 | ラニ・キ・ヴァヴ/Rani Ki Vav |
住所 | Mohan Nagar Socity, Patan, Samalpati, Gujarat 384265 |
TEL | +91 1800 203 1111 |
公式サイト | https://www.gujarattourism.com/north-zone/patan/rani-ki-vav.html |
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アーメダバードのアダ・ラジの階段井戸も必見 王妃の悲しいストーリーも

アダ・ラジの階段井戸の途中まで降りてきた
インド3大階段井戸の第2位はここ。アダ・ラジの階段井戸です。アーメダバードにあります。
16世紀に造られた階段井戸。かつて海のシルクロードの交易のキャラバンサライのような憩いの場でした。グジャラート州でも最大級で指折りの完成度を誇る階段井戸で、長さ70m、幅25m、深さ24mあって、底には湧水が溜まっています。水面まで石段で降りていきます。

アダ・ラジの階段井戸には一番底には湧水が溜まっています
ヒンズー教の王が途中まで造り上げていた時に、イスラムの王が侵略して王を殺し、美しい王妃を見初めたのです。
イスラムの王に嫁ぐために王妃の出した条件がありました。それは「井戸を完成させて村人を助けてほしい」というもの。その条件を呑んだイスラムの王は井戸は完成されました。だから井戸はヒンドゥー様式とイスラム様式が融合しているのです。
井戸の完成後、王妃は井戸に身を投げて自殺したという悲しいストーリーがあります。
施設名 | アダ・ラジ/ADALAJ VAV |
住所 | Adalaj Rd, Adalaj, Gujarat 382421 |
第3位の階段井戸はジャイプール近郊のチャンドバオリ

幾何学模様の美しさでは断トツに1位のチャンドバオリ
最近人気沸騰中のチャンドバオリという不思議な幾何学模様の階段井戸。井戸とは思えない芸術的な幾何学模様は圧巻で、形状の美しさは断トツです。それがジャイプール近郊に位置しています。
当時貴重な資源だった水をできるだけ多く集められるように設計されており、深さは約30mにも及びます。

階段部分がすべて幾何学模様となっている不思議なデザイン
地下の温度は地上より5℃~6℃低いと言われています。階段3,500段の幾何学的な模様は美しく、圧巻です。井戸の中には宮殿のような建物があり、ここでは王様が避暑のために涼んでいたそうです。また、井戸を囲うように昔建っていた寺院のガネーシャ神やシヴァ神の像等の一部が展示されています。
上から見下ろし一望するとそのジグザグ模様を描く階段の幾何学模様の不思議さにクラクラ・・・・これをデザインして造り上げたインド人建築家には脱帽です。
唯一、最初の2つの階段井戸と異なり、ここでは下まで降りていけないのだけは残念です。昔転落した人がいたためだとか。。。それでもこの階段井戸の美しさは見に行く価値があるものです。
施設名 | チャンドバオリ/Chand Baori |
住所 | Chand Baori, Abhaneri, Rajasthan 303326 |
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まとめ

ラニ・キ・ヴァヴに観光に来ていた人々と記念撮影
3大階段井戸いかがでしたでしょうか?あなたはどれを見に行きたくなりましたか?
私はすっかりインドの階段井戸にはまってしまい、ファンになりました。階段井戸巡りをもっとしてみたくなりました。次はどこへ行こうか、計画中です。

絵になる風景がいっぱいの階段井戸