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スルタンカブースモスクの豪華なシャンデリア
乳香交易で栄えた歴史を持つ海辺の町サラーラ。のどかな自然にあふれた、のんびりした印象の町です。オマーン南部、アラビア海に面し北部のマスカットからは1,000㎞以上離れているので移動は国内線のフライト利用となります。
当時、黄金と並ぶほど貴重とされた乳香(フランキンセンス)の交易で栄えた太古の歴史を誇り、伝統文化に育まれた土地なのです。今なお乳香の木々が生える渓谷を散歩したり、町中のスーク(市場)を歩けばアラビアンナイトの世界に紛れ込んだような気分。また郊外には世界最大級の砂漠ルブアルハリがあって砂漠サファリも楽しめます。予想以上に見所の多かったサラーラについてご紹介いたしましょう。
サラーラの乳香のこと その1 世界遺産・乳香(フランキンセンス)の道

乳香の木がたくさん自生しています
サラーラを訪れる前に、私が一番気になっていたのが乳香(フランキンセンス)の存在でした。その名前からしてなんだかエキゾチック。アラビアンナイトを思わせる、かぐわしい乳香とは一体どんなものなのか?しかも太古の昔、乳香は黄金に匹敵するほど貴重なものだったと聞きます。
今回は乳香の木々が立ち並ぶ渓谷があるというアラビア半島南部・オマーンのサラーラへ。カタール航空でなんとドーハからサラーラへの直行便があったのです。便利!

削られた木の幹からは真っ白の樹液が流れ出します。それが乳香
サラーラはイエメンの国境にも近い、オマーンでも辺境と呼べる場所に位置しています。その町の近郊、渓谷や広い砂地に点在する乳香(フランキンセンス)の木々。
幹を削るとドロッとした粘り気のある樹液が真っ白でミルクのようだから乳香と呼ばれるそうです。でも匂いは森林のようなさわやかな香り。
これが固まると半透明な石の結晶となって、お香として使われたりクリームやオイル、石鹸に混ぜたりして乳香の商品が作られるのです。4種類のグレードがあって、一番高級なものは医薬品と香水に使用されるそうです。

その2 乳香の木が自生する渓谷にはラクダも集まる!

道路を渡って乳香の木のもとに集まってくるラクダたち
紀元前1,000年の太古の昔から黄金と並ぶほど貴重な交易の品として商いされてきました。オマーンの旅、とりわけサラーラを旅すれば、スークで乳香を焚く得も言われぬいい香りに酔いしれて、いつの間にか昔の皇帝や女王のように乳香の虜になっていくのです。

スークで売られている乳香の固まりと乳香入り石鹸
乳香の木々が自生する渓谷を散策しました。木のところに野生のラクダがたくさん集まっています。ガイドさん曰く、ラクダがフランキンセンスの最大の敵だそうです。ラクダは乳香が大好きですぐに食べちゃうのだそう。まあいっぱい自生しているから大丈夫なのか、防御法などは考えていないようでした。
世界最大級の砂漠 ルブアルハリ砂漠で砂漠サファリ

広大な砂漠でダイナミックなサファリ体験も
オマーンの南部、サウジアラビアとの国境に位置するルブアルハリ砂漠。予想外でしたが、この砂漠はなんと砂の砂漠としては世界最大級だそうです。てっきりサハラ砂漠が最大かと思い込んでいました。英語名はEMPTY QUARTER 空虚な地区。
この砂漠でも砂丘を4WDで駆け抜ける砂漠サファリが楽しめるとあって、サラーラのホテルから午前中のツアーで出発しました。私が訪れたのは2月とはいえ、午後の砂漠はかなり暑くなるとのことで、午前中がお薦めだそう。

砂丘のど真ん中で車を降りて散歩を楽しむ
アブダビやサウジアラビアの砂漠に比べ、それほどハードなデューンバッシングはせず、ゆっくりめに砂丘を登ったり滑り落ちたり。高度差はそこそこあるので楽しめます。
他の車が少ないのが最大のポイント。砂漠サファリで車が渋滞するのはいただけませんが、ここではそんなことは皆無です。砂漠の山頂に着くと、そこで車を降りて撮影の時間です。サンセットタイムとは異なり、赤く染まる砂丘というわけではなく、色はやや白っぽくて陰影も付かない分フォトジェニックではないものの、これはこれでやっぱり絶景。逆に抜けるような青空に薄茶色の滑らかなデューンは映えるのです。
40kmも続く美しいビーチ マグセイルとマルニーフケーブ

美しいビーチが続くのもオマーンの特徴
サラーラの近郊にある見どころの一つが、驚くほど長い海岸線を持つマグセイルビーチです。イエメン国境までほんの120kmに位置し、40kmもの海岸には波が打ち寄せています。その中でも2つの山に挟まれるような形の隠れた絶景ビーチであるHIDDEN BEACHもあります。美しいビーチを見つけてスノーケリングを楽しんだり、ゆったりした時間を過ごすのがお薦めです。

マグセイルビーチとマハニーケーブ
マルニーフケーブは実際は洞窟ではなく、大きな岩が浸食により洞窟のような形になっているのです。ビーチからの遊歩道を歩き、階段を登った所にあるこの岩の真下には、ベンチが置かれています。
ここから海を見下ろしてのんびりくつろぐのも一興。ビーチには潮吹き穴が3つあって、波が荒いシーズンは潮が高く吹き上がって迫力満点です。
オマーンのおすすめツアー



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サムフラム遺跡とアヤンラザット

サムフラム遺跡の乳香積出港の跡
乳香の交易で栄えた町の遺跡がサムフラム遺跡です。紀元前の古い古い町の遺跡が石組として残されていますが、見た目の印象はどこかイタリアのポンペイの遺跡を思い出しました。
それほどちゃんとした形が残されているわけではないものの、イラストの説明を見れば昔ここに乳香が保存されていて、この前の港からダウ船で積みだしたとわかり、ちょっと実感も沸いてきます。太古の昔に思いを馳せてみることもできました。

澄み切った水が美しいアヤンラザット
なだらかな丘陵と緑の木々に囲まれたワディの泉がアヤンラザット。澄んだ水が流れる自然の美しい場所で、地元の人々がハイキングにやって来たりする癒しのスポットとなっています。少し山に登ってみると洞穴があったり、変化に富んだ地形が楽しめます。
サラーラの絢爛豪華なスルタンカブースモスク

壮大なスケールのモスク
オマーンのスルタン(王様)である故カブース氏のお母さんがサラーラ出身だったとか。なのでスルタンもサラーラ出身でここで生まれたそうです。
このモスクは大きくてとても美しいのに驚かされます。男性は2,000人、女性は400人もが一度に入場できるとか。

モスクの扉もムード満点
美しく織られたペルシャ絨毯。クリスタルの煌びやかなシャンデリアはスワロフスキー。ムラノ島のベネチアングラスも使用されています。とにかくすべてが超一流で素晴らしいの一言に尽きます。
地元の女性が真っ黒のアバヤを羽織っていますが、観光客も女性はスカーフが必須です。絨毯の上は歩けないので、青い布が敷かれていて、その上を歩くことになります。夢のようなひと時を満喫できたのです。
施設名 | スルタンカブースグランドモスク |
住所 | Sultan Qaboos St, Muscat,Oman |
TEL | +968 24 505170 |
公式サイト | https://sultanqaboosgrandmosque.com/ |
サラーラではハファスークへGO!

サラーラへ行くなら絶対行きたいハファスーク
オマーンではサラーラだけでなく、マスカットのスークでも乳香(フランキンセンス)はよく売られています。でもやはり乳香の本場はここサラーラです。
まずはハファスークへ向かいます。私も念願だった乳香入りの石鹸を色々このスークで買いました。あとはエッセンシャルオイルや乳香入りクリームなども。
スークには雑貨やアクセサリー、布地やドレスなどたくさんのものが売られています。私は現地で着るためのオマニドレスを買って向こうでいろんなのを日替わりで着替えていました。写真映えして良かったです。

オマニドレスもリーズナブルなものがいっぱい
石鹸は真っ白のものが乳香たっぷりの高級品だそうです。日本人からしたらなんだか牛乳石鹸みたいであまり高級感がないのですが、さすがにこの石鹸は泡立ちも素晴らしい。日本で買ったら1個3,000円くらいはするオマーン産の乳香石鹸がスークでまとめ買いすると1個2OMR(オマーンリヤル)=約840円ほどで買えました。たくさん買うほど値段交渉が可能です。
他にも乳香とミルラ(没薬)という赤褐色の樹脂の入ったものもあります。この2つと黄金を合わせた3つが、3大交易の宝物として東方三賢人がイエスキリストに献上したそうです。フランキンセンスとミルラ入りの石鹸は黄金を呼ぶ石鹸として縁起がいいそうです。
私は帰国後、その石鹸で毎日洗顔して縁起が良くなるように祈っているところです。
漁村タカの砦にはユニークなラクダのファミリーが!

漁村タカの砦のまえのラクダの像
サラーラの東部のビーチ。タカは漁村でイワシ漁で賑わいを見せています。ビーチにはカモメからフラミンゴまでたくさんの鳥がいて、バードウォッチングも楽しめます。

ヘリテージで民族衣装を着て記念写真!
タカフォートという城塞もあり、その前にあったラクダのファミリーの像はまるで本物のようなので、記念写真を撮るのが面白いところでした。他にも美しいモスクもあってタカは行く価値のある見所なのでした。
ヘリテージと呼ばれる古い館のホテルがありました。伝統的なインテリアを味わえる素敵なホテルでオマーンのドレスを着て写真を撮らせてくれるのもいい記念になります。コーヒーとデーツをふるまってくれました。
サラーラのお薦めホテルがアル・バリード・リゾート・バイ アナンタラ

海に続く風景が絵になるホテル
サラーラのアラビア海に面した規模の大きなリゾートホテルがAL BALEED RESORT SALALAH BY ANANTARAです。タイの高級ホテル アナンタラの系列だけあって、設備もサービスも一流です。レストランもメインダイニングの他に、イタリアンのアラカルトレストラン、タイ料理のメコンレストランなどがあります。

ホテルの朝食ビュッフェではパンも充実
私の滞在したデラックスシービュールームはバルコニーからのプールとプールサイドレストラン、波の立つ海も眺められて絶景!バスルームは海外では珍しく洗い場シャワーとバスタブが一体化して使い勝手のいい設計でした。ミニバーの飲み物はコーラが3リヤル(1,300円)!外で買えば4分の1リヤル(100円)なので結構なホテル価格でした。
サービスは全体に感じよく、レストランのスタッフも多くはフィリピン人やネパール人、インドネシア人などのアジアから来ている人々でした。てきぱきして温かい対応には好感が持てました。
施設名 | アナンタラ・アルバリード・リゾート・サラーラ /Al Baleed Resort Salalah by Anantara |
住所 | PC 214, Al Mansurah Street, Al Baleed, Salalah 360 Oman |
TEL | +968 23 228222 |
公式サイト | https://www.anantara.com/en/al-baleed-salalah |

まとめ

漁村タカにて
オマーンのサラーラの魅力がわかってもらえたでしょうか?
広大な砂漠、美しいビーチ、そしてエキゾチックな乳香(フランキンセンス)をテーマに、サラーラを旅してみてはいかがでしょうか?マスカットだけでは味わえないオマーンの異なる魅力に触れることができるはずです。

サラーラの市内レストランにて
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